• アニメ「エロマンガ先生」 兄と妹はゴールを見つけられるか

    2017-05-28 15:00
    AIR です。

    今回のお題はアニメ「エロマンガ先生」です。電撃文庫より原作ライトノベルが
    刊行されている最中の小説のアニメ版です。今の時点では原作が完結していない
    ため、アニメ版一期も区切りが良いところで一応の終わりを迎えると思われます。
    作者が「伏見つかさ」さんでイラストが「かんざきひろ」さんで、OP主題歌を
    「ClariS」さんが担当しているため、前作「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
    のファンが引き続き視聴するには良い内容かと思います。前作を見ていない私が
    「エロマンガ先生とは、ひどいタイトルだ」と遅れながらにして視聴を開始して
    みたところ、予想を裏切っておもしろく感じられたので語ってみたいと思います。


    【 主人公は誰? 】
    おそらく原作小説ではライトノベルの流行りの文体が採用されていると思われる
    ことから「一人称」の「僕(俺)語り」を容易に想像できますがアニメは主観で
    語られませんので、「原作がライトノベル」の先入観にとらわれずに受け取ると、
    松岡禎丞さん演じる「和泉正宗」のほうではなく藤田茜さんが演じる「和泉紗霧」
    を主人公に見ることで全体の物語の見通しがよくなります。最近は放送している
    アニメの本数が多いですので、いわゆる「一話切り」という「第一話の印象にて
    視聴を継続するかしないか」の判決をアニメファンはくださなければなりません。
    本作は「伏線を提示-直ちに回収」するスタイルをとっているため同居中の妹が
    自分の著作に挿絵を描いてくれている正体不明のイラストレーターだったという
    事実を兄が知るところから物語が起動します。もったいぶることも出し惜しみも
    せず視聴者に明かしてしまうところが好印象でしたので視聴の継続を決めました。

    その妹のペンネームが「エロマンガ先生」であり、本作のタイトルでもあります
    から、本作は高校生ながら現役人気作家である兄の人生を追いかけていくよりも、
    「エロマンガ先生」の人生の物語を追いかけていくほうが自然な見方といえます。
    その根拠はOPアニメーションにも描かれています。Bメロでは自分の殻の中で、
    楽しそうに「踊ってみた」をやっています。サビ1からは「走り出す」のですが、
    その表情には「寂しさと不安」が出ています。その後「妹を心配する兄」「兄の
    気持ちも知らずタブレットの絵にバカと殴り書きする妹」の絵が挿し込まれます。
    続いてサビ1’でも「走っている」のですが、今度は「妹と兄の併走」になります。
    「兄と一緒」だから「穏やかで満たされた気持ち」が表情に出ています。中一の
    女の子でメンタルが幼く感情が顔に出てしまうのですが、アニメを読み解くには
    見逃せない部分です。サビ1の不安の原因は「走る妹」の背景で、目まぐるしく
    通り過ぎていく「兄の興味を私から奪っていく兄の周囲に存在する女子達」です。
    ですがサビ1’は「心が通じ合った兄と妹の関係が築かれてからの併走」ですから、
    「兄の興味を私から奪う仕事関係の人達」が通り過ぎても大丈夫と言うわけです。

    さて妹の紗霧ですが、十二歳の中学一年生にして現役の人気イラストレーターで
    ありますから才能に恵まれています。義理の兄妹とはいえ、兄のほうも十五歳で
    紙の本を出していて知名度もある小説家を続けているため才能に恵まれています。
    この場合の評価として公平でない点は、ライトノベルは小説というよりはグッズ
    として売られている側面があることです。一般的に本は内容を確認できなければ、
    買いにくい商品のひとつです。そのため書店でも内容を確認する程度の立ち読み
    ができるように売り場に陳列されています。対してライトノベルは商品の主体が
    絵であるとの考え方からか、本体は小説でありながら内容を確認できないように
    ビニール状の袋でシュリンクされています。つまり表紙の絵が気に入った十代の
    中高生が買っていく商品の扱いですから、エロマンガ先生こと紗霧さんが描いた
    表紙イラストや挿絵がなければ、兄の小説は読者に読まれることすらないのです。
    この関係性を前提として踏まえておくことで本作のテーマを読みやすくなります。


    【 リア充は誰? 】
    流行り言葉に「リア充」という単語があります。現実の生活が充実している人を
    指すスラングなのだそうですが本作では紗霧さんのクラスの学級委員長を務めて
    いる神野めぐみさんがリア充キャラとして登場します。紗霧さんは不登校児です。
    神野めぐみさんが何様かは知りませんが、ライトノベルを指して「キモオタ小説」
    呼ばわりしたことで、正宗さんの同級生で「たかさご書店」の書店員をしている
    高砂智恵さんと喧嘩寸前のところまでいってしまいます。その根拠は、学校中の
    人気者が不登校児の紗霧さんを登校させようとクラスメイトに呼びかけて家まで
    押しかける運動を働きかける力を持っていたことで、彼女の自信を支えています。
    しかしながら、人間としての格は圧倒的に紗霧さんのほうが上回っているという
    事実がありますので、めぐみさんの「思い上がり」はギャグ要素になっています。

    ひきこもりであろうと不登校児であろうと、全国市場で商業作品を手がけている
    プロのイラストレーターという肩書きや売上実績は、経済に貢献していますので
    中学一年生にして納税者です。対して「何者でもなく、今後も何者にもなれない
    であろう」めぐみさんはみじめなものです。日本全国に少なからずファンがいて
    ニコニコ生放送のようなものでネット配信を行えばコメントで場が賑わう人気を
    持つ紗霧さんに向き合うには、「学級委員長です」「友達が多いです」では力が
    不足しすぎています。というよりも、相手になりません。主人公にしても、その
    兄にしても、ラノベ同業者であるところの売れっ子作家の「山田エルフ」さんや
    「千寿ムラマサ」さんにしても十三歳や十四歳という若すぎる年齢でありながら
    アニメ化される原作のラノベで出版社の経営を支えています。このような事実が
    ありますから、同世代で学生と社会人を兼業している面々を並べたとき一般人の
    めぐみさんは人生がみじめなギャグ要員です。人気作家こそが、リア充なのです。


    【 妹どうなる? 】
    主人公の和泉紗霧さんは、最初から完成形にして不完全な存在として登場します。
    アニメの第一話が始まったときは設定が見えませんから、きっと不登校児という
    欠陥の克服が物語の結末であろうと予想できて、その目的で兄が妹を登校させる
    ために奔走する様を一クールかけて描くくだらない内容かと侮っていたのですが、
    本作は展開がスピーディーですから設定が見えてくれば、兄と妹の二人の関係が
    「ビジネスパートナー」であったことがわかります。そして「紗霧さんに学校は
    いらない」ということころまで第一話で見えてきます。ただ、他の面々が学生と
    社会人を兼業していますから、プロのイラストレーターをしながら中学校に通う
    ことも本人の選択としてありえますし、将来的に本格的に絵の勉強をし直したい
    ということを思うようになるイベントがあれば「絵でつまずいたので専門学校に
    通うようになる」という形で、ひきこもりが解決する可能性が本人の選択として
    ありえます。しかしそれは遠い先の話であり、本編では「兄は妹との関係を向上
    させたい」と願って努力していますから、本作は「相互に信頼できる関係の完成」
    が一応の着地点でしょう。それでは作品全体としての物語はどこに着地するのか
    といえば、「エロマンガ先生」という作品はハーレムものですから、兄のほうが
    若くて可愛らしい女の子にモテモテになっていく内容です。紗霧さんは義理でも
    妹ですから、彼女達に嫉妬して焼き餅を焼いていても兄が誰かと付き合うことを
    妨げることはできても止めることまでできません。しかし兄は妹を心から大切に
    思っていますから、ハーレムに対して決着を付けることなく、適当に折り合いを
    付けて、妹とはビジネスパートナーとして平行線の関係を続けることになります。

    紗霧さんの欠落は「常識」です。中学生らしい中学生の生活を送っていないこと
    です。その紗霧さんが「何らかのイベントを通して欠落を克服することによって
    人間として完成する」ことが一般的な物語の落とし所ですから、兄がいなくても
    社会人として生きていける水準に至るまで、「紗霧の人間性が回復」することが
    メインのストーリーになります。見せ方のうえでは兄のほうが主役ですが、兄の
    正宗はアニメ「エロマンガ先生」においても、紗霧さんの人生においても脇役に
    過ぎません。そのような形の描き方しかできなかった理由は決して作者の力量が
    不足していたからではなくて、紗霧さんがひきこもりという設定であるがゆえに、
    「ストーリーを動かせない」からです。そのため「兄が代理で主役の仕事をする」
    形でアニメ「エロマンガ先生」は描画されていきます。兄の正宗の人生において
    妹の紗霧さんは足を引っ張る存在でしかありませんから、ビジネスパートナーで
    なかったとすれば、切り捨てることで人生が楽になります。両親が不在とはいえ、
    「兄妹が出来の悪い兄妹の面倒をすべてみなければならない責任はない」のです。
    小説家として売れなくなり廃業したときには会社員として時間に自由がきかない
    仕事に転職するかもしれません。そのような状況になると紗霧さんが兄に用事が
    あるときに床を叩いて呼びつける「床ドン」に応じることもできなくなりますが、
    生涯にわたって妹と同居して面倒を見続けるという義務は兄の正宗にありません。
    しかし紗霧さんのほうは絵の仕事が順調で編集者を通じて他の作家と手を組んで
    いくことができれば収入を得られますし、ペンネーム通りにエロマンガやエロで
    エッチなイラストを売って稼ぐこともできます。紗霧さんは勉強をしていないと
    思われますから「お金はあるが、生活力がない」といった困った将来になります。


    【 まとめ 】
    紗霧さんにとっての幸せは「いつまでも兄と暮らせる今の生活が続くこと」です。
    兄の正宗にしてみれば「中学や高校に通って一般教養を身に付けて、生きていく
    力を身に付けてほしい」と考えてはいますが、「大事な妹が苦しむことを無理に
    させたくない」という気持ちも心のなかに同居しています。ひきこもりの期間が
    長すぎたために会話するときも声が小さく、ヘッドセットを通してスピーカーで
    音量を増幅しなければならないくらいに社会性が欠落している紗霧さんが学校の
    クラスメイトや学級委員長のめぐみさんの声にそそのかされて登校するといった
    展開も幸福なゴールには見えません。前述しましたように主人公がひきこもりで、
    アニメ「エロマンガ先生」のストーリーを動かせないがために主役でありながら
    紗霧さんはアニメのストーリーの描き方の上で主役の座を兄に代理させています。
    「不登校やひきこもりを克服する」という一般的な物語の解答が自身にとっても
    正解にならないことくらいは気が付いているでしょうから、紗霧さんとその兄は
    別のゴールを二人の人生の着地点に設定し直さなければなりません。本作はその
    期間の二人の生活模様と人間関係を描いたものとして表現されますが、自発的な
    人生の改善が見られない紗霧さんの性格からは「兄に社会性をも代理してもらう」
    ことでしか生きていけません。そのために、『共依存の関係を強固にすることが、
    二人にとっての幸福なゴール』になるのです。愛情という名で依存しあう二人が
    生活のうえでも仕事のうえでも「助け合い支え合う家族」の礎になるのであれば、
    視聴者である他人が否定の言葉を述べる必要はありません。兄が妹を好きになる
    ことがあっても良いですし、創作という内向きのベクトルの行為を媒介してから
    心を通わせる関係があっても良い、そのような作者の嗜癖に触れられる作品です。



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  • 【円盤発売記念】映画『聲の形(こえのかたち)』(2016年) 主人公は誰に許されたか

    2017-05-21 20:00
    AIR です。

    今回のお題は、「映画『聲の形』」です。講談社から原作コミックが発売されて
    いますが、吉田玲子さんが脚本を書いた京都アニメーション版の感想になります。
    『けいおん!』や『響け! ユーフォニアム』でおなじみの山田尚子さんが監督の
    作品です。本作が取り扱う思春期の面倒くさい人間関係を、今回も吉田玲子さん
    が丁寧に処理しておりますので原作を知らなくても完結する内容になっています。


    【 題材とテーマ 】
    本編はいきなり話が始まるため、視聴者は時系列に出来事を整理しなおす作業が
    必要になります。要約すると『主人公は転校生の聾唖(聴覚障害者)の女の子を
    いじめます。耳に傷跡を残す流血の怪我を負わせるなど、“やりすぎ”たことで
    クラスメイトに引かれます。女の子は大人を頼り、いじめから逃れるために転校
    します。主人公はイジメの主犯格として、一人で罪を負って周囲から孤立します。
    小学六年生の教室の事件後、高校生でも友達がいない主人公は死にものぐるいで
    アルバイトをして親に立て替えて支払ってもらった補聴器の弁償代を返済します。
    自殺を決意して人生の最後の仕事のため彼女が通う手話サークルに謝罪に向かい、
    硝子と再会したところから物語が起動します。』となるのが前提となる設定です。

    このプロローグの要約からもわかりますが、劇場用作品らしく興行成績を上げる
    ために耳触りのいいキャッチーな流行り言葉が二つも登場しています。説明する
    までもなく、それは「いじめ」と「障害者」の二つですが、実は本作を読み解く
    うえでは取り立ててキーワードになるものではありません。本作ではヒロインが
    「聴覚障害者だった」のであり、小学校の教室のなかで「いじめ問題があった」
    という事象があるのみです。本作のテーマは「コミュニケーション」に偽装して
    見えづらくしてありますが『自分が自分を赦せる』までのプロセスを積み重ねた
    青春群像劇であります。センセーショナルに書き立てられた看板の宣伝の言葉や、
    「誰でも持っているであろう苦い過ちの記憶」に自身が振り回されるのはうかつ
    な視聴行為ですし定期的に画面に提示される「自殺」という描写に動揺するのも
    物事の本質を見る目を曇らせます。ヒロインの西宮硝子を演じる早見沙織さんの
    迫真の演技が見事すぎるのもありますが、本作の主人公は入野自由さんが演じる
    石田将也であり、「誰に赦されたか?」の追跡によってしか結論を得られません。


    【 警戒と和解 】
    どのように他人が考えたところで人の心のなかというものはわからないものです。
    まず、ヒロインについて考えてみましょう。先天性の聴覚障害を持っていますが、
    母親の教育方針により、健常者と同じ普通の学校に通っています。最初の舞台は
    小学校六年生の教室ですから十一歳から十二歳の男子と女子が混合する空間です。
    本作で最も正直な登場人物の植野直花さんが観覧車でヒロインに本音をぶつけて
    明らかになりますが、西宮硝子は「自分のルールを押しつける無神経な人物」と
    して見られ嫌われました。転校した日に学級担任の先生から自己紹介を求められ、
    「聴覚障害者だから筆談をしてください」の意味合いでノートを取り出したから
    です。植野さんも障害者に対して理解を示しませんでしたが、西宮さんのほうも
    健常者に対する歩み寄りが足りませんでした。その結果、主人公がからかい始め、
    イジメに発展し、転校という去り方をしなくてはなりませんでした。どれほどの
    意地悪をされようと愛想笑いを返すのは先天性の聴覚障害のために幼いころから
    「いじめる-いじめられるモデル」を人間関係の基本形として学習していたため
    の対処方法だからです。トラブルがあればすぐに「ごめんなさい」と謝る行為も
    含めた振る舞い全部が植野さんを苛立たせました。しかし何度も重ねて補聴器を
    買い直すとなれば、家庭の負担も生半可なものではありません。実際に主人公が
    弁償した補聴器の被害総額は、一七〇万円だったことが劇中で名言されています。
    いじめに荷担したクラスメイト達は安易に補聴器を投げ捨てていますが、本作で
    注目してほしいポイントは、その行為の経緯や善し悪しを別にしても、主人公の
    保護者から手渡された大金を西宮さんの母親が受け取ってしまっていることです。

