クトゥルフ神話TRPGフリーシナリオ:ナイト・オブ・ジャズエイジ
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クトゥルフ神話TRPGフリーシナリオ:ナイト・オブ・ジャズエイジ

2015-05-06 23:10
  • 18

 どうもみなさんこんにちは、銃キチ探索者なんとかかんとかです。本シナリオは先日頒布したシナリオ集、「ヘンリー・アーミティッジの遺産」に再録したものです。
 このシナリオは拙作動画「ゆっくり達のジャズエイジクトゥルフ」の第一部に使用したシナリオでもあり、動画公開から数年、シナリオ集に掲載して正式発表したのも数年前……そろそろフリーシナリオとして公開してもいい頃かなと思い、ここに公開します。
 もしこのシナリオが気に入ったなら、そろそろ委託が始まる「ヘンリー・アーミティッジの遺産」、是非手にとって観て下さい!そして、現代日本以外を舞台にしたCoCもぜひ遊んでみてね!銃ぶっ放すの楽しいよ!
 シナリオを読んでくれたり遊んでくれた場合、ツイッターのハッシュタグ#ケネス探偵事務所に感想を書いてくれると泣いて喜びます。

 
【1、はじめに】

 このシナリオはクトゥルフ神話TRPG(第六版)に対応したシナリオである。探索者人数は4人~5人を想定しており、探索者作成を含まない場合、プレイ時間は3~4時間程だろう。


◆シナリオの舞台

 舞台は1920年代アメリカ、禁酒法時代のアーカムである。禁酒法時代に関する知識は必須ではないものの、あればシナリオの雰囲気をより楽しむことが出来るだろう。

 サプリメント「アーカムのすべて」がオススメだ。今回のシナリオには「アーカムのすべて」に登場する場所やNPCが登場する。、


◆探索者作成時の前提

 探索者達はアーカムにある探偵事務所、ケネス・ヒース探偵事務所のメンバーであるとする。

 しかし探偵、事務員などの正規所員である必要はなく、職業的もしくは個人的興味などから事務所に集う人物であればなんでも構わない。記事のネタを求める記者、ご意見番の教授、暇潰しに訪れるディレッタントなど、KPは事務所に集う動機と職業に柔軟性を持たせよう。依頼ひとつでいつでも事件に首を突っ込める、好奇心旺盛な人物であれば探索者には十分だ。


◆役に立つ技能

 なるべく様々な技能が活躍できるよう配慮したシナリオだが、シティシナリオである為<自動車運転>などで探索者の足を確保しておけば常に役に立つだろう。

 また、回避不可の戦闘があるため、<ショットガン><サブマシンガン><回避>など戦闘の得意な探索者が居ることが望ましい。

 戦闘以外では<機械修理>もしくは<電器修理>が役に立つシーンがある。<心理学>も使用する機会が多いだろう。

 また、<経理>を使用するシーンもある。

 

◆改変推奨だよ!

 なお、このシナリオは改変を推奨している。PLの嗜好や探索者の強さや人数などに応じ、敵の強さやシナリオの細部などを適時調整すること。このシナリオではそのような改変を歓迎している。

 改変は悪いコトじゃあないんだぜ!貴方達の手に渡った時点で、これは私のシナリオじゃあないんだ!シナリオは遊んでくれるKPとPL、そして探索者達が完成させるものなんだから!

2、シナリオ概略

 1920年代、アメリカ黄金時代。当時アメリカには悪法と名高い禁酒法が制定され、酒の密造密売ビジネスによってマフィア達が懐を潤わせるようになってしまった。それに応じてマフィア同士の利権抗争も激化し、各地の都市でマフィア達がシノギを削り合っていた。マサチューセッツ州の片田舎にある古錆びた街、アーカムでもそれは変わらない。

 アーカムの違法事業は元々イタリア系マフィアが支配していたが、近隣の大都市ボストンから進出してきたアイルランド系マフィアとの抗争の結果、イタリア系マフィアは多くの構成員と密造酒ビジネスを失い、ほとんど壊滅状態になってしまう。

 そんな時、あの影に覆われた街インスマスのダゴン秘密教団が、弱り切ったイタリアマフィアに目をつける。イタリアマフィアに援助の手を差し伸べる代わりに、自分たちの計画の片棒を担がせようとしているのだ。

 探索者達はマフィアの密造酒利権抗争と、その裏で暗躍するダゴン秘密教団に立ち向かっていくことになる。ジャズエイジ狂騒の夜を探索者達は生き延びることが出来るだろうか?

