• 【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW操作の手引き-

    2017-02-19 12:30
    AIR です。

    クリエイティブ系のソフトはキーボードショートカットの操作の習熟が必須です。
    「SONAR」も例外ではなくマウスのみのオペレーションよりもキーボードを併用
    したほうが、効率的かつ合理的に作業を進められます。このソフトが持つ膨大な
    機能を覚えるときは自身が主に行う用途に絞って学習するほうが習得が早いです。
    この講座はテキストではなく動画で見せたほうが理解しやすいとも思いましたが、
    道具の扱いを学ぶときに受け身の姿勢で終えてしまっては何ら成長がありません。
    また、動画では内容をプリンターで印刷ができませんし、授業のペースについて
    こられなかった方は読み終えたところで以前と変わらず「わからないまま」です。
    「SONAR」をインストールした直後は「なんという使いにくいソフトだろう」と
    思われたかもしれません。しかしこのテキストに従って一曲を作り上げる流れを
    経験するなかで基本的な環境設定を済ませると、「なんという使いやすいソフト
    だろう」に印象が激変します。それくらいこのテキストは劇薬の効果を表します。

    そのためには「SONARの操作を覚える」から「SONARに操作を覚えさせる」へ
    考え方を改めます。あくまでも想像ですが、メーカーの人は自分たちで開発して
    いるDAWを使って作曲の活動をしていません。実際の作曲活動に使っていれば、
    どこの部分が改修されるべき部分か、ユーザーの手元に届ける前に社内テストの
    段階で発見されるからです。ここでその開発姿勢について不満を述べても仕方が
    ありません。しかしながら「SOANR」には柔軟なカスタマイズ機能が搭載されて
    います。自分で使い込むなかでキーボードショートカットを作り上げていくのも
    一興ですが、経験者が作り込んだ完成度が高いキーバインドを割り当てて慣れて
    から自分好みに微調整することをおすすめします。これから「SONAR」を使い、
    個人レッスンと同じ内容で環境の構築を行いながら、基本となるワークフローを
    体験して頂きます。テキスト通りに設定して基本的な操作を身に付けるためです。

     ①起動について
     ②各ビューの概要
     ③打ち込みと録音について
     ④MIXについて
     ⑤音源の出力について

    「ビューを切り替えながら楽曲を作り」→「MIXを行って」→「出力する」の
    流れで音源を制作します。たったこれだけのことですが、DAWという作曲分野
    のソフトに初めて触れる方、買ってみたものの「SONAR」の操作に慣れない方、
    自力で何とかしようとして挫折した方、ブランクが長い方、にはハードルが高い
    ソフトであることは確かです。何らかのハードウェアを購入したときに入門版が
    バンドルされていた方も目的の作業ができるようになるまでの道のりは長いです。
    DTM(DeskTop Music)は普及しましたが、始めるための敷居は高いままです。

    書店で買える高価なガイドブックを読んでも「SONARを使えるようになりたい」
    という気持ちが1ピクセルも解決されないのは個人レッスンの形式で応じられて
    いないからです。今回は「所要時間3時間」を目安に、実践的な授業をテキスト
    で再現しました。それでは今からいっしょに「SONAR」を触っていきましょう。
    このテキストを一周できれば次からは一人でも「SONAR」を操作できるように
    なっている「あなた」がそこにいるはずです。始めの第一歩を踏み出しましょう。



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    ①起動について
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    【 キーバインドの設定 】

    インストール直後の初期の工場出荷状態はメーカー標準操作に基づいた設定です。
    標準的なキーボードショートカットに、必要なキーバインドを拡張していきます。
    最初に「Ctrl+Q」を設定しましょう。設定の手順は一番にマスターする操作です。

    デスクトップの「SONAR Platinum」アイコンから、「SONAR」を起動します。
    パソコンのキーボードの「P」キーの入力で「環境設定」の画面を呼び出します。
    ウィンドウ下部の切り替えから「簡易表示」「詳細表示」のいずれかが選べます。
    初期状態では「簡易表示」になっていますので「詳細表示」を選択しなおします。
    「カスタマイズ」内から「キーボードショートカット」の項目を探しだします。
    「キーバインド」から「Ctrl+Q」操作に「閉じる」操作を割り当てていきます。

     P:環境設定を開く

    「キーを探す」をクリックしてから「Ctrl+Q」を入力します。「Ctrl+Q」は、
    パソコンのキーボードの「Ctrl」キーを押したまま「Q」キーを入力する操作です。
    キーボード入力が受け付けられると、目的の設定先まで自動的にジャンプします。
    次に、右側の機能から割り当て先の「バインド対象」をスクロールして探します。
    「ファイル|閉じる」が見つかったら、お互いをクリックして選択状態にします。
    「バインド」ボタンをクリックします。お互いが線で結ばれれば接続に成功です。
    間違えたものを線で結んでしまったときは、「バインド解除」から解除できます。

     Ctrl+Q:バインド対象「グローバル」の「ファイル|閉じる」

    これで「Ctrl+Q」の入力ですぐにプロジェクトを閉じられるようになりました。
    DAWでは一般的にファイルのことを「プロジェクト(ファイル)」と呼びます。
    「SONAR」のファイルの種類は「Cakewalkプロジェクトファイル」になります。
    プロジェクトは「.cwp」拡張子と「Audio」フォルダの二つで構成されています。
    「Audio」フォルダの中身は、取り込んだオーディオやバウンスしたデータです。
    ファイルの場所を移動したりバックアップを取るときは、セットとして扱います。

    プロジェクトを操作する三種類の基本キーボードショートカットを覚えましょう。
    特に新規作成ショートカットは「すぐ作業に入れる状態にできる」ため便利です。

     Ctrl+O:プロジェクトを開く
     Ctrl+N:プロジェクトを新規作成
     Ctrl+Q:プロジェクトを閉じる


    【 「SONAR」のUIテーマ 】

    「SONAR」はソフトの見た目を環境設定の「テーマ」項目から切り替えられます。
    「環境設定」のウィンドウを開いて、カスタマイズ内から「テーマ」を選びます。
    旧バージョンからのユーザーには「Mercury」が使いやすく感じられるでしょう。
    コマンドセンターからアップデートすると「Tungsten」に強制変更させられます。
    メーカーの都合に合わせる理由はありませんので、好みのテーマを選びましょう。
    「マーキュリー」「タングステン」の二つが実装されています。(2017年2月時点)

     Mercury:中間色で目に優しい配色のため、長時間の作業に最適
     Tungsten:コントラストが強く長時間の作業はつらいが、見栄えが良い

    「普段使いのMercury」「接客用のTungsten」といった使い分けも良いでしょう。
    「慣れ」の影響がおおきいですので、初めての方は好きな配色を選んでください。


    【 新規プロジェクトの作成 】

    「SONAR」ではプロジェクト名を入力しなくても作業を開始することができます。
    「SONAR」起動後「Ctrl+N」キーの操作で規定のテンプレートが開かれるため、
    すぐ打ち込みたい場合や録音したい場合でも設定に煩わされることがありません。
    少し起動して作業するだけなら保存のディスクアクセスがなくて快適な設計です。
    しかし一回目の保存のときには「プロジェクトの名前の入力」が必要になります。
    セーブをこまめに行えるようにするため、名前を付けてから作業を始めましょう。

     Ctrl+S:保存(初回は「名前を付けて保存」)

    一度セーブしておくことで、「Ctrl+S」の上書き保存が使えるようになります。
    作業の合間に「Ctrl+S」を入力する癖を身に付けておくことをおすすめします。


    【 自作テンプレートの活用 】

    初期「BASIC」でも構いませんが「SONAR」は画面のレイアウトを保存できます。
    「Screen」のスクリーンセット内にも、数種類のレイアウトを保存しておけます。
    「SONAR」の画面を構成しているほとんどの部品が、幅の調整に対応しています。
    起動直後から打ち込みや録音が行えるように、シンセやFXを設定しておけます。
    レコーディング用途でも設定済みの状態をテンプレートにすると作業が捗ります。

     1.「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」を選びます
     2.「ファイル名」を「My SONAR」などにします
     3.「ファイルの種類」から「Cakewalkテンプレートファイル」を選びます
     4.「フォルダへ移動」から「テンプレートファイル」を選びます
     5.「保存」をクリックします
     6.「ファイル」メニューの「スタートスクリーン」を開きます
     7.「テンプレート使用」からテンプレートファイルを選択します
     8.先ほど保存した「My SONAR」のテンプレートファイルを見つけます
     9.テンプレートのサムネイル画像の左上をクリックすると「☆」がつきます

    規定のテンプレートとして設定できました。次回以降の新規作成に使用されます。
    使い込んでいくと、自分が使いやすく感じる画面のレイアウトがわかってきます。
    少しずつ手を加えて操作性が良いレイアウトに更新を重ねていくと良いでしょう。

    自作テンプレートを設定しておくと、テンプレートの選択画面が不要になります。
    過去のプロジェクトは「ファイル」メニューを展開するとプロジェクト名が表示
    されるため、クリック操作で開けます。「スタートスクリーン」が不要ですので、
    環境設定の「ファイル」の「詳細」項目にある「スタートスクリーンを表示」の
    チェックを外します。「ファイル」メニューの「新規作成」をクリック後に表示
    される画面はシンプルな「新規プロジェクト作成ダイアログ」に切り替わります。


    【 「MIDI Player」としての「SONAR」 】

    「SONAR」では「MIDI」ファイルをダイレクトに開いて再生することができます。
    「SONAR」は「MIDI」ファイルのプレーヤーとしても使えるようになっています。
    当然のことですが、シンセの入れ替えや「MIDI」の加工や編集も自在に行えます。

    「SONAR」を起動します。プロジェクトが何も開かれていない状態を用意します。
    Windowsのエクスプローラーから「MIDI」ファイルを「SONAR」の画面の枠内に
    ドラッグ&ドロップするか「ファイル」メニューから「MIDI」ファイルを開きます。
    総合音源の「Cakewalk TTS-1シンセ」が自動的に割り当てられた状態になります。

    「MIDI」は電子楽器の演奏データを持つ互換性のあるファイルフォーマットです。
    データ容量が小さい利点があるため他のDAWを使っている友人からEメールに
    添付して送ってもらって、内容を確認したり編集する場合のやりとりに使います。
    プロジェクトファイルに互換性はありませんがMIDIであれば開くことができます。
    「SONAR」から「MIDI」形式で保存することで他のDAWに渡すこともできます。
    ただし他のDAWはダイレクトに開けませんので、一つずつ割り当てが必要です。



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    ②各ビューの概要
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    【 「SONAR」のウィンドウ 】

    「SONAR」の各ウィンドウの名前は素直ですので覚えるのが楽になっています。
    「コントロールバー/ブラウザ/インスペクタ」は、表示場所を移動できます。
    「表示」メニューから呼び出せる各種ウィンドウと各モジュールを紹介します。

     コントロールバー:画面上部にあるコントローラー
     ブラウザ:画面右部にある各種コンテンツを表示するパネル
     インスペクタ:画面左部にあるトラックやクリップに対応した設定パネル
     トラックビュー:プロジェクトの作業に使用するメインの画面
     コンソールビュー:トラックのサウンドをミキシングする画面
     ピアノロールビュー:「MIDI」のノート情報の表示や編集を行う画面
     ステップシーケンサービュー:ループ「MIDI」の入力を行う補助の画面
     マトリックスビュー:オーディオや「MIDI」をトリガーするセルの画面
     譜面ビュー:トラックの「MIDI」のスコア表示やフレット表示する画面
     シンセラックビュー:プロジェクト内で使用しているシンセのラック画面
     イベントリストビュー:「MIDI」イベントを表形式で表示し編集する画面
     マーカービュー:打ち込んだマーカーを表形式で表示し編集する画面
     テンポビュー:プロジェクトのテンポ設定を表示や編集する画面

    覚えることが多く感じますが、実際には「制作してMIXする」画面を使います。
    具体的には「トラックビュー」「ピアノロールビュー」「コンソールビュー」の
    三つが主に使うウィンドウです。他は補助的なものですので必要になったときに
    呼び出して作業が終われば閉じます。呼び出すとマルチドック内に表示されます。

    「コントロールバー/ブラウザ/インスペクタ」を最小サイズ表示に折りたたみ、
    作業中のウィンドウを最大画面表示にすることで、ノートPCでも狭さを感じる
    ことのないレイアウトになります。これが「SONAR」がバージョン「X1」以降で
    採用している「1画面オペレーション」です。マルチモニター環境でない方でも、
    狭さを感じることがなく、複数のやりたい作業が一つの画面のなかで完結します。
    ウィンドウが煩雑にならないことで、頻繁な切り替え操作からも解放されました。
    このような操作性からも「SONAR」がシンプルな設計であることを理解できます。


    【 コントロールバーとテンポの設定 】

    画面上部のコントロールバーは、「C」キーで表示と非表示を切り替えられます。
    しかし表示がないと不便なバーです。どうしても画面を広く使いたいとき以外は、
    表示したまま使います。「Shift+C」の操作によりコンパクトに折りたためます。

     C:コントロールバーの表示と非表示を切り替える
     Shift+C:コントロールバーをコンパクトに折りたたんだり展開する

    非常時の操作として覚えておきたいものは「オーディオエンジンの開始/停止」
    です。「現在タイム」の下段の右端のアイコンです。たとえばシンセサイザーが
    不具合を起こして音が鳴りっぱなしといったトラブルが発生したときに使います。
    オーディオエンジンを停止してから開始することで「リセット」をかけられます。