    悠木碧さん演じる西宮さんの妹の西宮結絃が、主人公と西宮家を和解させますが、
    手話サークルで知り合うことになった結絃も最初は主人公を「警戒」し敵視して
    いました。こちらも不登校児で、西宮家では二人の娘が二人とも問題児なことも
    あり、平松晶子さん演じる母親の西宮八重子は子供の交友関係に神経質になって
    います。主人公と出会ったときもビンタを食らわせて子供達にも遊ばないように
    注意します。いじめっ子からいじめられっ子になり、自罰的な学生生活を送って
    いた主人公は、西宮八重子に叩かれても言い返す言葉がありませんが、最終的に
    西宮姉妹の協力があって、西宮さんの母親と和解します。我が子が障害を持って
    生まれてきたがために、余所の家庭よりも多くの出費を強いられているのは疑い
    ようのない現実です。そして現実に向き合えば、お金がかかります。主人公達の
    いじめで補聴器を紛失したなら、買い直さなければ西宮さんの日常生活に支障が
    出ます。学校から注意を受けたとはいえ主人公の保護者も適当な金額で弁償する
    わけにはいきません。学校を通じて「具体的な被害額を明示されたから具体的な
    金額で弁償することができた」のです。つまり「一七〇万円」とはっきりとした
    数字を出されたのです。決して少額ではない賠償額ですが、劇中に裁判の場面は
    ありませんでしたし、後に主人公は死にものぐるいのアルバイトで返済を終えて
    いますから逆恨みする金銭のやりとりではありませんでした。最後に和解に至る
    植野さんは「西宮さんが転校してこなかったら、このようなことにならなかった」
    と正直に話していますから、植野さんが主人公に対して特別な感情を抱いていた
    ことや、西宮さんのせいで主人公がしんどい学生生活を送り自殺までも考えねば
    ならなかった原因を推察できます。彼女の性質を一言で言い表せばツンデレです。

    主人公は「友達の定義」を考えたことで、人物の顔に「×」が見えるようになり
    ました。友達と思えた人から「×」がペロンと剥がれ落ちます。それは対人関係
    の傷にできたカサブタだからです。子供が障害者だから周りの人間は悪意を抱き
    攻撃をしてくるという心構えでいるため、西宮さんの母親は実際に手も出ますし、
    警戒心が強い人間になってしまいました。子供を産むまではそうではなかったと
    思いますが、娘が障害者でイジメや差別を受けているなら、強い母親になるしか
    なかったのです。そのような母親の元で育っているために、次女の結絃も卑屈な
    お姉さんを守るように警戒心が強い人間に育ちました。西宮家の人々がそうして
    強くならなくては生きていけなかったのは、植野さんが感じたところの障害者が
    健常者にマイルールを押しつけてくる無神経さにもありますが、西宮家の人々が
    周囲の人間を信用しきれなかったという「歩み寄り不足」にも原因がありました。
    そのために主人公や主人公の保護者を信用できなくても、「お金」というものは
    信用できるから「一七〇万円もの大金を受け取ってしまった」のです。その点は
    心苦しい気持ちがあるため西宮さんの自殺を救助した主人公が反対に転落事故で
    入院した際は主人公の保護者に土下座して謝罪をしましたし、心を固く閉ざした
    警戒心が強い人間でありながらも、心を開いて和解した人間に対し髪を触らせる
    程度に仲良くなります。主人公の実家は美容室を営んでいますから、人間関係の
    変化を表すには適切な表現でした。そのようにして順々に、小学六年生の教室で
    壊れてしまった交友関係を修復できた主人公は文化祭のラストシーンで「×」の
    世界から解放されます。植野さんが手文字の拙い手話で歩み寄ると、西宮さんは
    それに訂正をかけて二人は和解しました。さらに言えばいじめの主犯格が学級に
    波及したいじめの終焉を確認できたためです。身近な友達にも見知らぬ人々にも
    「×」マークがついてしまう認識の異常が治ったのは、自分で自分に課した罰を
    終えたからです。このように主人公は『自分が自分を赦せる』ようになりました。


    【 まとめ 】
    ヒロインの西宮さんが主人公に好意を寄せた理由を想像してみます。トラブルが
    多い人生を送る自分を守るために母親や妹が警戒心が強い人間になってしまった
    のに反して、西宮さんは対人関係の戦略を「警戒」から「卑屈」に切り替えます。
    愛想笑いを見せて謝っていれば揉め事を解決できると思い込み、自罰的に考えて、
    実際に自殺未遂をします。主人公は友達に恵まれていますが、不器用な人ばかり
    ですから、時間はかかりましたが、壊れていた人間関係を修復できました。最も
    正直な植野さんが無自覚でありますが汚れ役となって対話の場を作ったからです。

    本作のヒロインである西宮さんはラブストーリーにおけるヒロインの位置づけで
    ありながら主人公の周辺に起きる事象のひとつでしかありませんでした。小学生
    のときにひどいことをされていますが、西宮さんの対人関係は愛想笑いを見せて
    トラブルを避けることが卑屈戦略の基本ですから流れに乗るだけです。高校生で
    再会したときに筆談ノートを持ってきたうえに拙いながらも手話を見せてくれた
    主人公に対し警戒心が強い妹の結絃が心を開いていますし家出したときも世話に
    なっています。そうしたお互いの「コミュニケーションの努力」が相互に好意を
    抱く理由になったと想像できます。映画『聲の形』では、聴覚障害は人間関係の
    障害になりませんが「自分が嫌い」という自意識は重篤な障害でした。それでは
    タイトルの意味を回収して、本稿を締めに入ります。西宮さんは自分の気持ちを
    精一杯の発話を行って、「つき(好き)」という「音の形」で主人公に伝えます。
    意図した音の通りには意味は届きませんでしたが、意図は正しく届いていました。
    アニメーションの演出に少し触れますが、本編映像はデジタル作画でありながら、
    レンズを通した処理がなされているため視聴者には見づらい絵面になっています。
    このような作り手が受け手に届けようとした作品の「形」の試みも、「その通り」
    の形で届いていなくても映画『聲の形』は「意図通り」に受け手に届いています。
    わかりやすさや派手な見栄えはありませんが、丁寧な作風で心地好い作品でした。



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  • 【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW操作の手引き-

    2017-02-19 12:30
    AIR です。

    クリエイティブ系のソフトはキーボードショートカットの操作の習熟が必須です。
    「SONAR」も例外ではなくマウスのみのオペレーションよりもキーボードを併用
    したほうが、効率的かつ合理的に作業を進められます。このソフトが持つ膨大な
    機能を覚えるときは自身が主に行う用途に絞って学習するほうが習得が早いです。
    この講座はテキストではなく動画で見せたほうが理解しやすいとも思いましたが、
    道具の扱いを学ぶときに受け身の姿勢で終えてしまっては何ら成長がありません。
    また、動画では内容をプリンターで印刷ができませんし、授業のペースについて
    こられなかった方は読み終えたところで以前と変わらず「わからないまま」です。
    「SONAR」をインストールした直後は「なんという使いにくいソフトだろう」と
    思われたかもしれません。しかしこのテキストに従って一曲を作り上げる流れを
    経験するなかで基本的な環境設定を済ませると、「なんという使いやすいソフト
    だろう」に印象が激変します。それくらいこのテキストは劇薬の効果を表します。

    そのためには「SONARの操作を覚える」から「SONARに操作を覚えさせる」へ
    考え方を改めます。あくまでも想像ですが、メーカーの人は自分たちで開発して
    いるDAWを使って作曲の活動をしていません。実際の作曲活動に使っていれば、
    どこの部分が改修されるべき部分か、ユーザーの手元に届ける前に社内テストの
    段階で発見されるからです。ここでその開発姿勢について不満を述べても仕方が
    ありません。しかしながら「SOANR」には柔軟なカスタマイズ機能が搭載されて
    います。自分で使い込むなかでキーボードショートカットを作り上げていくのも
    一興ですが、経験者が作り込んだ完成度が高いキーバインドを割り当てて慣れて
    から自分好みに微調整することをおすすめします。これから「SONAR」を使い、
    個人レッスンと同じ内容で環境の構築を行いながら、基本となるワークフローを
    体験して頂きます。テキスト通りに設定して基本的な操作を身に付けるためです。

     ①起動について
     ②各ビューの概要
     ③打ち込みと録音について
     ④MIXについて
     ⑤音源の出力について

    「ビューを切り替えながら楽曲を作り」→「MIXを行って」→「出力する」の
    流れで音源を制作します。たったこれだけのことですが、DAWという作曲分野
    のソフトに初めて触れる方、買ってみたものの「SONAR」の操作に慣れない方、
    自力で何とかしようとして挫折した方、ブランクが長い方、にはハードルが高い
    ソフトであることは確かです。何らかのハードウェアを購入したときに入門版が
    バンドルされていた方も目的の作業ができるようになるまでの道のりは長いです。
    DTM(DeskTop Music)は普及しましたが、始めるための敷居は高いままです。

    書店で買える高価なガイドブックを読んでも「SONARを使えるようになりたい」
    という気持ちが1ピクセルも解決されないのは個人レッスンの形式で応じられて
    いないからです。今回は「所要時間3時間」を目安に、実践的な授業をテキスト
    で再現しました。それでは今からいっしょに「SONAR」を触っていきましょう。
    このテキストを一周できれば次からは一人でも「SONAR」を操作できるように
    なっている「あなた」がそこにいるはずです。始めの第一歩を踏み出しましょう。



    ━━━━━━━━
    ①起動について
    ━━━━━━━━

    【 キーバインドの設定 】

    インストール直後の初期の工場出荷状態はメーカー標準操作に基づいた設定です。
    標準的なキーボードショートカットに、必要なキーバインドを拡張していきます。
    最初に「Ctrl+Q」を設定しましょう。設定の手順は一番にマスターする操作です。

    デスクトップの「SONAR Platinum」アイコンから、「SONAR」を起動します。
    パソコンのキーボードの「P」キーの入力で「環境設定」の画面を呼び出します。
    ウィンドウ下部の切り替えから「簡易表示」「詳細表示」のいずれかが選べます。
    初期状態では「簡易表示」になっていますので「詳細表示」を選択しなおします。
    「カスタマイズ」内から「キーボードショートカット」の項目を探しだします。
    「キーバインド」から「Ctrl+Q」操作に「閉じる」操作を割り当てていきます。

     P:環境設定を開く

    「キーを探す」をクリックしてから「Ctrl+Q」を入力します。「Ctrl+Q」は、
    パソコンのキーボードの「Ctrl」キーを押したまま「Q」キーを入力する操作です。
    キーボード入力が受け付けられると、目的の設定先まで自動的にジャンプします。
    次に、右側の機能から割り当て先の「バインド対象」をスクロールして探します。
    「ファイル|閉じる」が見つかったら、お互いをクリックして選択状態にします。
    「バインド」ボタンをクリックします。お互いが線で結ばれれば接続に成功です。
    間違えたものを線で結んでしまったときは、「バインド解除」から解除できます。

     Ctrl+Q:バインド対象「グローバル」の「ファイル|閉じる」

    これで「Ctrl+Q」の入力ですぐにプロジェクトを閉じられるようになりました。
    DAWでは一般的にファイルのことを「プロジェクト(ファイル)」と呼びます。
    「SONAR」のファイルの種類は「Cakewalkプロジェクトファイル」になります。
    プロジェクトは「.cwp」拡張子と「Audio」フォルダの二つで構成されています。
    「Audio」フォルダの中身は、取り込んだオーディオやバウンスしたデータです。
    ファイルの場所を移動したりバックアップを取るときは、セットとして扱います。

    プロジェクトを操作する三種類の基本キーボードショートカットを覚えましょう。
    特に新規作成ショートカットは「すぐ作業に入れる状態にできる」ため便利です。

     Ctrl+O:プロジェクトを開く
     Ctrl+N:プロジェクトを新規作成
     Ctrl+Q:プロジェクトを閉じる


    【 「SONAR」のUIテーマ 】

    「SONAR」はソフトの見た目を環境設定の「テーマ」項目から切り替えられます。
    「環境設定」のウィンドウを開いて、カスタマイズ内から「テーマ」を選びます。
    旧バージョンからのユーザーには「Mercury」が使いやすく感じられるでしょう。
    コマンドセンターからアップデートすると「Tungsten」に強制変更させられます。
    メーカーの都合に合わせる理由はありませんので、好みのテーマを選びましょう。
    「マーキュリー」「タングステン」の二つが実装されています。(2017年2月時点)

     Mercury:中間色で目に優しい配色のため、長時間の作業に最適
     Tungsten:コントラストが強く長時間の作業はつらいが、見栄えが良い

    「普段使いのMercury」「接客用のTungsten」といった使い分けも良いでしょう。
    「慣れ」の影響がおおきいですので、初めての方は好きな配色を選んでください。


    【 新規プロジェクトの作成 】

    「SONAR」ではプロジェクト名を入力しなくても作業を開始することができます。
    「SONAR」起動後「Ctrl+N」キーの操作で規定のテンプレートが開かれるため、
    すぐ打ち込みたい場合や録音したい場合でも設定に煩わされることがありません。
    少し起動して作業するだけなら保存のディスクアクセスがなくて快適な設計です。
    しかし一回目の保存のときには「プロジェクトの名前の入力」が必要になります。
    セーブをこまめに行えるようにするため、名前を付けてから作業を始めましょう。

     Ctrl+S:保存(初回は「名前を付けて保存」)

    一度セーブしておくことで、「Ctrl+S」の上書き保存が使えるようになります。
    作業の合間に「Ctrl+S」を入力する癖を身に付けておくことをおすすめします。


    【 自作テンプレートの活用 】

    初期「BASIC」でも構いませんが「SONAR」は画面のレイアウトを保存できます。
    「Screen」のスクリーンセット内にも、数種類のレイアウトを保存しておけます。
    「SONAR」の画面を構成しているほとんどの部品が、幅の調整に対応しています。
    起動直後から打ち込みや録音が行えるように、シンセやFXを設定しておけます。
    レコーディング用途でも設定済みの状態をテンプレートにすると作業が捗ります。

     1.「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」を選びます
     2.「ファイル名」を「My SONAR」などにします
     3.「ファイルの種類」から「Cakewalkテンプレートファイル」を選びます
     4.「フォルダへ移動」から「テンプレートファイル」を選びます
     5.「保存」をクリックします
     6.「ファイル」メニューの「スタートスクリーン」を開きます
     7.「テンプレート使用」からテンプレートファイルを選択します
     8.先ほど保存した「My SONAR」のテンプレートファイルを見つけます
     9.テンプレートのサムネイル画像の左上をクリックすると「☆」がつきます

    規定のテンプレートとして設定できました。次回以降の新規作成に使用されます。
    使い込んでいくと、自分が使いやすく感じる画面のレイアウトがわかってきます。
    少しずつ手を加えて操作性が良いレイアウトに更新を重ねていくと良いでしょう。

    自作テンプレートを設定しておくと、テンプレートの選択画面が不要になります。
    過去のプロジェクトは「ファイル」メニューを展開するとプロジェクト名が表示
    されるため、クリック操作で開けます。「スタートスクリーン」が不要ですので、
    環境設定の「ファイル」の「詳細」項目にある「スタートスクリーンを表示」の
    チェックを外します。「ファイル」メニューの「新規作成」をクリック後に表示
    される画面はシンプルな「新規プロジェクト作成ダイアログ」に切り替わります。


    【 「MIDI Player」としての「Cakewalk SONAR」 】

    「SONAR」では「MIDI」ファイルをダイレクトに開いて再生することができます。
    「SONAR」は「MIDI」ファイルのプレーヤーとしても使えるようになっています。
    当然のことですが、シンセの入れ替えや「MIDI」の加工や編集も自在に行えます。

    「SONAR」を起動します。プロジェクトが何も開かれていない状態を用意します。
    Windowsのエクスプローラーから「MIDI」ファイルを「SONAR」の画面の枠内に
    ドラッグ&ドロップするか「ファイル」メニューから「MIDI」ファイルを開きます。
    総合音源の「Cakewalk TTS-1シンセ」が自動的に割り当てられた状態になります。

    「MIDI」は電子楽器の演奏データを持つ互換性のあるファイルフォーマットです。
    データ容量が小さい利点があるため他のDAWを使っている友人からEメールに
    添付して送ってもらって、内容を確認したり編集する場合のやりとりに使います。
    プロジェクトファイルに互換性はありませんがMIDIであれば開くことができます。
    「SONAR」から「MIDI」形式で保存することで他のDAWに渡すこともできます。
    ただし他のDAWはダイレクトに開けませんので、一つずつ割り当てが必要です。