 

3、シナリオの背景(キーパー情報)

 ダゴン秘密教団は、抗争に敗北寸前のイタリアマフィアを支援する見返りとして、抗争に勝利した後に教団で密造した魔術的な酒「海のアプサン」を街に流す事を約束させている。この酒は大いなるクトゥルフからのテレパシーを受信するためのアーティファクトであり、教団はこれを街に流通させることでその福音を広めようとしているのである。

 イタリアマフィアはダゴン秘密教団の思惑について理解はしていないものの要求を飲み、インスマスから「海のアプサン」と、アイルランドマフィアへ逆襲するための戦力であるショゴス、それを使役するショゴス=トゥシャと呼ばれる深きものが送られた。

 かくして、アイルランドマフィアへの逆襲の決行を待つだけとなったものの、そんな時にイタリアマフィアの帳簿係が逃走した。インスマスの深きものとショゴスを目撃した帳簿係はおぞましい協力者に怯え、アイルランドマフィアに身売りして保身を図ろうとしているのだ。

 事態に慌てたイタリアマフィアは帳簿係を捕まえようとするが、人員不足のため、街の出入りを監視するのがやっとであった。しかもダゴン秘密教団は、内輪もめにまで協力する気はないという。

 業を煮やしたイタリアマフィアの幹部、ルー・ベニトは探偵を雇って捜索を依頼する事を決定し、ルーが探索者達の事務所へ依頼にやってくる所でシナリオはスタートする。


【4、NPC情報】

ルー・ベニト イタリアマフィア幹部 38歳

STR13 DEX15 INT15

CON13 APP15 POW17

SIZ14 SAN00 EDU07

耐久力14 DB+1D4


武器

コルト・ニューサービス:命中65%

(45口径リボルバー)

トンプソン・サブマシンガン:命中45%

技能

芸術:恐喝84% 回避73% 隠す72%言いくるめ66% 心理学65% 信用59% 聞き耳55% 隠れる45% 英語40% 自動車運転40% クトゥルフ神話3%

プロフィール

 イタリアマフィアの幹部であり、ボスの腹心。幹部といえど、ほぼ全滅したこの組織で幹部はルーしか残っていない。ボスと組織に絶対の忠誠を誓っており、インスマスの深きものにも物怖じしない。

 深刻な人員不足の為、探索者達の事務所にアル・カセッティの捜索依頼にやってくる。


アル・カセッティ 臆病な帳簿係 

32歳

STR07 DEX16 INT16

CON10 APP10 POW07

SIZ10 SAN12 EDU18

耐久力10 DB+0

武器

コルト・ポケットM1903:命中22%

(32口径オートマチック)

技能

経理85% 隠す79% 法律68% 値切り65% 隠れる57% 図書館55% 心理学53% 忍び歩き48% 説得46% 聞き耳45% イタリア語38% 自動車運転25% オカルト20%

プロフィール

 イタリア系マフィアの帳簿係を務める男性。帳簿係としては優秀だったが、裏稼業の人間にしては肝が小さい。金と自分の危険にばかり敏感な、ネズミのような男である。

 最近のイタリアマフィアの凋落ぶりに失望と危機感を感じており、明日にもアイルランドマフィアがヒットマンを送り込み、自分を含めた幹部勢を皆殺しにするのではないかと怯えている。残念ながら、この被害妄想はダゴン秘密教団が現れなかったら現実のものとなっていた。

 それに加え、組織が忌まわしいインスマスの邪教徒と手を組むと聞かされ、インスマスの忌まわしい伝説を知っていたアルは、ますます組織への不信感と恐怖を高めていく。そして取引現場に現れたインスマス面と、付き添いの深きもの、そしてショゴスを目撃してアルの恐怖は頂点に達した。荷物をまとめ、イタリアマフィアの情報と引き換えにアイルランドマフィアに保護を求めたのだ。