    プロジェクトのテンポは、コントロールバーの「テンポ」欄から設定を行います。
    初期設定のテンポ「120」とは「一分間に四分音符が120個入る速度」という
    指示の速度です。「120」と表示されている部分をクリックすると、楽曲の基準
    となるテンポを設定できます。「SONAR」では変則的なテンポの楽曲も作れます。
    「編集」メニューの「テンポ」を開くことで、テンポビューがドックに入ります。
    ペンツールでテンポを自在に指定できます。対応小節番号を見ながら設定します。

    隣の「4/4」が表示されている「拍子記号/調号の挿入」をクリックすると、その
    プロジェクトの拍子を変更できます。このコマンドを実行した位置から反映され
    ますので、プロジェクト中に動きがない場合は、楽譜の先頭で設定を済ませます。
    楽曲の途中で転調がある場合は、その位置から調号の表記を変更しておくことで、
    転調以降の変化記号が調号に表示されるためスコアビューが読みやすくなります。


    【 マルチドック(MultiDock)と「拡張キーバインド操作」 】

    「SONAR」は同時に複数のウィンドウをドックに格納し、切り替えて表示します。
    「D」キーの入力で、マルチドックの表示と非表示を切り替えることができます。
    「Shift+D」で現在作業中のタブのウィンドウを、最大表示に切り替えられます。
    しばらく使わないと思われる不要なタブは、タブ名の右側の「×」から消せます。
    タブをドラッグ&ドロップすると、ドックから切り離してウィンドウにできます。
    ウィンドウ化したタブはタイトルバー左端のアイコンをクリックして表示される
    メニューから「MultiDockへドッキング」を選ぶことで、ドックに格納できます。

     D:マルチドックの表示と非表示を切り替える
     Shift+D:現在作業中のウィンドウ内容の最大表示と通常表示を切り替える


    それでは「SONAR」の最重要となる「拡張キーバインド操作」の設定を行います。
    左手の操作は「D」キーが中心になるため、「D」を中心にした操作を構築します。
    次のように、キーバインドを追加しましょう。タブの操作は業界標準に準じます。

     E:バインド対象「グローバル」の「表示|ピアノロールビュー」
     S:バインド対象「グローバル」の「表示|譜面ビュー」
     F:バインド対象「グローバル」の「表示|ブラウザ」
     A:バインド対象「グローバル」の「表示|インスペクタ」
     Tab:バインド対象「グローバル」の「表示|コンソールビュー」
     Ctrl+Tab:バインド対象「グローバル」の「次のタブ」
     Ctrl+W:バインド対象「グローバル」の「現在のタブを閉じる」

    設定が完了すると「SONAR」は次のような「拡張キーバインド操作」になります。

     E:ピアノロールビューを表示する
     S:スコアビューを表示する
     F:ブラウザの折りたたみと展開を切り替える
     A:インスペクタの折りたたみと展開を切り替える
     Tab:コンソールビューを表示する
     Ctrl+Tab:次のタブに切り替える
     Ctrl+W:現在のタブを閉じる

    これにより左手で各ビューを自在に行き来しながら右手はマウスに集中できます。
    パソコンのキーボードの「左手のホームポジション」を体で覚えて慣れましょう。
    中指を「E」に、薬指を「S」に、人差し指を「F」に、小指を「A」に配置します。
    これが「拡張キーバインド操作」における左手の指を添えておく基本の位置です。

    中指と薬指の交互入力で、ピアノロールとスコアをシームレスに行き来できます。
    中指を下にすべらせると「D」に触れドックの表示と非表示を切り替えられます。
    ブラウザにアクセスする用事があるときは、人差し指でブラウザを表示させます。
    シンセやFXの挿入以外でブラウザを使いませんので普段は非表示にしておくと
    画面の右側が解放されるため、画面を広く使えるようになります。インスペクタ
    に用事がないときは小指で非表示に切り替えておくことで、左側も解放されます。
    ブラウザとインスペクタを非表示に切り替えることで、割と画面が広くなります。
    なおドック内でタブ化されたウィンドウは、「Ctrl+Tab」で切り替えられます。


    作曲のツールとしてDAWを扱う場合は、ピアノロール画面さえ使えれば作業に
    支障がないように考えてしまいがちです。しかしながら音楽は古くから五線譜で
    記録されていました。憧れのアーティストの楽曲をDTMで再現したいとします。
    バンドスコアなど書店で手に入れられる音楽のフォーマットは現在でも楽譜です。
    学校の吹奏楽部の部員が課題曲を演奏するために、参考音源をDTMで再現する
    場合でも、楽譜を見て写す作業になります。クラシック音楽をDTMで再現する
    場合でも、やはり楽譜を見ながらの作業になります。そのように考えると楽譜が
    読めなければDTMを始められないように感じてしまいますが、ピアノロールを
    表示した状態からスコアビューをドックから取り出して画面上に表示しておけば、
    入力内容がスコアビューに直ちに反映されるレイアウトになります。他人が作成
    した楽譜を読む力がないとしても、自分が入力した内容であれば容易に読めます。
    ピアノロールのどこの位置にどのようなノートを入力すると、スコアビューでは
    どのような音符でどのように表示されるかといったことに気をつけて作業を行い、
    対応関係に慣れていくことで、ピアノロールとスコアビューを交互に切り替えて
    作業を進められる便利さに気付きます。「SONAR」は五線譜の読み書きが苦手な
    ユーザーが五線譜に慣れるためのトレーニングツールとしての役割も果たします。


    【 スマートツール 】

    具体的に「SONAR」を操作します。「Ctrl+S」で新規プロジェクトを作ります。
    最初に覚えるのは「T」キーです。キーボードの「T」キーを押してみましょう。
    マウスカーソルの近所に、ツールボックスが出現します。再入力操作で消せます。
    ツールを切り替える目的でコントロールバーをクリックするため画面左上にまで
    マウスカーソルを移動しなくても、この操作からツールを切り替えられるように
    なります。マニュアルを読み込まないと実装されていることすらも気が付かない
    機能です。「ヘッドアップディスプレイツール」という名前が付けられています。
    しかしながら名前を知らないうちは、ヘルプで検索することもできない隠し機能
    です。基本的に「☆」のマークの「スマートツール」でほとんどの作業をします。
    「その場面で必要な機能に自動的に切り替わる複合的な機能を持つツール」です。

    手動で任意のツールに持ち替えることもできますので各機能の役割も覚えておき
    ましょう。ツールアイコンの右下に三角形があるものは「アイコンの長押し」で
    パネルのなかにある別のツールに切り替えることができます。イレースツールの
    なかには、「ミュートツール」が収納されています。比較的よく使うツールです。
    「ミュートツール」のときに対象クリップをクリックするとミュートにできます。
    ミュートになったクリップを再クリックすると解除できます。ノートも対象です。
    ミュートツールで消音状態にしておくとデータを残したまま再生できて便利です。

     スマートツール:他のツールの機能も含んだ「SONAR」のデフォルトツール
     セレクトツール:各データを選択するためのツール
     ムーブツール:各データを移動するためのツール
     エディットツール:各データを調整するためのツール
     ドローツール:オートメーションを入力するペンツール
     イレースツール:各データを削除するための消しゴムツール


    【 トラックの作り方 】

    「オーディオ」のデータと「MIDI」のデータを組み合わせて楽曲を制作します。
    トラックビューで作業をします。それぞれのデータによりトラックが分かれます。
    ボーカルや効果音などのオーディオ素材を扱わない場合は、「MIDI」を格納した
    トラックのみのプロジェクトになります。本来であれば、「MIDIトラック」と、
    その「MIDI」トラックを再生するための「オーディオトラック」のペア一組で
    二つのトラックが必要です。現在では一つのトラックで扱えるようになっている
    ため、トラックビューが煩雑な画面から解放されました。「MIDI」と出力先の
    トラックがペアになったトラックを「インストゥルメントトラック」と言います。

    シンセサイザーを挿入しましょう。ブラウザの「Plugins」タブをクリックして、
    「Instruments」をクリックします。そのPCにインストールされているシンセ
    の一覧が表示されます。総合音源の「Cakewalk TTS-1」を挿入してみましょう。
    シンセの名前をダブルクリックします。「プラグインシンセ挿入オプション」が
    表示されます。「インストゥルメントトラック」にチェックが付いていることを
    確認して「OK」ボタンで決定します。挿入したいシンセの名前を「ブラウザから
    トラックビューにドラッグ&ドロップ」する操作からでもシンセを挿入できます。

    オーディオトラックを作成しましょう。トラックビュー上の「+」のアイコンを
    クリックします。「トラックの追加」が開かれますので、「オーディオ」のタブ
    になっていることを確認して「作成」ボタンをクリックすることで作成できます。
    「インプットモニター=オン」をクリックして点灯すると音をモニターできます。
    再クリックで消灯できます。入力中の音をモニタリングするときに使う機能です。

    トラックビューでは、上から順番にトラック番号が割り振られます。これまでの
    操作で、「1トラック目 シンセ」「2トラック目 オーディオ」のトラックが
    作成されている状態です。トラックビューに配置されたシンセはトラック番号の
    右隣のアイコンをクリックすることで、シンセの画面をウィンドウ表示できます。


    【 プラグインエフェクトとプロチャンネル 】

    FXプラグインは「オーディオトラック」と「シンセトラック」に挿入できます。
    左側のインスペクタのFX欄がエフェクトのスロットになっています。ブラウザ
    の「Plugins」タブの「Audio FX」をクリックすると、そのPCにインストール
    されているエフェクトの一覧が表示されます。インスペクタが「プロチャンネル」
    タブになっているときはFX欄が見えませんので、「ProCh」をクリックします。
    ブラウザからFXの名前をFX欄にドラッグ&ドロップする操作で挿入できます。
    音の信号は上から下に向かって流れます。各プラグインは名前パネルを上か下に
    ドラッグ&ドロップする操作でトラックにエフェクトがかかる順を変更できます。

    たとえばFXスロットにコンプレッサーが挿入されている状態で、後段にEQが
    挿入されているとします。コンプレッサーの前にEQをかけたい場合は、EQの
    プラグイン名をコンプレッサーのプラグイン名よりも、上にドラッグ&ドロップ
    の操作を行うと赤い線が出現しますので、ドロップすることで移動が完了します。
    また、「Ctrl」キーを押しながら、FX欄にプラグイン名をドラッグ&ドロップ
    する操作で、そのFXをパラメーターの設定ごと複製できます。別のトラックの
    FX欄にドラッグ&ドロップする操作で別のトラックに複製することもできます。


    実際にエフェクトを挿入してみましょう。最初に、トラック1をクリックします。
    トラック1が選択状態になりインスペクタも対応したトラックの内容が表示され
    ます。インスペクタの「FX欄」に、「Boost11」をドラッグ&ドロップします。
    FX欄のプラグイン名をクリックすることでプラグインの画面をウィンドウ表示
    できます。FX欄のプラグイン名の左の電源アイコンをクリックすると、FXの
    電源をオフにできます。プラグイン名が消灯中は、効果がバイパスされています。
    FXの電源がオフのときは効果が無効になっていますので、エフェクトの影響が
    ない状態でトラックの音を再生できます。FX欄の左側の「ラックのバイパス」
    ボタンのクリックから、そのトラックに挿入されたエフェクトを一括で電源オフ
    の状態にできます。また、プロジェクト全体のエフェクトを無効にしたいときは、
    コントロールバーの「FX」をクリックすることで、設定を変更せず全トラックの
    エフェクトをバイパス状態にできます。使わなくなったプラグインは右クリック
    から「削除」を選ぶ操作で、トラックのエフェクトスロット内から消去できます。

    エフェクト処理も積み重なると負荷が高いです。CPUパワーが許す限り複数を
    挿入できますが、どれほど高性能なパソコンでも限界はあります。エフェクトに
    よって負荷の大小も異なります。限界を超えてしまうと、オーディオエンジンが
    ストップします。コントロールバーの「CPUメーター」が負担の目安になります。
    使っているパソコンが物理コアを四つ以上を実装したCPUの場合に限りますが、
    「環境設定」から「オプション」内の「マルチプロセッサ処理を有効にする」と
    「プラグインの負荷バランス」の二つにチェックを入れることで、負荷を適切に
    分散して処理できるようになります。従来のDAWはマルチコアを効率的に扱え
    なかったため一コア目のみCPU負荷が跳ね上がり、ドロップアウトが発生して
    制作作業が滞りました。最新「SONAR」はマルチコアCPUと組み合わせて使う
    ことで負荷が改善されるためCPUスパイクが減ります。強力なエフェクト処理
    を行ってもオーディオエンジンが停止することなく比類なき耐久性を発揮します。

    「プロチャンネル」というチャンネルストリップが全トラックに付属しています。
    インスペクタの「ProCh」をクリックすることで該当トラックのプロチャンネル
    を操作できます。「PROCHANNEL」欄の下段の電源ボタンが、全体の電源です。
    点灯させるとプロチャンネルが有効になります。もう一度クリックすると無効に
    なります。各モジュールごとに電源がありますので使うモジュールのみに電源を
    入れてCPU負荷を軽減します。仮MIXでしたら、プロチャンネルでも十分に
    行えます。ボーカルは「CA-2A」「BREVERB 2」「QUADCURVE EQUALIZER」
    の三つのモジュールで音作りを行います。マスター用途のバスコンプもあります。

     CA-2A T TYPE モジュール:実機は「LA-2A」というコンプレッサー
     BREVERB 2 モジュール:実機は「LEXICON 480L」というプレートのリバーブ
     QUADCURVE EQUALIZER モジュール:実機は「SSL4000」コンソール内蔵EQ
     PC4k S-Type モジュール:実機は「SSL4000」コンソール内蔵トータルコンプ