    「ファイル」メニュー「名前を付けて保存」をクリックし「ファイルの種類」を
    「MIDIファイル フォーマット1」に変えて実行するとトラックが分かれた状態の
    「MIDIファイル」を書き出せます。保存後はプロジェクトを閉じて開き直します。
     スタンダードMIDIファイル(SMF)フォーマット「0」:シングルトラックのSMF
     スタンダードMIDIファイル(SMF)フォーマット「1」:マルチトラックのSMF


    また、光学ドライブにCDをセットしてあったり仮装ドライブにCDイメージを
    マウントしてあったりする場合はCDの曲をトラックに取り込むことができます。
    「ファイル」メニューの「インポート|オーディオCD」から取り込みたい曲を
    選びます。トラックを選択して「再生」ボタンをクリックすると、取り込む前に
    試聴できます。「インポート時のビットレート」の設定は「オリジナル」を指定
    のまま「OK」をクリックすると、新規オーディオトラックにリッピングされます。
    MIXのときにリファレンスに使う曲を取り込む以外にも、VSTエフェクトを
    通した音で再生可能な「高性能エンジンのCDプレイヤー」として利用できます。



    ━━━━━━━━━
    ②各ビューの概要
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    【 「SONAR」のウィンドウ 】

    「SONAR」の各ウィンドウの名前は素直ですので覚えるのが楽になっています。
    「コントロールバー/ブラウザ/インスペクタ」は、表示場所を移動できます。
    「表示」メニューから呼び出せる各種ウィンドウと各モジュールを紹介します。

     コントロールバー:画面上部にあるコントローラー
     ブラウザ:画面右部にある各種コンテンツを表示するパネル
     インスペクタ:画面左部にあるトラックやクリップに対応した設定パネル
     トラックビュー:プロジェクトの作業に使用するメインの画面
     コンソールビュー:トラックのサウンドをミキシングする画面
     ピアノロールビュー:「MIDI」のノート情報の表示や編集を行う画面
     ステップシーケンサービュー:ループ「MIDI」の入力を行う補助の画面
     マトリックスビュー:オーディオや「MIDI」をトリガーするセルの画面
     譜面ビュー:トラックの「MIDI」のスコア表示やフレット表示する画面
     シンセラックビュー:プロジェクト内で使用しているシンセのラック画面
     イベントリストビュー:「MIDI」イベントを表形式で表示し編集する画面
     マーカービュー:打ち込んだマーカーを表形式で表示し編集する画面
     テンポビュー:プロジェクトのテンポ設定を表示や編集する画面

    覚えることが多く感じますが、実際には「制作してMIXする」画面を使います。
    具体的には「トラックビュー」「ピアノロールビュー」「コンソールビュー」の
    三つが主に使うウィンドウです。他は補助的なものですので必要になったときに
    呼び出して作業が終われば閉じます。呼び出すとマルチドック内に表示されます。

    「コントロールバー/ブラウザ/インスペクタ」を最小サイズ表示に折りたたみ、
    作業中のウィンドウを最大画面表示にすることで、ノートPCでも狭さを感じる
    ことのないレイアウトになります。これが「SONAR」がバージョン「X1」以降で
    採用している「1画面オペレーション」です。マルチモニター環境でない方でも、
    狭さを感じることがなく、複数のやりたい作業が一つの画面のなかで完結します。
    ウィンドウが煩雑にならないことで、頻繁な切り替え操作からも解放されました。
    このような操作性からも「SONAR」がシンプルな設計であることを理解できます。


    【 コントロールバーとテンポの設定 】

    画面上部のコントロールバーは、「C」キーで表示と非表示を切り替えられます。
    しかし表示がないと不便なバーです。どうしても画面を広く使いたいとき以外は、
    表示したまま使います。「Shift+C」の操作によりコンパクトに折りたためます。

     C:コントロールバーの表示と非表示を切り替える
     Shift+C:コントロールバーをコンパクトに折りたたんだり展開する

    非常時の操作として覚えておきたいものは「オーディオエンジンの開始/停止」
    です。「現在タイム」の下段の右端のアイコンです。たとえばシンセサイザーが
    不具合を起こして音が鳴りっぱなしといったトラブルが発生したときに使います。
    オーディオエンジンを停止してから開始することで「リセット」をかけられます。

    プロジェクトのテンポは、コントロールバーの「テンポ」欄から設定を行います。
    初期設定のテンポ「120」とは「一分間に四分音符が120個入る速度」という
    指示の速度です。「120」と表示されている部分をクリックすると、楽曲の基準
    となるテンポを設定できます。「SONAR」では変則的なテンポの楽曲も作れます。
    「編集」メニューの「テンポ」を開くことで、テンポビューがドックに入ります。
    ペンツールでテンポを自在に指定できます。対応小節番号を見ながら設定します。

    隣の「4/4」が表示されている「拍子記号/調号の挿入」をクリックすると、その
    プロジェクトの拍子を変更できます。このコマンドを実行した位置から反映され
    ますので、プロジェクト中に動きがない場合は、楽譜の先頭で設定を済ませます。
    楽曲の途中で転調がある場合は、その位置から調号の表記を変更しておくことで、
    転調以降の変化記号が調号に表示されるためスコアビューが読みやすくなります。


    【 マルチドック(MultiDock)と「拡張キーバインド操作」 】

    「SONAR」は同時に複数のウィンドウをドックに格納し、切り替えて表示します。
    「D」キーの入力で、マルチドックの表示と非表示を切り替えることができます。
    「Shift+D」で現在作業中のタブのウィンドウを、最大表示に切り替えられます。
    しばらく使わないと思われる不要なタブは、タブ名の右側の「×」から消せます。
    タブをドラッグ&ドロップすると、ドックから切り離してウィンドウにできます。
    ウィンドウ化したタブはタイトルバー左端のアイコンをクリックして表示される
    メニューから「MultiDockへドッキング」を選ぶことで、ドックに格納できます。

     D:マルチドックの表示と非表示を切り替える
     Shift+D:現在作業中のウィンドウ内容の最大表示と通常表示を切り替える


    それでは「SONAR」の最重要となる「拡張キーバインド操作」の設定を行います。
    左手の操作は「D」キーが中心になるため、「D」を中心にした操作を構築します。
    次のように、キーバインドを追加しましょう。タブの操作は業界標準に準じます。

     E:バインド対象「グローバル」の「表示|ピアノロールビュー」
     S:バインド対象「グローバル」の「表示|譜面ビュー」
     F:バインド対象「グローバル」の「表示|ブラウザ」
     A:バインド対象「グローバル」の「表示|インスペクタ」
     X:バインド対象「グローバル」の「表示|コンソールビュー」
     Ctrl+Tab:バインド対象「グローバル」の「次のタブ」
     Ctrl+W:バインド対象「グローバル」の「現在のタブを閉じる」

    設定が完了すると「SONAR」は次のような「拡張キーバインド操作」になります。

     E:ピアノロールビューを表示する
     S:スコアビューを表示する
     F:ブラウザの折りたたみと展開を切り替える
     A:インスペクタの折りたたみと展開を切り替える
     X:コンソールビューを表示する
     Ctrl+Tab:次のタブに切り替える
     Ctrl+W:現在のタブを閉じる

    これにより左手で各ビューを自在に行き来しながら右手はマウスに集中できます。
    パソコンのキーボードの「左手のホームポジション」を体で覚えて慣れましょう。
    中指を「E」に、薬指を「S」に、人差し指を「F」に、小指を「A」に配置します。
    これが「拡張キーバインド操作」における左手の指を添えておく基本の位置です。

    中指と薬指の交互入力で、ピアノロールとスコアをシームレスに行き来できます。
    中指を下にすべらせると「D」に触れドックの表示と非表示を切り替えられます。
    薬指を下にすべらせると「X」に触れコンソール画面に素早くアクセスできます。
    ブラウザにアクセスする用事があるときは、人差し指でブラウザを表示させます。
    シンセやFXの挿入以外でブラウザを使いませんので普段は非表示にしておくと
    画面の右側が解放されるため、画面を広く使えるようになります。インスペクタ
    に用事がないときは小指で非表示に切り替えておくことで、左側も解放されます。
    ブラウザとインスペクタを非表示に切り替えることで、割と画面が広くなります。
    なおドック内でタブ化されたウィンドウは、「Ctrl+Tab」で切り替えられます。


    作曲のツールとしてDAWを扱う場合は、ピアノロール画面さえ使えれば作業に
    支障がないように考えてしまいがちです。しかしながら音楽は古くから五線譜で
    記録されていました。憧れのアーティストの楽曲をDTMで再現したいとします。
    バンドスコアなど書店で手に入れられる音楽のフォーマットは現在でも楽譜です。
    学校の吹奏楽部の部員が課題曲を演奏するために、参考音源をDTMで再現する
    場合でも、楽譜を見て写す作業になります。クラシック音楽をDTMで再現する
    場合でも、やはり楽譜を見ながらの作業になります。そのように考えると楽譜が
    読めなければDTMを始められないように感じてしまいますが、ピアノロールを
    表示した状態からスコアビューをドックから取り出して画面上に表示しておけば、
    入力内容がスコアビューに直ちに反映されるレイアウトになります。他人が作成
    した楽譜を読む力がないとしても、自分が入力した内容であれば容易に読めます。
    ピアノロールのどこの位置にどのようなノートを入力すると、スコアビューでは
    どのような音符でどのように表示されるかといったことに気をつけて作業を行い、
    対応関係に慣れていくことで、ピアノロールとスコアビューを交互に切り替えて
    作業を進められる便利さに気付きます。「SONAR」は五線譜の読み書きが苦手な
    ユーザーが五線譜に慣れるためのトレーニングツールとしての役割も果たします。


    【 スマートツール 】

    具体的に「SONAR」を操作します。「Ctrl+S」で新規プロジェクトを作ります。
    最初に覚えるのは「T」キーです。キーボードの「T」キーを押してみましょう。
    マウスカーソルの近所に、ツールボックスが出現します。再入力操作で消せます。
    ツールを切り替える目的でコントロールバーをクリックするため画面左上にまで
    マウスカーソルを移動しなくても、この操作からツールを切り替えられるように
    なります。マニュアルを読み込まないと実装されていることすらも気が付かない
    機能です。「ヘッドアップディスプレイツール」という名前が付けられています。
    しかしながら名前を知らないうちは、ヘルプで検索することもできない隠し機能
    です。基本的に「☆」のマークの「スマートツール」でほとんどの作業をします。
    「その場面で必要な機能に自動的に切り替わる複合的な機能を持つツール」です。

    手動で任意のツールに持ち替えることもできますので各機能の役割も覚えておき
    ましょう。ツールアイコンの右下に三角形があるものは「アイコンの長押し」で
    パネルのなかにある別のツールに切り替えることができます。イレースツールの
    なかには、「ミュートツール」が収納されています。比較的よく使うツールです。
    「ミュートツール」のときに対象クリップをクリックするとミュートにできます。
    ミュートになったクリップを再クリックすると解除できます。ノートも対象です。
    ミュートツールで消音状態にしておくとデータを残したまま再生できて便利です。

     スマートツール:他のツールの機能も含んだ「SONAR」のデフォルトツール
     セレクトツール:各データを選択するためのツール
     ムーブツール:各データを移動するためのツール
     エディットツール:各データを調整するためのツール
     ドローツール:オートメーションを入力するペンツール
     イレースツール:各データを削除するための消しゴムツール


    【 トラックの作り方 】

    「オーディオ」のデータと「MIDI」のデータを組み合わせて楽曲を制作します。
    トラックビューで作業をします。それぞれのデータによりトラックが分かれます。
    ボーカルや効果音などのオーディオ素材を扱わない場合は、「MIDI」を格納した
    トラックのみのプロジェクトになります。本来であれば、「MIDIトラック」と、
    その「MIDI」トラックを再生するための「オーディオトラック」のペア一組で
    二つのトラックが必要です。現在では一つのトラックで扱えるようになっている
    ため、トラックビューが煩雑な画面から解放されました。「MIDI」と出力先の
    トラックがペアになったトラックを「インストゥルメントトラック」と言います。

    シンセサイザーを挿入しましょう。ブラウザの「Plugins」タブをクリックして、
    「Instruments」をクリックします。そのPCにインストールされているシンセ
    の一覧が表示されます。総合音源の「Cakewalk TTS-1」を挿入してみましょう。
    シンセの名前をダブルクリックします。「プラグインシンセ挿入オプション」が
    表示されます。「インストゥルメントトラック」にチェックが付いていることを
    確認して「OK」ボタンで決定します。挿入したいシンセの名前を「ブラウザから
    トラックビューにドラッグ&ドロップ」する操作からでもシンセを挿入できます。

    オーディオトラックを作成しましょう。トラックビュー上の「+」のアイコンを
    クリックします。「トラックの追加」が開かれますので、「オーディオ」のタブ
    になっていることを確認して「作成」ボタンをクリックすることで作成できます。
    「インプットモニター=オン」をクリックして点灯すると音をモニターできます。
    再クリックで消灯できます。入力中の音をモニタリングするときに使う機能です。

    トラックビューでは、上から順番にトラック番号が割り振られます。これまでの
    操作で、「1トラック目 シンセ」「2トラック目 オーディオ」のトラックが
    作成されている状態です。トラックビューに配置されたシンセはトラック番号の
    右隣のアイコンをクリックすることで、シンセの画面をウィンドウ表示できます。


    【 プラグインエフェクトとプロチャンネル 】

    FXプラグインは「オーディオトラック」と「シンセトラック」に挿入できます。
    左側のインスペクタのFX欄がエフェクトのスロットになっています。ブラウザ
    の「Plugins」タブの「Audio FX」をクリックすると、そのPCにインストール
    されているエフェクトの一覧が表示されます。インスペクタが「プロチャンネル」
    タブになっているときはFX欄が見えませんので、「ProCh」をクリックします。
    ブラウザからFXの名前をFX欄にドラッグ&ドロップする操作で挿入できます。
    音の信号は上から下に向かって流れます。各プラグインは名前パネルを上か下に
    ドラッグ&ドロップする操作でトラックにエフェクトがかかる順を変更できます。

    たとえばFXスロットにコンプレッサーが挿入されている状態で、後段にEQが
    挿入されているとします。コンプレッサーの前にEQをかけたい場合は、EQの
    プラグイン名をコンプレッサーのプラグイン名よりも、上にドラッグ&ドロップ
    の操作を行うと赤い線が出現しますので、ドロップすることで移動が完了します。
    また、「Ctrl」キーを押しながら、FX欄にプラグイン名をドラッグ&ドロップ
    する操作で、そのFXをパラメーターの設定ごと複製できます。別のトラックの
    FX欄にドラッグ&ドロップする操作で別のトラックに複製することもできます。


    実際にエフェクトを挿入してみましょう。最初に、トラック1をクリックします。
    トラック1が選択状態になりインスペクタも対応したトラックの内容が表示され
    ます。インスペクタの「FX欄」に、「Boost11」をドラッグ&ドロップします。
    FX欄のプラグイン名をクリックすることでプラグインの画面をウィンドウ表示
    できます。FX欄のプラグイン名の左の電源アイコンをクリックすると、FXの
    電源をオフにできます。プラグイン名が消灯中は、効果がバイパスされています。
    FXの電源がオフのときは効果が無効になっていますので、エフェクトの影響が
    ない状態でトラックの音を再生できます。FX欄の左側の「ラックのバイパス」
    ボタンのクリックから、そのトラックに挿入されたエフェクトを一括で電源オフ
    の状態にできます。また、プロジェクト全体のエフェクトを無効にしたいときは、
    コントロールバーの「FX」をクリックすることで、設定を変更せず全トラックの
    エフェクトをバイパス状態にできます。使わなくなったプラグインは右クリック
    から「削除」を選ぶ操作で、トラックのエフェクトスロット内から消去できます。