 現在はアイルランドマフィアの歓楽場「フェナーのロードハウス」に保護され、ほとぼりが冷めた頃にアーカムを脱出する手筈となっている。


ビル・フォーブス 若きBOI捜査官 

27歳

STR14 DEX12 INT14

CON15 APP11 POW14

SIZ15 SAN70 EDU16

耐久力15 DB+1D4


武器

S&W M10:命中68%
(38口径リボルバー)
ウィンチェスター・M1894:命中70%
(30口径レバーアクションカービン)

技能:

追跡78% 変装73% 隠れる70% 目星69% 心理学68% 言いくるめ65% 図書館62% 鍵開け58% 自動車運転53% 忍び歩き45% 法律38% 写真術30%

プロフィール

 インスマスを覆う影を追うBOi(後のFBi)捜査官。正義感に溢れ、熱心で有能。しかし、周りの支援を得ずに単独行動しがちな悪い癖がある。

 BOIボストン支部所属。現在はアーカムのノースサイド地区にあるボーデン・アームス・ホテルに宿泊している。

 数週間前、HPL原作「インスマスを覆う影」の主人公、ロバート・マーチン・オルムステッドの訴えがボストンのBOiに届く。インスマスから命からがら逃げ延びた彼は、そこに潜む忌まわしい存在、邪教、悪事について熱弁した。

 しかし訴えは常識を逸しており、彼の語り口も支離滅裂だったため、大抵の者には狂言か狂人の戯言としか思われなかった。

 だが、ビルは嘘と思えなかった。調べた所、インスマスへ流れる密造酒の量は並々ならぬものであるようだし、インスマスへ向かった旅行者が行方不明になるという悪い噂は絶えない。ビルは邪教団体というのはインスマスを拠点とした犯罪組織の事であり、行方不明になった旅行者はその秘密を知ってしまった人々だと考えたのだ。

 ビルはインスマス調査の必要性を主張し、上司の反対を押し切ってこの事件の専任捜査官に任命された。まずはインスマス手入れの足がかりとして、インスマスと関わりのある犯罪組織、アーカムのイタリアマフィアを洗おうと考えている。しかし、彼は上司の反対を押し切っている手前、さほど大きな権限を与えられていない上、単身での捜査はあまり捗っていない。

 それでも、イタリアマフィアについて調査するうちに帳簿係のアル・カセッティが逃走したところまでは突き止めた。探索者達がルーから依頼を受けてアルの捜索を開始したのを知り、接触を図ろうとする。

彼はこのシナリオから生還した場合、その後インスマスへ潜入捜査官として派遣されて命を落とすことになる。


【5、シナリオの導入】

 探索者達は探偵事務所でいつもどおりに過ごしている。今日の探索者達は特に仕事が入っていないので、いつでも出動できる状態だ。このシーンで探索者同士の自己紹介を済ませておくといい。


ルーの訪問

 探索者同士の自己紹介を済ませたところで、マフィア幹部のルー・ベニトが事務所に訪ねてくる。自分はアーカムのロウアー・サウスサイド地区にある、「アントンのレストラン」というレストランの経営者ルー・ベニトであると名乗り、店の金を横領して逃走した帳簿係アル・カセッティを探してほしいと依頼してくる。


ルーからの情報

 以下はルーから探索者に話されるアルの手がかりである。しかしルーは探索者を信用しておらず、自分がマフィアであることもある程度は隠そうとする。アルについて話される情報も全てが真実ではない。<心理学>に成功すれば、これらの不穏な態度に気づけるだろう。


