• ブブキ・ブランキ解説(上級編)-15

    2016-09-29 18:0321時間前
     ラスト!第12話!
     この回も、もう「全部見てくれ!」としか言いようがないんですけど。その中でも特に過去のシーンは注目ですね。
     たとえば、コガネちゃんのお父さんである玄馬さんや、ヒイラギのお父さんヨシキ(由樹)さん。それに、四天王の面々。彼らの若い頃のモデルは存在していないと思うので、おそらく手描きなのではないかと思われます。



     さて、サンジゲンソムリエ。
     今回は、ほんとに重要なカットばかり選ばれています。

     最初に紹介されているのは「斧とビーム」
     ミギワさんの過去の蛮行が目いっぱい表現された場面になっています。
     このカットを担当された敷島君。バトルモノの経験はあまりないそうですが、物凄くよくできていると思います。監督の要望通り、無機質なロボットが与える恐怖感が実によく表現されています。

     2つ目は「再会」
     的場井さんの魅力が爆発した場面!
     新しくモデルを作るわけにもいかず、元のモデルを使いつつちょっとだけ色を変えて使用しているという。いわゆる2Pカラーってヤツでしょうか?ちょっと色を変えるだけで、全然イメージが変わります。あとヒゲをなくすだけで若返って見える不思議!
     それと、ここで監督の発言が1つ紹介されていますが、「手描きのアニメを作る時には、女性のキャラは男性のアニメーターに頼むことが多い」そうです。ちょっと意外ですね。

     3つ目のカット「コックピットの秘密」
     レオコ様の「小僧!その言葉だけは許さんぞ!」のセリフのとこですね。
     完全にニュータープ空間です!作ってる人たちが「ガンダム」大好きなのが伝わってきます。
     「コイツ駄目だ…」という表情から怒りを爆発させる切り換えが、実に上手く表現されています。

     で、最後。4つ目のカット。「ワイルド東の奥歯」
     ここで紹介されている歯のモデルなのですが、加藤良哉さんというアニメーターの方が作られたそうです。確かオープニングでも使われているはず。アズマが心臓を叩くカットですね。
     詳しくは、「CG WORLD」の記事を読んでもらえればと思います。

     サンジゲンでは多くのアニメーターが1ヶ所(インテグラルタワー)に集まって作業しているそうですが、それによりお互い刺激を与え合ったり、情報共有したりして、さらによい作品作りに生かせているようです(とはいえ、サンジゲンも京都スタジオや福岡スタジオもあって、いい仕事をしているので、そんなに問題はないのかも?)


     あと、この第12話のサンジゲンソムリエの最後に、ヘイヨーさんが送ったメールと第8話の解説がおまけでついているので、みんな見てね♪


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  • ブブキ・ブランキ解説(上級編)-14

    2016-09-28 20:11
     第11話。
     今回も、ヘイヨーさんのおすすめカットの紹介から。
     もうこの辺になってくると、「全部見どころ!」っていうくらいひたすら何度も見返して欲しい場面が多いのですが…
     その中でも、特に「ここだけは!」っていうおすすめカットです。


     本編の13分50秒あたりで、レオコ様が「ミギワめ…」とつぶやくセリフがあるのですが、ここは注目です!
     なぜかというと、ここでは“フェイシャルリグ”という技術が使われているからです。
     3DCGアニメでは“モデル”と呼ばれる人形に“リグ”という仕掛けがしてあるのですが、特にこのカットでは複雑な表情をさせるために、顔に細かいリグが仕込んであるわけです。

     で、これを「次回作では多用する(次回作というのは、もちろん『ブブキ・ブランキ 星の巨人』のことです)」と制作スタッフの方が公言されていたので、今後注目です!
     このフェイシャルリグにより3DCGアニメでも複雑な表情ができるようになり、各アニメーターによる個性がより出しやすくなるわけですが。逆を言えば、危険性も高くて。いわゆる作画アニメでいうところの“作画崩壊”も起こしやすくなるわけです。
     CGなのに作画崩壊!これ、ある意味でとてもおもしろいですよね。

     もう1つは、このちょっと前。「ブブブ On the other hand -ブブキ・ブランキ イラストワークス- 」の座談会で語られていた、ささきけんた君の担当したカット。
     レオコ様がベッドから起き上がって「首なしは残りあと何体だ!?」と新走に詰め寄り、ガクッとベッドから落ちる場面です(本編の11分40秒あたりから)
     CGで作ってあるにも関わらず、重力を感じます。


     あと、この第11話では的場井さんの魅力が爆発!“的場井さん回”といってもいいくらい!なので、的場井さんが出ている場面に注目です!
     特に、的場井さんと新走の対決シーンあたりは要チェック!




     さて。では、サンジゲンソムリエの方も見ていきましょう。
     最初に紹介されているのは「ふわっとお嬢様」
     ロシアのブブキ使いの1人イグナートが、リュドミラを空中で制止してゆっくりと地上に降ろすカットです。
     もちろん、このふわっと感が技術的にも凄いのですが、同時に2人の人間関係も表現しているわけです。

     ちなみに、このイグナート、「ブブブ On the other hand -ブブキ・ブランキ イラストワークス- 」では、「ヨメにするならどのキャラ? 男性部門」で見事1位に輝いています!確かにやさしそうだもの!