    エフェクト処理も積み重なると負荷が高いです。CPUパワーが許す限り複数を
    挿入できますが、どれほど高性能なパソコンでも限界はあります。エフェクトに
    よって負荷の大小も異なります。限界を超えてしまうと、オーディオエンジンが
    ストップします。コントロールバーの「CPUメーター」が負担の目安になります。
    使っているパソコンが物理コアを四つ以上を実装したCPUの場合に限りますが、
    「環境設定」から「オプション」内の「マルチプロセッサ処理を有効にする」と
    「プラグインの負荷バランス」の二つにチェックを入れることで、負荷を適切に
    分散して処理できるようになります。従来のDAWはマルチコアを効率的に扱え
    なかったため一コア目のみCPU負荷が跳ね上がり、ドロップアウトが発生して
    制作作業が滞りました。最新「SONAR」はマルチコアCPUと組み合わせて使う
    ことで負荷が改善されるためCPUスパイクが減ります。強力なエフェクト処理
    を行ってもオーディオエンジンが停止することなく比類なき耐久性を発揮します。

    「プロチャンネル」というチャンネルストリップが全トラックに付属しています。
    インスペクタの「ProCh」をクリックすることで該当トラックのプロチャンネル
    を操作できます。「PROCHANNEL」欄の下段の電源ボタンが、全体の電源です。
    点灯させるとプロチャンネルが有効になります。もう一度クリックすると無効に
    なります。各モジュールごとに電源がありますので使うモジュールのみに電源を
    入れてCPU負荷を軽減します。仮MIXでしたら、プロチャンネルでも十分に
    行えます。ボーカルは「CA-2A」「BREVERB 2」「QUADCURVE EQUALIZER」
    の三つのモジュールで音作りを行います。マスター用途のバスコンプもあります。

     CA-2A T TYPE モジュール:実機は「LA-2A」というコンプレッサー
     BREVERB 2 モジュール:実機は「LEXICON 480L」というプレートのリバーブ
     QUADCURVE EQUALIZER モジュール:実機は「SSL4000」コンソール内蔵EQ
     PC4k S-Type モジュール:実機は「SSL4000」コンソール内蔵トータルコンプ

    「QUADCURVE EQUALIZER」は背景にスペクトラムアナライザーが表示される
    ため、周波数の分布を見ながら、他の楽器との帯域のぶつかりを意識したMIX
    作業を行えます。画面の上に周波数に対応した「鍵盤」が表示されていますので
    音の参考になります。「ズームウィンドウを開く」をクリックしてからピン止め
    することもできます。プロチャンネルには他にも様々な効果のモジュールが実装
    されています。通常のFX欄スロット同様に各モジュールのドラッグ&ドロップ
    操作でFXがかかる順を変更できます。また、プロチャンネルにFXプラグイン
    を挿入する操作で「エフェクトチェーン」を自作することができます。FX欄と
    しても使えますので、プロチャンネルとFX欄を併用する場合はプロチャンネル
    にFXチェインを作成したほうが行き来する手間を省けて効率的に作業できます。


    【 ウィンドウのピン止め 】

    「SONAR」では画面の煩雑さを回避するために、同時に複数のプラグインを表示
    することができないようになっています。一度に一つのプラグインしか画面上に
    表示できないため、旧バージョンからアップグレードした方が最も混乱する部分
    と思われます。DTMを始めたばかりの方でも「なんと使いにくいソフトだろう」
    と感じられる部分です。以前までは、プラグインのウィンドウは開いた数のぶん
    画面が狭くなっていきました。現在は「ピン止めしたウィンドウのみ画面に残る」
    ように改善されました。しかし、シンセサイザーのパラメーターをいじりながら
    エフェクターもいじりたいときは一つのウィンドウをリサイクルして行き来する
    よりも二つのウィンドウを同時に表示した状態で並行作業するほうが合理的です。

    トラック1のシンセを開きます。ウィンドウの右上に「安全ピン」のアイコンの
    ボタンがあります。クリックして点灯状態にしておくことで閉じないウィンドウ
    に切り替わります。もう一度クリックして消灯すると元のウィンドウに戻ります。
    エフェクトのウィンドウも同様の操作でピン止めできます。自分の作業スタイル
    にあわせて切り替えます。自動的に整理整頓された画面で作業できるため快適に
    制作を進められます。ピン止めしたものも「×」で閉じると「新しいウィンドウ
    を開くことで前のウィンドウが消える」という元のウィンドウの挙動に戻ります。

    また、シンセサイザーのウィンドウとエフェクトのウィンドウはマルチドックに
    格納できます。ウィンドウの左端のアイコンをクリックして表示できるメニュー
    から「MultiDockへドッキング」を選びます。ただしタブが煩雑になりますので
    必要なウィンドウのみピン止めしていく使い方のほうが、理にかなっています。



    ━━━━━━━━━━━━━
    ③打ち込みと録音について
    ━━━━━━━━━━━━━

    【 再生と停止と一時停止 】

    編集画面の縦に引かれている細い線のことを「現在タイムマーカー」と言います。
    コントロールバーの「現在タイム」の表示カウンタから正確な位置がわかります。
    タイムルーラの部分をクリックすることで、現在タイムマーカーを移動できます。
    「Space」キーで再生が始まり、現在タイムマーカーが時間に沿って進行します。
    スペースキーで再生させて停止させる操作は、一般的なDAWの共通操作になる
    ため「SONAR」に乗り換えた方が最初に確認するキーボードショートカットです。
    「J」キーの入力で「ジャンプ」先を尋ねられますので時間を入力すると指定の
    位置に現在タイムマーカーと画面の表示内容を、一瞬で移動することができます。

    コントロールバー上に「巻き戻し」「停止」「再生」「一時停止」「早送り」の
    ボタンがありますが、「再生/停止/一時停止」はキーボードショートカットで
    行います。設定のため、トラックビューに切り替えて画面上部の「オプション」
    をクリックします。「停止時に現在タイムマーカーに戻る」にチェックを入れた
    状態にします。この設定により、スペースキーで再生を開始してスペースキーで
    最初の位置まで現在タイムマーカーを戻すことができるようになりました。この
    チェックが入っていない設定では、停止した位置で現在タイムマーカーが止まる
    ため、マウスから再生開始位置を再指定しなければならなくなり非常に不便です。
    この設定ができているときは再生中に「Ctrl+Space」を入力することで再生を
    止められます。この場合の停止は止めた位置に現在タイムマーカーが移動します。
    先頭から再生したいときは「Ctrl+Home」でプロジェクトの始めに移動できます。

     Space:プロジェクトの再生、再生中は停止
     J:現在タイムマーカーのジャンプ
     Ctrl+Space:プロジェクトの再生の一時停止
     Ctrl+Home:現在タイムマーカーをプロジェクトの先頭にジャンプ

    「ループ」を設定すると同じ部分を繰り返し再生することができます。マウスで
    画面上部の「タイムルーラ」上に始点と終点の選択範囲を作り、「Shift+L」を
    入力します。これで選択範囲の反復範囲が設定されました。この状態から再生を
    行うと現在タイムが終点の位置になると始点に戻り無限に繰り返し再生されます。
    コントールバーの「ループ オン/オフ」ボタンをクリックして、点灯を消灯に
    戻す操作で反復を終了できます。自動的に反復再生されますので、作り込みたい
    範囲にループを設定しておくことで再生と停止の操作の手間を省けます。ループ
    再生が行われているときでも、「Space」と「Ctrl+Space」の操作が行えます。
    「ループ オン/オフ」もキーボードショートカットを設定しておくと快適です。

     Ctrl+Shift+L:バインド対象「グローバル」の「ループのオン/オフを切り替え」

     Shift+L:ループの設定
     Ctrl+Shift+L:ループのオン/オフを切り替える


    【 ソロとミュート 】

    複数のトラックがある場合に、特定のトラックのみの音が鳴る状態を作ることで
    作業をしやすくなります。歌モノの楽曲でドラムのパートを制作しているときは、
    ドラム以外のピアノやベースやボーカルの音が聞こえていると作業しづらいです。
    「S」ボタンを押すことでそのトラックのみの音にできます。ソロ状態は複数の
    トラックに設定できますので、ドラムとベースの二つのトラックをソロにすると
    いった使い方によって、リズム隊の音のみを聞きながら作業することができます。

    逆に、「M」ボタンを押すことでそのトラックの音のみを消した状態を作れます。
    ミュートも複数のトラックに設定できますので、ボーカルとサブボーカルを抜く
    といった使い方によって、カラオケにできます。トラックに「S」を設定すると
    他のトラックがミュートされますが、コントロールバーの「DIM」ボタンを押す
    ことで、ソロのトラック以外のトラックが小さな音量で聞こえる状態になります。
    ディムソロは楽曲全体を聴きながら、特定のトラックを編集するときに使います。


    【 ピアノロールと「拡張キーバインド操作」 】

    ピアノロールビューでシンセの打ち込みを行います。DTMの「打ち込み」とは
    DAWソフトを使って、ピアノロールビューに「MIDI」データを入力する作業の
    ことを言います。コンソールビューでシンセサイザーのトラックをクリックして、
    ピアノロールビューを「E」で開きます。ピアノロールでは、マウスのドラッグ
    操作でノートを置いていきます。短くドラッグすると、前回と同じ長さのノート
    を書けます。長くドラッグすると、以前より長い長さのノートを書けます。以前
    より短いノートを書きたいときは、ノートを書いてからノートの右端をドラッグ
    して目的の長さになるまで縮めます。消したいノートの上で右クリックの操作で、
    ノートを消せます。複数のノートをまとめて消去したい場合は、右クリックから
    選択範囲を作って「Delete」キーを入力します。このような消去の操作を覚える
    ことで、消しゴムツールに持ち替えなくても全操作をスマートツールで行えます。

    〔ピアノロールビュー上のマウス操作〕
     短くドラッグ:前回と同じデュレーションのノートを書く
     長くドラッグ:以前より長いデュレーションのノートを書く
     ノートの右端をドラッグ:延ばしたり縮めたりして配置済みノートをストレッチ
     ノートの真ん中でドラッグ:マウスカーソルが十字のときにノートを移動
     ノートの上端で上下にドラッグ:マウスカーソルがグラフ付きペンのときにベロシティ変更
     ノート上で右クリック:対象ノートを削除
     Ctrlを押しながらクリック:選択ノートの追加。選択済みノートの選択を解除
     右ドラッグ:選択範囲作成。続けて「Delete」入力で範囲内のノートを一括削除
     Alt+左クリック:前回と同じデュレーションのノートを1クリックで置く
     ダブルクリック:前回と同じデュレーションのノートを書く
     ノート上でダブルクリック:ノートのプロパティを表示する
     Alt+右クリック:対象ノートをミュート。ミュート状態のときはミュートを解除
     ノート上でAlt+左クリック:対象ノートをクリック位置で分割
     Ctrl+ノートをドラッグ:対象ノートをコピー
     Ctrl+Altを押しながら同一音程のノートとノートをなぞる:ノートの結合
     Tab:単一ノートを選択した状態で次のノートに選択対象を切り替える
     Shift+Tab:単一ノートを選択した状態で前のノートに選択対象を切り替える

    あまり知られていませんが、イラストの制作に使うタブレットや、タッチ対応の
    ノートPCを使うことで、ピアノロールを指先やペン入力できるようになります。
    マウスの物理的な移動距離を煩わしく感じられる方は試してみると良いでしょう。


    ドラム音源の入力では、ピアノロールビューの左端の表示が鍵盤では使いにくく
    見える場合があります。鍵盤の上で右クリックを行って「以下のノート名を使用」
    から「General MIDI Drums」を選ぶと、「GM配列」のドラムマップになります。
    「TTS-1」などに対応します。標準の鍵盤表示は「Diatonic」が選ばれた状態です。

    トラックビューに戻ります。トラック上に作成されている長方形のMIDIデータの
    まとまりを「クリップ」と呼びます。オーディオデータを「オーディオクリップ」
    と呼びます。トラックビューでは、クリップ単位で移動や削除の操作を行います。


    《 ナッジ 》
    ピアノロールビューのノートやトラックビューのクリップを左右にずらす機能を
    ナッジと言います。テンキーの「5」キーで「ナッジに関する設定」を開けます。
    「ナッジ 1」の「絶対時間」を選び「絶対時間」を「1」にして「ティック」を
    単位に選び「OK」をクリックして、設定を完了させます。これでナッジ一回分の
    ノートやクリップの移動量が「1」になりました。三パターンまで設定できます。

    打ち込みでは、ノートの開始位置がピアノロール画面の背景の罫線にジャストに
    そろってしまうため、あからさまに打ち込みで作られた曲に聞こえてしまいます。
    実際のミュージシャンの演奏はメトロノームのクリック音を参考にしていながら、
    良い意味で前後にずれていることで音楽的に聞こえます。ナッジの機能を使えば、
    DTMの打ち込みでも演奏におけるずれを表現できます。ナッジしたいノートか
    クリップを選択状態にします。複数選択した状態でも適用できます。テンキーの
    「1」で左にずらせてテンキーの「3」で右にずらせます。ドラムとベースのみを
    再生しながらナッジの微調整でグルーブ感を出していくといった使い方をします。
    また、「ファイル」メニューの「インポート」の「オーディオCD」コマンドで
    CDから取り込んだオーディオデータをメトロノームに合わせたいときもナッジ
    を使って調整していくことで「ティックの精度」で正確に位置合わせができます。

     テンキーの5:「ナッジに関する設定」を開く
     テンキーの1:左へ「ナッジ 1」の実行
     テンキーの3:右へ「ナッジ 1」の実行


    《 ベロシティ 》
    画面上のノートをダブルクリックすると「プロパティ」の表示と編集ができます。
    プロパティからは数値で正確に「ベロシティ」を指定できます。マウスカーソル
    をノートの中央に乗せると十字に切り替わります。ドラッグ&ドロップの操作で
    ノートを移動できます。複数を選択した状態で行うと、複数のノートを移動する
    ことができます。マウスカーソルをノート上半分に合わせるとグラフ付きペンに
    切り替わります。この状態で上下にドラッグ&ドロップする操作でベロシティの
    値を上下に変更できます。ピアノロールビューではマウスの右クリックを使って
    選択範囲を作れます。選びたいノートが範囲に入るように始点から終点に向かい
    右クリックで囲います。または「Ctrl」キーを押したまま左クリックで一つずつ
    選択したいノートを選んで追加していきます。複数のノートが選択されたときは、
    一つのノートのベロシティを変更する操作で、選択範囲内に含まれる全ノートの
    ベロシティの値を一括で変更できます。複数のノートを移動することもできます。

     V:バインド対象「グローバル」の「プロセス|ベロシティスケール」

    「V」キーのベロシティスケールダイアログからでも数値で正確に指定できます。
    たとえばドラムのハイハットの値を一括して変更したいときは、ピアノロールの
    ハイハットが割り当てられた鍵盤の「Bb2」をクリックする操作で「Bb2」行に
    含まれるノートがまとめて選択されます。鍵盤の「C2」ではキックが選ばれます。


    《 トランスフォームツール 》
    コントローラ表示部「トランスフォームツール」ボタンをクリックすると機能を
    有効にできます。左肩や右肩を下げたり上げたりする操作で簡単にベロシティに
    クレッシェンドやデクレッシェンドをかけられます。「トランスフォームボタン」
    を右クリックすると「トランスフォームツール」の操作メニューを表示できます。
    コントローラ表示部のCCイベントを囲った範囲を「境界ボックス」と呼びます。

    左肩と右肩にある「○」のハンドルを上下させることで対象CCイベントを傾斜
    することができます。四角形の上辺中央のハンドルを上下するとCCイベントの
    値を上下することができます。CCイベントが「1:Modulation」などベロシティ
    以外のときは中央にハンドルが表示されます。左または右にドラッグする操作で
    CCイベントを左や右にずらすことができます。境界ボックスの四角形の左辺の
    上部に付属しているボタンをクリックすると「ソフトモード」に切り替わります。

    「ソフトモード」にチェックを入れると境界ボックス内で行った変更が隣接する
    境界ボックス外に対して緩やかに影響するようになります。編集内容により急な
    変化が生じることを防げます。「オートフォーカス」にチェックを入れておくと、
    ピアノロール上にある複数のノートを右クリックから選択範囲を作成する操作に
    トランスフォームツールの境界ボックスの選択範囲が連動して切り替わるように
    なります。またレーン内で右クリックを使って選択範囲を作成する操作からでも
    境界ボックスを直接設定できます。たとえばベロシティ値が高いもののみを選択
    する操作で選択されたノートだけを境界ボックスの編集対象にできます。反対に
    ベロシティ値が低いもののみを選択すると選択された範囲のノートだけを対象に
    できます。なお「トランスフォームツール」を実行しているときもペンツールを
    使って値を書き換えられます。境界ボックスの外側にあるCCイベントを誤って
    書き換えるのを防ぎたいときは「マスクモード」にチェックを入れます。範囲の
    外側の背景色が薄暗くなって保護されます。解除するときはチェックを外します。