    「QUADCURVE EQUALIZER」は背景にスペクトラムアナライザーが表示される
    ため、周波数の分布を見ながら、他の楽器との帯域のぶつかりを意識したMIX
    作業を行えます。画面の上に周波数に対応した「鍵盤」が表示されていますので
    音の参考になります。「ズームウィンドウを開く」をクリックしてからピン止め
    することもできます。プロチャンネルには他にも様々な効果のモジュールが実装
    されています。通常のFX欄スロット同様に各モジュールのドラッグ&ドロップ
    操作でFXがかかる順を変更できます。また、プロチャンネルにFXプラグイン
    を挿入する操作で「エフェクトチェーン」を自作することができます。FX欄と
    しても使えますので、プロチャンネルとFX欄を併用する場合はプロチャンネル
    にFXチェインを作成したほうが行き来する手間を省けて効率的に作業できます。


    【 ウィンドウのピン止め 】

    「SONAR」では画面の煩雑さを回避するために、同時に複数のプラグインを表示
    することができないようになっています。一度に一つのプラグインしか画面上に
    表示できないため、旧バージョンからアップグレードした方が最も混乱する部分
    と思われます。DTMを始めたばかりの方でも「なんと使いにくいソフトだろう」
    と感じられる部分です。以前までは、プラグインのウィンドウは開いた数のぶん
    画面が狭くなっていきました。現在は「ピン止めしたウィンドウのみ画面に残る」
    ように改善されました。しかし、シンセサイザーのパラメーターをいじりながら
    エフェクターもいじりたいときは一つのウィンドウをリサイクルして行き来する
    よりも二つのウィンドウを同時に表示した状態で並行作業するほうが合理的です。

    トラック1のシンセを開きます。ウィンドウの右上に「安全ピン」のアイコンの
    ボタンがあります。クリックして点灯状態にしておくことで閉じないウィンドウ
    に切り替わります。もう一度クリックして消灯すると元のウィンドウに戻ります。
    エフェクトのウィンドウも同様の操作でピン止めできます。自分の作業スタイル
    にあわせて切り替えます。自動的に整理整頓された画面で作業できるため快適に
    制作を進められます。ピン止めしたものも「×」で閉じると「新しいウィンドウ
    を開くことで前のウィンドウが消える」という元のウィンドウの挙動に戻ります。

    また、シンセサイザーのウィンドウとエフェクトのウィンドウはマルチドックに
    格納できます。ウィンドウの左端のアイコンをクリックして表示できるメニュー
    から「MultiDockへドッキング」を選びます。ただしタブが煩雑になりますので
    必要なウィンドウのみピン止めしていく使い方のほうが、理にかなっています。



    ━━━━━━━━━━━━━
    ③打ち込みと録音について
    ━━━━━━━━━━━━━

    【 再生と停止と一時停止 】

    編集画面の縦に引かれている細い線のことを「現在タイムマーカー」と言います。
    コントロールバーの「現在タイム」の表示カウンタから正確な位置がわかります。
    タイムルーラの部分をクリックすることで、現在タイムマーカーを移動できます。
    「Space」キーで再生が始まり、現在タイムマーカーが時間に沿って進行します。
    スペースキーで再生させて停止させる操作は、一般的なDAWの共通操作になる
    ため「SONAR」に乗り換えた方が最初に確認するキーボードショートカットです。
    「J」キーの入力で「ジャンプ」先を尋ねられますので時間を入力すると指定の
    位置に現在タイムマーカーと画面の表示内容を、一瞬で移動することができます。

    コントロールバー上に「巻き戻し」「停止」「再生」「一時停止」「早送り」の
    ボタンがありますが、「再生/停止/一時停止」はキーボードショートカットで
    行います。設定のため、トラックビューに切り替えて画面上部の「オプション」
    をクリックします。「停止時に現在タイムマーカーに戻る」にチェックを入れた
    状態にします。この設定により、スペースキーで再生を開始してスペースキーで
    最初の位置まで現在タイムマーカーを戻すことができるようになりました。この
    チェックが入っていない設定では、停止した位置で現在タイムマーカーが止まる
    ため、マウスから再生開始位置を再指定しなければならなくなり非常に不便です。
    この設定ができているときは再生中に「Ctrl+Space」を入力することで再生を
    止められます。この場合の停止は止めた位置に現在タイムマーカーが移動します。
    先頭から再生したいときは「Ctrl+Home」でプロジェクトの始めに移動できます。

     Space:プロジェクトの再生、再生中は停止
     J:現在タイムマーカーのジャンプ
     Ctrl+Space:プロジェクトの再生の一時停止
     Ctrl+Home:現在タイムマーカーをプロジェクトの先頭にジャンプ

    「ループ」を設定すると同じ部分を繰り返し再生することができます。マウスで
    画面上部の「タイムルーラ」上に始点と終点の選択範囲を作り、「Shift+L」を
    入力します。これで選択範囲の反復範囲が設定されました。この状態から再生を
    行うと現在タイムが終点の位置になると始点に戻り無限に繰り返し再生されます。
    コントールバーの「ループ オン/オフ」ボタンをクリックして、点灯を消灯に
    戻す操作で反復を終了できます。自動的に反復再生されますので、作り込みたい
    範囲にループを設定しておくことで再生と停止の操作の手間を省けます。ループ
    再生が行われているときでも、「Space」と「Ctrl+Space」の操作が行えます。
    「ループ オン/オフ」もキーボードショートカットを設定しておくと快適です。

     Ctrl+Shift+L:バインド対象「グローバル」の「ループのオン/オフを切り替え」

     Shift+L:ループの設定
     Ctrl+Shift+L:ループのオン/オフを切り替える


    【 ソロとミュート 】

    複数のトラックがある場合に、特定のトラックのみの音が鳴る状態を作ることで
    作業をしやすくなります。歌モノの楽曲でドラムのパートを制作しているときは、
    ドラム以外のピアノやベースやボーカルの音が聞こえていると作業しづらいです。
    「S」ボタンを押すことでそのトラックのみの音にできます。ソロ状態は複数の
    トラックに設定できますので、ドラムとベースの二つのトラックをソロにすると
    いった使い方によって、リズム隊の音のみを聞きながら作業することができます。

    逆に、「M」ボタンを押すことでそのトラックの音のみを消した状態を作れます。
    ミュートも複数のトラックに設定できますので、ボーカルとサブボーカルを抜く
    といった使い方によって、カラオケにできます。トラックに「S」を設定すると
    他のトラックがミュートされますが、コントロールバーの「DIM」ボタンを押す
    ことで、ソロのトラック以外のトラックが小さな音量で聞こえる状態になります。
    ディムソロは楽曲全体を聴きながら、特定のトラックを編集するときに使います。


    【 ピアノロールと「拡張キーバインド操作」 】

    ピアノロールビューでシンセの打ち込みを行います。DTMの「打ち込み」とは
    DAWソフトを使って、ピアノロールビューに「MIDI」データを入力する作業の
    ことを言います。コンソールビューでシンセサイザーのトラックをクリックして、
    ピアノロールビューを「E」で開きます。ピアノロールでは、マウスのドラッグ
    操作でノートを置いていきます。短くドラッグすると、前回と同じ長さのノート
    を書けます。長くドラッグすると、以前より長い長さのノートを書けます。以前
    より短いノートを書きたいときは、ノートを書いてからノートの右端をドラッグ
    して目的の長さになるまで縮めます。消したいノートの上で右クリックの操作で、
    ノートを消せます。複数のノートをまとめて消去したい場合は、右クリックから
    選択範囲を作って「Delete」キーを入力します。このような消去の操作を覚える
    ことで、消しゴムツールに持ち替えなくても全操作をスマートツールで行えます。

    あまり知られていませんが、イラストの制作に使うタブレットや、タッチ対応の
    ノートPCを使うことで、ピアノロールを指先やペン入力できるようになります。
    マウスの物理的な移動距離を煩わしく感じられる方は試してみると良いでしょう。


    ドラム音源の入力では、ピアノロールビューの左端の表示が鍵盤では使いにくく
    見える場合があります。鍵盤の上で右クリックを行って「以下のノート名を使用」
    から「General MIDI Drums」を選ぶと、「GM配列」のドラムマップになります。
    「TTS-1」などに対応します。標準の鍵盤表示は「Diatonic」が選ばれた状態です。

    トラックビューに戻ります。トラック上に作成されている長方形のMIDIデータの
    まとまりを「クリップ」と呼びます。オーディオデータを「オーディオクリップ」
    と呼びます。トラックビューでは、クリップ単位で移動や削除の操作を行います。


    《 ナッジ 》
    ピアノロールビューのノートやトラックビューのクリップを左右にずらす機能を
    ナッジと言います。テンキーの「5」キーで「ナッジに関する設定」を開けます。
    「ナッジ 1」の「絶対時間」を選び「絶対時間」を「1」にして「ティック」を
    単位に選び「OK」をクリックして、設定を完了させます。これでナッジ一回分の
    ノートやクリップの移動量が「1」になりました。三パターンまで設定できます。

    打ち込みでは、ノートの開始位置がピアノロール画面の背景の罫線にジャストに
    そろってしまうため、あからさまに打ち込みで作られた曲に聞こえてしまいます。
    実際のミュージシャンの演奏はメトロノームのクリック音を参考にしていながら、
    良い意味で前後にずれていることで音楽的に聞こえます。ナッジの機能を使えば、
    DTMの打ち込みでも演奏におけるずれを表現できます。ナッジしたいノートか
    クリップを選択状態にします。複数選択した状態でも適用できます。テンキーの
    「1」で左にずらせてテンキーの「3」で右にずらせます。ドラムとベースのみを
    再生しながらナッジの微調整でグルーブ感を出していくといった使い方をします。
    また、「ファイル」メニューの「インポート」の「オーディオCD」コマンドで
    CDから取り込んだオーディオデータをメトロノームに合わせたいときもナッジ
    を使って調整していくことで「ティックの精度」で正確に位置合わせができます。

     テンキーの5:「ナッジに関する設定」を開く
     テンキーの1:左へ「ナッジ 1」の実行
     テンキーの3:右へ「ナッジ 1」の実行


    《 ベロシティ 》
    画面上のノートをダブルクリックすると「プロパティ」の表示と編集ができます。
    プロパティからは数値で正確に「ベロシティ」を指定できます。マウスカーソル
    をノートの中央に乗せると十字に切り替わります。ドラッグ&ドロップの操作で
    ノートを移動できます。複数を選択した状態で行うと、複数のノートを移動する
    ことができます。マウスカーソルをノート上半分に合わせるとグラフ付きペンに
    切り替わります。この状態で上下にドラッグ&ドロップする操作でベロシティの
    値を上下に変更できます。ピアノロールビューではマウスの右クリックを使って
    選択範囲を作れます。選びたいノートが範囲に入るように始点から終点に向かい
    右クリックで囲います。または「Ctrl」キーを押したまま左クリックで一つずつ
    選択したいノートを選んで追加していきます。複数のノートが選択されたときは、
    一つのノートのベロシティを変更する操作で、選択範囲内に含まれる全ノートの
    ベロシティの値を一括で変更できます。複数のノートを移動することもできます。

     V:バインド対象「グローバル」の「プロセス|ベロシティスケール」

    「V」キーのベロシティスケールダイアログからでも数値で正確に指定できます。
    たとえばドラムのハイハットの値を一括して変更したいときは、ピアノロールの
    ハイハットが割り当てられた鍵盤の「Bb2」をクリックする操作で「Bb2」行に
    含まれるノートがまとめて選択されます。鍵盤の「C2」ではキックが選ばれます。


    《 取り消しとやり直し(アンドゥとリドゥ)》
    「SONAR」はユーザーの操作を履歴として記録しています。記録が残っている
    ところまで「Ctrl+Z」で操作をさかのぼれます。「Ctrl+Shift+Z」で操作を
    やり直すことができます。「H」キーの入力で「履歴」を表示できます。初期値
    は「128」になっていますが増やすこともできます。ただしメモリを圧迫します。

     H:バインド対象「グローバル」の「編集|履歴」


    《 ベロシティの表示 》
    ピアノロールビュー画面下部の表示からベロシティの状態を確認できます。画面
    に表示されていないときは「表示」メニューの「コントローラ表示部を表示」に
    チェックを入れます。「SONAR」はベロシティ値が低いときはノートの色が薄く
    表示され、値が高いときは色が濃く表示されるため、値を視覚的に識別できます。
    コントローラ表示部が表示されているのにベロシティが表示されていないときは、
    メニュー「ノート」から「選択したノートのみベロシティを表示」のチェックを
    外すことで、トラックの全ノートが表示された設定に切り替えることができます。
    実際のMIDIキーボードを接続しているときに鍵盤を押すと、ピアノロールの左の
    鍵盤の色が変わります。画面の見方に慣れないうちは入力位置の確認に使えます。

     V:ベロシティ変更のダイアログを表示
     H:履歴を表示する。任意の操作まで一気にさかのぼる
     Ctrl+Z:元に戻す。入力した回数だけ履歴をさかのぼる
     Ctrl+Shift+Z:直前の操作をやり直しする


    ピアノのペダル(サスティン)などコントロールチェンジ(CC)の入力を覚え
    ましょう。コントローラ表示部のベロシティの左にある「+」をクリックします。
    「MIDIイベントの種類」を尋ねられますので「64-Pedal (sustain)」を指定して、
    「OK」で確定します。ベロシティ同様に、ペンツールで値を書くことができます。
    MIDIキーボードからペダルを録音することでも、自動的にレーンが作成されます。