     2番目に紹介されているのは「びっくりジアーナ」
     ロシアの双子ちゃんの片割れジアーナが、突然現われたシズルちゃんにびっくりするカットです。
     この辺から、ジャパンチームはそっと忍び寄るシーンが増えてくるのですが、ネット上では「ニンジャナンデ!?」などと言われていました。


     3番目は「脳内回転運動」
     的場井さんが落下しながら銃を撃ったあとのカットですね。このカットを作り上げるために、アニメーターの遠藤さんはお風呂場で実際に実験してみたそうです。研究熱心!
     ちなみに、この直後に的場井さんが落下途中の岩に激突する場面があるのですが。痛そう!ここもよくできています。一瞬のことなので見逃してしまいがちですが、何度も巻き戻して見てみましょう!
     それにしても的場井さん、拳銃使いなのに蹴りとかタックルとか格闘攻撃得意ですよね。この辺、「コガネタンR」というゲームでも上手く表現されていました。興味のある方はプレイしてみるといいと思います。


     そして、最後。「告白クッション」
     的場井さんと新走の戦闘が終わって、急にギャグが挟まれるカットです。
     あの~、これ最初わかりづらいと思うんですよ。ヘイヨーさんも、最初よくわからなかったんだけど。マジメなシーンに突然ギャグを挟むっていうのが。

     これ何かというと、実はサンジゲンの社風なんですね。「ウルトラスーパーチャンネル」とかを見ている人ならわかると思うんですけど、たとえば松浦さんが話の途中で突然ギャグを挟むという。アレです。
     おそらく、サンジゲンでは普段の制作会議などで、こういう光景が日常茶飯事に行われていて、自然にアニメにもそれが反映されたのではないかと思います。
     なので、慣れるしかない!最初は寒いと思うかも知れませんが、慣れると逆に楽しくなってくる!なんだかクセになる楽しさです。



  • ブブキ・ブランキ解説(上級編)-13

    2016-09-27 18:02
     次、第10話。
     今回は、まずヘイヨーさんのおすすめカットを紹介します。

     まずは本編の6分40秒あたりから。
     エピゾが「クソッ!見ちゃいられねぇ!」とか言って海に飛び込む場面。
     ここで、肩からさげているギターをグルグル回すわけです(意味わかんないけど、かっこいい!)
     で、次のカットでは、よく見ると全身回転しながら海に落下していきます(かっこ悪いけど、かっこいい!!)
     さらに、その直後。泳げもしないのに必死になって泳いで進んでいこうとするエピゾ(ひそかにギターをビート板代わりにしているのも見逃せません!)
     エピゾが出てくると、どんなに真剣な場面でも簡単にギャグシーンになってしまうという。それでいて、全体の雰囲気は破壊されない。これぞ、「ブブキ・ブランキ」!という感じがします。

     それから、そのもうちょっとあとのカットで「アズーマ!心臓を壊せ!心臓を壊すんだ~!」と叫びながら走ってくるエピゾ。ここで注目していただきたいのは、お腹の揺れ!無駄に凝っています!
     その直後、炎帝に踏み潰されそうになり、あわや…というところで、仲間のアメリカチームの面々が助けてくれるカット。これ、もう主人公です!主人公チーム!
     おそらく、エピゾとアメリカチームを主人公にして作っていた方が、アニメとしてはわかりやすいおもしろさになっていただろうし、その方が人気は出ていたと思います。ブルーレイやDVDなんかも売れてたかも。

     でも、そうしなかったことで、この作品はさらなる高みに到達したわけですが。

     そして、もう1つ。
     もちろん、みんなで「せ~のっ!」って心臓をブッ叩いて破壊する場面です。ハートフルボッコのとこ!
     これ、意外と作るの大変だったそうです(みんなで一緒に心臓にパンチを食らわせるタイミングを合わせるのが難しかったのかな~?)
     できれば、この辺も解説が欲しかったですね。




     さて、サンジゲンソムリエ。
     最初に紹介されているカットで、「直接殴られている絵を入れないで、殴られている表現をしている」という説明が入っています。
     それと、破片が思っている以上に飛び散っているという。この辺が、サンジゲン特有の表現だと思います。現実にあるかどうかは別として、その方が迫力が出るならそちらを使う。いい表現になるなら平気で嘘をつくという部分ですね。
     それと、ここでは流動背景(流背または流景とも呼ばれる)が使われています。アズマ君が後ろにブッ飛んでいく部分の背景。
     「ブブキ・ブランキ」では、この流背というのを頻繁に使用していて。この場合、斜めに入っていますが、縦とか横に流れていくことが多いです。
     たとえば、アメリカチームのキャラクターが登場する流背では、星条旗をイメージして赤と青を基調とした色になっています。

     この第10話だけでも、流背が何度も使用されているので、注目して見てもらえればと思います。

     2つ目のカットは、ミギワさんがアズマ君を抱きしめる場面。
     3つ目のカットは、ヒイラギがキノアに「それ聞いちゃうか!?」ってことを尋ねる場面ですね。
     そして、4つ目は、コガネちゃんとアズマ君がいい雰囲気になっている…ところを邪魔される場面です。

     これらに共通するのは、“人間ドラマ”をアニメーションで表現しているというところです。
     パッと見、戦闘シーンなどのド派手なシーンに目が行きがちですが、実はこういう地味なシーンも繊細に作られているという。最初はなかなか注意して見ることができないかもしれませんが、2回目以降の視聴でこの辺りにも注目して見ていただきたいなと思います。
     特に4つ目のカットでは、手の動きだけでコガネちゃんの心情を表現するという難しい技術に挑戦していて。ここ、他の場面に比べてゆっくり動くんですね。おそらく、中の絵をほとんど抜いていないのだと思います(つまり、フルアニメーションに近い)
     サンジゲンのアニメというのは、3DCGでできているにも関わらず中の絵を抜いていることが多くて(その方が2Dっぽい動きになるので)
     ただ、このようにあえて絵を抜かないようにすることによって、効果的に使うことができるわけです。