    「トランスフォームツール」を無効にするときは「トランスフォームツール」の
    ボタンをクリックすると点灯表示が終わって、「境界ボックス」も解除されます。


    《 取り消しとやり直し(アンドゥとリドゥ)》
    「SONAR」はユーザーの操作を履歴として記録しています。記録が残っている
    ところまで「Ctrl+Z」で操作をさかのぼれます。「Ctrl+Shift+Z」で操作を
    やり直すことができます。「H」キーの入力で「履歴」を表示できます。初期値
    は「128」になっていますが増やすこともできます。ただしメモリを圧迫します。

     H:バインド対象「グローバル」の「編集|履歴」


    《 ベロシティの表示 》
    ピアノロールビュー画面下部の表示からベロシティの状態を確認できます。画面
    に表示されていないときは「表示」メニューの「コントローラ表示部を表示」に
    チェックを入れます。「SONAR」はベロシティ値が低いときはノートの色が薄く
    表示され、値が高いときは色が濃く表示されるため、値を視覚的に識別できます。
    コントローラ表示部が表示されているのにベロシティが表示されていないときは、
    メニュー「ノート」から「選択したノートのみベロシティを表示」のチェックを
    外すことで、トラックの全ノートが表示された設定に切り替えることができます。
    実際のMIDIキーボードを接続しているときに鍵盤を押すと、ピアノロールの左の
    鍵盤の色が変わります。画面の見方に慣れないうちは入力位置の確認に使えます。

     V:選択中ノートのベロシティ変更ダイアログを表示
     H:履歴を表示する。任意の操作まで一気にさかのぼる
     Ctrl+Z:元に戻す。入力した回数だけ履歴をさかのぼる
     Ctrl+Shift+Z:直前の操作をやり直しする


    ピアノのペダル(サスティン)などコントロールチェンジ(CC)の入力を覚え
    ましょう。コントローラ表示部のベロシティの左にある「+」をクリックします。
    「MIDIイベントの種類」を尋ねられますので「64-Pedal (sustain)」を指定して、
    「OK」で確定します。ベロシティ同様に、ペンツールで値を書くことができます。
    MIDIキーボードからペダルを録音することでも、自動的にレーンが作成されます。

    「1-Modulation」「11-Expression」など使用頻度が高いイベントは「値」から
    プリセットを選択できるようになっています。登録がされていない種類のCCを
    使う場合は、目的のCC番号をキーボードから「値」に入力すると対応レーンが
    追加されます。よく使うCC番号を覚えていて選択操作が面倒な場合は「64」を
    直接入力することで「64-Pedal (sustain)」を選んだ結果と同じ状態にできます。


    《 グリッド分解能 》
    ピアノロール画面では、背景の罫線の幅を適切に切り替えることでノート入力の
    正確さとスピードをあげられます。たとえば一小節が四分音符の幅の罫線の画面
    を使い、ドラムのハイハットを八分音符で規則正しく並べる打ち込みは困難です。
    しかしながら背景の罫線の幅が八分音符で刻まれていれば罫線に沿ってノートを
    配置するだけになり簡単です。罫線の幅のことを「グリッド分解能」と言います。
    コントロールバーを使っても切り替えられますが、いちいちマウスで切り替える
    操作は作業効率を著しく低下させますので、「拡張キーバインド」を設定します。

    まずピアノロールのメニューの「表示→グリッド分解能→スナップの設定に従う」
    にチェックを入れます。右上端の格子模様のアイコンが点灯しているとこれから
    行いたい操作が行えなくなりますので、点灯していればクリックして消灯します。
    コントロールバーにあるスナップモジュールのスナップボタンを、点灯の状態に
    しておきます。「N」キーによりスナップの「オン/オフ」を切り替えられます。
    スナップがオフになっている場合はグリッド分解能を無視してノートを書けます。

     1:バインド対象「グローバル」の「小節」
     2:バインド対象「グローバル」の「1/4」
     3:バインド対象「グローバル」の「1/8」
     4:バインド対象「グローバル」の「1/16」
     5:バインド対象「グローバル」の「1/32」
     6:バインド対象「グローバル」の「1/64」
     7:バインド対象「グローバル」の「1/128」

    この設定を行っておくと、「D」を中心にした左手のホームポジションから少し
    上に指をずらすことで「1~7」にアクセスできるため、グリッド分解能を自在に
    切り替えられます。「1」から「7」に向かい順に細かくなります。自分が今から
    打ち込みたいノートに適切なグリッド幅に切り替えてから打ち込みを開始します。
    もしもこの設定をしていないと、マウスを使って切り替えることになりますから、
    操作ステップ数が膨大になってDTMで腱鞘炎を煩って苦しむこと請け合いです。

     N:スナップモジュールのスナップのオンとオフを切り替える
     1:グリッド分解能を「全音符」単位に切り替える
     2:グリッド分解能を「4分音符」単位に切り替える
     3:グリッド分解能を「8分音符」単位に切り替える
     4:グリッド分解能を「16分音符」単位に切り替える
     5:グリッド分解能を「32分音符」単位に切り替える
     6:グリッド分解能を「64分音符」単位に切り替える
     7:グリッド分解能を「128分音符」単位に切り替える


    《 連符 》
    連符の入力を覚えましょう。コントロールバーから設定できますがマウスのみで
    完了する操作のほうが簡単です。たとえば一小節に八分音符を連符で入力すると
    します。一拍に八分音符を三連符で入れたものを音楽的には「三連八分音符」と
    言います。「2」を押してグリッドを四分音符刻みにします。一小節の一つ目の
    グリッドに四分音符の長さのノートを一つ書きます。「Ctrl」キーを押しながら
    そのノートを右隣にドラッグ&ドロップする操作で、ノートが隣に複製されます。
    同じ操作を二回行って、一小節に三つの四分音符が並んだ状態にします。三つの
    四分音符を全て選択します。次に「Ctrl」キーを押したまま三つのノートの左端
    もしくは右端をドラッグして三つのノート全部をグリッド一つ分の幅に縮めます。
    これで三連八分音符が完成しました。広げる操作で、引き延ばすこともできます。
    「Alt」キーを押したままマウスポインタをノートの上に合わせると分割ツール
    に切り替わります。クリックでノートを分割できます。連符の作り方を覚えると、
    ピアノのグリッサンドやストリングスの駆け上がりの七連符の入力に役立ちます。


    《 クォンタイズ 》
    クォンタイズを覚えましょう。選択したノートの開始する位置や長さをグリッド
    に合うように調整する機能です。ピアノロール上で、補正を適用したいノートに
    選択範囲を作り「Q」キーを入力します。クォンタイズコマンドのダイアログが
    表示されます。「開始タイム」にチェックがついた状態で「OK」をクリックする
    ことで、対象のノートの開始位置が背景のグリッドに合った位置に修正されます。

     Q:クォンタイズの実行。ノートの開始位置や長さをグリッドにそろえる

    「ノートのデュレーション」にチェックを入れた状態で「OK」をクリックすると、
    対象ノートの長さがグリッド分解能の単位に合うように調整されます。ノートの
    右端を垂直グリッド線にぴったり合うように補正するときにチェックを入れます。
    このときに吸着する垂直グリッド線の位置は「分解能」の「デュレーション」の
    基準値に従います。たとえば四分音符にしたいときは「1/4」選んで実行します。


    《 表示の拡大と縮小 》
    ピアノロールの右下の虫眼鏡ボタンの「+」と「-」を使うことで、表示範囲を
    変更することができます。現在編集中のエリアを大きく表示して作業を済ませて、
    次に広範囲を見渡したいときに、いちいちマウスで表示範囲を切り替える操作は
    作業効率を著しく低下させます。拡大縮小の「拡張キーバインド」を設定します。

     Ctrl++(テンキーの+):バインド対象「ピアノロールビュー」の「水平ズームイン」
     Ctrl+-(テンキーの-):バインド対象「ピアノロールビュー」の「水平ズームアウト」

    アドビのPDF文書やWebブラウザのFirefoxなどで標準的に採用されている共通
    の操作に合わせます。この設定によりピアノロールの画面の見え方を自由自在に
    拡大縮小できるようになりました。ノートの長さを、専門的には音価と言います。
    デュレーションとも呼びます。拡大表示していれば音価を指定しやすいですが、
    数小節を見渡すときは縮小して見晴らしを良くしたほうが作業効率が高まります。

    この設定はトラックビューにも適用されるため、トラックビューでも拡大縮小が
    自在に行えます。他にピアノロールビューとトラックビューの共通の操作として、
    「Ctrl+マウスのホイールの回転」の操作で、表示の範囲をスクロールできます。
    この操作を覚えておくと、画面下のスクロールバーをマウスで操作することなく、
    表示内容をずらしていけます。マウスホイールの上方向の回転と下方向の回転が、
    それぞれ左スクロールと右スクロールに対応しています。マウスのプロパティの
    設定から速度を調整できますので、快適な移動量の行数に設定しておきましょう。

     Ctrl+マウスのホイールの回転:表示範囲の左スクロールと右スクロール

    もしも再生とシンクロして、ピアノロールの表示内容が自動的にずれていかない
    場合は「Scroll Lock」キーの入力でシンクロ追尾の状態に戻すことができます。
    「Scroll Lock」の入力で意図的に解除できますが、メリットが見当たりません。


    【 仮想キーボードと録音とテイクレーン 】

    「仮想コントローラ/キーボード」を使うことでMIDIキーボードを使うことなく、
    パソコンのキーボードを使って、演奏や入力を行えます。「編集」メニューから
    「仮想コントローラ/キーボード」の表示を行えます。使用頻度が高いですので、
    キーバインドを設定しましょう。設定後は同じキーボードショートカットの入力
    により非表示が行えるようになります。キーバインドのみ対応している操作です。

     Shift+V:バインド対象「グローバル」の「表示|仮想コントローラ/キーボード」

    仮想キーボードによる入力を開始するにはPCの「Caps Lock」を有効にします。
    「Shift+V」に続けて「Shift+CapsLock」を入力すると操作が可能になります。
    反対に「Shift+CapsLock」に続けて「Shift+V」を入力で機能が無効になります。
    「←」「→」でオクターブを移動できます。「↑」「↓」でベロシティ値を変更
    できます。「Tab」を押すと、「サスティーン」の有効と無効が切り替わります。
    シンセサイザーの音作りやシンセの音の確認など、活用する場面が多い機能です。

     Shift+V:仮想キーボードの表示、表示中は非表示
     Shift+CapsLock:仮想キーボードの表示中に操作を有効、有効中は無効
     ←:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを左にずらす
     →:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを右にずらす
     ↑:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を上げる
     ↓:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を下げる
     1~5:仮想キーボードの操作が有効のときモジュレーションを操作する
     Tab:仮想キーボードの操作が有効のときサスティーンを有効、有効中は無効


    トラックビューでシンセのトラックをダブルクリックします。トラックの縦幅が
    広がり隠れていた設定項目が見えるようになります。ダブルクリックしなおすと
    元の縦幅に戻せます。「I」項目をクリックし「仮想コントローラ→MIDI Omni」
    を選択します。この設定によりこのトラックのシンセの入力に仮想キーボードが
    使えるように接続されました。トラックの録音ボタンの「○」をクリックします。
    シンセのトラックが録音待機状態になりました。「R」が録音開始の操作ですが、
    仮想キーボードが入力受付状態になっているときは「R」を受け付けませんので、
    コントロールバーの録音ボタンをクリックします。クリック開始後すぐに録音が
    開始されます。現在タイムの右隣の再生と録音のボタンを有効にしておくことで、
    再生中および録音中にメトロノームのクリック音を鳴らしておくことができます。
    MIDIキーボードを使う場合も「I」項目(Input)から同様の操作で接続できます。

     R:トラックの録音待機状態から録音開始
     Space:録音中の録音停止


    「SONAR」は打ち込みから始める他にMIDIキーボードから入力した演奏データを
    編集することに秀でたDAWです。しかしミュージシャンレベルの演奏の腕前は
    求められていません。編集を前提とした録音になりますので、打ち込みの手数を
    減らす目的の仮データ作成です。コードのパートであれば打ち込みよりも確実に
    早く入力できます。メロディーのパートも弾くことで、作業時間を短縮できます。

    楽曲のテンポが早すぎて演奏できない場合は録音開始前に一時的に曲のテンポを
    落とします。テンポ「120」の曲を「60」に落として録音すると半分の速度です。
    リアルタイムレコーディングにこだわる理由はありませんので調整していきます。
    まだ早いと感じれば「30」に落とすと四分の一の速度です。録音後は編集作業に
    入りますので本来のテンポに戻します。「SONAR」の仮想キーボードからPCの
    キーボードでも演奏記録ができますが、MIDIキーボードを弾いたほうが快適です。
    電子ピアノをMIDIケーブルで接続するとタッチが良いMIDIキーボードに化けます。


    《 ステップ入力 》
    コントロールバーの録音ボタン「●」の長押しで、「ステップ入力」になります。
    予めノートの長さが決まっている場合は簡単で正確にノートを入力していくこと
    ができます。仮想キーボードからの入力にも対応しています。「●」をクリック
    してステップ入力のウィンドウから「ステップサイズ」を指定します。指定した
    音符とベロシティの設定に従って、ピアノロールに演奏した内容が入力されます。


    《 レコーディング 》
    一回目の録音で完璧に演奏できてしまうミュージシャンもいますが、一般的には
    数回の録音を行って、優れたテイクを編集で繋ぎ合わせることでベストな状態の
    データを作り上げます。ループを設定してから録音を始めることで、同じ範囲を
    繰り返し録音できます。宅録であれば人目もなく何度でもリラックスした心境で
    チャレンジできるため、ボーカルや楽器演奏の最高のデータを作り上げられます。

     Ctrl+L:バインド対象「トラックビュー」の「テイクレーンの表示/非表示」

    トラックの「テイクレーン」のボタンをクリックします。録音してきた回数分の
    レーンが展開されます。「S」ボタンをクリックすることでソロで再生できます。
    トラックには最後に録音した内容が最終データとして表示されていますがレーン
    には過去の演奏データが順番に記録されています。クリップの下半分にスマート
    ツールを合わせるとマウスカーソルがコンピングツールになります。選択範囲を
    作成してクリックすることで、トラックのデータに採用しなおすことができます。
    十回の録音でそれぞれ十カ所ずつ合体させることでベストなテイクになる場合は、
    コンピングツールで該当箇所を各レーンから有効にしてトラックに適用させます。
    不採用になっているレーンは自動的にミュート処理されますので再生されません。
    編集完了後は「テイクレーン」のボタンをクリックしてレーンを非表示にします。
    またはキーボードショートカットの「Ctrl+L」を使い表示状態を切り替えます。

     Ctrl+L:テイクレーンの表示、表示中は非表示


    【 編集フィルター 】

    トラックビューからトラックの「編集フィルター」を変更することで編集対象を
    切り替えられます。標準は「クリップ」になっていますので「オートメーション」
    に変更してみましょう。「Volume」や「Pan」のオートメーションを書くことで
    フェーダーやパンのノブの位置の動作を記録できます。スマートツールからペン
    ツールに持ち替えたほうがエンベロープを描きやすくなります。編集作業が終了
    しましたら作業しやすいように編集対象を標準の「クリップ」に戻しておきます。
    コンソールビューを表示して再生するとフェーダーやパンの動きを確認できます。

    オートメーションのフェーダーやツマミの動きをリアルタイムで記録することも
    できます。記録したいトラックの「W」ボタンをクリックして赤色の点灯を確認
    します。「オートメーションの記録 = オン」になりましたら編集フィルターの
    編集対象を「Volume」に変更します。プロジェクトを再生します。楽曲の再生が
    開始されたらインスペクタもしくはコンソールから該当トラックのフェーダーを
    楽曲に合わせてマウスで動かしていくとフェーダーの動きがリアルタイムで記録
    されます。楽曲の再生を停止してから再び再生を行うと、先ほど記録した通りに
    自動でフェーダーが動きます。何度でも上書き変更ができますので、満足できる
    結果を得られるまで何度でも挑戦できます。エンベロープ上にある点を「ノード」
    と呼びます。マウスのクリックで追加したり右クリックメニューから削除したり
    できます。マウスのみでゼロからノードを打ち込んでいっても構いませんが操作
    を記録してから編集したほうが、作業時間を節約できます。編集フィルターから
    選択できるものはオートメーションのパラメータとして記録することができます。
    記録を終えたときは誤作動を防ぐため「W」ボタンをクリックして消灯させます。

