• 本当に忍者ブームなのか?

    2016-05-18 10:13
    【久々の投稿です】
     約3か月ぶりに再開します。
     この間、調査依頼やコンテンツ制作、先日起こった地震などの影響でこっちに取られる時間がありませんでした。
     地震の影響で大きなところでは熊本・大分。九州で考えても建物の崩壊は無かったところでも経済的な打撃が大きい状況です。
     まぁ、しばらくはこの打撃からの速やかな回復が図れる様、研究した忍術を元にWalker plusでの情報発信や組織間の情報交換のお手伝いなどに時間を割く状況が続くと思います。


    【『忍者の歴史』が発刊されました】
     先日、忍者学の第1人者である三重大学の山田雄司先生による『忍者の歴史』が発刊されました。
     まだ途中までしか読んでいないのですが、忍者を観光や地域振興に取り入れようと考えている方には必携の書となっています。

     とかく眉唾物の情報が多い忍者界隈。歴史認識が滅茶苦茶になっているところや、内容が幼稚でもう保母さん主体でやらせてターゲットを幼児に据えた方が良いのでは?と思えるところがあります。
     
     この本はしっかりとした歴史認識に基づき、学問的分野として忍びの歴史・文化を解説しています。
     本来するべきであった忍者振興の方向性が示された本と言って良いかもしれません。
     南九州に関しても、鹿児島県から年2冊のペースで出ている鹿児島県史料集を元に紹介されているエピソードもあります。
     この本で紹介される歴史・文化の見方が全国に普及してれば、忍者文化がもっと知的で高等な文化として一般に迎え入れられてたかもしれませんね。


    【もう少し教養のある文化にならないものか?】
     少し前の話になるのですが、「くのいち」の語源で「女」という字を崩したところからではなく、「穴が男性よりひとつ多いから」という説が本当だとする話が最もらしく語られている時期がありました。
     万川集海にあたれば「くのいち」に対する「たぢから(田+力)」の話が出てくるので、その説の信憑性は薄いと判ります。
     忍者関連に関わる方の多くが「基礎となる書物から学んでいない」事と、「他の方が知らない知識を好むという風潮」がある為、未だに眉唾な文化として捉えられる事が多いのではと考えます。

     少し前、忍者の本場で出版業をしている方と話をする機会があったのですが、開口一番「学者の話って面白くないじゃないですか!」と言われたのには驚きました。
     その話を一般の方にも楽しく読んで貰う工夫を考えるのが編集の仕事だと思うのですが、完全に投げてしまっているんですよね。
     
     忍者文化はもっと工夫をすれば(今まで光の当たらなかった歴史や文化にスポットを当てる手段になり得る)高等な教養として全国的な拡がり作る事が可能ですし、自然科学の分野にも良い影響を与えられると思います。
     
     こちらとしても、もっと高度な文化内容を発表したくても一般の印象が低い為、新しいくくりを作って発表した方が良いのかな?と考えているところでもあります。


    【本当は忍者ブームでは無いでしょ?】
     観光系の方々が勘違いしているのは「忍者ブームが来ている」と考えている事。
     実際忍者イベントをやって成功しているところは全国でどれくらいあるでしょう?
     本当に人気があるのは勘違いの元になっているアニメやゲームなどの人気であり、忍者ブームとは言えないのではないでしょうか?
     ですから、忍者イベントを開催するよりはそのアニメやゲームなどの企画展類を行った方が集客が出てきます。

     状況把握がしっかりしていないと無駄な時間と予算を取られがちです。
     本当に人気があるのは何なのか?本当の歴史・文化はどれなのか?これから向かわなければならない方向性はどちらなのか?という事をしっかりと見極めた上で行動をしていく必要があるのではないでしょうか?


     
     
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  • 国も支援に乗り出した忍者観光。地元に取り入れるにはどうするか?

    2016-02-26 11:14
    【国が忍者観光を支援するというニュースが流れました】
     先日、忍者観光に国が支援する旨のニュースが流れました。
    関連ページ:「忍者」外国人に超人気 国も支援の「手裏剣観光」(2016/02/22 15:51)(テレビ朝日HP)
     下記リンクは国土交通省観光庁のページです。掲載のグラフから年々日本への観光客が増えている事が解ります。
    関連ページ:出入国者数(国土交通省観光庁HP)

    【忍者の文化がない街にも忍者コンテンツを取り入れても良いの?】
     三重県の伊賀や滋賀県の甲賀は元々忍者コンテンツの中心にあった街は良いですが、その他の街でも海外からのお客様に人気があるのであれば是非とも取り入れたい事でしょう。
     しかし、突然今まで無かった歴史コンテンツを観光に入れてしまうと、今まで築いてきた文化観光に違和感を生じてしまいますね。
     遠方から高額な旅費や長い時間を使っていらっしゃる旅行者はその土地の『本物』を求めていらっしゃっています。下手に取り入れれば今まで築いてきた文化に対する信頼が失われ、その街のグルメや工芸品に関しても偽物ではないか!?という疑いが掛かってしまいます。
     「面白いから始めました。」では幼稚園や保育園の子供たちまでなら良いでしょうが、いい大人で本物の文化や食などを求めて来る方々にとっては非常に失礼です。

    【では、忍者の文化がない街に忍者コンテンツを取り入れるには?】
     『さつま忍者研究会』では『忍者』という《キャラクター》よりも《文化》を重視しています。
     伊賀忍者と言われる「服部半蔵」。実際の姿は徳川に仕える一武将であったと言われています。
     江戸時代の日本の職業はおおまかに分けて武士・農民・大工などの職人・商人(士農工商)です。
     お茶やお花の文化は古来より権力者に優遇されてきましたので、「うちの家系はお茶の家系でね」とか「お花の家系でね」というのはまれにありますが、士農工商以外の職業では本場でもない限りまず無いものです。
     このキャラクター化(擬人化)している忍者文化を分解して考え、元からある歴史文化に照合させていく作業が必要になってきます。これを私は『薩摩忍者研究理論』と呼んでいます。