    《 グリッド分解能 》
    ピアノロール画面では、背景の罫線の幅を適切に切り替えることでノート入力の
    正確さとスピードをあげられます。たとえば一小節が四分音符の幅の罫線の画面
    を使い、ドラムのハイハットを八分音符で規則正しく並べる打ち込みは困難です。
    しかしながら背景の罫線の幅が八分音符で刻まれていれば罫線に沿ってノートを
    配置するだけになり簡単です。罫線の幅のことを「グリッド分解能」と言います。
    コントロールバーを使っても切り替えられますが、いちいちマウスで切り替える
    操作は作業効率を著しく低下させますので、「拡張キーバインド」を設定します。

    まずピアノロールのメニューの「表示→グリッド分解能→スナップの設定に従う」
    にチェックを入れます。右上端の格子模様のアイコンが点灯しているとこれから
    行いたい操作が行えなくなりますので、点灯していればクリックして消灯します。
    コントロールバーにあるスナップモジュールのスナップボタンを、点灯の状態に
    しておきます。「N」キーによりスナップの「オン/オフ」を切り替えられます。
    スナップがオフになっている場合はグリッド分解能を無視してノートを書けます。

     1:バインド対象「グローバル」の「小節」
     2:バインド対象「グローバル」の「1/4」
     3:バインド対象「グローバル」の「1/8」
     4:バインド対象「グローバル」の「1/16」
     5:バインド対象「グローバル」の「1/32」
     6:バインド対象「グローバル」の「1/64」
     7:バインド対象「グローバル」の「1/128」

    この設定を行っておくと、「D」を中心にした左手のホームポジションから少し
    上に指をずらすことで「1~7」にアクセスできるため、グリッド分解能を自在に
    切り替えられます。「1」から「7」に向かい順に細かくなります。自分が今から
    打ち込みたいノートに適切なグリッド幅に切り替えてから打ち込みを開始します。
    もしもこの設定をしていないと、マウスを使って切り替えることになりますから、
    操作ステップ数が膨大になってDTMで腱鞘炎を煩って苦しむこと請け合いです。

     N:スナップモジュールのスナップのオンとオフを切り替える
     1:グリッド分解能を「全音符」単位に切り替える
     2:グリッド分解能を「4分音符」単位に切り替える
     3:グリッド分解能を「8分音符」単位に切り替える
     4:グリッド分解能を「16分音符」単位に切り替える
     5:グリッド分解能を「32分音符」単位に切り替える
     6:グリッド分解能を「64分音符」単位に切り替える
     7:グリッド分解能を「128分音符」単位に切り替える


    《 連符 》
    連符の入力を覚えましょう。コントロールバーから設定できますがマウスのみで
    完了する操作のほうが簡単です。たとえば一小節に八分音符を連符で入力すると
    します。一拍に八分音符を三連符で入れたものを音楽的には「三連八分音符」と
    言います。「2」を押してグリッドを四分音符刻みにします。一小節の一つ目の
    グリッドに四分音符の長さのノートを一つ書きます。「Ctrl」キーを押しながら
    そのノートを右隣にドラッグ&ドロップする操作で、ノートが隣に複製されます。
    同じ操作を二回行って、一小節に三つの四分音符が並んだ状態にします。三つの
    四分音符を全て選択します。次に「Ctrl」キーを押したまま三つのノートの左端
    もしくは右端をドラッグして三つのノート全部をグリッド一つ分の幅に縮めます。
    これで三連八分音符が完成しました。広げる操作で、引き延ばすこともできます。
    「Alt」キーを押したままマウスポインタをノートの上に合わせると分割ツール
    に切り替わります。クリックでノートを分割できます。連符の作り方を覚えると、
    ピアノのグリッサンドやストリングスの駆け上がりの七連符の入力に役立ちます。


    《 クオンタイズ 》
    クオンタイズを覚えましょう。選択したノートの開始する位置や長さをグリッド
    に合うように調整する機能です。ピアノロール上で、補正を適用したいノートに
    選択範囲を作り「Q」キーを入力します。クオンタイズコマンドのダイアログが
    表示されます。「開始タイム」にチェックがついた状態で「OK」をクリックする
    ことで、対象のノートの開始位置が背景のグリッドに合った位置に修正されます。

     Q:クオンタイズ実行によりノートの開始位置をグリッドにそろえる


    《 表示の拡大と縮小 》
    ピアノロールの右下の虫眼鏡ボタンの「+」と「-」を使うことで、表示範囲を
    変更することができます。現在編集中のエリアを大きく表示して作業を済ませて、
    次に広範囲を見渡したいときに、いちいちマウスで表示範囲を切り替える操作は
    作業効率を著しく低下させます。拡大縮小の「拡張キーバインド」を設定します。

     Ctrl++(テンキーの+):バインド対象「ピアノロールビュー」の「水平ズームイン」
     Ctrl+-(テンキーの-):バインド対象「ピアノロールビュー」の「水平ズームアウト」

    アドビのPDF文書やWebブラウザのFirefoxなどで標準的に採用されている共通
    の操作に合わせます。この設定によりピアノロールの画面の見え方を自由自在に
    拡大縮小できるようになりました。ノートの長さを、専門的には音価と言います。
    デュレーションとも呼びます。拡大表示していれば音価を指定しやすいですが、
    数小節を見渡すときは縮小して見晴らしを良くしたほうが作業効率が高まります。

    この設定はトラックビューにも適用されるため、トラックビューでも拡大縮小が
    自在に行えます。他にピアノロールビューとトラックビューの共通の操作として、
    「Ctrl+マウスのホイールの回転」の操作で、表示の範囲をスクロールできます。
    この操作を覚えておくと、画面下のスクロールバーをマウスで操作することなく、
    表示内容をずらしていけます。マウスホイールの上方向の回転と下方向の回転が、
    それぞれ左スクロールと右スクロールに対応しています。マウスのプロパティの
    設定から速度を調整できますので、快適な移動量の行数に設定しておきましょう。

     Ctrl+マウスのホイールの回転:表示範囲の左スクロールと右スクロール

    もしも再生とシンクロして、ピアノロールの表示内容が自動的にずれていかない
    場合は「Scroll Lock」キーの入力でシンクロ追尾の状態に戻すことができます。
    「Scroll Lock」の入力で意図的に解除できますが、メリットが見当たりません。


    【 仮想キーボードと録音とテイクレーン 】

    「仮想コントローラ/キーボード」を使うことでMIDIキーボードを使うことなく、
    パソコンのキーボードを使って、演奏や入力を行えます。「編集」メニューから
    「仮想コントローラ/キーボード」の表示を行えます。使用頻度が高いですので、
    キーバインドを設定しましょう。設定後は同じキーボードショートカットの入力
    により非表示が行えるようになります。キーバインドのみ対応している操作です。

     Shift+V:バインド対象「グローバル」の「表示|仮想コントローラ/キーボード」

    仮想キーボードによる入力を開始するにはPCの「Caps Lock」を有効にします。
    「Shift+V」に続けて「Shift+CapsLock」を入力すると操作が可能になります。
    反対に「Shift+CapsLock」に続けて「Shift+V」を入力で機能が無効になります。
    「←」「→」でオクターブを移動できます。「↑」「↓」でベロシティ値を変更
    できます。「Tab」を押すと、「サスティーン」の有効と無効が切り替わります。
    シンセサイザーの音作りやシンセの音の確認など、活用する場面が多い機能です。

     Shift+V:仮想キーボードの表示、表示中は非表示
     Shift+CapsLock:仮想キーボードの表示中に操作を有効、有効中は無効
     ←:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを左にずらす
     →:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを右にずらす
     ↑:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を上げる
     ↓:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を下げる
     1~5:仮想キーボードの操作が有効のときモジュレーションを操作する
     Tab:仮想キーボードの操作が有効のときサスティーンを有効、有効中は無効


    トラックビューでシンセのトラックをダブルクリックします。トラックの縦幅が
    広がり隠れていた設定項目が見えるようになります。ダブルクリックしなおすと
    元の縦幅に戻せます。「I」項目をクリックし「仮想コントローラ→MIDI Omni」
    を選択します。この設定によりこのトラックのシンセの入力に仮想キーボードが
    使えるように接続されました。トラックの録音ボタンの「○」をクリックします。
    シンセのトラックが録音待機状態になりました。「R」が録音開始の操作ですが、
    仮想キーボードが入力受付状態になっているときは「R」を受け付けませんので、
    コントロールバーの録音ボタンをクリックします。クリック開始後すぐに録音が
    開始されます。現在タイムの右隣の再生と録音のボタンを有効にしておくことで、
    再生中および録音中にメトロノームのクリック音を鳴らしておくことができます。
    MIDIキーボードを使う場合も「I」項目(Input)から同様の操作で接続できます。

     R:トラックの録音待機状態から録音開始
     Space:録音中の録音停止


    「SONAR」は打ち込みから始める他にMIDIキーボードから入力した演奏データを
    編集することに秀でたDAWです。しかしミュージシャンレベルの演奏の腕前は
    求められていません。編集を前提とした録音になりますので、打ち込みの手数を
    減らす目的の仮データ作成です。コードのパートであれば打ち込みよりも確実に
    早く入力できます。メロディーのパートも弾くことで、作業時間を短縮できます。

    楽曲のテンポが早すぎて演奏できない場合は録音開始前に一時的に曲のテンポを
    落とします。テンポ「120」の曲を「60」に落として録音すると半分の速度です。
    リアルタイムレコーディングにこだわる理由はありませんので調整していきます。
    まだ早いと感じれば「30」に落とすと四分の一の速度です。録音後は編集作業に
    入りますので本来のテンポに戻します。「SONAR」の仮想キーボードからPCの
    キーボードでも演奏記録ができますが、MIDIキーボードを弾いたほうが快適です。
    電子ピアノをMIDIケーブルで接続するとタッチが良いMIDIキーボードに化けます。


    《 ステップ入力 》
    コントロールバーの録音ボタン「○」を長押しで、「ステップ入力」になります。
    予めノートの長さが決まっている場合は簡単で正確にノートを入力していくこと
    ができます。仮想キーボードからの入力にも対応しています。「○」をクリック
    してステップ入力のウィンドウから「ステップサイズ」を指定します。指定した
    音符とベロシティの設定に従って、ピアノロールに演奏した内容が入力されます。


    《 レコーディング 》
    一回目の録音で完璧に演奏できてしまうミュージシャンもいますが、一般的には
    数回の録音を行って、優れたテイクを編集で繋ぎ合わせることでベストな状態の
    データを作り上げます。ループを設定してから録音を始めることで、同じ範囲を
    繰り返し録音できます。宅録であれば人目もなく何度でもリラックスした心境で
    チャレンジできるため、ボーカルや楽器演奏の最高のデータを作り上げられます。

     Ctrl+L:バインド対象「トラックビュー」の「テイクレーンの表示/非表示」

    トラックの「テイクレーン」のボタンをクリックします。録音してきた回数分の
    レーンが展開されます。「S」ボタンをクリックすることでソロで再生できます。
    トラックには最後に録音した内容が最終データとして表示されていますがレーン
    には過去の演奏データが順番に記録されています。クリップの下半分にスマート
    ツールを合わせるとマウスカーソルがコンピングツールになります。選択範囲を
    作成してクリックすることで、トラックのデータに採用しなおすことができます。
    十回の録音でそれぞれ十カ所ずつ合体させることでベストなテイクになる場合は、
    コンピングツールで該当箇所を各レーンから有効にしてトラックに適用させます。
    不採用になっているレーンは自動的にミュート処理されますので再生されません。
    編集完了後は「テイクレーン」のボタンをクリックしてレーンを非表示にします。
    またはキーボードショートカットの「Ctrl+L」を使い表示状態を切り替えます。

     Ctrl+L:テイクレーンの表示、表示中は非表示


    【 編集フィルター 】

    トラックビューからトラックの「編集フィルター」を変更することで編集対象を
    切り替えられます。標準は「クリップ」になっていますので「オートメーション」
    に変更してみましょう。「Volume」や「Pan」のオートメーションを書くことで
    フェーダーやパンのノブの位置の動作を記録できます。スマートツールからペン
    ツールに持ち替えたほうがエンベロープを描きやすくなります。編集作業が終了
    しましたら作業しやすいように編集対象を標準の「クリップ」に戻しておきます。
    コンソールビューを表示して再生するとフェーダーやパンの動きを確認できます。


    【 クリップの操作とグルーブクリップ 】

    シンセのトラックにピアノロールビューで打ち込んで作ったクリップがあります。
    マウスポインタがクリップのタイトル行にあるときはドラッグ&ドロップの操作
    で対象のクリップを移動することができます。マウスポインタは十字の表示です。
    マウスポインタがMIDIクリップの下半分にあるときにクリックすることで、選択
    した状態にできます。「Ctrl」を押しながら次々とクリックしていくことで複数
    のMIDIクリップを選択できます。選択状態から「Delete」で一括で削除できます。
    「Ctrl」を押しながらクリップをドラッグ&ドロップする操作でコピーできます。

    「Alt」を押すとマウスカーソルがハサミの形をした「分割ツール」になります。
    マウスポインタがMIDIクリップの上半分にあるときは移動ツールになりクリップ
    をドラッグ&ドロップで移動することができます。クリップの分割サイズや移動
    の幅はグリッド分解能の設定に従います。操作の前に「1~7」から適切な刻み幅
    を指定してから分割や移動を行います。小節幅で移動の場合は「1」を使います。

    選択状態から移動することができます。「Shift」キーを押しながらクリップを
    ドラッグ&ドロップすると選択中のクリップを別のトラックに垂直移動できます。
    「Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ」で、別のトラックに垂直コピーできます。
    同一トラック内に細切れで散在するクリップは一つのクリップにまとめられます。
    トラックビューのトラック番号をクリックすることでトラックのなかのクリップ
    を全選択できます。いずれかのクリップの上で右クリックを行い、メニューから
    「クリップをバウンス」を実行する操作で、バラバラのクリップがまとまります。