    コントロールバーのミックスモジュール「R!」ボタンの初期値は「点灯」です。
    1クリックで「すべてのオートメーションの再生を有効/無効」を切り替えられ
    ます。「消灯」中はオートメーションを反映しない再生になります。ボリューム
    にオートメーションを記録するとフェードインやフェードアウトを設定できます。


    【 クリップの操作とグルーブクリップ 】

    シンセのトラックにピアノロールビューで打ち込んで作ったクリップがあります。
    マウスポインタがクリップのタイトル行にあるときはドラッグ&ドロップの操作
    で対象のクリップを移動することができます。マウスポインタは十字の表示です。
    マウスポインタがMIDIクリップの下半分にあるときにクリックすることで、選択
    した状態にできます。「Ctrl」を押しながら次々とクリックしていくことで複数
    のMIDIクリップを選択できます。選択状態から「Delete」で一括で削除できます。
    「Ctrl」を押しながらクリップをドラッグ&ドロップする操作でコピーできます。

    「Alt」を押すとマウスカーソルがハサミの形をした「分割ツール」になります。
    マウスポインタがMIDIクリップの上半分にあるときは移動ツールになりクリップ
    をドラッグ&ドロップで移動することができます。クリップの分割サイズや移動
    の幅はグリッド分解能の設定に従います。操作の前に「1~7」から適切な刻み幅
    を指定してから分割や移動を行います。小節幅で移動の場合は「1」を使います。

    選択状態から移動することができます。「Shift」キーを押しながらクリップを
    ドラッグ&ドロップすると選択中のクリップを別のトラックに垂直移動できます。
    「Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ」で、別のトラックに垂直コピーできます。
    同一トラック内に細切れで散在するクリップは一つのクリップにまとめられます。
    トラックビューのトラック番号をクリックすることでトラックのなかのクリップ
    を全選択できます。いずれかのクリップの上で右クリックを行い、メニューから
    「クリップをバウンス」を実行する操作で、バラバラのクリップがまとまります。

     Ctrl+クリック:ノートやクリップを複数選択
     Alt+クリック:ノートやクリップの分割
     Ctrl+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップをコピー
     Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直移動
     Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直コピー

    「ファイル」メニューの「インポート」でMIDIファイルやオーディオファイルを
    「SONAR」に取り込めます。シンセトラックとオーディオトラックが受け入れ先
    になります。ブラウザの「Media」を経由しなくてもWindowsのエクスプローラー
    から「SONAR」のトラックに直接ドラッグ&ドロップする操作でも取り込めます。


    クリップの上で右クリックを行い、メニューから「グルーブクリップループ」を
    実行すると、対象のクリップを「グルーブクリップ」に変換できます。クリップ
    の長方形の四隅の角が丸くなります。グルーブクリップは、右端をドラッグする
    操作で簡単にループを複製できます。グルーブクリップはピアノロールビューで
    編集できます。MIDIでもオーディオでも、グルーブクリップ化したループ素材は
    プロジェクトに設定されたテンポとキーに従って再生されるクリップになります。
    ループ素材を組み合わせるだけで、リズム主体の簡単な曲を作ることができます。
    ループミュージックの作成を通してグルーブクリップの取り扱いを練習できます。
    グルーブクリップを解除するときは解除したいクリップの上で右クリックを行い、
    「クリップをバウンス」のコマンドを実行する操作で通常のクリップに戻せます。


    「SONAR」ではオーディオクリップに対して、クリップ単位でFXプラグインを
    挿入できます。エフェクトを挿入したいクリップにブラウザの「Audio FX」から
    プラグイン名をドラッグ&ドロップします。オーディオクリップの右肩に「FX」
    が表示されます。クリップ単位でスロットを所有するようになります。「FX」を
    クリックするとスロットを開けますので、通常のFX欄と同様の操作で、FXの
    電源の操作や上下の入れ替えを自在に行えます。クリップをバウンスすることで、
    FXプラグインが適用されてかけ録り状態のオーディオクリップに変換できます。
    元には戻せませんが、加工済みクリップになるためCPU負荷をゼロにできます。


    【 リップル編集 】

    ビデオ編集ソフトでおなじみの「リップル編集」の機能が実装されていますので、
    特定のトラックの移動に同期して後方にあるクリップの間隔を保ったまま移動を
    行えます。リップル編集には二つの動作があります。「オプション」メニューの
    「選択したクリップのリップル編集」にチェックを入れます。このときの挙動は、
    特定のトラックのクリップを移動させたときに移動させたトラックの後方に続く
    すべてのクリップが間隔を保ったままオートメーションの内容を伴って移動する
    ことができます。「すべてのクリップのリップル編集」にチェックを入れている
    ときの挙動は、クリップを移動させたときにプロジェクト内のすべてのクリップ
    が前後の間隔を保ったままオートメーションの内容を伴って移動します。後方の
    位置関係を維持するため、歌モノの楽曲のサビの手前に無音の時間を一拍分だけ
    挿入するといったことも、その一拍分を消すために前方にずらすといったことも、
    簡単に行えます。編集操作を終えた後は誤操作を防ぐためにチェックを外します。

     チェックなし:対象クリップのみを移動
     選択したクリップのリップル編集:特定のトラックのみを対象にリップル編集
     すべてのクリップのリップル編集:全体のトラックを対象にリップル編集


    【 トランスポーズ 】

    クリップに移調をかけるには、適用したいMIDIクリップやオーディオクリップを
    選択して「プロセス」メニューの「トランスポーズ」を実行します。半音単位や
    全音単位で移動量を指定して実行することで移調を行えます。正の数値の入力で
    ピッチが上がり、負の数値の入力でピッチが下がります。オーディオクリップは
    音を加工するため極端な変更を行えませんが、MIDIクリップはシンセサイザーに
    送信される音の高さの情報が変更されるだけですので、音質の劣化はありません。
    何度でもトランスポーズを行えます。自分が打ち込みやすい調でMIDIを入力して
    から目的の調に合わせる使い方をします。複数トラックにまとめて適用できます。

     Y:バインド対象「グローバル」の「プロセス|トランスポーズ」

    たとえば「Key=C」で作曲したものを、簡単に「Key=G」の楽曲に変更できます。
    「トランスポーズ」コマンドのダイアログの「量」に「7」を入力して「OK」を
    クリックすると移調が完了します。選択範囲のノートもしくはクリップに対して
    変更が行われますので、特定の部分のみを対象に実行することで転調もできます。
    1オクターブは半音12ですが「全音単位」にチェックを入れることで全音単位
    にできます。「全音単位」にチェックを入れているときは「4」を入力して「OK」
    をクリックすると移調が完了します。「量」に入力する数字が正の数値のときは
    ピッチが上がりますが、負の数値のときはピッチを下げられます。「Key=G」の
    楽曲に「-7」を適用すると「Key=C」になります。全選択で全体を移調できます。

     Y:トランスポーズを実行。プラス方向でピッチが上がりマイナス方向でピッチが下がる


    【 フェード処理 】

    オーディオクリップの左上もしくは右上にマウスポインタを合わせると三角形の
    マウスポインタになります。左上の場合、その三角形を右側に向かいドラッグ&
    ドロップする操作でフェードインをかけられます。右上の場合、左側に向かって
    三角形をドラッグ&ドロップする操作でフェードアウトをかけられます。徐々に
    音を大きくしたり、徐々に音を小さくして楽曲を終わりたい場合などに使います。

    フェードの量は、クリップの端から三角形までの距離で調整します。かける量を
    変更したいときや、微調整を行いたいときは、三角形をドラッグ&ドロップする
    操作で三角形の位置を再設定します。クリップ上の三角形の上で右クリックして
    表示されたメニューからカーブの種類を変更できます。三角形をクリップの左上
    または右上の元の位置に戻す操作で、フェードの設定を解除できます。再編集が
    行えない方法では「プロセス」メニューの「フェード/エンベロープ」からでも
    フェードを設定できます。詳細な指定を行えますがデータを書き換える処理です。


    【 リバース(逆再生) 】

    オーディオ編集によってアレンジで活躍するリバースのサウンドを作成できます。
    歌モノの楽曲のイントロやサビの手前で使われることが多いリバースシンバルや
    リバースピアノを自作してみましょう。実際に作って聞いてみることで聞き覚え
    がある効果音であることがわかります。MIDI音源のままでは加工できませんので、
    オーディオ形式に変換が必要です。付属ドラム音源の「ADDICTIVE DRUMS2」
    からリバースシンバルを作成するには「F5(Cymbal 1)」に3小節程度の長さの
    ノートを入力します。変換のためにピアノロールからトラックビューに戻ります。
    クリップを選択して「トラック」メニュー「トラックにバウンス」を実行します。
    オーディオ化に使う「トラックにバウンス」コマンドのダイアログが表示される
    ので設定が以下の状態になっていることを確認してから「OK」をクリックします。

     ソースの種類:「すべてミックス」を選択
     チャンネルフォーマット:「ステレオ」を選択
     ディザリング:「--- None ---」を選択
     ミックス項目:全項目にチェックが入っている状態にする

    「オーディオのミックスダウン」が行われて、シンバルのオーディオトラックが
    追加されます。シンバルの音だけを聞けるようにこのトラックの「S」ボタンを
    クリックしてソロにします。素材のシンバルやベロシティにより音が変わります。

     U:バインド対象「グローバル」の「プロセス|エフェクトの反映|リバース」

    クリップを選択して「プロセス」メニューの「エフェクトの反映|リバース」を
    実行すると、リバースシンバルができあがります。テールの無音が長いですので、
    試聴を行ってから分割ツールで不要な部分を切って削除します。音の入り部分に
    フェード処理をかけておくことで自然な鳴り始め方をするオーディオになります。

     U:オーディオクリップのリバース処理

    同様に、ピアノ音源の「C3」「G3」に3小節程度の長さのノートを入力してから
    オーディオに変換を行いリバース処理を行うとリバースピアノができあがります。
    音程がある楽器の場合は素材の楽器の音色やベロシティのみでなく、打ち込んだ
    ノートの音と組み合わせるノートの音で様々な表情の素材を作ることができます。
    オーディオクリップですので空間系エフェクトで仕上げると良い感じになります。


    【 メロダイン 】

    「ボーカルのタイミング及びピッチ補正ソフト」のメロダインの呼び出し方です。
    オーディオクリップの右クリックメニューから「Region FX」→「Melodyne」→
    「Region FXの作成」を実行する操作で「Melodyne Region FXクリップ」に変換
    できます。クリップのタイトル行をダブルクリックすることで、マルチドックに
    「Celemony Melodyne」ウィンドウが出現します。「Shift+D」キーを入力して、
    ウィンドウを最大化すると編集しやすくなります。さらに、メロダインのタブの
    上で右クリックして「ドッキング解除」すると、独立したウィンドウになります。
    マルチドックの恩恵がなくなりますが、最大化ボタンから全画面で作業できます。

    メロダインの編集画面でも拡張キーバインドの「Ctrl++(テンキーの+)」の
    拡大と「Ctrl+-(テンキーの-)」の縮小の切り替えをキーボードから行えます。
    「SONAR」はメロダインにネイティブ統合しているため一般的なDAWのように
    最初の「取り込み工程」がいりません。トラックにプラグインとして挿入すれば
    一般的なDAWと同じ使い方もできますが「ARA(Audio Random Access)」を
    使わないメリットが見当たりません。「SONAR」はメロダインの上位版にも対応
    していますので、用途に合わせて付属バージョンからアップグレードすることで、
    操作性を維持したまま、メロダインの編集機能を拡張できるようになっています。

     Melodyne essential:付属のバージョン。ノートのピッチとタイミングを編集
     Melodyne assistant:ノートの音量の調整や分割などの機能を追加
     Melodyne editor:DNA(Direct Note Access)搭載。ポリフォニック素材を処理
     Melodyne studio:マルチトラックノート編集とサウンドエディターを搭載

    メロダインの機能が統合されているため、タイムルーラにオーディオファイルを
    ドラッグ&ドロップする操作で、その曲のテンポをプロジェクトに反映できます。
    オーディオ解析に時間がかかるため、ワンコーラス程度の長さに刻んだクリップ
    をドラッグ&ドロップするほうがテンポ抽出にかかる処理の時間を節約できます。

    メロダインでは解析した内容を「設定」メニューの「MIDIとして保存」コマンド
    からMIDI形式で保存できます。しかし「SONAR」は本体に機能が統合されている
    ためファイル化してからシンセのトラックに読み込みなおす手間を省略できます。
    オーディオファイルをシンセトラックにドラッグ&ドロップするだけで自動的に
    MIDI化されます。事前にメロダインクリップに変換してある場合は、解析処理が
    スキップされます。素材のクリップをシンセトラックにドラッグ&ドロップする
    操作のみで即時MIDIデータに変換されます。解析精度は素材の品質に依存します。


    《 Voice to MIDI と Voice to Score 》
    活用事例に「Voice to MIDI」があります。オーディオインタフェースの端子に
    接続したマイクから、オーディオトラックにメロディーやベースラインの鼻歌を
    録音します。きちんとした歌詞を歌っても歌わなくても音の高さとタイミングと
    長さを解析して自分の声からMIDIデータを作成できます。「SONAR」は数多くの
    ファイル形式に対応していますのでICレコーダーや携帯電話の機能で録音した
    オーディオファイルをインポートできます。インターネットやメモリーカードを
    使ってパソコンにコピーを行い「SONAR」のオーディオトラックに読み込みます。
    単音の楽器で演奏した録音データを用いても、同じ方法でMIDIデータを作れます。
    エレキギターに接続してMIDI変換に使うギターシンセより良い結果を得られます。
    「Melodyne Editor」以上のグレードでしたらコードを分解することもできます。

    リアルタイム変換ではありませんが、メロダインの解析精度で実用的なデータを
    作成できますので、歌唱が得意で鼻歌作曲の方は打ち込みよりも有効な手段です。
    楽譜も同時に作成されますので、鼻歌から楽譜を作るといった使い方もできます。

     1.「SONAR」のオーディオトラックに歌声を録音する
      テンポを設定して、再生中のメトロノームを有効にしておくと歌いやすくなる
      フェーダーを「-INF」に下げると自分の声を聞かなくて歌いやすくなる
     2.オーディオクリップをメロダインのクリップに変換する
      変換アルゴリズムは「メロディック」を選ぶ
     3.「Ctrl+A」を使ってメロダイン上の全ノートを選択する
     4.メロダインの「ピッチ補正マクロ」を使って音の高さの揺らぎを補正する
      「ピッチセンター」と「ピッチドリフトを」をそれぞれ「100%」で適用する
     5.メロダインの「タイムをクォンタイズ」を使って音の長さの揺らぎを補正する
      「グルーブ単位を選択」は「自動」を選び、「強度」を「100%」で適用する
      ノートの位置や長さを調整する
     6.シンセトラックにメロダインのクリップをドラッグ&ドロップする
     7.ベロシティを変更して声量の不安定による音量の不安定を解消する
      クリップを選択して「V」キーをでベロシティを変更する
      「始点値:100」と「終点値:100」で適用する
     8.歌い始めや息継ぎの位置に入ってしまっている不要なノートを削除する
      「ボイストゥスコア」として楽譜も同時作成されるためスコアビューでも確認する

    以前のバージョンに付属していたボーカル補正ソフト「V-Vocal」も使えますが、
    サポートや将来のアップデートを考えると「Melodyne」に慣れるほうが良いです。



    ━━━━━━━━━
    ④MIXについて
    ━━━━━━━━━

    【 フルスクリーン 】

    画面が広いとミキシング作業がやりやすくなります。「F11」でフルスクリーン
    に切り替えられます。タイトルバーとWindowsのタスクバーが非表示になります。
    「F11」の再入力でフルスクリーンから、ウィンドウモードに切り替えられます。
    画面から「SONAR」以外の要素を排除できますので集中して作業に向き合えます。


