• 「ブブキ・ブランキ」がヒット作になるにはどうすればいいか?

    2016-06-30 19:217時間前
     さて、ここまで長々と「ブブキ・ブランキ」について書いてきましたが…
     そろそろ、この作品の未来について語りたいと思います。


     正直、このアニメここまでのところあまり売れていないようです。
     「なんでこんないい作品が売れないんだ!」という思いがある一方で「まあ、そうだろうな…」と納得もできてしまいます。売れない理由も大体わかります。


     最大の理由は、やはり「1度目の視聴でよくわからないタイプのアニメだ」ということでしょう。それどころか最後まで通して見ている人自体少ないかも。
     仮に最後まで見たとしても、おもしろさがわからないまま無理をして見続けていたのでは全然意味がありません。

             *

     そもそも、現代のアニメファンの視聴スタイルに合っていない。
     現代の多くのアニメファンは、“ながら見”したり、適当に見たりしてもわかるような作品を望んでいます。
     たとえば、ツイッターや2chで実況しながら見たり、ゲームしながら片手間にアニメを流したり。こういう見方をしている人は多いと思います。
     ところが、これでは「ブブキ・ブランキ」のおもしろさはわかりません。もっと画面に集中しながら見ないと、すぐに意味がわからなくなってしまい、置いてけぼりになってしまうからです。


     他にも理由があります。
     次から次へと画面が切り替わり、忙しい!よほどテンポの早い映像作品を見慣れている人でないと、すぐについていけなくなってしまいます。
     しかも、回や場面によって、まるで別のアニメのように様変わりしてしまいます。


     たとえば、第1話のAパートとBパートでは全然違うアニメのような作りになっています。第2話で、また別のアニメに。第3話でも、またちょっと違う雰囲気でお話が進んでいきます。極めつけは第8話なんですけど…
     とにかく、コロコロと場面が変わる。雰囲気が変わる。そして、そのたびに見方を変えなければならない。
     これはある意味でとても贅沢な作りなんだけど、それが視聴者を置いてけぼりにしている原因にもなっているわけです。


     他にも、唐突にギャグが挿入される。それも、ギャグかどうかよくわからない時もある。これが結構やっかい。
     これも慣れればおもしろくなってくるのだけど、慣れるまでが大変!


     そうこうしている内に、ついには途中で見るのをやめてしまうでしょう。2話や3話で切ってしまった人も多いと思います。

     勘違いしないで欲しいのは、これは「作品が悪いとか作品の質が低い」といっているわけではありません。むしろ、質は非常に高いし、レベルも高いと思います。映像的にだけではなく、シナリオも設定も。
     ただそのレベルの高さが、逆に欠点にもなってしまっているわけです。

     このアニメを10回以上見たヘイヨーさんが言うので、ここは間違いありません!これは自信を持って言えます!(回によっては30回以上見てます)
     逆を言えば、10回見てないとここまでは良さがわからない。ましてや、1回しか見てなければ、おもしろさが全然わからなかったはず。


    「飽きっぽい現代のアニメファンが途中で切ってしまいやすい作りになっている」
     最後まで見てもらえばわかる人も何割かいるだろうけど、まず最後まで見てもらえない。あるいは、最後まで見たけど意味がわからない人が続出している。
     この最大のネックをどうするか?その解決策が見出せない限り、売れないアニメのままでしょう。


             *

     まずは、2期をキッチリ作り上げること。
     これは絶対条件です!これがないと、お話が中途半端なまま終わってしまい、それこそ駄作の烙印を押されてしまうでしょう。

     その際に、視聴者に妥協する必要はないと思います。
     1期と同じく、あるいはそれ以上に作り手が作りたいものを120%全力で完成させていただきたい!
     その時点では、「視聴者にわかりづらいから…」と、変に気を使わない方がいいと思います。そういうコトをやると中途半端な作品になってしまいがちです。
     ここまで来たら、もう突き抜けられるだけ突き抜けた方がいい!そうすれば、伝説になる可能性が高い!


