• ブブキ・ブランキ解説(上級編)-2

    2016-07-20 22:34
     では、第2話いきます。

     この回からオープニングが入ります。が、まだ完全版ではありません。
     ただし、あの的場井さんが炎を背にして歩いてくるカットもあるので、これはこれでなかなかよいものになっています。


     この第2話は、大きくわけると2つのパートにわかれています。
     前半では、アズマたちの持つブブキが合体して王舞になる過程が描かれ、後半はレオコ様との対決がメインになります。


     ここでどうしても外せないのは、やはり骨になった王舞が合体して元の姿に戻るシーン。それぞれの武器が巨大な手足になって、骨となった本体へと合体していくシーンです。「武器が合体してロボットになる」というコンセプトが見事に表現されていると思います。

     同時に聞き逃して欲しくないのが音楽です。的場井さんに銃で撃たれたアズマの心臓が覚醒していく場面で流れ始める曲。
     このアニメ、なにげにいい曲が多いのですが、このBGMはその代表となる曲の1つとなります。


     その後の夜の新宿を王舞が歩き回るシーンは、「鉄人28号」を彷彿とさせます。

     ここで、最大のライバルであるレオコ様が登場。
     雲を霧散させ、回転飛行しながらやって来るレオコ様!
     1周目では「何、この人?」という感じだったかもしれませんが、2周も3周もしていれば、このかっこよさがわかってもらえると思います。
     この辺りのシーンも、手描きでやろうと思うと結構大変なのではないかと思いますが、CGであれば回転移動くらいであれば比較的簡単にできるので、この辺がCGでアニメを作っている強みでしょう。


     表情にも注目していきましょう。
     この「ブブキ・ブランキ」というアニメ、とにかく表情が目まぐるしく変わる!CGでできたキャラクターにも関わらず、並のアニメよりもよっぽど表情豊かです。
     たとえば、的場井さんに踏みつけられながら罵倒され、涙を流して悔しがるコガネちゃん。王舞の渾身のパンチを受け止めて嬉しそうに笑うレオコ様。などなど。細かく見ていけば、キリがありません。
     この辺が、何度でも見れてしまうアニメになっているわけです。


     この「ブブキ・ブランキ」というアニメは、とにかく最初の1回がよくわからない。どうやってみればいいのか?どういう風に楽しむのか?それが非常にわかりづらい。
     1回目の視聴ではなかなかそこまで到達できないし、1度の視聴で全てを理解するのは不可能に近いでしょう。それは最大のネックとなってしまっています。
     けれども、1度おもしろさがわかってしまえば、あとは楽なもの。何度でも楽しむことができてしまうのです。その理由の1つが、この表情の豊かさにあります。
    「あ、ここでこのキャラクターはこういう気持ちなんだ。だから、こういう表情をしてるんだ」
    「こんな細かい部分まで作り込んであるのか!」と、見るたびに驚かされてしまうわけです。





     では、今回もサンジゲンソムリエと照らし合わせながら見ていきましょう。

     まずは、上の映像でいうところの1分30秒あたりから。
     コガネちゃんを抱きしめたアズマに向って攻撃する右手ちゃんの場面。


     ここは、ぜひ本編と照らし合わせて見ていただきたいのですが。このちょっと前に、抱きしめられたコガネちゃんの髪の毛が逆立っているカットがあります。
     ここで使われているのが、“オバケ”表現。いわば残像が残っているわけです。
     上の映像でもコガネちゃんが手を振っているところで残像が残っていますが、いわばアレです。

     このアニメ、ほとんどがCGで作ってあるにも関わらず、実はこういう手描きのアニメで使用するテクニックが多用されているのです。最新の技術で作られていながら、同時に昔ながらの日本のアニメのテクニックも取り入れているという。
     この辺が、サンジゲンの作るアニメと、普通のCGアニメとの大きな違いになっていると思います。

