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記事 15件
  • ■久瀬太一/8月2日/24時

    2014-08-03 00:00  



     ソルから知らされていた通りだ。
     夜、オレはまた夢の中であのバスに乗った。
     ――確かバスが走るのは、残りは8日、15日、24日。
     意外に少ない。だがこれでずっと、予定が立てやすくなった。
     オレはきぐるみの隣に座る。きぐるみは言った。
    「機嫌がよさそうじゃないか」
    「どうかな」
     ま、悪くはない。
     みさきのメッセージを読めたし、バスの運行予定もわかった。
    「たいした余裕だな。このあと、ドラゴンに食われるってのに」
     ……ああ。
     そういえば、そんな未来もあったな。
     突拍子がなさすぎて、リアルな恐怖に結びつかない。
    「なんなんだよ、ドラゴンって」
    「さあな」
     きぐるみは、窓の外に顔を向ける。
    「たぶん今ごろ、ソルのみんなががんばって攻略中だよ。でもお前が動かないと、みんなも困っちまうんだ」
     同じようなことを、昨日の夜も言われた。
     バスが走り出す。
           ※
     と

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  • ■佐倉みさき/8月2日/20時35分

    2014-08-02 20:35  
    1




     放送が終わってからもしばらく、そのモニターをぼんやりと眺めていた。
     ――あのメッセージは、本物だったのかな?
     久瀬くんからのメッセージ。
     わからない。けど、なんだか疑えなかった。
     私は深呼吸をする。
     がんばろう、と思う。
     その時だった。
     背後で、コツン、と音がした。
     知っている音だ。背筋が震える。
    「よう」
     と声が聞こえる。
     振り返りたくはなかった。でも身体は、反射的に振り返っていた。
     あのサングラスの男――ニールがそこに、立っている。
     彼は首を傾けて、頭を掻きながら、つまらなそうに、
    「予定変更だ。お前にやってもらうことができた」
     そう言った。



    TeamFirpfut / 南雲 @jin_nagumo 2014-08-02 20:44:49
    更新きちゃった、、、、、、みさきさん、、、っ。  
    悠梨 @pear84 2014-08-02 20:38

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  • ■久瀬太一/8月2日/19時50分

    2014-08-02 19:50  



     次のメールをひらいて、それを読んで、泣きそうになる。
     そこにはみさきからの伝言が書かれていた。
     彼女は小さな子供の、つまらない嘘を相手にしている場合じゃないんだ。
     ――こいつにはさ、奇跡の魔法がかかってるんだよ。
     そんなわけないじゃん。
     ――こいつを持ってると、絶対に悲しいことは起こらないんだ。そういう風にできてる。
     だって彼女はいま、とても不条理な状況にいて。ありきたりな日常さえ強引に奪われて。たぶん世の中のなにもかもを恨んでも仕方がないくらい、わけのわからないことで苦しめられていて。
     なのに。
     
     「大丈夫だよ。ずっと前から知ってる」
     
     額を押さえて、涙をこらえる。
     なんだか救われた気がした。
     彼女を慰めたかったのに、こちらが慰められたのだと思った。
     だから、オレは。
     今からでもあの嘘を、本当にしなければいけないんだ。



    少年(ベルくん) @3d

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  • ■佐倉みさき/8月2日/19時45分

    2014-08-02 19:45  




    ふいに、息が詰まる。
     ――☀コレは伝言です、
     と、コメントが流れた。
     ――「あのキーホルダーは、嘘じゃない」
     それを読んで、2秒か、3秒、遅れて、「あ」と言葉が漏れた。
     強がってみても不安だったし、ノイマンが悪い人ではなかったとしてもここから解放されたかった。
     一方で私は、彼に無理をしないでと言いたかった。彼には安全で平穏に生きて欲しかった。
     今すぐ助けに来て。絶対に助けにこないて。
     矛盾する感情で、ずきんと頭が痛んだ。
     ――返事を書こう。
     と私は思う。
     ★あの人に伝えてください。
     そこまで打ち込んで、手が止まる。
     ――彼に、なんていえばいい?
     私はポケットの中のキーホルダーを握りしめる。
     しばらく悩んで、私はようやく、続きを書いた。
     「大丈夫だよ。ずっと前から知ってる」




    空つぶ@3D小説bell参加中 @sora39ra 2014-08-0

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  • ■久瀬太一/8月2日/19時35分

    2014-08-02 19:35  



     オレは電車に揺られながら、ぼんやりと思考していた。
     ――八千代と、手を組むべきか?
     彼を信用するべきではないだろうし、仲間だと思えるはずもない。
     それでも八千代が持っているであろう情報は欲しかった。少なくともあいつは、すでに聖夜協会の内部に入り込んでいる。
     八千代がもしオレを裏切るとして、それはどんな場面だろう。残念ながらオレはただの大学生だ。あいつからみた利用価値がよくわからない。
     決定的な判断材料がないまま、うだうだと悩んでいて、ふと思い出す。
     ――そういや、ドラゴンなんてのもあるんだったな。
     あのわけのわからない未来の風景。
     あんなものまで現実になるというのなら、うだうだ考えても無駄じゃないか。
     オレはため息をつく。
     と、その時。
     ポケットの中のスマートフォンが震えた。