アルの基本情報

・アルの写真を渡してくれる。

・アルは禁酒法施行直後くらいから自分の店で働く帳簿係だった。

・居なくなったのは3日ほど前。

・ちょっと小心者だが、有能な奴だった。

・金を横領して逃げた。探してほしい。理由は検討もつかない。

・最近、様子がおかしかった。何かに怯えていたようだ。心当たりはない(ウソ)。

・ノースサイド地区に、アル行きつけのモグリ酒場「ブルーヘブン」があった。店名と所在地を教えてくれる。自分は行ったことがないが、何か聞けるかもしれない。

・探索者に「警察に通報したか」と聞かれた場合、通報したが警察は無能で動いてくれないと答える(ウソ)。


アルの住所

・アルの住所を教え、ここを調べれば手掛かりがあるかもしれないと示唆する。アーカムのロウアー・サウスサイド地区、「シマンスキーの下宿屋」である。

・アルの家の鍵は持ってないので、侵入する方法はそちらでなんとかしてほしい。大家に話を付ければ問題ないだろう。


自分について

・ロウアー・サウスサイドにあるレストラン、「アントンのレストラン」の経営者である(ウソではないが、本業はマフィア)。

・レストランの住所も教えてくれる。警察、記者などの裏社会に通じた職業の者であれば、イタリアマフィアの本拠だと知っている。

 これらの情報を探索者へ伝えた後、ルーは依頼料の前金が入った封筒(探偵業の相場にしては不自然なほど分厚い)を渡し、自分の連絡先を伝えて帰る。進展があったら逐次報告して、なにか聞きたいことがあればレストランまで来てくれという。


このシーンでのポイント

 ルーは後々探索者達が裏切らなければならないNPCである。裏切る際に罪悪感や抵抗感を感じないために、ここではルーを非常に嫌な奴として描写するといいだろう。ひどく威圧的であったり、必要事項以外は探索者達に話そうとせず、あからさまに怪しいなどだ。

 ルーがウソをついていることや、マフィアであることは<心理学>などの適切なロールをさせて気づかせてしまって構わない。

 探索者達が危機感を覚えて依頼を請けるのを渋る場合、所長がルーに恫喝されて勝手に依頼を請けてしまったとでもしておくこと。


【6、探索開始】

 依頼受領の後、どこから探索を進めるかは探索者の自由である。以下に探索者が情報を得ることのできるロケーションを示しておく。探索者がどこへ行っていいか分からないようであれば、とりあえずアルの下宿へ行くよう誘導すればいいだろう。


①新聞社もしくは図書館→【7、新聞社もしくは図書館での調査】

②警察署→【8、警察署での調査】

③アルの下宿→【9、アルの下宿】

④アントンのレストラン→【13、アントンのレストラン】

⑤ブルーヘブン→【14、ブルーヘブン】


◆ビル・フォーブスの監視

 探索者達が街へ出て探索に出ると、ビル・フォーブスが探索者を監視しはじめる。かねてからルーを尾行していたビルは、探索者がルーと接触して何かの依頼を受けたであろうことを知っているが、すべてを打ち明けて協力を求めてしまっていいものか考えあぐねているのだ。また、探索者達がどれくらいの事を知り得たのかも知りたがっている。

 これ以降、ビルは探索者を遠くから監視してきたり、密かに尾行してきたりする。これらの監視を状況に応じて気づかせるのがいいだろう。ビルは探索者に気取られると、ささっと姿をくらましてしまう。

 今後KPはビルを不気味な監視者として装い、シナリオの緩急を調整するといい。


ビル・フォーブスの扱いについての注意

 ビル・フォーブスの存在は、あくまで探索者に緊迫感を持たせるためのものであり、追い詰めるための存在ではないことに注意。あまりやりすぎれば探索者がビルへ攻撃しようと考える事もあるだろう。探索者の注意がアルの捜索からビルを捕まえることにシフトしてしまうようでは本末転倒である。

 どうしてもビルと揉め事になってしまいそうなら「うまく人混みへ紛れられて逃げられてしまった」などと描写して撒いてしまうべきだが、繰り返せば探索者にイライラを与えるだけになる。探索者の様子を見つつ、ビルの登場はほどほどにしよう。

 ビルは探索者達が疎ましいとまでは思っていないし、信用さえすればむしろ積極的に協力してくれる。ピンチの時に助太刀してくれたり、調査に行き詰まった時に助けてくれるとしても良いだろう。


【7、新聞社もしくは図書館での調査】

 探索者がこの依頼の胡散臭さに勘付いていれば、まず街でイタリアマフィアについて調べようとするかもしれない。新聞社や図書館で新聞のバックナンバーを読み、<図書館>に成功すれば以下の情報が得られる。

 また、新聞社では記者から直接情報を聴きこむこともできる。その場合でも同じ情報が得られる。


イタリアマフィアについて

 ロールに成功すると、イタリアマフィアの表の顔については調べることが出来る。ロウアー・サウスサイドの有力者として、貧民への慈善活動や教会への寄付に精を出すボスに関する記事だ。実業家であり、レストランや運送会社などの商いをしているとされている。しかし、マフィアとしての裏の顔については分からない。

 