     Ctrl+クリック:ノートやクリップを複数選択
     Alt+クリック:ノートやクリップの分割
     Ctrl+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップをコピー
     Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直移動
     Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直コピー

    「ファイル」メニューの「インポート」でMIDIファイルやオーディオファイルを
    「SONAR」に取り込めます。シンセトラックとオーディオトラックが受け入れ先
    になります。ブラウザの「Media」を経由しなくてもWindowsのエクスプローラー
    から「SONAR」のトラックに直接ドラッグ&ドロップする操作でも取り込めます。


    クリップの上で右クリックを行い、メニューから「グルーブクリップループ」を
    実行すると、対象のクリップを「グルーブクリップ」に変換できます。クリップ
    の長方形の四隅の角が丸くなります。グルーブクリップは、右端をドラッグする
    操作で簡単にループを複製できます。グルーブクリップはピアノロールビューで
    編集できます。MIDIでもオーディオでも、グルーブクリップ化したループ素材は
    プロジェクトに設定されたテンポとキーに従って再生されるクリップになります。
    ループ素材を組み合わせるだけで、リズム主体の簡単な曲を作ることができます。
    ループミュージックの作成を通してグルーブクリップの取り扱いを練習できます。
    グルーブクリップを解除するときは解除したいクリップの上で右クリックを行い、
    「クリップをバウンス」のコマンドを実行する操作で通常のクリップに戻せます。


    「SONAR」ではオーディオクリップに対して、クリップ単位でFXプラグインを
    挿入できます。エフェクトを挿入したいクリップにブラウザの「Audio FX」から
    プラグイン名をドラッグ&ドロップします。オーディオクリップの右肩に「FX」
    が表示されます。クリップ単位でスロットを所有するようになります。「FX」を
    クリックするとスロットを開けますので、通常のFX欄と同様の操作で、FXの
    電源の操作や上下の入れ替えを自在に行えます。クリップをバウンスすることで、
    FXプラグインが適用されてかけ録り状態のオーディオクリップに変換できます。
    元には戻せませんが、加工済みクリップになるためCPU負荷をゼロにできます。

    クリップに移調をかけるには、適用したいMIDIクリップとオーディオクリップを
    選択して「プロセス」メニューの「トランスポーズ」を実行します。半音単位か
    全音単位で移動量を指定して実行することで移調を行えます。正の数値の入力で
    ピッチが上がり、負の数値の入力でピッチが下がります。オーディオクリップは
    音を加工するため極端な変更を行えませんが、MIDIクリップはシンセサイザーに
    送信される音の高さの情報が変更されるだけですので、音質の劣化はありません。
    何度でもトランスポーズを行えます。自分が打ち込みやすい調でMIDIを入力して
    から目的の調に合わせる使い方をします。複数トラックにまとめて適用できます。


    【 フェード処理 】

    オーディオクリップの左上もしくは右上にマウスポインタを合わせると三角形の
    マウスポインタになります。左上の場合、その三角形を右側に向かいドラッグ&
    ドロップする操作でフェードインをかけられます。右上の場合、左側に向かって
    三角形をドラッグ&ドロップする操作でフェードアウトをかけられます。徐々に
    音を大きくしたり、徐々に音を小さくして楽曲を終わりたい場合などに使います。

    フェードの量は、クリップの端から三角形までの距離で調整します。かける量を
    変更したいときや、微調整を行いたいときは、三角形をドラッグ&ドロップする
    操作で三角形の位置を再設定します。クリップ上の三角形の上で右クリックして
    表示されたメニューからカーブの種類を変更できます。三角形をクリップの左上
    または右上の元の位置に戻す操作で、フェードの設定を解除できます。再編集が
    行えない方法では「プロセス」メニューの「フェード/エンベロープ」からでも
    フェードを設定できます。詳細な指定を行えますがデータを書き換える処理です。


    【 メロダイン 】

    「ボーカルのタイミング及びピッチ補正ソフト」のメロダインの呼び出し方です。
    オーディオクリップの右クリックメニューから「Region FX」→「Melodyne」→
    「Region FXの作成」を実行する操作で「Melodyne Region FXクリップ」に変換
    できます。クリップのタイトル行をダブルクリックすることで、マルチドックに
    「Celemony Melodyne」ウィンドウが出現します。「Shift+D」キーを入力して、
    ウィンドウを最大化すると編集しやすくなります。さらに、メロダインのタブの
    上で右クリックして「ドッキング解除」すると、独立したウィンドウになります。
    マルチドックの恩恵がなくなりますが、最大化ボタンから全画面で作業できます。

    メロダインの編集画面でも拡張キーバインドの「Ctrl++(テンキーの+)」の
    拡大と「Ctrl+-(テンキーの-)」の縮小の切り替えをキーボードから行えます。
    「SONAR」はメロダインにネイティブ統合しているため一般的なDAWのように
    最初の「取り込み工程」がいりません。トラックにプラグインとして挿入すれば
    一般的なDAWと同じ使い方もできますが「ARA(Audio Random Access)」を
    使わないメリットが見当たりません。「SONAR」はメロダインの上位版にも対応
    していますので、用途に合わせて付属バージョンからアップグレードすることで、
    操作性を維持したまま、メロダインの編集機能を拡張できるようになっています。

     Melodyne essential:付属のバージョン。ノートのピッチとタイミングを編集
     Melodyne assistant:ノートの音量の調整や分割などの機能を追加
     Melodyne editor:DNA(Direct Note Access)搭載。ポリフォニック素材を処理
     Melodyne studio:マルチトラックノート編集とサウンドエディターを搭載

    メロダインの機能が統合されているため、タイムルーラにオーディオファイルを
    ドラッグ&ドロップする操作で、その曲のテンポをプロジェクトに反映できます。
    オーディオ解析に時間がかかるため、ワンコーラス程度の長さに刻んだクリップ
    をドラッグ&ドロップするほうがテンポ抽出にかかる処理の時間を節約できます。

    メロダインでは解析した内容を「設定」メニューの「MIDIとして保存」コマンド
    からMIDI形式で保存できます。しかし「SONAR」は本体に機能が統合されている
    ためファイル化してからシンセのトラックに読み込みなおす手間を省略できます。
    オーディオファイルをシンセトラックにドラッグ&ドロップするだけで自動的に
    MIDI化されます。事前にメロダインクリップに変換してある場合は、解析処理が
    スキップされます。素材のクリップをシンセトラックにドラッグ&ドロップする
    操作のみで即時MIDIデータに変換されます。解析精度は素材の品質に依存します。


    《 Voice to MIDI と Voice to Score 》
    活用事例に「Voice to MIDI」があります。オーディオインタフェースの端子に
    接続したマイクから、オーディオトラックにメロディーやベースラインの鼻歌を
    録音します。きちんとした歌詞を歌っても歌わなくても音の高さとタイミングと
    長さを解析して自分の声からMIDIデータを作成できます。「SONAR」は数多くの
    ファイル形式に対応していますのでICレコーダーや携帯電話の機能で録音した
    オーディオファイルをインポートできます。インターネットやメモリーカードを
    使ってパソコンにコピーを行い「SONAR」のオーディオトラックに読み込みます。
    単音の楽器で演奏した録音データを用いても、同じ方法でMIDIデータを作れます。
    エレキギターに接続してMIDI変換に使うギターシンセより良い結果を得られます。
    「Melodyne Editor」以上のグレードでしたらコードを分解することもできます。

    リアルタイム変換ではありませんが、メロダインの解析精度で実用的なデータを
    作成できますので、歌唱が得意で鼻歌作曲の方は打ち込みよりも有効な手段です。
    楽譜も同時に作成されますので、鼻歌から楽譜を作るといった使い方もできます。

     1.「SONAR」のオーディオトラックに歌声を録音する
      テンポを設定して、再生中のメトロノームを有効にしておくと歌いやすくなる
      フェーダーを「-INF」に下げると自分の声を聞かなくて歌いやすくなる
     2.オーディオクリップをメロダインのクリップに変換する
      変換アルゴリズムは「メロディック」を選ぶ
     3.「Ctrl+A」を使ってメロダイン上の全ノートを選択する
     4.メロダインの「ピッチ補正マクロ」を使って音の高さの揺らぎを補正する
      「ピッチセンター」と「ピッチドリフトを」をそれぞれ「100%」で適用する
     5.メロダインの「タイムをクォンタイズ」を使って音の長さの揺らぎを補正する
      「グルーブ単位を選択」は「自動」を選び、「強度」を「100%」で適用する
      ノートの位置や長さを調整する
     6.シンセトラックにメロダインのクリップをドラッグ&ドロップする
     7.ベロシティを変更して声量の不安定による音量の不安定を解消する
      クリップを選択して「V」キーをでベロシティを変更する
      「始点値:100」と「終点値:100」で適用する
     8.歌い始めや息継ぎの位置に入ってしまっている不要なノートを削除する
      「ボイストゥスコア」として楽譜も同時作成されるためスコアビューでも確認する

    以前のバージョンに付属していたボーカル補正ソフト「V-Vocal」も使えますが、
    サポートや将来のアップデートを考えると「Melodyne」に慣れるほうが良いです。



    ━━━━━━━━━
    ④MIXについて
    ━━━━━━━━━

    【 フルスクリーン 】

    画面が広いとミキシング作業がやりやすくなります。「F11」でフルスクリーン
    に切り替えられます。タイトルバーとWindowsのタスクバーが非表示になります。
    「F11」の再入力でフルスクリーンから、ウィンドウモードに切り替えられます。
    画面から「SONAR」以外の要素を排除できますので集中して作業に向き合えます。


    【 トラックの整理 】

    MIX作業に取りかかる前に、トラックの整理を行います。制作中でも定期的に
    整理する習慣が身に付くと効率が高まります。トラックビューでトラック番号が
    書かれた右のアイコンを上か下にドラッグ&ドロップの操作を行うと水色の線が
    出現しますので、ドロップすることで移動が完了します。カテゴリーで分類して
    おくと視認性が高くなり、トラックの数が増えても全体を把握しやすくなります。

    「Track 1」などが書かれた部分をダブルクリックする操作でトラック名を変更
    できます。「ピアノ」や「ボーカル」などのわかりやすい名前に改名しましょう。
    インスペクタの「Track」の「配色」項目の「色」を使った色分けも効果的です。
    トラックを右クリックのメニュー「トラックフォルダの挿入」から、トラックを
    収納するためのフォルダを作成できます。トラックの移動と同じ操作で出し入れ
    を自在に行えます。フォルダを利用したトラックの分類も効果的な整理方法です。


    【 フリーズ 】

    シンセやエフェクトは起動しているだけでCPUの負荷になります。トラックの
    フリーズアイコンから対象のトラックを凍結してしまうことで、かけ録り状態の
    オーディオデータに変換できます。もしくはフリーズアイコンを右クリックして
    「フリーズオプション」を開いて、「トラックFX」のチェックを外した状態で
    フリーズをかけることで、エフェクトを巻き込まない凍結ができます。MIXで
    エフェクトを操作する場合は、あえてエフェクトを凍結させない方法で固めます。

    フリーズの有効と無効は簡単に切り替えられますので、音源制作中でもこまめに
    フリーズ化することでCPU負荷を減らせて快適に作業を進められます。非力な
    パソコンでもフリーズ機能を駆使することで負荷が高いプロジェクトを扱えます。


    【 マーカー 】

    楽曲の構成に合わせてマーカーを打っておくと、キーボードショートカットから
    任意のセクション位置に、現在タイムマーカーを自在に移動することができます。

     Shift+Left:バインド対象「グローバル」の「前のマーカーにジャンプ」
     Shift+Right:バインド対象「グローバル」の「次のマーカーにジャンプ」

    マーカーには、日本語のラベルを付けることができます。歌モノの楽曲でしたら、
    「イントロ」「Aメロ」「Bメロ」「サビ」「アウトロ」のセクションの位置に
    マーカーを打つことで、移動が楽になります。現在タイムマーカーをマーキング
    したい位置に合わせて「M」キーでマーカー入力用のダイアログが表示されます。
    名前を付けなくてもマーカーを打てますが、何のマーカーなのか後でわからなく
    なりますので名前を付けるようにしましょう。そのプロジェクト内のマーカーは
    「表示」メニューの「マーカー」からリストを表示できます。名前を変更したい
    場合は対象の行をダブルクリックして行えます。「Delete」キーで削除できます。

     M:マーカーを打つ
     Shift+←:前のマーカーにジャンプ
     Shift+→:次のマーカーにジャンプ


    【 DAWから音が出る仕組み 】

    DAWの信号の流れを理解しておかないとミキシングで混乱することになります。
    実機のシンセサイザーは音源モジュールから出力モジュールに向かい筐体内部で
    ケーブルが配線されているため、信号の流れ方を気にすることなく音を出せます。
    DAWのシンセトラックやオーディオトラックもDAW内部で実機と同じように
    信号が流れています。各トラックからマスタートラックにまとめられ、マスター
    トラックからオーディオインタフェースに信号が送信されて、ヘッドホンまたは
    スピーカーにより人間がモニターできるようになります。シンセトラックを作成
    する操作を行うことでシンセ音源が発音できるように自動的に配線が完了します。
    DAWはマスタートラックを音の出口として出力デバイスに音の信号を送ります。