     問題は、そのあと。
     ここから先は、全力で説明する必要があると思います。
     ただでさえわかりづらい、見方が難しいアニメになっているのに、なんの説明もなしだと、さすがについていける人の数は限られてしまうでしょう。
     もちろん、コアなファンはそこまでしてでも見続けるだろうし、「どうやって見れば最高におもしろい見方になるか?」を追求するでしょう。
     けれども、そんなコトができるのはほんの一部の人に過ぎません。残り大勢の視聴者を逃してしまうことになります。


     ここで必要なのが、解説です。
     かつて富野由悠季さんが「機動戦士ガンダム」のおもしろさを説いて回ったように、「ブブキ・ブランキ」のおもしろさも、作った人たちが説明する必要があると思います。
     「ガンダム」も最初はうけなかった。理解されなかった。それが、何度も再放送を繰り返し、アニメ雑誌などで富野さんが「これは、こういう作りのアニメなんですよ。こういう風に見るんですよ」と時間をかけて説いて回った。結果的に大ヒットにつながったのは、その成果なわけです。


     なので、監督なり脚本家なりが、雑誌やインターネット上のインタビューに答えて、「ブブキ・ブランキとは、こういうアニメなんですよ」「こういう工夫がなされていて、こんな風な視点で見るとおもしろさがわかりますよ」と語っていただきたい。
     自らのブログやツイッターなどで説明するのもいいでしょう。
     2期の完成までは忙しくて、そんなコトをやっている暇はないかもしれませんが、それが終わったら必ずやった方がいいと思います。


             *

     あとは、本。
     ゲームでいえば、攻略本。それが必要!


     コアなファンからすれば、基本的な情報なんてもうとっくの昔に知り尽くしていて、「そんなコト、今さら説明されても…」「それよりも、もっとディープな情報が欲しい!作品本編に出てこなかった裏情報なんかをバンバン公開して欲しい!」という気持ちになります。
     なので、そういう設定資料集のようなものも販売して欲しい!
     けれども、それだけだと新規のファンの獲得につながりません。なので、それとは別に超基本的なガイドブック的なものも出しておいた方がいいと思います。


     あるいは、1冊の本の形にするのが難しければ、アニメ雑誌などで大々的に取り上げるとか。
     数ページくらいの薄っぺらい記事ではなくて、ド~ン!と数十ページを使って、基本的な作品の見方から、キャラクター表から、ブブキやブランキの説明まで懇切丁寧に解説する!


     カドカワも、制作委員会のトップに名前が載っているのだから、おそらく一番お金を出しているのでしょう。だったら、この作品が売れるに越したことはないはず。ニュータイプなりなんなりを使って、特集を組むことくらいできるはず!

     ドワンゴだって、今やカドカワと手を組んでいるのだし(確か、一緒の会社になったはず)ニコ生で特集番組を放送するとか、そのくらいのことはやってもいいと思います。
     それは、必ず利益となって返ってくるはずです!


     とにかくこの作品は、理解されていない!
     作品自体は素晴らしいものを作り上げているのに、それが全然視聴者に伝わっていない!
     この部分を解消できない限り、ヒットはあり得ないと思います。


  • 広告
  • 売れる作品=いい作品とは限らない

    2016-06-29 19:16
     コメント欄などを眺めていると、声を大にしてよくこういう理論を語っている人を見かけます。「売れてないんだから、駄作に決まってるだろうが!」と。

     それは違います。その理論でいけば、宮沢賢治もゴッホもみんなみんな駄作を量産していたということになります。
     こういう人は、目の前しか見ていない。だから、未来の成功が読めないタイプの人です。また、目の前のおもしろさしかわからないので、じっくりと時間をかけて楽しむ深みのある作品のよさがわからない傾向にあります。


     もちろん、数字も1つの目安にはなると思います。
     けれども、それを絶対の尺度にしてしまうと、おかしなことになってしまいます。


     さらにいえば、自分が理解できない=駄作じゃないんですよ。
     だって、世の中にはその作品のよさをちゃんと理解している人もいるんだもの。


     これはアニメだけに限った話ではなく、全ての創作物にいえることですが…
     基本的には、「いい作品であるかどうか?」「売れているかどうか?」は、あんまり関係ありません。
     「売れてないけど、いい作品」は山ほどあるし、その逆もまたしかり。

     それなりの数売れたのに、10年後誰も話題にしていないなんてコトはよくあるもので。それとは逆に、その時には売れなかったんだけど、30年後も語り継がれている作品だってあるわけで。
     また最初の何作は売れなかったのに、後に大ヒットを飛ばす監督や作家だって何人もいます。

