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記事 26件
  • ■佐倉みさき/8月23日/24時20分

    2014-08-24 00:20  




     彼の血をみた。
     その瞬間。
     なにかもかもがわからなくなった。
     その姿が脳裏に焼きついて、苦しくて、私は目を閉じる。
           ※
     ――またなの?
     と、声がきこえた気がした。
     ――また、繰り返すの?
     少女の声だ。
     ――やっぱり、貴女が悪魔だ。
     その声が奇妙に深く、胸に刺さる。
     私が悪魔だ、と思った。
     いなくなっちゃえ、と少女が言った。
    ――To be continued



    capo @caporello 2014-08-24 00:20:15
    うおううおう、怒濤の更新だわ  
    まにょ@ソル大阪 @mannnory 2014-08-24 00:20:45
    とべこんんんんんんんんんんんん  
    OMG @omg_red 2014-08-24 00:20:46
    どんな終わり方だーw  
    都入り木庭 @kbmkt_ 2014-08-24 00:20:51
    @so

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  • ■八千代雄吾/8月23日/24時15分

    2014-08-24 00:15  


     周囲の空気が弛緩したのを感じた。
     どれだけ落ち込んでいても、肌の感覚みたいなものは覚えていた。
    「すまない」
     と、ドアに向かって、声をかける。
    「化粧室を借りられるかな?」
     しばらくして、ドアが開いた。
    「もうしばらく待て」
    「我慢できない」
     チッ、と男は舌打ちして、オレの背後に回った。
     後ろ手に縛られていた手錠が外された。
    「足のロープも頼む」
    「飛び跳ねていけよ」
    「ひどいな」
     おっと、と呟いて、オレは体勢を崩す。男に倒れかかる。その首に手を回す。
    「おい――」
     オレはそのまま、男の首を絞めた。
     腕の中の男が意識を失う瞬間は、はっきりとわかる。
     身体は問題なく動いた。なにかも過去に経験したことのある、知った動きだった。
     ――でも。
     足をしばられたロープをほどきながら、オレは汗を拭った。
     心臓がどきどきと脈打っている。
     ――もう嫌だ。
     と思った。
     オレ

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  • ■久瀬太一/8月23日/24時10分

    2014-08-24 00:10  



     どきん、と胸が鳴った。
     マンションの前に白い車が停まり、その直後、数人が現れた。
     先頭は知っている。ファーブルだ。
     でも、どうでもいいことだ。
     彼のすぐ後ろに、みさきがいた。
     どくん、と胸がなる。もう何年も、彼女を捜し続けていたような気がした。
     ――飛び出すか?
     だが、みさきの両側には、体格のよい男が2人いる。
     どうする? 迷った。でも、迷う時間なんてなかった。彼らは車に乗り込もうとしている。ナンバープレートは、オレの位置からだとみえない。
     そのとき。
     別の男が、4人に近づく。
     眼鏡の男だ。彼はがなにか言っている。
     あまり雰囲気はよくなかった。怒鳴りつけているような。
     直後、その男が、ナイフをポケットから抜き出したのがみえた。
     ――ふざけるな。バカ野郎。
     考えている暇はなかった。
     ナイフを持った男が、まっすぐにみさきに向かって走る。
     ――ふざけるな

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  • ■佐倉みさき/8月23日/24時05分

    2014-08-24 00:05  




     ここでのリーダーは、ファーブルと呼ばれる恰幅のよい聖夜協会員だ、ということは、なんとなくわかっていた。
     そいつのことは、初めて会った時から、あまり好きではなかった。
     知的にも冷静にもみえたけど、それでもどこか、子供っぽくも感じていた。こちらをみる目は昆虫を観察するようだった。その視線には子供じみた残虐性が乗っていた。
     私はこの数日間、久しぶりにロープでしばられて床に転がっていた。――いや、久しぶりでもないか。ひと月に2度もこんなことがあれば、充分高頻度だ。
     日付けの感覚はあまりない。たぶんここにきて、3日か4日か。
     扱いはニールのマンションにいたころとそれほど変わらない。食事はこちらの方がましで、毎食同じサンドウィッチとパックに入った牛乳が出た。でもニールのマンションよりも快適だということはなかった。とは違い、ここの人たちは、常に私に注意を払っていた。広くはない、でも物

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  • ■久瀬太一/8月23日/24時

    2014-08-24 00:00  




     その路上でオレを降ろし、雪さんは走り去ってしまった。
     オレはもちろん、すぐさま警察に電話を入れた。
     ――誘拐されている女の子の居場所がわかったんです。すぐに来てください。
     もちろん事情を尋ねられたし、オレはそれに、正直に答えることはできなかった。
     たまたま彼女がマンションに連れ込まれるところをみたのだと言った。廃ホテルの時もそれで押し通したから、不自然ではある。でも、無視もできないだろう。
     すぐに伺います、という返答を貰って、通話が切れた。
     それからオレは、じっとそのマンションを見上げていた。
     本音をいうとすぐにでもそこに駆け込みたかった。叫び声を上げながらドアを叩いて回りたかった。
     でも、そんなことをしても、みさきを危険に晒すだけだろう。
     我慢してじっとマンションをみている。
     ――本当に、彼女はここにいるのだろうか?
     と考える。
     残念ながら、彼女の気配を