     トラック→マスタートラック→オーディオIF→ヘッドホンまたはスピーカー

    トラックからマスタートラックの間に「バス」を入れることで、経路を変更する
    ことができます。「対象トラック→バス→マスタートラック」の流れになります。
    複数のトラックの出口をバスにまとめ、バスを通してマスターに信号を流します。
    バスにはエフェクトをかけられます。同じエフェクトを複数トラックに挿入する
    よりもバスで共有するほうがCPU負荷を下げられます。バスをAUXトラック
    と呼ぶこともあります。「Auxiliary(オグジュアリ:補助の意味)」の略です。

    トラックの「O」からアウトプット先を「新規ステレオバス」に指定する操作で
    バスを作成できます。バスの名前をダブルクリックする操作で名前を任意のもの
    に変更できます。コンソールビューの「モジュール」メニューの「イン/アウト」
    にチェックを入れると、コンソールビューからインプットとアウトプットを確認
    したり変更できるようになります。一回の操作で複数のトラックの出力先を変更
    したい場合は、複数トラックを選択した状態から「同じアウトプットの割り当て」
    を実行して目的のバスを指定します。バスのエフェクトのみを共有して使うには、
    センドリターンという配線の方式を使います。各トラックにエフェクトを入れる
    方法をインサーションエフェクト方式と呼びます。一般的にはコンプレッサーや
    イコライザーなどのトラックごとに異なる設定のエフェクトを使いたい場合には、
    インサート方式を使います。ディレイやリバーブといった空間系のエフェクトは
    設定を共有しますので、バスを経由して使うセンドリターン方式が適しています。

     インサート方式:元の音+エフェクト→結果の音
     センドリターン方式:元の音+エフェクトで加工した音→結果の音

    コンソールビューではトラックビューのトラックと対のトラックをチャンネルと
    呼びます。チャンネルの「SENDS」の「+」で信号を送りたい先のバスの名前を
    指定します。チャンネルからバスに送る量は「LEVEL」ノブを使って調整します。
    センド量を最大にします。エフェクトがかかる量はバスのフェーダーで行います。


    【 フェーダーバランスと一時的なグループ化 】

    「Tab」を押してコンソールビューを表示して「Shift+D」で最大画面にします。
    MIX作業では各チャンネルのフェーダーで音量のバランスを取りパンのノブで
    各トラックの左右の位置を決めます。音量が「0db」を超えるとクリップという
    レベルオーバーの状態になります。メーターの上に赤色の警告ランプが点灯して
    しまいますがクリックで消すことができます。なおクリップすると音が割れます。
    フェーダーを下げてメーターのピーク値が「0db」を超えないように調整します。

    「SONAR」のコンソールビューのメーターは音圧表示に対応しているので、別途
    測定のプラグインを入れなくても確認することができます。コンソールビューの
    メニュー「オプション→メーター」から、トラックの表示を「ピーク+RMS」に
    変更します。メーターを右クリックする操作でレンジのメニューが表示されます。
    初期値は「42dbレンジ」ですが「Master」トラックは「12dbレンジ」のほうが、
    ピークの動きを目で追いやすくなります。フェーダーはツマミをダブルクリック
    すると「0.0」のリセット値に戻せます。チャンネルごとに値を再設定できます。
    変更したいフェーダーを右クリックして「値」の「現在の値をリセット値に設定」
    することで任意の数値がリセット値になります。右クリックの同じメニューから
    直前の値に戻すことができます。パンの値も同じ操作で扱えます。フェーダーの
    ツマミの下の数値をダブルクリックする操作から値を数値で正確に指定できます。

    コンソールビューでは、トラック番号を複数クリックした状態で「Ctrl」キーを
    押しながらフェーダーやパンを操作することで、選択したトラック全部に同一の
    変更を反映できます。「Ctrl」キーを離せば、仮グループが解除されます。複数
    トラックのフェーダーを一定量下げるなどの一括の変更を一回の操作で行えます。



    ━━━━━━━━━━━
    ⑤音源の出力について
    ━━━━━━━━━━━

    【 オーディオのエクスポート 】

    DAWを使う理由は様々です。楽器のレコーディングやMIDIの打ち込み以外でも、
    音楽制作にとらわれることなく素材の編集にも活用できます。しかし最終的には
    他のアプリケーションソフトウェアが扱える形式のオーディオファイルに変えて
    書き出さなくてはなりません。オーディオファイル化するまではDAW上でのみ
    再生できるプロジェクトファイルでしかないからです。「SONAR」では数多くの
    ファイル形式がサポートされていますが、主に使う規格はたったの二つだけです。

     WAV:Windowsで使われる圧縮しない形式。原音に忠実
     MP3:メールの添付などに向いた圧縮する形式。音質の劣化具合はレートに比例

    「SONAR」は「WAV」と「MP3」を同時に書き出せます。「X3」までの旧世代の
    「SONAR」を所有している場合はディスクに収録されたテンプレートファイルを
    読み込むことで設定できます。エンコーダは無料の「Lame」を使って変換します。

     1.「ユーティリティー」メニューの「External Endocer Configuration Utility」を実行する
      「Cakewalk External Audio Encoder セットアップ」が開く
     2.「インポート」からインストールディスクの「レジストリエントリ」を読み込む
      「Utilities」フォルダ内の「External Encoder Profiles」を開く
      「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を指定する
      「保存」ボタンをクリックしてから、ユーティリティーを再起動する
     3.「Lame.exe」を公式サイトからダウンロードしてきてドライブの任意の場所に置く
      「パス」に「Lame.exe」を置いたパスを指定する
     4.「Keep Source File」にチェックを入れる
      「WAV」も同時に書き出せるようになる
     5.「フレンドリーネーム」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」の名前を入力する
      「保存」ボタンをクリックして「閉じる」をクリックして閉じる

    以前のディスクを持っていない方のために、自作できる手順と変数を作りました。
    「SONAR」からの新規ユーザーの方は、この手順でプリセットを作成しましょう。

     1.「ユーティリティー」メニューの「External Endocer Configuration Utility」を実行する
      「Cakewalk External Audio Encoder セットアップ」が開く
     2.「作成」ボタンをクリックする
     3.「Lame.exe」を公式サイトからダウンロードしてきてドライブの任意の場所に置く
      「パス」に「Lame.exe」を置いたパスを指定する
     4.「拡張子」に「.mp3」を入力する
     5.「Keep Source File」にチェックを入れる
      「WAV」も同時に書き出せるようになる
     6.「コマンドライン」に変数「lame %I -b 320 %O」を入力する
     7.「フレンドリーネーム」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」の名前を入力する
      「保存」ボタンをクリックして「閉じる」をクリックして閉じる


    《 書き出しの準備 》
    プロジェクトファイルの先頭に空白がない場合は、プレーヤーで再生したときに
    頭が聞こえなくなる場合があります。CDの「プリギャップ」に該当する数秒の
    無音を加えると先頭が欠ける症状を回避できます。「プロジェクト」メニューの
    「タイム/小節の挿入」コマンドを実行します。「SONAR」は分解能の初期値の
    四分音符が960ティックに設定されています。四分音符一拍分をずらしましょう。

     1.挿入位置に「00:00:00:00」を入力する
     2.挿入に「960」を入力する
     3.「ティック」を選択する
     4.スライド項目の全てにチェックを入れる
     5.「OK」をクリックすると、先頭に四分音符一拍分の無音時間が挿入される

    エクスポートのために全クリップを移動してしまうので、スコアビューの表記が
    後方に一拍分ずれています。プロジェクトを上書き保存しないように注意します。
    「名前を付けて保存」からエクスポート用のプロジェクトを作ると良いでしょう。


    書き出し範囲を指定します。「Ctrl+A」で全トラックの選択状態を作ってから
    画面上部のタイムルーラ上で始点と終点を定めます。これで全トラックを対象に
    始点から終点まで書き出す指示ができました。終点も先頭の無音と同じ考え方で、
    最後のノートから数小節先に設定します。CDの「ポストギャップ」に該当する
    時間です。シンセトラックは最後のノートの終端では音源の発音が終わりません。
    また、空間系エフェクトのリバーブやディレイの残響が残っている場合は最後の
    ノートの終端から何小節先まで音が続いている楽曲か、再生して確認する以外に
    調べられません。予め最終部分を再生してマスタートラックのメーターで無音に
    なる位置を調査してから必要となる時間の小節分を足して終点の位置を決めます。
    終点の位置にもマーカーを打っておくことで書き出し範囲の選択が楽に行えます。


    《 書き出しの実行 》
    書き出す準備ができましたので、「ファイル」メニューの「エクスポート」から
    「オーディオ」を実行して、「オーディオのエクスポート」の画面を表示します。
    今後も頻繁に使うコマンドですので出力用のプリセットを作成しておきましょう。

     1.「プリセット」から「 [All]」を選ぶ
     2.「ディザリング」を「---None---」にする
     3.「ファイルの種類」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     4.「プリセット」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を入力する
     5.「プリセット」の右隣のフロッピーアイコンの「保存」をクリックする

    出力用プリセットが作成できたのでオーディオファイルを書き出してみましょう。

     1.「ファイル」メニューの「エクスポート」から「オーディオ」を実行する
     2.「プリセット」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     3.「ファイルの種類」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     4.「ファイル名」に「song.mp3」などの名前を入力する
     5.「ファイルの場所」に「デスクトップ」などを指定する
     6.「エクスポート」をクリックすると「song.mp3」と「song.wav」が出力される


    【 ディザリングとエフェクトのアップサンプリング 】

    DTMを始めたばかりの方から、制作中の音と出力した音が違うと嘆く声をよく
    ききますが「ディザリング」処理の影響によるものです。「SONAR」では複数の
    アルゴリズムが用意されていますが「---None--」にしておくことで出口部分で
    音を加工されることがなくなります。ただしディザリングは、ノイズやひずみを
    抑えるために実装されている機能です。音源との相性もありますので常にこれが
    良いという組み合わせはありません。自分の耳を頼りに、最適な結果を得られる
    設定で書き出した場合に最良の作品ができます。初期値を「---None---」にする
    のは、サードパーティー製のマキシマイザーなどに「ディザ」が実装されている
    ものがあるためです。社外のディザを使わない場合は付属のなかから選択します。

     Rectangular:典型的なホワイトノイズ。相互変調ひずみが比較的大きい
     Triangular:Rectangularより強いホワイトノイズ。CPU負荷が小さい
     Pow-r 1:特徴的なスペクトルのノイズ。上位のものよりCPU負荷が小さい
     Pow-r 2:特徴的なスペクトルのノイズ。CPU負荷が大きいがエクスポート向き
     Pow-r 3:Pow-r 2と同じ傾向でエクスポート向き。CPU負荷が異なる

    また、制作中にもディザリング処理によって音が加工されています。フリーズや
    バウンスのコマンドからオーディオファイルを生成するときに、ディザリングが
    かけられているからです。PCの負荷を減らす目的でエフェクト込みのフリーズ
    を行いますが、ディザの影響で出力される音が制作中に聞いていた音とは別物に
    なっています。もちろん「SONAR」にはこの処理の音の変化を防ぐための設定が
    用意されています。「環境設定」の「オプション」内の「ディザリング」処理を
    「---None---」に変えることで「制作中と出力した音が違う問題」が解決します。


    《 エフェクト処理のアップサンプリング 》
    高いサンプルレートを使用したプロジェクトではなく、標準的な「44.1kHz」の
    プロジェクトのときに内部的に高いサンプルレートでリサンプリングすることで、
    アーチファクトやノイズの発生を抑えられます。処理を適用したいプラグインを
    表示します。プラグインのタイトルバー左上の「FXアイコン」をクリックして、
    「レンダリング時にアップサンプリングする」にチェックが入った状態にします。
    コントロールバーから「プラグインのアップサンプリング処理を有効/無効」の
    「2X」をクリックして点灯させます。処理が重たくなりますので書き出しのとき
    のみ点灯させるようにします。エクスポート後は「2X」処理を解除しておきます。



    【 まとめ 】

    まずはおつかれさまでした。多くの設定がありましたが一曲を作り上げる流れに
    沿って「これだけは覚えておきたい基本的な操作と拡張キーバインド」について
    解説しました。本稿は高価なDAWや教本を手に入れても挫折を経験しただけで、
    何一つとしてやりたいことがやれるようにならなかった人に向けて執筆したもの
    です。まだまだ紹介しきれていない便利な機能がたくさん実装されていますので、
    実際に使いながら、少しずつマニュアルを読んで馴染んでいくと良いと思います。

    パソコンにDAWを入れて音を出すところまでのセッティングであれば代理店の
    サポートに頼ることで誰でも到達できます。しかしながら、使い方がわからずに
    放置してしまっては何のために機材をそろえたのか意味がなくなってしまいます。

    都会在住の方は音楽専門学校が豊富にありますので教室を選び放題の環境ですし、
    個人レッスンで先生からマンツーマンで操作を学ぶことができます。しかし残念
    なことに、DTMに興味を覚えた人全員が恵まれた環境にはいないのが現実です。
    学費の問題や個人の事情を無視して努力が足りないとみなす批難は想像力が欠如
    した自己中心的な人の暴力です。今回であればこのような「実践的な使い方」を
    公に出すつもりはありませんでした。なぜならば、長い期間をかけて作り上げた
    設定やノウハウは「資産」だからです。それでも積み上げてきた経験を公開する
    ことにしたのは、インターネットが格差を吸収する装置になると感じたからです。

