最後の恋人達のお話
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最後の恋人達のお話

2015-05-16 21:00
    この記事には、
    L'ultimo amante-La terra- ならびに L'ultimo amante-La luna- 
    の  【ネタバレ  が含まれております。
    動画をご覧になっていない方は、まずは動画を見て、そして聞いて頂けると、とっても嬉しいです。


    お久しぶりです。闇属性の輝き系魔法使い、πです。
    この度、テラ/ルナを同時に公開と相成りまして、ようやくほっと一息ついた所でございます。
    ・・・長かったなぁ・・・(しみじみ)
    ほんと長かったね・・・
    等と干渉に浸っていてもアレですので、L'ultimo amante(最後の恋人達)の具体的な設定や、製作秘話等をぽつりぽつりとお話できたら言いなぁと思いまして。
    久しぶりにブログを書いてみました。

    冒頭でも注意しておりますが、ネタバレが入っております。
    そういった類のお話が嫌な方は、閲覧をどうかお控えくださいね。

    それでは、はじまり。 はじまり。


    ■L'ultimo amanteは【派生曲です


    まずはここです。この作品、実はとあるボカロ曲と世界観が共通です。
    -La terra-には一瞬だけ派生となった曲の主人公が出てきてくれていますが、それは
    iroha君と一緒に作った「グリート」という曲。



    「傷ついてしまった地球が、月へと住を移した人類へ贈るうた。」

    というテーマで、サムネイルにもなっている主人公「ぼく」は地球です。
    地球が、人類へ「ちゃんと住めるようにするから、いつかは、戻ってきてね」と人に願う、そんな曲です。
    こんな事を言うと怒られてしまうかもしれませんが、irohaπコンビの中で、
    最もやさしく、そして最も愛の見える曲だと思います。今でもそう思います。
    そして、ルナの旋律にも、グリートは入っています。
    お気づきの方、おられましたかな?


    さて。2011年でしたか。
    ASK君から、irohaπコンビ、こんな依頼を受けました。
    「CDを作るので是非、グリートみたいな曲を作って参加して欲しい」
    ・・・正直申し上げます。
    irohaπコンビ  「またか!!!」  と思いました・・・。
    グリート、再生数はさほど伸びていないのですが、とにかくこの曲、ボカロPさんや歌い手さんから好評で、当時グリートのような世界観でという曲の依頼が、πの所には殺到しておりました。ほんとに沢山いただいておりました。
    で、もうそろそろグリートみたいなネタはいいかな・・・と思っていた時に来た依頼でした。
    ですが、ほかの方の依頼と決定的に違う所がありました。
    <ASK君が歌う>という所です。そして気心の知れた仲だったというところも、私には本当に幸運だったと思います。

    グリートは、実は作っていた時に、私の中でもうひとつ、イメージとしてぼんやりしていたものがありました。
    <地球から人類へ贈る物語>があるのなら、その人類の方はどうなんだろうと。
    それは、そう思った時には小さな小さな種に過ぎなかっただったのですが、
    グリートのような世界観の曲の依頼をこなすうち、
    水が与えられ、フツフツと芽吹き、あすけ君の依頼を受ける頃には、
    ひとつの物語として私の中で立派な茎と、名も知れぬ花のつぼみがついていたんです。
    そしてそれは、
    人間の 男の子 と 女の子 の話として、完成していたんです。
    気が付いたら。不思議な事に。
    こう、「近未来のかぐや姫」のようなお話として完成していたんです。

    そしてその曲、出来ればボカロではなく、人に歌って欲しいと私は思っていて、ボカロの依頼では出してこなかったのです。
    でも、人様に作っていただいて、まして歌って頂くなんて恐縮だし、まぁこれは世に出る事はないな、と思っていた矢先でした。
    なので、その依頼を受けたとき、ASK君に「グリートと世界観が共通の物語があるから、それを歌ってほしい」と私から逆にお願いしました。
    それが、まだ名前もなかったその花に【L'ultimo amante-La terra-】という名前が付いた瞬間でもあったと思います。
    そして歌うのがASK君ですから、男の子よりは 男性 らしく仕上げ、男の子と女の子の設定も(当時は双子の少年少女だったので)恋人に進化。
    irohaπコンビ初の男性ボーカル曲は、こうして日の目をあびる事になりました。
    ちなみにπさん始めてのラブソングです。
    愛してるっていう単語を使ったのは初めてです。恥ずかしかったです。
    ですが彼がいなければ、この世界は日の目を浴びなかったのです。
    本当にありがとう。