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  • ■久瀬太一/8月23日/23時50分

    2014-08-23 23:50  




     黒い国産のよくみかける自動車に乗せられた。
     正直なところ、雪さんに車の運転ができるのか少し不安だったけれど、丁寧な運転で夜道を進む。
     オレは彼女に、いくつかの質問をした。
    「雪さんは、制作者の知り合いなんですよね?」
    「うん。そう」
    「制作者というのは、なんなんですか?」
    「名前の通りだよ」
    「でも、制作者には敵がいる」
     そうノイマンが予想していた。
    「誰にだって敵はいるよ」
    「制作者の敵って、誰ですか?」
    「その質問には答えられない」
    「どうして?」
    「純粋ではなくなってしまうから」
    「なにが?」
    「光が。あるいは、それをみる瞳が」
    「いちいち、比喩でしか答えられないことなんですか?」
    「うん」
     オレはため息をつく。
     それから、質問を変えた。「ヒーローバッヂが、悪魔のプレゼントって話をきいた。本当ですか?」 雪は前を向いたまま、首を振る。「それは違う」「ヒーローバッヂ

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  • ■久瀬太一/8月23日/23時20分

    2014-08-23 23:20  




     オレはタクシーを拾って、飛鳥山公園の入り口まで移動した。
     さくら新道と書かれた看板の下の階段を駆けあがり、中心に向かって走る。
     照明の下を走り、影が長く伸びる。人の気配はない。
     いくつかの石碑の前を駆け抜けて、やがて児童エリアに出た。中央には城をモチーフにしたような、大きなすべり台がある。周りにはブランコやジャングルジム。
     オレは周囲を見渡す。
     と、展示されているSLの中に、ぽつんと、肌の白い女性が座っていた。
     シックなスーツを着た女性だ。
     彼女は窓からこちらをみて、かすかに微笑んで。
    「久しぶりね」
     眠たげな声で、そう言った。
           ※
     オレは彼女を覚えていた。
     どこが特徴的というわけでもない。ほんの短い時間、少し言葉を交わしただけなのに。
     彼女は、『ベートーヴェン』のアルバイトのビラを配っていた女性だった。
    「貴女が、雪ですか?」
     とオレは尋ね

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  • ■久瀬太一/8月23日/23時05分

    2014-08-23 23:05  




    「クリアおめでとう」
     とノイマンは言った。
     気がつけばオレは、彼女の部屋のリビングに戻っていた。
     ――クリア、なのか? あれで。
     ノイマンは優雅に、紅茶のカップを傾けている。
    「魔界の場所はわかった?」
    「飛鳥山公園、ですね」
     ソルたちが教えてくれた。
    「ここに、魔界があるんですか?」
    「正確には魔界の入り口があるわ」
     ノイマンは微笑む。
    「急いで行った方がいいわよ。彼女は、気が短い方ではないけれど、夜の公園で女性をあまり待たせるのも気がひけるでしょう?」
     ――より詳しく事情を知っている人物に会わせてあげる。
     とノイマンは言っていた。
     相手は、女性なのか。
     確かに女性を待たせるのは、よくない。




    鬼村優作 @captain_akasaka 2014-08-23 23:05:37
    久瀬君も飛鳥山公園向かったぞ  
    3D小説『bell』運営 @superore

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  • ■久瀬太一/8月23日/22時55分

    2014-08-23 22:55  



     転送装置は白く輝いていた。
    「いよいよですね」
     とサクラが言った。
     オレは頷く。
     ――でも、きっと彼女が考えていることとは、意味が違う。
           ※
     「魔法陣の答えは『あすかやまこうえん』」
           ※
     とても現実的な答えだ。
     このゲーム内の周囲に広がるといわれる異世界。
     それはおそらく、現実だろう。
     悪魔と呼ばれた姫が囚われた魔界。
     そこに、みさきがいる場所の、てがかりがあるはずだ。
     ――オレは現実に帰る。
     そして、目の前にせまった8月24日を乗り越える。
     この異常なファンタジー世界だって、ソルたちの力で乗り越えられたのだ。
     希望はある。きっと。
     オレはゆっくりと、その魔法陣の中に足を踏み込んだ。
    【BREAK!!/BAD FLAG-05 非現実 回避成功!】




    Rail☀ @Rail_soll 2014-08-23 22:57:13

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  • ■謎まとめ/8月23日/『悪魔と魔法陣』下巻

    2014-08-23 22:54  

    ※ここには読者が解き明かした謎の内容が記されています。自らの手で謎を解き明かしたいという方は、この記事を読み飛ばして次ヘ進んでください。
    《読み飛ばす》
     http://live.nicovideo.jp/watch/lv190745141

    土平 一人 @Doheikazunto
    悪魔と魔法陣(下巻)も手に入れても、ゲブラー云々が残ってるのですよね…ぎりぎりだー 
    ふぁんたま@甘党。 @10amatoo
    現地にコードがあるパターンか
    達句英知 @tac9999
    @10amatoo #3D小説 もう1クッション。この間のQRコード解析のデータから何か出てくると思う
    土平 一人 @Doheikazunto
    キター勇者キター 
    ルート@私は正しました @Led1192
    現地到着したみたい
    MIRO @MobileHackerz
    下巻の内容早く知りたい
    ほうな@bellアカ @houna_b

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