     
     続いて4分30秒あたりから。夜の街を王舞がゆっくりと歩いていく場面です。
     ここで監督自ら「鉄人28号」に触れられていますね。やはり、大きく影響を受けていたようです。


     ここで重要なのは、デッサン能力はモデラーが持っていればよくて、アニメーターはキャラクターを動かすことに専念すればよいという点です。
     これにより、絵を書くのが苦手な(あるいは全く描けない)人でも、ベテランアニメーターに負けないアニメが作れてしまうという。


     その極めつけが、最後に紹介されている場面です。上の映像でいうところの10分50秒あたりから。
     カメラが回転移動しながら、各キャラクターを紹介していき、最後に王舞がパンチを繰り出すカット!

     これを手描きでやろうと思ったら相当大変だと思うのですが…(おそらく回転させずに各キャラクターを順番に映していくだけにするはず)
     こういうことを平気でやってのけられるのがCGアニメ最大の利点だと思います。


     あと、上の映像の13分30秒あたりからある、ささきけんたくんの「アニメが好きだから(小学生並の感想)」の志望動機のとこは必見です!

    「上級編-1」 | 「上級編-3」

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  • ブブキ・ブランキ解説(上級編)-1

    2016-07-08 22:20
     はい。では、 ディーライフでの再放送もはじまったということで、「ブブキ・ブランキ」の解説を再開したいと思います。
     今後は、ディーライフの放送に合わせて、週に1話ずつのペースで進めていくつもりです。


     初見の方は、まずは、「初級編」からお読みください。

             *

     これまでストーリーや設定などについては散々見てきたので、この上級編では技術論を中心に語っていこうと思っています。

     せっかく、公式にサンジゲンソムリエという動画をアップしてくれているので、これを使わせていただきましょう。
     小松田大全監督や、鈴木大介さんも出演されています。



     この動画の最初で紹介されている監督・CGスーパーバイザー・アニメーションディレクターという役割ですが…
     まあ、監督はどのアニメにもいて、その作品全体の責任を負っている人です。その作品の内容に関するあらゆることに口を出せるそうです。


     CGスーパーバイザーというのは、珍しい役割だと思うのですが。もちろん手描きのアニメには存在しなくて、サンジゲン特有の肩書きかもしれません。CGでアニメを作っているところなら、名前は違えど似たような人はいるかも?CG全体を見る係の人だそうです。

     ディレクターっていうのは、たぶん演出と似たようなものだと思うんですけど、監督と各アニメーターの間に立って、「こういう画を作ってくれ」と監督の意志を伝える役のようです。
     もちろん、あがってきたカットをチェックしたり、自分でもカットを作ったりするので、相当忙しいみたいです。

     監督とCGスーパーバイザーは作品に1人ずつで、ディレクターは各話に1人ずついるそうです。

             *

     それでは、頭から見ていきましょう。
     第1話は、AパートとBパートで全然違う作りになっています。まるで、2本の別のアニメを見ているよう!


     Aパートで必ずチェックしておきたいのは、背景ですね。「ブブキ・ブランキ」は、全体的に素晴らしい背景が山ほどあるのですが、それはこの時点から見てとれます。
     それと、Aパートのラストで王舞が落下していくシーン!ここは、やはり見逃せません。
     実は、この時点で宝島が飛行機(宇宙船?)っぽいデザインをしていることにも注目しておきたいです。


     Bパートに入ると、見どころ満載で、全部語ってるとキリがないんですが…
     やはり、右手ちゃん初登場からの戦闘シーン。ここは外せないと思います。このシーンだけで、「ブブキとはどういうものか?」というのがなんの説明もなくともなんとなくわかってしまいます。


     それから、19分30秒を過ぎたあたりの「フ~ン、フ~ン♪」と口ずさみながら的場井さんが炎を背後に歩いてくるシーン。
     ここは技術的な難しさというよりも、ズバ抜けたセンスのよさで痺れてしまいます!