    そしてL'ultimo amanteLa terra-を正式に仕上げた頃だったでしょうか、私はこの曲の対となる-La luna-を作ろうとiroha君に持ちかけます。
    2011年の下半期だったはずです。山のような設定と、うんざりするほどお互い多忙の中、
    irohaπコンビはlunaにふさわしい女性歌い手を探し出すわけです。
    そうです。lunaは、私達がいろんな歌い手さんの声を聞きまくって選んだのです。
    その結果、本当に最後の最後の最後の最後で迷った二人のうちお一人が、青もふさんだったんです。

    ASK君と青もふさんは、”あすもふ”って呼ばれるくらい仲良く活動されていらっしゃいますが、lunaの選考のときはそういったことは全く配慮していません。
    実際、誰が歌うかASK君にも言ってなかったです。
    この曲の対となる曲は、女性が歌うよ、としか言ってなかったです。
    世界観にあう歌声の方を、本当に精査した結果です。彼女の実力です。
    そして迷いに迷いに迷いに迷い、ダメもとだー!とskypeで青もふさんに
    「すいません、こんな曲あるんですが、歌って頂けないでしょうか」
    と額を地面にこすりつける勢いでお願いしたら、・・・もふさんすぐOKしてくれちゃうんだもの。女神かよって思いました。今でもあの嬉しかった衝撃は覚えています。
    そんな経緯があって、lunaに彼女の歌声で魂が入ります。
    私が作った曲の中で最も、作った私ですらうらやましいと思えるくらい、
    一人の人間として強い女性が主人公の曲。
    大変表現が難しい役どころだったはずなのに、青もふさんは本当に見事に形にしてくださいました。
    彼女の声なしでは、この物語は完成いたしませんでした。本当に、ありがとうございました。


    ■L'ultimo amanteは携わって下さった方が多いです

    自分でも自覚はありますが、大所帯です。
    やるからには徹底的にやりたくて、本当にヴィジュアル面でもかなり豪華だという自覚、十分にございます。
    本当に、本当に、関係者の方々にはなんとお礼を申し上げていいか解らないです。
    まずは
    テラルナの動画用のイラストを描いてくださったTCBちゃん、そして黒野ユウさん。
    二人とも、いまや私の説明など不要の超人気イラストレーターさんです。
    TCBちゃんも黒野さんも、
    こんな、どこの骨ともわからない奴の依頼を引き受けてくれて、
    かつあんな素敵な形にしてくださって、本当にありがとう。
    お二人には、改めて感謝申し上げます。
    本当に良かったんだろうかとビクビクするくらい、って言うか今でもしてるんですけれど、
    良い作品をありがとうございました・・・!!!
    あと、君達いい加減裏切りあうのやmなんでもありません。

    次に。
    動画にする際、やはり際立つロゴはほしい!と思い、それならこの人だろうとお願いしたのがmashana君です。
    彼とは以前コラボでご一緒してますが、とにかく作るものにキレがあり、そして洗練されていて、本当にカッコイイ。
    彼自身もかっこいいんですが、本当にこの洗練されたデザインは、映えてくれます。
    本当にビシっと決まるロゴを二つも出してくれました。
    あわせると一つの絵になるようなロゴです。
    かっこいいので、動画をよーっく見てみて欲しいです。
    本当に、ありがとうございました。

    そして、動画を作ってくださったTSOさん。
    突然のお願いにもかかわらず引き受けて頂き、本当にありがとうございます。
    TCBちゃんと黒野さん、mashana君のイラストをまとめるという、
    最も大変な作業で、しかも動画が二つ。
    こんな無茶振りかなえてくださる方はこの方しかおりませんでした。
    本当にお仕事が丁寧なクリエイターさんで、私のつたない説明にも応じてくださり、
    この世界観を一つ。そして物語としては二つにまとめるという、一番の難役をこんなにしっくりとかなえて下さいました。
    大変悩まれておられたと思います。そして、いいものを作ろうという真摯なお気持ち、ひしひし伝わっておりました。
    本当にありがとうございました。飲みに行きましょう。