    DAWの操作やMIXの操作といったものはあくまで「技術」でしかありません。
    オーディオ編集に使う用途でしたら高性能なオーディオエンジンを搭載しており、
    必要な機能が長い歴史のなかで研鑽され強化された「SONAR」は最適な選択です。
    それと同程度に快適な作曲ツールでもありますので導入初期の早い段階で正しい
    技術を身に付けて、必要になる音楽理論を学んで作曲に取り組んでみてください。
    「作品を完成させた者だけが味わえる喜び」を、あなたが体験する日を楽しみに
    しています。DAW活用のヒントは出しました。ここから先で必要になるものは、
    あなたの行動力です。本稿が素敵な曲が誕生する一助になりましたら、幸いです。



    【 特別付録 】
    下記は「拡張キーバインド設定を含む便利なショートカットキーのまとめ」です。
    ワープロソフトなどにコピーアンドペーストして印刷しておくと便利に使えます。
    ………………………………………………………………………………………………

    ≪ Cakewalk SONAR 拡張キーバインドを含む便利なショートカットキー一覧 ≫

     P:環境設定を開く

     Ctrl+O:プロジェクトを開く
     Ctrl+N:プロジェクトを新規作成
     Ctrl+Q:プロジェクトを閉じる

     Ctrl+S:保存(初回は「名前を付けて保存」)

     D:マルチドックの表示と非表示を切り替える
     Shift+D:現在作業中のウィンドウ内容の最大表示と通常表示を切り替える

     E:ピアノロールビューを表示する
     S:スコアビューを表示する
     F:ブラウザの折りたたみと展開を切り替える
     A:インスペクタの折りたたみと展開を切り替える
     Tab:コンソールビューを表示する
     Ctrl+Tab:次のタブに切り替える
     Ctrl+W:現在のタブを閉じる

     Space:プロジェクトの再生、再生中は停止
     J:現在タイムマーカーのジャンプ
     Ctrl+Space:プロジェクトの再生の一時停止
     Ctrl+Home:現在タイムマーカーをプロジェクトの先頭にジャンプ

     Shift+L:ループの設定
     Ctrl+Shift+L:ループのオン/オフを切り替える

     テンキーの5:「ナッジに関する設定」を開く
     テンキーの1:左へ「ナッジ 1」の実行
     テンキーの3:右へ「ナッジ 1」の実行

     V:ベロシティ変更のダイアログを表示
     H:履歴を表示する。任意の操作まで一気にさかのぼる
     Ctrl+Z:元に戻す。入力した回数だけ履歴をさかのぼる
     Ctrl+Shift+Z:直前の操作をやり直しする

     N:スナップモジュールのスナップのオンとオフを切り替える
     1:グリッド分解能を「全音符」単位に切り替える
     2:グリッド分解能を「4分音符」単位に切り替える
     3:グリッド分解能を「8分音符」単位に切り替える
     4:グリッド分解能を「16分音符」単位に切り替える
     5:グリッド分解能を「32分音符」単位に切り替える
     6:グリッド分解能を「64分音符」単位に切り替える
     7:グリッド分解能を「128分音符」単位に切り替える

     Q:クオンタイズ実行によりノートの開始位置をグリッドにそろえる

     Ctrl+マウスのホイールの回転:表示範囲の左スクロールと右スクロール

     Shift+V:仮想キーボードの表示、表示中は非表示
     Shift+CapsLock:仮想キーボードの表示中に操作を有効、有効中は無効
     ←:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを左にずらす
     →:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを右にずらす
     ↑:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を上げる
     ↓:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を下げる
     1~5:仮想キーボードの操作が有効のときモジュレーションを操作する
     Tab:仮想キーボードの操作が有効のときサスティーンを有効、有効中は無効

     R:トラックの録音待機状態から録音開始
     Space:録音中の録音停止

     Ctrl+L:テイクレーンの表示、表示中は非表示

     Ctrl+クリック:ノートやクリップを複数選択
     Alt+クリック:ノートやクリップの分割
     Ctrl+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップをコピー
     Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直移動
     Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直コピー

     M:マーカーを打つ
     Shift+←:前のマーカーにジャンプ
     Shift+→:次のマーカーにジャンプ

    ………………………………………………………………………………………………


    <参考の動画>
    2016-12-25公開
    【DTMレポート2016】『なぜ、読者は3日で作曲できるか』(2016)
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm30298733
    DTM入門ガイダンスの動画です。これから始める人と、挫折した人に向けて。

    <前回の記事>
    2017-01-04公開
    【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW購入の手引き-
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar1167710


    <以前の記事>
    2016-01-22公開
    反撃のアップグレード! DTMの逆襲! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar954854
    2015-03-08公開
    怒りのアップグレード! DTM地獄! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar623914
    2014-07-21公開
    SONAR X3 アップデータで日本語ヘルプが内蔵されたよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar536807
    2014-03-12公開
    SONAR X3 お願い!タスカムさん日本語版ヘルプ作って!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar480131
    2014-03-08公開
    DTMのお話。SONAR X4 に望んでいる内容はこれです!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar477315


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  • 【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW購入の手引き-

    2017-01-04 02:00
    AIR です。

    「ボカロ曲が大好き!わたしも作りたい! でも、何から手をつければいいのか
    わからない」「音楽をPCで作りたい」「PCでレコーディングしてみたい」と
    いった方を対象にした記事です。音楽雑誌のインタビュー記事によるとDAWを
    選ぶ基準は「好きなアーティストが使っていたから」が多いです。記事の写真に
    PCの画面が映っていれば使っているDAWを調査できますし、記事のなかでも
    紹介されていたりします。または、私のように「このDAWに一目惚れした」と
    いった決め方でも問題ありません。本屋さんに行けば、3千円~5千円くらいの
    高いガイドブックが売られていますが、「どのグレードを購入すると良いのか?」
    といった個人的すぎる質問の回答を得ることはできないでしょう。都市在住なら
    豊富な知識を持った楽器屋さんの店員さんからアドバイスを得ることはできます。
    が、全員が恵まれた環境にいるとは限りません。私も最初につまずいた一人です。
    今回は「Cakewalk SONAR(ケークウォーク ソナー)」の購入の仕方を順番に
    説明します。



    【SONARの3つのグレード】
    機能に比例して、3種類が販売されています。やはり高い方ができることが多い
    です。独自の用語が使われていますので、一般の言葉に置き換えます。
     SONAR PLATINUM(ソナープラチナ):最上位。5万円前後。
     SONAR PROFESSIONAL(ソナープロフェッショナル):ミドル。2万5千円前後。
     SONAR ARTIST(ソナーアーティスト):エントリー。1万3千円前後。
    参考までに、税抜き実売価格も記しておきました。学生さんはアカデミック版を
    購入できる可能性があります。条件は「法人登録のある学校教育機関」ですので、
    自分にあわせたものを、購入しましょう。(参考価格は2017年1月現在のもの。)

    <参考リンク>
    SONARアカデミック版購入申込書
     https://tascam.jp/downloads/tascam/878/sonar_academic.pdf


    私のおすすめは「SONAR PLATINUM Lifetime Updates」の一択です。ただ通常は
    販売されていない製品です。詳細は、次項にて説明します。いつでも購入可能な
    ものからは「SONAR PLATINUM」の一択となります。楽器屋さんや通販サイトから
    パッケージ版が買えます。ポイントをもらえるお店で買うとお得な感じがします。

    最上位をおすすめしているのは「LTU」があるからというのもありますが、機能
    制限がないことで、ストレスなく使えるからです。多少は頑張ってでも手にした
    ほうが良いです。どうしても金銭的に無理な場合のみ、諦めてグレードを下げて
    いきます。というのも「Cakewalk SONAR」のグレード分けは適切でないからです。


    既に「DTM音源とDTMエフェクトのプラグインを、豊富に持っている人」は
    最も安い「SONAR ARTIST」がおすすめになります。なぜなら他のDAWと異なり、
    「Cakewalk SONAR」では最大トラック数や最大エフェクト数に上限のキャップが
    つけられていません。最上位モデルと同じオーディオエンジンが搭載されている
    ため「ProChannel」という「チャンネルストリップ機能が削減されている」以外
    では特に困ることが見当たらないからです。「チャンネルストリップ搭載以上」
    で選ぶとなると「SONAR PROFESSIONAL」がおすすめになります。ただし、機能は
    ありますが実装されているモジュールが少ないため、あくまでも妥協のグレード
    の位置づけです。基本的な本体の性能は最上位グレードのものと同等になります。

    参考までにプロチャンネルには、アナライザーつきEQをはじめとして、市販の
    アルゴリズムリバーブやIRリバーブやアンプシミュレーターや実機を再現した
    コンプレッサーなど、仮MIXから最終まで使えるものが豊富にそろっています。
    VSTプラグインとしてリニアフェイズのEQとマルチバンドコンプもあります。

    <参考リンク> ※プロチャンネル版はSONAR仕様になります。
    OVERLOUD BREVERB2 http://www.miyaji.co.jp/MID/product.php?item=BREVERB2
    OVERLOUD Rematrix http://www.miyaji.co.jp/MID/product.php?item=Rematrix
    OVERLOUD TH3 http://www.miyaji.co.jp/MID/product.php?item=TH3


    細かいことでは「Cakewalk SONAR」は「ARA(Audio Random Access)対応」です。
    「Celemony Melodyne(メロダイン)」というボーカルの音程やタイミングの補正
    プラグインが「PROFESSIONAL/PLATINUM」に付属しますが、このソフトの利用は、
    最初にオーディオ波形を一度メロダインに読み込ませる手続きがいります。その
    時間は5分の歌なら5分かかりますので、作業効率が著しく低下します。しかし、
    「Cakewalk SONAR」はメロダインにネイティブ対応ですので、読み込み作業なく、
    シームレスに編集に入れます。また、プラグイン規格の「VST3」に全グレードが
    対応していますので、前述しましたようにプラグインを豊富に所有している方や、
    他のDAWからの乗り換え組の場合は、「SONAR ARTIST」でも良かったりします。

    <参考リンク>
    Celemony Melodyne 4 http://www.celemony.com/ja/melodyne/new-in-melodyne-4
    (私の環境では最上位版の「Melodyne 4 studio」でも正常に動作しています。)


    まとめます。最終的に「SONAR PLATINUM Lifetime Updates」がゴールになります。
    もしキャンペーン中でしたら「ソナープラチナLTU」一択で迷いはありません。
    しかしキャンペーン中でなければ「PROFESSIONAL」を購入して操作になれておき、
    キャンペーンが始まったときに「LTU加入」することでゴールに到達できます。

    今からDTMを始めようという方の場合は、導入トラブルや相性の調査の手間が
    ありますから、オールインワンパッケージの「SONAR PLATINUM」を購入してみる
    のが、最適解になります。「Addictive Drums 2」も3キット分を選択できますし、
    付属音源もGM2準拠の総合音源やサンプラーなど、最初のうちは困らない程度
    のものがついています。ただしDTMですから、いずれは拡張を避けられません。
    ボカロ曲に憧れている方なら、おそらく最初に買うものは「初音ミク V4X」です。
    対応編集ソフトが必要になりますが、無料のピアプロスタジオならVST経由で
    DTM音源のように扱えます。編集内容はプロジェクト内に同時に保存されます。

    オーディオインタフェースも必要になりますが、付属は「SONAR X3LE」と古くて、
    ここからのアップグレードは割高で踏み台に使えません。付属を当てにしないで、
    ご自身の予算にあわせて、気に入った性能やデザインの物を選んでみてください。


    <参考リンク>
    シリーズラインナップ https://tascam.jp/jp/product/sonar/spec
    ライセンス価格一覧 https://tascam.jp/jp/support/cakewalk/sonarprice
    Addictive Drums 2 の試聴 http://www.h-resolution.com/xlnaudio/top.php
    初音ミクV4X http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/mikuv4xb.jsp
    ピアプロスタジオ http://piaprostudio.com/?page_id=28



    【ソフトウェア利用ライセンスの概要】
    日本代理店のタスカムの記事を読んでも、なかなかわかりにくいライセンスです。
    メンバーシップ制度について、日本一わかりやすく簡単に説明します。あわせて、
    お得な買い方を提案してみます。

     サブスクリプション:利用期間中しか使えません。いわゆるレンタル方式です。
     メンバーシップ制度:利用期間後は、その時のバージョンを継続利用可能です。
               更新方法は1ヶ月と12ヶ月の2つのプランがあります。

    勘違いされやすいですが、SONARはサブスクリプションのソフトではありません。
    SONARはメンバーシップ制度のソフトです。利用期間が過ぎても、没収されません。
    しかし「SONAR PLATINUM」の更新料は2万4千円ですので、使い続けるには高額
    ソフトに感じます。他のDAWも大型アップデートが同じくらいの料金ですので、
    飛び抜けて高いDAWというわけではありませんが、救済措置が用意されました。
    SONARには「LTU(ライフタイムフリーアップデート)」というプランがあります。
    これはアップデートが生涯無料という内容です。利用期限が、「∞」になります。
    「どうしてもSONARがあわなかったので、他に浮気する」といった場合でもLTU
    でしたら常に最新状態になるため「浮気から戻ることも併用も自由」にできます。

    <参考リンク>
    メンバーシップ制とは? https://tascam.jp/jp/support/cakewalk/membership



    【インストールとアップデートの手順】
    DTMが初めてですとかPCもイマイチという方でも、SONARのインストールや
    アップデートは簡単に行えます。説明書に従って、ケークウォークアカウントを
    作成します。「Cakewalk Command Center」という専用ソフトをダウンロードして、
    インストールします。「SONAR」のインストールの完了までは、ほぼ全自動です。
    すごく簡単です。ユーザーが管理するのはログインIDとパスワードくらいです。