    とうしん @toshin000 2014-08-02 19:31:19
    電波き

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  • ■佐倉みさき/8月2日/19時05分

    2014-08-02 19:05  




     生放送がはじまったようだった。ふいに映像が切り替わる。カメラが低いアングルで、テーブルの上を映している。
    「それではメリー、始めましょう」
     と男性の声がきこえた。
     続いて女性の声。
    「ノイマンがまだのようですが?」
     ノイマンがいない? 遅刻、だろうか?
     彼女は時間に正確な印象があるけれど、思えばそれほどよく知らない。
     ――でも。
     それよりも私は、動画の上を流れていくコメントが気になった。
     なんだかそのコメントは、あの「少年ヒーロー」のときと同じような印象を受けた。
     よくわからない、けれど。
     ――あの時の、彼らだろうか?
     私は彼らに向けたコメントをつけようとしたけれど、やはり躊躇う。
     ――これは、聖夜協会の生放送だ。
     コメントは相手に筒抜けではないのか? ここに(佐倉)と書くのは抵抗があった。
     それから思い出す。彼らには、コメントのつけ方を教わった。
     も

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  • ■聖夜のつどい

    2014-08-02 19:00  


    http://live.nicovideo.jp/watch/lv187414203■ドイル登場煙 @smoke_pop 2014-08-02 19:01:44
    画面内に写っているグラスが8本、手前の女性のものが写っていないとすると今回のメンバーは9人?  
    とうしん @toshin000 2014-08-02 19:01:50
    もやしさんきたー  
     
    空つぶ@3D小説bell参加中 @sora39ra 2014-08-02 19:01:56
    もやしさんがドイルとして紹介されてるw   
     
    光輝 @koukiwf 2014-08-02 19:01:57
    案内人の棒読みwww
     
    空つぶ@3D小説bell参加中 @sora39ra 2014-08-02 19:02:42
    太宰さんって方がいる?    
     
    空つぶ@3D小説bell参加中 @sora39ra 2014-08-02 19

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  • ■佐倉みさき/8月2日/18時57分

    2014-08-02 18:57  
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     ノートPCを色々いじってみたが、ノイマンの言うとおり、手がかりらしいものはなにもみつからなかった。何度か、警察に助けを求めようか迷った。でも結局止めておく。
     誘拐犯を信用するなんて、正気じゃないとわかっていたけれど、ノイマンはやはり最初の誘拐犯やニールとは違うように感じていた。
     そうこうしているあいだに、19時が迫ってきた。
     私はそのとき、あのボーカロイド曲――「少年ヒーロー」を捜していた。でも、タイトルに間違いはないはずだけど、どれだけ検索してもヒットしない。これもノイマンがノートPCになにか細工をしたせいなのだろうか。
     残念だ、と感じた。あの動画をみえたなら、ずいぶん励まされるような気がしていたのだけど。
      仕方なく私は、デスクトップにあった「食事会生放送」と名前のついているアイコンをクリックする。結果が悪いとわかり切っているテストの答案用紙を確認するような心境だ。

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  • ■久瀬太一/8月2日/18時45分

    2014-08-02 18:45  



     八千代が追ってくる様子はなかった。
     オレは大きな池のある公園のベンチに腰を下ろす。殴られた頭はまたくらくらとしていて、これ以上走る気になれなかった。
     時計をみると、もう18時45分だ。
     ――結局、食事会には参加できなかったな。
     あの招待状に書かれていた時刻を過ぎている。
     まあ、いい。あちらはソルに任せていいだろう。彼らに会えなかったことだけが残念だ。
     ぼんやり水面を眺めていると、スマートフォンが震えた。
     ――ソルからのメールか?
     期待したが、違う。
     震えたのはオレのスマートフォンの方だった。
     ポケットから取り出して、モニタを確認する。電話だ。相手の番号は、すでに登録していた。八千代だった。
     しばらく迷ったが、結局、応答のボタンを押す。
    「なんだ?」
     自分でも不機嫌だとわかる口調でそう尋ねると、電話の向こうで、彼は笑った。
    「よかったよ。もう鍵は口から出したみ

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  • ■佐倉みさき/8月2日/18時30分

    2014-08-02 18:30  
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     以前から、この日ノイマンは聖夜協会の食事会に行くと言っていた。
     でもまさか誘拐した人間を、ひとり部屋に置いて出かけるつもりとは思わなかった。
    「もちろん逃げ出そうと思えば、逃げ出せるわよ」
     黒一色のカバンを肩にかけながら、ノイマンは言った。
    「でも貴女はこの部屋を出ない」
    「どうしてわかるんですか?」
    「貴女は意外と理性的だから。これまでにも抜け出すチャンスはいくらでもあったけれど、そうしなかった。たぶんニールのことがもう少しわからない限り、ここに留まっている」
     その通りだ。
     ニール。あの、サングラスの男。
     あいつはなにを考えているのかわからなくて、不気味だ。でもそれだけじゃない。あの瞬間移動みたいに急に現れる現象が気になっていた。
     あり得ない話だけど、もしあいつが本当に瞬間移動しているなら、普通の方法じゃ逃げられない。ここから逃げ出しても、すぐにニールに追いつかれて

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