    そして。
    テラルナのキャラデザをしてくださったrakさん。
    ヴィジュアル面の根幹となるキャラデザ。これがないと始まらないという部分を本当にこなしてくださって、ありがとうございます。
    物語の構成上、若い頃からおじいちゃん/おばあちゃんになるまでをデザインしていただいております。
    設定から見える男性・女性・ロボットのイメージと、チャットで皆で話し合って膨れたあがった設定を、すごく解りやすくまとめてくれたんです。
    特に男性のキャラデザは、iroha君がお気に入りです。私も大好きなんです。
    ああ、こんな優しいキャラを作れているんだ、と自分で思えるから
    優しいテラと、強いルナを最初にヴィジュアルで生み出してくださって、本当にありがとうございます。


    そしてトリは。iroha君です。
    君には、ああだこうだという言葉は不要だと解っています。
    本当に、ありがとう。
    二人でまた、物語を作りましょう。
    恋人達は結ばれました。
    鳥も飛びました。
    次は、地を走る動物を描きたいね。



    ■老いる事は この地球(ほし)で生きているという証明



    さて。
    ここまで読んで下さった方へささやかなお礼です。
    私から各キャラの設定をお渡しし、rakさんに仕上げて頂いたキャラデザがこちら。
    (rakさんから掲載許可はいただいております!)



    テラの主人公。
    何らかの理由で地球に人類が住めなくなってしまい、住めるような状態になるまで眠る事を選んだ人類の<管理人>です。
    管理人なので、彼は眠りについてはいませんし、ある程度遺伝子操作されていて、人より若干老いるのが遅いですし、マインドコントロールされていて最初は”さびしい”という感情に疎いです。
    性格はめっちゃ穏やかですが、内に秘めてるものはアツいと思います。
    頭めっちゃ良くて、どっちかというとエンジニアタイプの科学者です。
    最初はさびしいという感情が解らなかった彼も、知り合った彼女(ルナ)と親しくなるうちに、”愛しさ”から”寂しさ”の意味を知るようになりますが、
    時はきてしまい、彼女とは離れ離れ。
    管理人になったはいいんですが、数年経つうちにそのマインドコントロールが薄れていき、
    さびしいという気持ち払拭したくて、禁忌を一つ犯します。
    恋人そっくりのロボットをつくり、そのロボットに、その時代の最先端の科学でも実現が難しいといわれていた”ココロ”を搭載する事。
    科学者が月へ飛んでしまい、開発が停まってしまっていたココロのプログラムを、彼は一人で組み始めます。・・・50年かけて。
    50年たった頃。もう視力もすっかり落ちて、月がいつでもぼんやり見えるような日々。
    寿命が近づいていくある日。ココロのプログラムはまだ完成していない。そんな時。
    夢の中に「ぼく」が現れ、「おやすみ」といわれたその日。
    彼女は戻ってきます。真っ白なロケットに乗って。
    そしてその日は、彼の命日となっていきます。




    ルナの主人公。
    月についた瞬間、月にすんでいた生物(というか超微生物)の影響により不老不死になってしまった人類の中で、一番賢い女性(科学者)という設定にしています。
    微生物は地球の空気に触れれば死滅するのですが、月にいる間は月の支配を受けているので死なない/老いない体のまま、どうする事も出来ません。
    (グリートで地球が人類に対して「もう少しだけ 待っていてね?」といっていますが、月に行けば不老不死になると知っているからこそ、待っていてくれるよね、という事です。)
    50年後地球に帰ったら普通に老いていきます。
    この女性は不老不死で生きながらえるより、人として生きたくて、死を受け入れるつもりで地球に戻ってきています。
    帰ってきたら恋人は虫の息。残っているのは彼が作った作りかけの”ココロ”を宿した、顔が自分にそっくりのロボットだけ。(50年の間に、人類は眠りについたまま、もう起きなかったんです。)
    虫の息の恋人は、彼女にお願いをします。
    「彼女にココロをあたえてやってくれ」
    彼女はそれを聞いてそして見て、何を思ったか。
    TCBちゃんが動画の中でその決意を絵にしてくれています。
    ・・・本当に壮絶な人生をおくっていると思います。
    彼女は、遺志を受け継ぎ、更に50年かけてココロのプログラムを完成させ、ロボットに搭載させます。
    が、何を思ったか、そのプログラムを起動させませんでした。
    今わの際「私が息をしなくなったら、あの人の隣に私を埋めて頂戴ね」とロボットにお願いして、息を引き取ります。
    起きたら貴方の腕の中かな?」そんな事を考えながら。