    現在は月刊ペースで「新機能+不具合修正パッチ」が提供されています。適用の
    タイミングはユーザーが選べます。「Cakewalk Command Center」から「更新」を
    実行したときに、適用されます。また、適用後に不具合があった場合は、以前の
    状態に戻すこともできます。更新に使われたファイルはCドライブに保存されて
    います。
     ファイルの場所⇒「C:\ProgramData\Cakewalk\Command Center\Downloads」
    オフラインインストーラーになりますので欲しい人は個人で保管しておくと良い
    でしょう。Cドライブが圧迫されますので古いものなら自己責任で削除できます。

    アクティベーションはオンラインで実行されますので何もしなくても完了します。
    もしPCがインターネットに接続されていない場合も、リターンファイル方式で
    アクティベーションできます。X3以前のバージョンに比べて、簡単になりました。



    【スペックとPCへの負荷】
    最近のDAWは一画面化がトレンドになっていますがSONARは「Xシリーズ」以降
    「わかりやすい/扱いやすい/覚えやすい」優れたユーザーインターフェースを
    採用しています。一画面化について、簡単に説明しておきます。DAWで楽曲を
    制作するときは、複数のビュー(画面の見え方)を切り替えて、作業を進めます。
     主なビュー
    ・トラックビュー:全体の俯瞰図
    ・ピアノロールビュー:MIDIの打ち込み
    ・スコアビュー:MIDIの状態の楽譜確認
    ・ミックスビュー:コンソール、ミキサー類
    これらは画面下部の「ドック」に格納されていて、タブの切り替え操作で画面の
    表示を変更できます。最大画面にして使えますので、FHD(1920×1080以上)
    が推奨になっていますが、ノートPCの狭い画面のなかでも作業を進められます。

    PCへの負荷ですが、比較的軽量なソフトと言えます。昨年のアップデートにて、
    プラグインエフェクトの負荷分散処理のオプションが実装されました。画期的な
    アップデートで、マルチコアCPUに適切に負荷を分散するため、本来であれば
    オーディオエンジンがドロップアウトしてしまう内容の高負荷なプロジェクトが
    動作を続けるなど、他のDAWよりも耐久性が格段に上であるものになりました。

    <参考リンク>
    動作条件 https://tascam.jp/jp/product/sonar/spec



    【「Cakewalk SONAR」の魅力】
    最後になりますが私が愛用する「Cakewalk SONAR」の魅力について語ってみます。
    私は「バージョン8→8.5→X1→X1拡張→X2→X3→無印(ソナプラLTU)」経歴
    の経験者です。初音ミクV3を購入したときにプレゼントされたYAMAHA Cubase7LE
    も併用していますが、個人的には「SONAR」のほうが圧倒的に使いやすく感じます。
    また起動速度ひとつとってみても、圧倒的なスピードの差を見せつけてくれます。
    しかし使いやすくするのも、使いにくいまま使い続けるのも、ユーザー次第です。

    ・キーバインド
    「SONARの本領発揮は、自分好みにキーボードショートカットを設定してから」に
    なります。これをしないと話になりません。私のように完成されたアサイン設定
    ができあがっている場合と、新規購入者の「SONAR」は「別物」といって過言では
    ありません。たとえば、各ビューの切り替えをキー1つでできるのもそうですし、
    ピアノロールのグリッド分解能の切り替えを、キーで行えるようにしておくのも
    快適化への第一歩です。それから、プラグインリストの編集を自分好みにできる
    のも「SONARの強み」です。変更内容はレイアウトファイルとして保存されます。
    よく使うプラグインの順番に並べることも一つですし、フォルダに入れて整理も
    大事ですし、「LP EQ(やや高負荷)」のように、プラグイン名にメモ書きをして
    おけるのも「SONARの強み」です。「SONARは職人の道具」の域に達しています。

    ・音の良さ
    それから他社のように大々的に宣伝されませんが、「SONAR」の「音の良さ」は
    セールスポイントです。「64bit倍精度エンジン」で音が処理されていますので、
    心地よい音で作業ができます。また昨年のアップデートにて、エフェクトに使う
    プラグインの音質を、アップサンプリングする機能が搭載されました。完成した
    作品を書き出すときに設定することで、簡単に音質を向上させることができます。
    余談ではありますが、よくDTM初心者が「制作中の音と書き出した音が違う」
    と嘆いていますが、「SONAR」には同じ音にする設定があるため、心配無用です。

    ・天才ヘルプ
    初心者に「SONAR」をおすすめする理由も記しておきます。東京でしたら音楽の
    専門学校が豊富にありますから、「習う」ことができます。冒頭でも述べました
    ように、全員が恵まれた環境にいるとは限りません。多くのDTMerは自習を
    することになります。インターネットで情報を集めたり、掲示板で質問をしたり
    するくらいでしょう。しかし「SONAR」には「天才ヘルプ」が搭載されています。
    この意味は、通常のソフトでしたらヘルプファイルはあくまでもヘルプの書類の
    ため、読みたいページを自分で探さなければなりません。しかし初心者にそれは
    酷な話です。「SONAR」のヘルプは天才ですから、「困った画面でF1キーを押す」
    ことで、該当箇所のページでヘルプが表示されます。関係ありそうなリンク先も
    ついていますので、だいたいの困った症状は「自力で解決」することができます。
    また、当然のことですが「完全に日本語ローカライズされている」のも強みです。



    【まとめ】
    現在の日本の代理店はタスカムです。「SONAR X2」までのローランド時代と違い、
    サポートで気分を害することが多いでしょう。ローランドのサポートが良すぎた
    ために、比較してしまうのは仕方がないことです。親身に対応してくれないのが
    普通なのかもしれません。しかし、悪いことばかりでもないと見方を変えました。
    タスカムの親会社はレスポールという世界的に有名なエレキギターのメーカーの
    ギブソン社です。ギブソン社にしてみれば「ウチも楽器メーカーだしPC作曲の
    ソフトあればいいな」「DAW部門が売れなくてもギターの宣伝になればいい」
    程度に考えている可能性があります。「LTU」プランが発表されたときに私は
    「ユーザーがLTU化したら収益源がなくなるのでは?」と疑ってしまいました。
    しかし「生涯アップデート無料」なら、サブDAWとして購入するユーザー増を
    狙った経営戦略と読み直しました。実際に、長期的にみると、お得であることに
    間違いはありません。DAWは落ちる落ちると言われますが、落ちるときはどの
    DAWでも不正終了します。しかし「SONAR」では、復旧用プログラムが直ちに
    作動してプロジェクトが復帰します。自分でもこまめにセーブする習慣があれば、
    事故を防げます。最近のDAWは機能の真似ばかりで、どれでも似たようなもの
    になりました。そのような中でも私が「SONAR PLATINUM Lifetime Updates」を
    最適解と思うのは初心者に優しい設計だからです。参考になりましたら幸いです。



    <参考の動画>
    2016-12-25公開
    【DTMレポート2016】『なぜ、読者は3日で作曲できるか』(2016)
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm30298733
    DTM入門ガイダンスの動画です。これから始める人と、挫折した人に向けて。

    <次回の記事>
    2017-02-19公開
    【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW操作の手引き-
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar1191669


    <以前の記事>
    2016-01-22公開
    反撃のアップグレード! DTMの逆襲! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar954854
    2015-03-08公開
    怒りのアップグレード! DTM地獄! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar623914
    2014-07-21公開
    SONAR X3 アップデータで日本語ヘルプが内蔵されたよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar536807
    2014-03-12公開
    SONAR X3 お願い!タスカムさん日本語版ヘルプ作って!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar480131
    2014-03-08公開
    DTMのお話。SONAR X4 に望んでいる内容はこれです!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar477315


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  • 【DTMレポート2016】 脚本/演出:AIR『なぜ、読者は3日で作曲できるか』(2016) 脚本全文/歌詞完全掲載

    2016-12-25 21:00
    AIR です。

    DTMレポート『なぜ、読者は3日で作曲できるか』についての、お話をします。
    春頃に発売された教本ですがまとまった時間を取ることができなくて、長いこと
    部屋に積んでいました。作曲にしても読書にしても、先送りにしていても罰則は
    ありません。しかし、読書しなければ知識は身につきませんし、作曲しなければ
    楽曲はできあがりません。DTMにおいてもっとも大事なことは、「仕事を断る」
    能力です。私生活の時間は有限ですので、頼まれごとを引き受けた数だけ、自分
    のやりたいことが先送りになります。そうした自分の性格の欠点を自覚しつつも、
    やはり仕事を断り切れなかった私は、五分とか十分といった細切れの時間を寄せ
    集めながら今回の企画を進めてきました。素材の制作なども一人で行わなければ
    ならないため、時間がかかりましたが、無事に完成するところまで到達しました。

    DTMレポート(略称は「Dレポ」)という形ですが、DTMをしている人間の
    実態を描いてみました。何かに取り組むということの心理的なハードルの高さを
    乗り越えるには、助走を手助けしてくれる何らかのアイテムを手に入れると良い
    ようです。膨大な数の創作物がネット上に公開されていますが、その一つ一つの
    制作の裏側に、それぞれ異なる個々の事情があることが伝わりましたら、幸いに
    思います。創作は作品がすべてですが、その裏側にあるものにも目線を向ければ、
    作品をより楽しめるようになります。DTM文化の継続と発展に期待しています。

     オリジナルの音源はこちらのページから再生できます
     シングルカット版はこちらのページから再生できます

    参考文献
    『作りながら覚える 3日で作曲入門』monaca:factory(10日P)
                     /ヤマハミュージックメディア/2016年



    【シナリオ全文/歌詞完全掲載】

    DTMレポート2016なぜ読者は3日で作曲できるか

    初音ミクさんに歌ってもらいたくて、
    DTM用にパソコンを新調した。
    通信販売で、高くて重たい音楽理論の教本を買いあさった。
    お金をたくさん使ってしまった。
    しかし空想するだけでは、曲の形にならなかった。
    早くも現実の壁に、ぶち当たった。
    カードの明細を見て、気が遠くなる。
    使った金額が大きすぎて、
    ひくにひけなくなっているので、
    ダメ押しで本屋さんに行って、実習系の本を買った。
    打ち込みのトレーニングのためだ。
    著者によると、三日間の作曲合宿で自作曲ができあがるらしい。
    今までにはなかったコンセプトの教材で、
    これならできそう、と思えた。
    こうして、研修が始まる。
    その、1日目。

    リズムの構築。ドラムパートとベースパートの入力。
    ピアノロール画面になれるための課題なので、
    手を抜かずに、音符をひとつずつ入力する。
    本物の楽器を触ったことはないが、
    本の通りに打ち込んでいけば、
    ドラムとベースのリズム隊ができあがっていく。
    ベースは、コード進行のルートの音を、
    ずっとオクターブ奏法を繰り返しているだけなのに、
    ずっと聞いていられるのだから、
    魔法のコード進行と言われる理由に、納得できる。
    これまでの挫折の経験から、不安はありましたが、
    出足が好調で、続けられそうな気がする。

    2日目。
    コード進行の構築とメロディーの入力。
    ピアノのパートで、コードの入力を行う課題なので、
    本の通りにノートを打ち込んで行く。
    楽器の数が3つに増えて、伴奏らしくなってきた。
    メロディーは繰り返しながら少し変化をつける、
    といったアドバイスが書かれている。
    メロディーのパートはボーカルのパートになるものだ。
    曲作りに必要な主要なパートは二日目でそろってしまった。
    作曲という行為の、
    ハードルの高さに身構えていたが、現実的にできそうな気がしてきた。

    3日目。
    コードの原則と、曲全体のコード進行の設計。
    いろいろな教本に書かれていることが、同じように説明されている。
    シンプルなスリーコードを元に、
    それぞれのコードの機能を覚えて、
    自分でコード進行を組み立てられるようにする。
    今回もお手本通りに打ち込んでいく。
    3日目になれば、ピアノロールに慣れてきて、
    ノートの打ち込みも、苦痛に感じなくなった。
    著者がサンプル曲として用意したものではあるが、
    1曲を、まるまる打ち込みの実習をしてみることで、
    歌モノの曲というものが、どのようにできあがっているのか
    体験的に学ぶことができる。

    3日間の作曲合宿の1日目は、ドラムとベースの打ち込みの課題でした。
    2日目は、ピアノのパートの打ち込みと、コード進行と、
    重要なメロディー構築の課題でした。
    3日目は、まず1曲作ることから、と、本の帯に書かれているように、
    今までに習った知識で作られた著者の曲を、
    通しで打ち込んでみることで、
    コードの機能、曲全体の設計、メロディーの構造が、見えてきます。
    なお、コード進行には、著作権がないそうですので、
    自作曲を作るときに参考になる、という内容でした。
    作曲するだけなら、高級なDTM音源は必要ありませんので、
    DAW付属の総合音源を使ってみます。かなり古い音源ですが、
    今までの打ち込みに必要とされる楽器は収録されていましたので、
    実用上に問題はないでしょう。
    サンプル曲が5トラックで作られていましたので、
    同じく5トラックの制限をかけても、
    理屈上では、曲ができあがると思います。
    ボーカルも含めて、5トラックに収めてみます。
    それでは、実際に、3日間の実習で、
    オリジナル曲が作れるようになったか、チャレンジ、してみます。



    ラブノート(音符を愛して) ~いつも音楽とDTM~
    作詞/作曲/編曲:AIR

    ハッとして目が覚めたら
    窓から差す朝日
    徹夜で仕事に出かけ
    夜には再開だ

    歌詞を書いて
    ピアノを弾き
    メロディー書き
    ひとやすみ
    ドラムを打ち
    ベース刻み
    気づけば朝か

    いつも音楽のことばかり
    考えているから
    映画とか観ていても
    曲ばかり気になる
    音楽のことばかり
    考えているから
    DTMで
    睡眠不足


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