    【 トラックの整理 】

    MIX作業に取りかかる前に、トラックの整理を行います。制作中でも定期的に
    整理する習慣が身に付くと効率が高まります。トラックビューでトラック番号が
    書かれた右のアイコンを上か下にドラッグ&ドロップの操作を行うと水色の線が
    出現しますので、ドロップすることで移動が完了します。カテゴリーで分類して
    おくと視認性が高くなり、トラックの数が増えても全体を把握しやすくなります。

    「Track 1」などが書かれた部分をダブルクリックする操作でトラック名を変更
    できます。「ピアノ」や「ボーカル」などのわかりやすい名前に改名しましょう。
    インスペクタの「Track」の「配色」項目の「色」を使った色分けも効果的です。
    トラックを右クリックのメニュー「トラックフォルダの挿入」から、トラックを
    収納するためのフォルダを作成できます。トラックの移動と同じ操作で出し入れ
    を自在に行えます。フォルダを利用したトラックの分類も効果的な整理方法です。


    【 フリーズ 】

    シンセやエフェクトは起動しているだけでCPUの負荷になります。トラックの
    フリーズアイコンから対象のトラックを凍結してしまうことで、かけ録り状態の
    オーディオデータに変換できます。もしくはフリーズアイコンを右クリックして
    「フリーズオプション」を開いて、「トラックFX」のチェックを外した状態で
    フリーズをかけることで、エフェクトを巻き込まない凍結ができます。MIXで
    エフェクトを操作する場合は、あえてエフェクトを凍結させない方法で固めます。

    「秒余分にフリーズ」はトラックの末尾から指定した秒数分を長くフリーズする
    ための設定です。リバーブやディレイなど空間系エフェクトはノートの長さより
    余韻の音が長く続くためです。残響が途切れない程度の時間を指定しておきます。


    複数にわたるプラグインシンセのトラックやオーディオトラックを簡単な操作で
    一括フリーズすることができます。「クィックグループフリーズ」と呼ぶ機能で、
    フリーズしたいトラックを複数選択した状態を作り、Ctrlキーを押しっぱなしに
    して選択中のトラックの「*」ボタンをクリックします。プロジェクトに膨大な
    数のトラックがある場合は、トラックをひとつずつ追加する選択操作を行わずに、
    「スマートスワイプトラックコントロール」の機能を利用して一括で選択します。
    スマートスワイプの操作を覚えることで50トラック以上でも楽に選択できます。

    たとえばトラック1からトラック5まで選択するときは、トラック番号「1」を
    クリックしたままトラック「5」までトラック番号を滑るようにドラッグします。
    この操作でトラック1からトラック5まで選択状態になります。スワイプ操作は
    トラックの「ミュート」「ソロ」「録音待機」などの有効と無効の切り替えにも
    使えます。有効になっている状態を無効に切り替えたいときは上書きスワイプで
    反対の状態にできます。コンソールビューでは、水平方向のスワイプを行います。


    フリーズの有効と無効は簡単に切り替えられますので、音源制作中でもこまめに
    フリーズ化することでCPU負荷を減らせて快適に作業を進められます。非力な
    パソコンでもフリーズ機能を駆使することで負荷が高いプロジェクトを扱えます。

    またサンプラー音源が高級な場合は、同音を弾くたびに同じサンプルを連続して
    再生するのを防ぎ機械的な演奏にならないようにラウンドロビン機能が働きます。
    プロジェクトを再生するたびに異なるサンプリング音が鳴る状況は作者の意図を
    正しく反映しているとは言えません。情報記録と情報再現のトータルリコールが
    DTMの長所です。楽曲が完成してエクスポートするときに予期せぬサンプルが
    選ばれた演奏を成果物として妥協するより、使われるサンプルを固定してしまい、
    意図通りの演奏結果を事前に得るためにもフリーズ機能の活用をおすすめします。


    【 マーカー 】

    楽曲の構成に合わせてマーカーを打っておくと、キーボードショートカットから
    任意のセクション位置に、現在タイムマーカーを自在に移動することができます。

     Shift+Left:バインド対象「グローバル」の「前のマーカーにジャンプ」
     Shift+Right:バインド対象「グローバル」の「次のマーカーにジャンプ」

    マーカーには、日本語のラベルを付けることができます。歌モノの楽曲でしたら、
    「イントロ」「Aメロ」「Bメロ」「サビ」「アウトロ」のセクションの位置に
    マーカーを打つことで、移動が楽になります。現在タイムマーカーをマーキング
    したい位置に合わせて「M」キーでマーカー入力用のダイアログが表示されます。
    名前を付けなくてもマーカーを打てますが、何のマーカーなのか後でわからなく
    なりますので名前を付けるようにしましょう。そのプロジェクト内のマーカーは
    「表示」メニューの「マーカー」からリストを表示できます。名前を変更したい
    場合は対象の行をダブルクリックして行えます。「Delete」キーで削除できます。

     M:マーカーを打つ
     Shift+←:前のマーカーにジャンプ
     Shift+→:次のマーカーにジャンプ


    【 DAWから音が出る仕組み 】

    DAWの信号の流れを理解しておかないとミキシングで混乱することになります。
    実機のシンセサイザーは音源モジュールから出力モジュールに向かい筐体内部で
    ケーブルが配線されているため、信号の流れ方を気にすることなく音を出せます。
    DAWのシンセトラックやオーディオトラックもDAW内部で実機と同じように
    信号が流れています。各トラックからマスタートラックにまとめられ、マスター
    トラックからオーディオインタフェースに信号が送信されて、ヘッドホンまたは
    スピーカーにより人間がモニターできるようになります。シンセトラックを作成
    する操作を行うことでシンセ音源が発音できるように自動的に配線が完了します。
    DAWはマスタートラックを音の出口として出力デバイスに音の信号を送ります。

     トラック→マスタートラック→オーディオIF→ヘッドホンまたはスピーカー

    トラックからマスタートラックの間に「バス」を入れることで、経路を変更する
    ことができます。「対象トラック→バス→マスタートラック」の流れになります。
    複数のトラックの出口をバスにまとめ、バスを通してマスターに信号を流します。
    バスにはエフェクトをかけられます。同じエフェクトを複数トラックに挿入する
    よりもバスで共有するほうがCPU負荷を下げられます。バスをAUXトラック
    と呼ぶこともあります。「Auxiliary(オグジュアリ:補助の意味)」の略です。

    トラックの「O」からアウトプット先を「新規ステレオバス」に指定する操作で
    バスを作成できます。バスの名前をダブルクリックする操作で名前を任意のもの
    に変更できます。コンソールビューの「モジュール」メニューの「イン/アウト」
    にチェックを入れると、コンソールビューからインプットとアウトプットを確認
    したり変更できるようになります。一回の操作で複数のトラックの出力先を変更
    したい場合は、複数トラックを選択した状態から「同じアウトプットの割り当て」
    を実行して目的のバスを指定します。バスのエフェクトのみを共有して使うには、
    センドリターンという配線の方式を使います。各トラックにエフェクトを入れる
    方法をインサーションエフェクト方式と呼びます。一般的にはコンプレッサーや
    イコライザーなどのトラックごとに異なる設定のエフェクトを使いたい場合には、
    インサート方式を使います。ディレイやリバーブといった空間系のエフェクトは
    設定を共有しますので、バスを経由して使うセンドリターン方式が適しています。

     インサート方式:元の音+エフェクト→結果の音
     センドリターン方式:元の音+エフェクトで加工した音→結果の音

    コンソールビューではトラックビューのトラックと対のトラックをチャンネルと
    呼びます。チャンネルの「SENDS」の「+」で信号を送りたい先のバスの名前を
    指定します。チャンネルからバスに送る量は「LEVEL」ノブを使って調整します。
    センド量を最大にします。エフェクトがかかる量はバスのフェーダーで行います。


    【 フェーダーバランスと一時的なグループ化 】

    「Tab」を押してコンソールビューを表示して「Shift+D」で最大画面にします。
    MIX作業では各チャンネルのフェーダーで音量のバランスを取りパンのノブで
    各トラックの左右の位置を決めます。音量が「0db」を超えるとクリップという
    レベルオーバーの状態になります。メーターの上に赤色の警告ランプが点灯して
    しまいますがクリックで消すことができます。なおクリップすると音が割れます。
    フェーダーを下げてメーターのピーク値が「0db」を超えないように調整します。

    「SONAR」のコンソールビューのメーターは音圧表示に対応しているので、別途
    測定のプラグインを入れなくても確認することができます。コンソールビューの
    メニュー「オプション→メーター」から、トラックの表示を「ピーク+RMS」に
    変更します。メーターを右クリックする操作でレンジのメニューが表示されます。
    初期値は「42dbレンジ」ですが「Master」トラックは「12dbレンジ」のほうが、
    ピークの動きを目で追いやすくなります。フェーダーはツマミをダブルクリック
    すると「0.0」のリセット値に戻せます。チャンネルごとに値を再設定できます。
    変更したいフェーダーを右クリックして「値」の「現在の値をリセット値に設定」
    することで任意の数値がリセット値になります。右クリックの同じメニューから
    直前の値に戻すことができます。パンの値も同じ操作で扱えます。フェーダーの
    ツマミの下の数値をダブルクリックする操作から値を数値で正確に指定できます。

    コンソールビューでは、トラック番号を複数クリックした状態で「Ctrl」キーを
    押しながらフェーダーやパンを操作することで、選択したトラック全部に同一の
    変更を反映できます。「Ctrl」キーを離せば、仮グループが解除されます。複数
    トラックのフェーダーを一定量下げるなどの一括の変更を一回の操作で行えます。


    【 マスタリングとブリックウォールピークリミッター 】

    ミックスにもマスタリングにも使える「Adaptive Limiter」をマスタートラック
    最終段にインサートしておくと、全体のレベル操作やレベル管理が楽になります。
    「Adaptive Limiter」は「ISP(インターサンプルピーク、トゥルーピーク)」
    に対応しているため、再生の機器がアナログの音に変換する場合にクリップして
    ノイズが発生する事故が起きないようにピークを制限できます。また「LUFS
    (Loudness Unit Full Scale)」の精密な測定と表示を行えます。人間の聴覚が
    知覚できるラウドネスの平均値を見ながら作業できるため、国際基準の範囲内で
    オーディオレベルを調整できます。「Adaptive Limiter」には入力ラウドネスを
    一致させて音を比較する機能が搭載されています。「BYPASS(バイパス)」の
    右隣にある「耳」の形のアイコンをクリックして点灯しておくことで処理済みの
    オーディオ信号が未処理の信号よりも優れた結果になっているかを判定できます。

    人間の耳は、音量が大きくなると「優れた結果」と判断してしまいがちですので、
    客観的な指標となるメーターを参考資料として使うことで良い結果に近付けます。
    「Histogram」をクリックすると刻々と変化するRMS値のヒストグラムを表示
    できます。メータースケールをクリックすると表示する範囲を切り替えられます。
    特に「K-System」の「K-14」が、一般的な歌モノに適したスケールになります。

     Thresh:リミットの開始レベル。Shiftキーを押しながら操作すると微調整できる
     Ceiling:リミットレベルの上限。Shiftキーを押しながら操作すると微調整できる
     Character:リミッターのアルゴリズムの選択
      Adaptive(アダプティブ。初期値であり汎用的なリミッター)
      Aggressive(アグレッシブ。大音量に適したリミッター)
      Dynamic(ダイナミック。トランジェントを増加するリミッター)
      Pumping(パンピング。パンチを強化するリミッター)
     Link:左右のチャンネルに等しくリミットする割合
     EXPERT:ディザリングやコーデックプレビューを設定

    「Adaptive Limiter」の「EXPERT」に内蔵されている機能を活用すると最適な
    結果を得られるまで何度も書き出してMIXをやり直すといった手間を省けます。
    ディザリングの電源ボタンをオンにすると、書き出し前にディザリングの具合を
    確認できます。「SONAR」に実装されているものと同じアルゴリズムから選べる
    ため、出力結果のシミュレーションを行えます。ただし音源の出力時にディザを
    かけることになりますので、多重化してしまわないように確認後はオフにします。

    インターネット配信の時代に有力な機能が「MP3コーデックプレビュー」です。
    電源ボタンをオンにすることで書き出し前に劣化の具合をシミュレートできます。
    配信先の仕様に合わせて、ビットレートを選択できます。「Artifacts」を有効に
    することで、アーチファクトのみの再生を行えます。MP3化によって失われた
    オーディオ成分をリアルタイムで試聴できますので、重要なデータが損なわれて
    いないかを事前に確認できます。MP3形式が非可逆圧縮フォーマットですので、
    エンコードにより劣化する分を補う方向の配信専用マスタリングに活用できます。
    コーデックプレビューも音源の出力時には不要ですので、確認後はオフにします。

    ISPに対応していてLUFSを見られてコーデックプレビューも実装している
    「Adaptive Limiter」ですが、これは複数の高級プラグインに相当する性能です。
    DAW付属としては突出した存在ですので、「さすがソナー」略して「さすソナ」
    と「SONAR」を褒め称えるのにふさわしい実用的なマスタリングプラグインです。



    ━━━━━━━━━━━
    ⑤音源の出力について
    ━━━━━━━━━━━

    【 オーディオのエクスポート 】

    DAWを使う理由は様々です。楽器のレコーディングやMIDIの打ち込み以外でも、
    音楽制作にとらわれることなく素材の編集にも活用できます。しかし最終的には
    他のアプリケーションソフトウェアが扱える形式のオーディオファイルに変えて
    書き出さなくてはなりません。オーディオファイル化するまではDAW上でのみ
    再生できるプロジェクトファイルでしかないからです。「SONAR」では数多くの
    ファイル形式がサポートされていますが、主に使う規格はたったの二つだけです。

     WAV:Windowsで使われる圧縮しない形式。原音に忠実
     MP3:メールの添付などに向いた圧縮する形式。音質の劣化具合はレートに比例

    「SONAR」は「WAV」と「MP3」を同時に書き出せます。「X3」までの旧世代の
    「SONAR」を所有している場合はディスクに収録されたテンプレートファイルを
    読み込むことで設定できます。エンコーダは無料の「Lame」を使って変換します。

     1.「ユーティリティー」メニューの「External Endocer Configuration Utility」を実行する
      「Cakewalk External Audio Encoder セットアップ」が開く
     2.「インポート」からインストールディスクの「レジストリエントリ」を読み込む
      「Utilities」フォルダ内の「External Encoder Profiles」を開く
      「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を指定する
      「保存」ボタンをクリックしてから、ユーティリティーを再起動する
     3.「Lame.exe」を公式サイトからダウンロードしてきてドライブの任意の場所に置く
      「パス」に「Lame.exe」を置いたパスを指定する
     4.「Keep Source File」にチェックを入れる
      「WAV」も同時に書き出せるようになる
     5.「フレンドリーネーム」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」の名前を入力する
      「保存」ボタンをクリックして「閉じる」をクリックして閉じる

    以前のディスクを持っていない方のために、自作できる手順と変数を作りました。
    「SONAR」からの新規ユーザーの方は、この手順でプリセットを作成しましょう。

     1.「ユーティリティー」メニューの「External Endocer Configuration Utility」を実行する
      「Cakewalk External Audio Encoder セットアップ」が開く
     2.「作成」ボタンをクリックする
     3.「Lame.exe」を公式サイトからダウンロードしてきてドライブの任意の場所に置く
      「パス」に「Lame.exe」を置いたパスを指定する
     4.「拡張子」に「.mp3」を入力する
     5.「Keep Source File」にチェックを入れる
      「WAV」も同時に書き出せるようになる
     6.「コマンドライン」に変数「lame %I -b 320 %O」を入力する
     7.「フレンドリーネーム」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」の名前を入力する
      「保存」ボタンをクリックして「閉じる」をクリックして閉じる


    《 書き出しの準備 》
    プロジェクトファイルの先頭に空白がない場合は、プレーヤーで再生したときに
    頭が聞こえなくなる場合があります。CDの「プリギャップ」に該当する数秒の
    無音を加えると先頭が欠ける症状を回避できます。「プロジェクト」メニューの
    「タイム/小節の挿入」コマンドを実行します。「SONAR」は分解能の初期値の
    四分音符が960ティックに設定されています。四分音符一拍分をずらしましょう。