     ただ単に目の前の数字だけでしか判断できなくなるのは危険だということです。

     たとえば、ブルーレイとかDVDの売り上げもそうだし、視聴率だとか、ニコ生のアンケート結果も同じでしょう。
     数字で見るとメタメタに叩かれているように見える作品も、実は愛されているということだってあります。アンケの評価で5が圧倒的に多いのに、コメントは大いに盛り上がり、みんな心の底から楽しんでいる。そんな映画がニコ生でもよく放送されています。


     目の前の数字だけに目を奪われてしまうと、目が腐ってしまいます。ほんとは素晴らしい作品なのに、それを見抜けなくなってしまうのです。
     くれぐれもそういう人間にはならないようにしましょう!


  • お客さん・働いている人・会社の3つが幸せになるのが一番いい

    2016-06-29 00:43
     今回は、ひさしぶりにアニメとは関係ない記事を書こうと思います。とはいっても、ちょっとだけ関係があります。

     ちょっと前に書いた 「サンジゲンというアニメ制作会社がいかに凄いのか」という記事では、サンジゲンというアニメ制作会社を取り上げましたが、もちろんアニメ業界には他にもまっとうな経営をしている会社はいくつもあるはずです。
     たとえば、サンジゲンと同じ3DCGでアニメを作っているポリゴン・ピクチュアズという会社は徹底したコスト管理を進め、効率よく無駄なく仕事を進め、社員の労働環境にも気を使っているそうです。神風動画という会社は超ホワイト企業だと聞きます。
     さっきの記事のコメント欄では、グラフィニカという会社も人材育成に力を入れていると書いている方がいらっしゃいました。


     とはいえ、アニメ業界に限らず、日本企業は正社員を減らし、パートやアルバイト・契約社員などの数を増やしているというニュースをよく耳にします。
     実際に、正社員と非正規社員の割合のグラフを見てみると、年々非正規社員の割合の方が増加していっています。
    「これが時代の流れだ」といってしまえば、それまでですけど…
     果して、それで人々は幸せになれるのでしょうか?


     もちろん正社員として働くことが必ずしも幸せとは限りません。本人が望んでいるのであれば、フリーな立場で働く方が幸せになれるでしょう。
     けれども、「ほんとは正社員として働きたいのに、会社が許してくれない。社会がそんな風になっていない」と感じている人が多いとすれば、やはりそれはおかしな社会だと思います。


     ヘイヨーさんがよく考えるのは、今回の記事のタイトルにもなっている「お客さん」「働いている人」「会社」の3つがバランスよく幸せになれる関係が一番いいなということです。

     たとえば、マクドナルドという会社は、昔は商品を安く提供していました。つまり、お客さんは幸せだったわけです。そうして、企業も利益も得ていました。会社も幸せだったわけです。ところが、そのしわ寄せが労働者にまとめてきてしまっていた。安い時給で大変な労働をしいられていた。働いている人は不幸だったわけです。
     結果的に、異物混入事件などが重なり、マクドナルドは落ちぶれてしまいました。もしも、もっと働いている人にやさしい会社であれば、こうはならなかったかもしれません。
     しかも、昔ほどは価格も安くはなくなり、お客さんに対してもやさしくない会社になってしまっています。


     あるいは、すき家というお店があります。
     ワンオペと呼ばれる無理な勤務態勢を長く続いたために、働いている人たちが1度に大勢やめてしまいました。おかげで、お店が全然回らない事態に!
     ところが最近、そのワンオペ状態を解消し、労働者の時給を上げたおかげで、急激に業績が回復したそうです。


     かといって、あまりにも商品の価格を上げてしまうと、今度はお客さんが困ることになります。最悪、そっぽを向かれて誰も買わなくなってしまうでしょう。
     同じように、お客さんにも働いている人にもやさしいのだけど、会社は大赤字というのでは、長続きはしないはず。


     この3つをバランスよく維持するのは非常に難しいとは思います。思いますが、そこのところは会社を経営している人たちもよく考えて、みんなが幸せになれるようにしていただきたいものです。
     結果的には、それが会社の経営を長続きさせ、利益をもたらしてくれるはずだからです。