     そして、そのちょっとあとの、アズマとヒイラギがビルの屋上から落下していくシーン。さらに、他のメンバーが空中で追いついてきて、フワフワと宙を漂いながらゆっくりと落下していくという一連の流れ。
     これは手描きだとなかなか難しいのではないかと思います。この浮遊感はCGならではのものでしょうし、仮に手描きで同じことをやろうとしたら、相当時間がかかるのではないかと思われます。

     できれば、この辺も解説していただきたかったですね。

     サンジゲンソムリエの解説にもあるのですが(上記の映像の13分40秒あたりから)手描きのアニメの場合、熟練のアニメーターでもラフ原画をあげるのに1週間くらいかかるカットが、わずか2~3日でできてしまう。しかも手描きだと、そのあとに清書したり、動画を描いたり、色まで塗らなきゃいけない!これはとんでもなく大きな差ですよ!
     もちろん、そこまでにキッチリとしたモデルを作らなければならないので、最初に時間がかかっているわけですが。


     さらに言えば、それを絵を描けない人でも作れてしまうという。
     実際にこのアズマが走ってきて花園神社の敷地内に逃げ込むカットは、元々制作進行だった方が作られているそうで、3DCGの恐ろしさがうかがえます。



  • そういうのを格差というのだろうか?

    2016-07-07 18:026
     この前の 「アニメの地方格差がなくなるサイマルキャストとは?」に寄せられたコメントを読んでいて思ったんですけど…

     まず一番最初に、「違法サイトを使ってるので、翌日には全部見れる」みたいなコトを書いている人がいましたが、さすがにそれはマズイです。
     いくらただで見れるからと言っても、それをやっちゃったら終わりです。その理由は今さら説明する必要もないとは思いますが、一応。

     そういうコトをしていると、アニメを作っている人たちにお金が回らなくなり、ますますブルーレイやDVDの価格が上がってしまいます。もちろん、制作費も抑えられ作品のクオリティは下がっていきます。
     よく「この作画が悪い」みたいな声を聞きますが、お金が入ってこなくなれば、これまで以上にそういう事態は進んでいくでしょう。


     あと、「お金がないから」とか「有料にしたら、逆に格差が広がる」という意見がありましたが、わずか月々数百円のことなので、そこまで大きな問題ではないと思います。
     これが毎月何万円も払わなければならないとなれば、それこそ収入による格差も生じるでしょうが、この程度ならば問題ないかと。
     ヘタをすればマンガ喫茶に1回行くよりも安い金額なので。それで1ヶ月楽しめるのであれば、かなり安上がりな趣味だと思います。
     むしろ、マンガを読むのでさえお金を払っていたのにアニメは無料で見られるという、これまでの状態の方が異常だったとさえいえるでしょう。


     どうしても、ただで見たい人は、遅れて見ればいいわけで。
     情報というのはスピードに価値があるので、「早く見たい人はお金を払う。そうでない人は待つ」というやり方は、実に自然なことだと思います。


     もちろん、視聴者としては無料で見られるに越したことはないんだけど。そこをちょっとだけ資金援助することで、日本のアニメ業界も安定していくし、ひいてはそれが良い作品を制作することにもつながっていくわけです。

     たとえば、WOWOWで「迷家」や「ベルセルク」を先に放送していたり、アマゾンプライムで「ノイタミナ」の作品を先行配信していたり…アマゾンプライムといえば、特撮作品の「仮面ライダーアマゾンズ」も独自に制作して配信していますが。
     ああいうことをもっとやっていくべきではないかな?と思うわけです。


     ニコニコも、そっち側に方向転換した方が、いいのではないかと。
     アニメや映画などを各話何百円とかいう価格をつけて配信していますが、あまり需要がないみたいだし。それだったら、いっそのことプレミアム会員なら見放題にして、会員数を伸ばす方向にシフトした方がよっぽど利益が大きいと思います。