     1.挿入位置に「00:00:00:00」を入力する
     2.挿入に「960」を入力する
     3.「ティック」を選択する
     4.スライド項目の全てにチェックを入れる
     5.「OK」をクリックすると、先頭に四分音符一拍分の無音時間が挿入される

    エクスポートのために全クリップを移動してしまうので、スコアビューの表記が
    後方に一拍分ずれています。プロジェクトを上書き保存しないように注意します。
    「名前を付けて保存」からエクスポート用のプロジェクトを作ると良いでしょう。


    書き出し範囲を指定します。「Ctrl+A」で全トラックの選択状態を作ってから
    画面上部のタイムルーラ上で始点と終点を定めます。これで全トラックを対象に
    始点から終点まで書き出す指示ができました。終点も先頭の無音と同じ考え方で、
    最後のノートから数小節先に設定します。CDの「ポストギャップ」に該当する
    時間です。シンセトラックは最後のノートの終端では音源の発音が終わりません。
    また、空間系エフェクトのリバーブやディレイの残響が残っている場合は最後の
    ノートの終端から何小節先まで音が続いている楽曲か、再生して確認する以外に
    調べられません。予め最終部分を再生してマスタートラックのメーターで無音に
    なる位置を調査してから必要となる時間の小節分を足して終点の位置を決めます。
    終点の位置にもマーカーを打っておくことで書き出し範囲の選択が楽に行えます。


    《 書き出しの実行 》
    書き出す準備ができましたので、「ファイル」メニューの「エクスポート」から
    「オーディオ」を実行して、「オーディオのエクスポート」の画面を表示します。
    今後も頻繁に使うコマンドですので出力用のプリセットを作成しておきましょう。

     1.「プリセット」から「 [All]」を選ぶ
     2.「ディザリング」を「---None---」にする
     3.「ファイルの種類」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     4.「プリセット」に「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を入力する
     5.「プリセット」の右隣のフロッピーアイコンの「保存」をクリックする

    出力用プリセットが作成できたのでオーディオファイルを書き出してみましょう。

     1.「ファイル」メニューの「エクスポート」から「オーディオ」を実行する
     2.「プリセット」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     3.「ファイルの種類」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     4.「ファイル名」に「song.mp3」などの名前を入力する
     5.「ファイルの場所」に「デスクトップ」などを指定する
     6.「エクスポート」をクリックすると「song.mp3」と「song.wav」が出力される

    「MP3」ファイルが不要なときは、「WAV」ファイルのみを書き出しましょう。

     1.「ファイル」メニューの「エクスポート」から「オーディオ」を実行する
     2.「プリセット」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     3.「ファイルの種類」から「Wave」を選ぶ
     4.「ファイル名」に「song」などの名前を入力する
     5.「ファイルの場所」に「デスクトップ」などを指定する
     6.「エクスポート」をクリックすると「song.wav」が出力される

    「MP3」の特許ライセンス期間が終了したため、無料で利用できるようになりました。
    「月刊SONAR 2017年4月号」で実装された「MP3」機能を使って書き出しましょう。

     1.「ファイル」メニューの「エクスポート」から「オーディオ」を実行する
     2.「プリセット」から「LAME MP3 Very High Quality Stereo」を選ぶ
     3.「ファイルの種類」から「MP3」を選ぶ
     4.「ファイル名」に「song.mp3」などの名前を入力する
     5.「ファイルの場所」に「デスクトップ」などを指定する
     6.「MP3エクスポートオプション」を設定する(フロントエンドの操作)
       ビットレート[kbs]:最高品質の「320」を選択
       ステレオモード:音質優先の「Stereo」を選択
       ハイパスフィルタ/ローパスフィルタ:音質優先でチェックしない
       可変ビットレートでエンコード:音質優先でチェックしない
       クオリティ:音質優先で「0」を選択
       ID3タグ:必要に応じて入力
     7.「OK」をクリックすると「song.mp3」が出力される

    「MP3」は圧縮形式のファイルです。エンコードに用いる変換プログラムの性能や
    設定で音質が決まります。「SONAR」が使うのは「Lame Encoder Version 3.99」
    です。「External Endocer Configuration Utility」を使って作ったプリセットでは、
    「WAVE」と「MP3」を一度に書き出せます。出力時に使い分けると便利でしょう。

    注意していただきたいのはデータのやりとりです。「WAV」「FLAC」「AIFF」は
    大丈夫ですが「MP3」は遅延が発生します。取り込んで先頭を合わせると遅れます。
    実際に表示を拡大して比較してみることで、具体的なサンプルの遅延を見られます。
    メンバーから「MP3」ファイルをメールで送ってもらってインポートすると遅れた
    位置から再生されるため、聴感上に違和感が生じます。MP3遅延問題を知らずに
    メールでやりとりを続けて共同作業を進めると遅延が累積して取り返しが付かない
    結果になります。正確にデータを取り込めるDAWは、「MP3」が遅れた位置から
    再生されます。「SONAR」は正常なDAWですので正確にMP3遅延が再現されます。


    【 ディザリングとエフェクトのアップサンプリング 】

    DTMを始めたばかりの方から、制作中の音と出力した音が違うと嘆く声をよく
    ききますが「ディザリング」処理の影響によるものです。「SONAR」では複数の
    アルゴリズムが用意されていますが「---None--」にしておくことで出口部分で
    音を加工されることがなくなります。ただしディザリングは、ノイズやひずみを
    抑えるために実装されている機能です。音源との相性もありますので常にこれが
    良いという組み合わせはありません。自分の耳を頼りに、最適な結果を得られる
    設定で書き出した場合に最良の作品ができます。初期値を「---None---」にする
    のは、サードパーティー製のマキシマイザーなどに「ディザ」が実装されている
    ものがあるためです。社外のディザを使わない場合は付属のなかから選択します。

     Rectangular:典型的なホワイトノイズ。相互変調ひずみが比較的大きい
     Triangular:Rectangularより強いホワイトノイズ。CPU負荷が小さい
     Pow-r 1:特徴的なスペクトルのノイズ。上位のものよりCPU負荷が小さい
     Pow-r 2:特徴的なスペクトルのノイズ。CPU負荷が大きいがエクスポート向き
     Pow-r 3:Pow-r 2と同じ傾向でエクスポート向き。CPU負荷が異なる

    また、制作中にもディザリング処理によって音が加工されています。フリーズや
    バウンスのコマンドからオーディオファイルを生成するときに、ディザリングが
    かけられているからです。PCの負荷を減らす目的でエフェクト込みのフリーズ
    を行いますが、ディザの影響で出力される音が制作中に聞いていた音とは別物に
    なっています。もちろん「SONAR」にはこの処理の音の変化を防ぐための設定が
    用意されています。「環境設定」の「オプション」内の「ディザリング」処理を
    「---None---」に変えることで「制作中と出力した音が違う問題」が解決します。


    《 エフェクト処理のアップサンプリング 》
    高いサンプルレートを使用したプロジェクトではなく、標準的な「44.1kHz」の
    プロジェクトのときに内部的に高いサンプルレートでリサンプリングすることで、
    アーチファクトやノイズの発生を抑えられます。処理を適用したいプラグインを
    表示します。プラグインのタイトルバー左上の「FXアイコン」をクリックして、
    「レンダリング時にアップサンプリングする」にチェックが入った状態にします。
    コントロールバーから「プラグインのアップサンプリング処理を有効/無効」の
    「2X」をクリックして点灯させます。処理が重たくなりますので書き出しのとき
    のみ点灯させるようにします。エクスポート後は「2X」処理を解除しておきます。



    【 まとめ 】

    まずはおつかれさまでした。多くの設定がありましたが一曲を作り上げる流れに
    沿って「これだけは覚えておきたい基本的な操作と拡張キーバインド」について
    解説しました。本稿は高価なDAWや教本を手に入れても挫折を経験しただけで、
    何一つとしてやりたいことがやれるようにならなかった人に向けて執筆したもの
    です。まだまだ紹介しきれていない便利な機能がたくさん実装されていますので、
    実際に使いながら、少しずつマニュアルを読んで馴染んでいくと良いと思います。

    パソコンにDAWを入れて音を出すところまでのセッティングであれば代理店の
    サポートに頼ることで誰でも到達できます。しかしながら、使い方がわからずに
    放置してしまっては何のために機材をそろえたのか意味がなくなってしまいます。

    都会在住の方は音楽専門学校が豊富にありますので教室を選び放題の環境ですし、
    個人レッスンで先生からマンツーマンで操作を学ぶことができます。しかし残念
    なことに、DTMに興味を覚えた人全員が恵まれた環境にはいないのが現実です。
    学費の問題や個人の事情を無視して努力が足りないとみなす批難は想像力が欠如
    した自己中心的な人の暴力です。今回であればこのような「実践的な使い方」を
    公に出すつもりはありませんでした。なぜならば、長い期間をかけて作り上げた
    設定やノウハウは「資産」だからです。それでも積み上げてきた経験を公開する
    ことにしたのは、インターネットが格差を吸収する装置になると感じたからです。

    DAWの操作やMIXの操作といったものはあくまで「技術」でしかありません。
    オーディオ編集に使う用途でしたら高性能なオーディオエンジンを搭載しており、
    必要な機能が長い歴史のなかで研鑽され強化された「SONAR」は最適な選択です。
    それと同程度に快適な作曲ツールでもありますので導入初期の早い段階で正しい
    技術を身に付けて、必要になる音楽理論を学んで作曲に取り組んでみてください。
    「作品を完成させた者だけが味わえる喜び」を、あなたが体験する日を楽しみに
    しています。DAW活用のヒントは出しました。ここから先で必要になるものは、
    あなたの行動力です。本稿が素敵な曲が誕生する一助になりましたら、幸いです。



    【 特別付録 】
    下記は「拡張キーバインド設定を含む便利なショートカットキーのまとめ」です。
    ワープロソフトなどにコピーアンドペーストして印刷しておくと便利に使えます。
    ………………………………………………………………………………………………

    ≪ Cakewalk SONAR 拡張キーバインドを含む便利なショートカットキー一覧 ≫

     P:環境設定を開く

     Ctrl+O:プロジェクトを開く
     Ctrl+N:プロジェクトを新規作成
     Ctrl+Q:プロジェクトを閉じる

     Ctrl+S:保存(初回は「名前を付けて保存」)

     D:マルチドックの表示と非表示を切り替える
     Shift+D:現在作業中のウィンドウ内容の最大表示と通常表示を切り替える

     E:ピアノロールビューを表示する
     S:スコアビューを表示する
     F:ブラウザの折りたたみと展開を切り替える
     A:インスペクタの折りたたみと展開を切り替える
     X:コンソールビューを表示する
     Ctrl+Tab:次のタブに切り替える
     Ctrl+W:現在のタブを閉じる

     Space:プロジェクトの再生、再生中は停止
     J:現在タイムマーカーのジャンプ
     Ctrl+Space:プロジェクトの再生の一時停止
     Ctrl+Home:現在タイムマーカーをプロジェクトの先頭にジャンプ

     Shift+L:ループの設定
     Ctrl+Shift+L:ループのオン/オフを切り替える

    〔ピアノロールビュー上のマウス操作〕
     短くドラッグ:前回と同じデュレーションのノートを書く
     長くドラッグ:以前より長いデュレーションのノートを書く
     ノートの右端をドラッグ:延ばしたり縮めたりして配置済みノートをストレッチ
     ノートの真ん中でドラッグ:マウスカーソルが十字のときにノートを移動
     ノートの上端で上下にドラッグ:マウスカーソルがグラフ付きペンのときにベロシティ変更
     ノート上で右クリック:対象ノートを削除
     Ctrlを押しながらクリック:選択ノートの追加。選択済みノートの選択を解除
     右ドラッグ:選択範囲作成。続けて「Delete」入力で範囲内のノートを一括削除
     Alt+左クリック:前回と同じデュレーションのノートを1クリックで置く
     ダブルクリック:前回と同じデュレーションのノートを書く
     ノート上でダブルクリック:ノートのプロパティを表示する
     Alt+右クリック:対象ノートをミュート。ミュート状態のときはミュートを解除
     ノート上でAlt+左クリック:対象ノートをクリック位置で分割
     Ctrl+ノートをドラッグ:対象ノートをコピー
     Ctrl+Altを押しながら同一音程のノートとノートをなぞる:ノートの結合
     Tab:単一ノートを選択した状態で次のノートに選択対象を切り替える
     Shift+Tab:単一ノートを選択した状態で前のノートに選択対象を切り替える

     テンキーの5:「ナッジに関する設定」を開く
     テンキーの1:左へ「ナッジ 1」の実行
     テンキーの3:右へ「ナッジ 1」の実行

     V:選択中ノートのベロシティ変更ダイアログを表示
     H:履歴を表示する。任意の操作まで一気にさかのぼる
     Ctrl+Z:元に戻す。入力した回数だけ履歴をさかのぼる
     Ctrl+Shift+Z:直前の操作をやり直しする

     N:スナップモジュールのスナップのオンとオフを切り替える
     1:グリッド分解能を「全音符」単位に切り替える
     2:グリッド分解能を「4分音符」単位に切り替える
     3:グリッド分解能を「8分音符」単位に切り替える
     4:グリッド分解能を「16分音符」単位に切り替える
     5:グリッド分解能を「32分音符」単位に切り替える
     6:グリッド分解能を「64分音符」単位に切り替える
     7:グリッド分解能を「128分音符」単位に切り替える

     Q:クォンタイズの実行。ノートの開始位置や長さをグリッドにそろえる

     Ctrl+マウスのホイールの回転:表示範囲の左スクロールと右スクロール

     Shift+V:仮想キーボードの表示、表示中は非表示
     Shift+CapsLock:仮想キーボードの表示中に操作を有効、有効中は無効
     ←:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを左にずらす
     →:仮想キーボードの操作が有効のときオクターブを右にずらす
     ↑:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を上げる
     ↓:仮想キーボードの操作が有効のときベロシティ値を下げる
     1~5:仮想キーボードの操作が有効のときモジュレーションを操作する
     Tab:仮想キーボードの操作が有効のときサスティーンを有効、有効中は無効

     R:トラックの録音待機状態から録音開始
     Space:録音中の録音停止

     Ctrl+L:テイクレーンの表示、表示中は非表示

     Ctrl+クリック:ノートやクリップを複数選択
     Alt+クリック:ノートやクリップの分割
     Ctrl+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップをコピー
     Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直移動
     Ctrl+Shift+ドラッグ&ドロップ:ノートやクリップを別のトラックに垂直コピー

     Y:トランスポーズを実行。プラス方向でピッチが上がりマイナス方向でピッチが下がる

     U:オーディオクリップのリバース処理

     M:マーカーを打つ
     Shift+←:前のマーカーにジャンプ
     Shift+→:次のマーカーにジャンプ

    ………………………………………………………………………………………………


    <前回の記事>
    2017-01-04公開
    【DTMガイド】 SONAR PLATINUM -DAW購入の手引き-
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar1167710

    <参考の動画>
    2016-12-25公開
    【DTMレポート2016】『なぜ、読者は3日で作曲できるか』(2016)
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm30298733
    DTM入門ガイダンスの動画です。これから始める人と、挫折した人に向けて。


    <以前の記事>
    2016-01-22公開
    反撃のアップグレード! DTMの逆襲! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar954854
    2015-03-08公開
    怒りのアップグレード! DTM地獄! SONARユーザーは忍耐だよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar623914
    2014-07-21公開
    SONAR X3 アップデータで日本語ヘルプが内蔵されたよ!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar536807
    2014-03-12公開
    SONAR X3 お願い!タスカムさん日本語版ヘルプ作って!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar480131
    2014-03-08公開
    DTMのお話。SONAR X4 に望んでいる内容はこれです!
    http://ch.nicovideo.jp/AIR01/blomaga/ar477315


    ◆◇◆◇◆ お知らせです ◆◇◆◇◆
    コミュニティ参加、お気軽にどうぞ。
    http://com.nicovideo.jp/community/co2282621
    僕のネット活動の全ての情報を集結しております。
    バックナンバーも、読み放題になっています!!
    最後まで見てくれて、ありがとうございます。