    ロボット。
    テラの主人公が作り、ルナの主人公が完成させた、人間の心を搭載しているロボットです。
    テラの愛情を一身にうけ、ルナに娘のように育てられた、女性型ロボット。
    もう誰も起きない地球で、唯一目を開くことが出来、そしてココロを眠らせた存在です。
    でも今彼女は、眠っています。
    誰もいなくなった地球で、
    その起動ボタンを押すのは、誰なんでしょう。



    ■「グリート」は挨拶をする、という意味

    さて。グリート・テラ・ルナで、歌詞を書き起こす上で最も注意を払ったのは
    グリートの名のごとく、あいさつです。
    グリートでは
    「ありがとう」 
    「さようなら」
    「ただいま」 「おはよう」

    という挨拶を使用しています。

    ありがとう なら どういたしまして
    だろうし
    ただいま なら おかえりなさい
    が返しとしては正しいと思うのですが、
    一見ちぐはくなようでいて、会話として成立しているような状況を想像して頂きたくて、
    悩んでコレにした記憶がございます。
    でも一番扱いを繊細にしたのは
    「ありがとう」
    という言葉です。私が日本語で最も好きな言葉でもあります。
    そしてこれらの言葉は、テラルナにも引き継いでおります。

    テラでは、寿命の尽きるテラに ぼく が「おやすみ」
    テラが最後に呟くのは「愛してる」
    これは、人類最後の男性に対して ぼく が呟くならば、
    そしてルナの場合は恋人の臨終ならば、こうだろうなと思いながら選んでいます。

    でもこの会話、愛しているの後にも続きがございまして。
    それをTSOさんはルナの冒頭でしっかり出してくださいました。
    L'ultimo amante-La luna-という曲は、テラよりも
    「目で見て理解する」ことにやや重点を置いた(絵や動画にすることを前提にして作っている)曲なので、その辺をTCBちゃんとTSOさんにご理解いただいた上で、
    歌詞やメロディではあえて描かなかった描写を、視覚的に入れてもらっているので、「劇中歌」のような仕上がりになっています。

    簡単に書いていますが、それってとても難しい事です。
    曲という見えないものをヴィジュアル化すると言う事を、作曲の時点で行う。
    作詞をしている人間ならばもう、日常茶飯事ではあるものですが、
    劇中歌をイメージしているといいますと、この曲は”物語途中から始まる歌”なわけです。
    そこまでの世界観を、少なくとも作詞者作曲者は共有しないと、ちぐはぐになってしまうわけです。
    なので、作曲・作詞する人間が共通の認識になるまで話し合わないといけません。
    だからこそiroha君は苦労していましたし、作曲側が歌い手さんの選考に本当に四苦八苦しました。

    「あすけ君と青もふさんはよくコラボしているから、青もふさんに頼む?」
    なんてことは、もうこの時点で私達の中に認識として存在しなくなっていくんです。
    それをこなして頂ける実力のある女性歌い手さんを探しに探した結果、彼女になったという事です。
    そしてそんな難しい曲を、視覚的
    に表現できるTCBちゃん、TSOさんは、
    本当にすごいんですよ。


    ルナで特に意識して使っているのは
    「お休みなさい」
    ルナは3度この単語を呟いていますが、それぞれ言う対象が違います。
    誰に対してのおやすみなさいなのかは・・・ご想像にお任せします。


    グリート・テラ・ルナは
    挨拶だけ抜き取っていき、時間枠に並べていくと、それだけでもちゃんと物語になっていきます。
    もしお暇があれば、拾い上げて遊んでみてくださいね。


    ■彼女は眠ったまま~でも願う まどろみの中で



    さて。物語の中で、ほんの少しだけ出てきたロボット。
    恋人達が。二人の人間が、1世紀かけて作った、女の子の姿をしたロボット。
    彼女は今、眠っています。
    テラが作り、育て
    ルナによって完成し眠らされた、
    地球でたった一体の、
    ココロを持ったロボットは、
    今も地球の奥深くで、昏々と眠っています。
    でも、ある日。

    「ただいま」

    そう声をかける存在によって
    目を覚まし
    そして邂逅し
    ココロを開花させます。

    「おはよう」

    彼女はそういって目覚めます。
    その時
    彼女の前に
    立っているのは






































    それはまた、別のお話です。




    さあ
    テラルナの物語は此処までです。
    関係者の方々、そしてここまで拝聴、そして拝読下さった方々、
    本当にありがとうございました。



    2015.5.16 π






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