    【薩摩忍者研究理論とは?】
     簡単に言うと『忍者』というキャラクターや文化を構成する要素を分解して、地元にある文化に照合しながら研究する理論です。
     これをする事により、地元で伝承が失われつつある民俗研究を進めたり、日の当たらなかった文化を再構築してひとつのコンテンツとして提供する事ができる様になります。
     今回のテーマは「忍者文化の無い場所で忍者コンテンツを取り入れるには?」ですから、例えば「からくり屋敷」「隠し道具」「スパイ戦」といった忍者を連想される様な歴史や文化はないでしょうか?これに「伊賀や甲賀には忍者というものがいたのだけど、それに似た様なものがうちの街にもある」という切り口から地元の歴史や文化を説明していくという手法がやりやすいと思います。
     もちろん『薩摩忍者研究理論』に慣れてくればもっと発展させたコンテンツの提供も可能になってきます。

    【元々手裏剣は忍者の専売特許ではなかった】
     忍者=手裏剣のイメージが固定化されたのが、伊賀の忍者博物館ができたりテレビドラマ『隠密剣士』が流行った時期の様です。元は忍者の専売特許ではなく様々な流派の隠し武器であったり、手裏剣専門流派があったりします。
     これに限らず、マイナーな一般文化をどんどん面白おかしく取り込んでいって今の忍者イメージができているところもありますので、それを分解して元の形に構成しなおす事により忍者のキャラクターを利用して地元の歴史や文化を説明する事ができる様になるのです。

     












  • 侍・忍者イベントを頼まれたらどういう構成にするか?その1

    2016-02-09 13:39
    【侍や忍者のコスプレとかは好きだけどイベントを頼まれたら何をします?】
     お祭りといった大きな舞台になると、武者行列・合戦劇・障害物競争・手裏剣大会といったところでしょうか?

     最近では実際に城攻めを行ってみたり、
    関連ページ:SHIROZEME

     実戦型の合戦試合をやってみたり、
    関連ページ:日本甲冑合戦之会

     上記とは逆の考えで、ライトなスポーツチャンバラの団体戦を行ったりしていますね。
    関連ページ:チャンバラ合戦 〜戦 IKUSA〜

     武者行列や合戦劇なら丸武産業にお願いしている団体も多い様です。鎧の購入だけでなく、レンタルや合戦劇の構成・進行も行っていただけます。


    【お祭りやイベント内で何かしたい】
     個人やグループでイベント内での出展や講習会をお願いされた場合、何をやって良いか解らないといった話をよく聞きます。
     子供向けだったら保育園や幼稚園の先生たちに聞いてみるのも良いでしょう。大人向けであればそれなりのクオリティが欲しいところですね。
     侍だったら、鎧の着付け・紙鎧の製作会・チャンバラ講習・剣術体験といったところでしょう。
     忍者であれば、手裏剣打ち・吹き矢体験・忍者食の製作試食会・自然体験。花火業者にお願いして、花火の製作会も面白いと思います。
    関連ページ:国産天然硫黄から線香花火を作る講習会(Walkerplus)


    【ではその方法は?】
     ●鎧の着付け:一式揃ってれば良いですが、なかなか難しいもの。最悪、胴と兜だけでもあればさまになります。丸武とかで新品購入が難しい場合はヤフオクを見てみるのも1つの手です。それでも厳しい場合は段ボールやボール紙などで製作しても良いものが作れます。着付けに関してはネット上で解説しているところがありますので、それを参考に着付けができる様になりましょう。

     ●紙鎧の製作会:各地域、それぞれアイディアを凝らして紙鎧を作っています。ノウハウが無いところは京都の『うさぎ塾』に習うと良いですよ。本物の鎧にも引けを取らない出来栄えが期待できます。

     ●チャンバラ講習・剣術体験:店のブログにも書きましたが、武術とチャンバラパフォーマンスは違うものです。まずはどちらの方向性で教えるかを決めましょう。武術的に教えられる方は経験者でしょうから良いとして、チャンバラの様に楽しまれる枠を作りたい方は、スポーツチャンバラをチェックして下さい。道具に関しては水道配管の保護カバーが安価で使いやすいです。好きな長さに切って使いましょう。防具がない場合は眼だけでも保護したいので、100円ショップのゴーグルを付けても良いでしょう。
     関連ページ:武術とパフォーマンスの違いとは何か? 
     
     ●手裏剣打ち:忍者の手裏剣打ちと言えば車手裏剣ですね。金属製で言えば基本的に鋳造手裏剣と鉄板を打ち抜いた手裏剣の2種類に分かれます。鋳造手裏剣よりは打ち抜き型の手裏剣の方が刺さりやすいです。打ち抜き型は丸武産業で製作していますので、興味のある方は問い合わせてみて下さい。的はベニアの様な硬い合板は使わず、比較的柔らかい木材を使います。それでも初心者には難しいので、初めて投げる方が相手の時は、建築用の断熱材であるスタイロフォームを的の素材として使います。(ホームセンターで販売しております。これだけだと弱いので、裏にベニアや厚めの板を貼って衝撃が逃げない様に工夫します。)スタイロフォームで作った的はゴム手裏剣での手裏剣体験にも有効です。車手裏剣のコツは手裏剣を充分に回転させる様に投げる事。ゴムですから室内での体験でも安心ですよ。