◆マフィアの抗争

 アーカムのイタリアマフィアとアイルランドマフィアの、密造酒利権をめぐる抗争を報じる情報を見つけることもできる。抗争の日付は3ヶ月前から1ヶ月前にかけてである。

 大体はイタリアマフィアの構成員が犠牲になったことを報じるものだ。これは、イタリアマフィアがアイルランドマフィアに押されていることを示している。


【8、警察署での聞き込み】

 アーカム市警は言わば田舎警察であり、割と市民に親切で緩い雰囲気の警察である。

 受付に行けば人の良い警官、ミッキー・ハリガンが応対してくれ、探索者の質問に答えてくれる。以下に警察から得られる情報を示しておく。


ルー・ベニトについて

 イタリアマフィアの幹部だと教えてくれる。「なぜ調べているのかは知らないが、危険な男だから関わらないほうがいいよ」と忠告される。


イタリアマフィアについて

 賭博や故買、密造酒売買などの商売をしていることも分かる。また、街に流入しつつあるアイルランドマフィアに抗争で負け、勢力の縮小を余儀なくされていることも教えてくれる。


アイルランドマフィアについて

 3ヶ月ほど前に来たばかりでよく知らないと言われる。この平和ボケした街では市民を脅かさない限り、警察も新聞もマフィアにあまり興味を示さないのだ。


◆アルの横領について

 そんな通報も捜索願も受けていないと答えられる。警察に捜索を依頼しようとすると、後述の悪徳刑事レイ・スタッキーのイベントが発生し、捜索を拒絶してしまう。


悪徳刑事レイ・スタッキー

 探索者があまりにも警察に頼りすぎるようであれば、イタリアマフィアから収賄している刑事、レイ・スタッキーが割り込んできて探索者に応対するようになる。レイは「警察は忙しいからこんなことに構っている暇はない」と探索者を拒絶する。

 今後、警察に何らかの助けを要請しようとしてもレイがそれを断る。レイはルーから「この件について警察は手出しするな」と言い渡されているのである。


【9、アルの下宿】

 あまり治安の良くない、移民の多い地域であるロウアー・サウスサイドにある二階建ての下宿屋である。一階は家主のシマンスキー未亡人が住んでおり、二階の二部屋をアルが借りていた。

 探索者を出迎えるシマンスキー未亡人に事情を説明すれば、アルの借りていた二部屋の鍵を開けてくれる。片方は生活空間としての部屋、もう片方はオフィスとして使用していた部屋である。アルについて聴き込んだ場合は以下の情報を伝えてくれる。


◆シマンスキー未亡人からの情報

・神経質な人で、あまり人と関わりたがらなかった。

・一ヶ月ほど前から、何かに怯えていたようだ。その度合は日に日にひどくなっていった。

・最近は泥酔して帰ってくることが多くなった。何か思いつめていたのかもしれない。

・3日ほど前、夜中に車で出て行った。それから帰ってこない。行き先は知らない。


◆アルの生活空間

 生活空間はアルが慌てて逃走準備をしたためにタンスやクローゼットの中身が酷く散らかっている。部屋で目につく調べられそうな物にはベッド脇のサイドチェスト、リビングのレコードプレーヤーがある。


①サイドチェスト

 サイドチェストの引き出しを開けると、拳銃のガンケースと日記帳が出てくる。ガンケースは購入書類が入っているだけであり、銃と弾薬が持ちだされているのが分かる。探索者が無反応であればアルが銃を携帯しているのを<アイデア>などで示唆して不安を煽ろう。

 また、ガンケースに入っている購入書類から、銃種はコルトM1903(32口径オートマチック)であると分かる。購入したのは一週間前。

 日記帳については【10、アルの日記】で後述。


②リビング

 レコードプレーヤーがある。中身は「バイバイ・ブラックバード」のレコード。同レコードのジャケットが破り捨てられている。これはアルが後ろ暗い仕事(ブラックバード)から逃げ出したことを暗示している。


◆アルのオフィス

 整理整頓の行き届いたオフィスである。書類机とファイルキャビネットが並んでいる。


①書類机

 机の上や引き出しには書類の束が詰まっており、<図書館>に成功すると車の購入書類を見つけることが出来る。アルの車の車種とナンバーが判明する。

 引き出しにはひとつだけ鍵のかかった引き出しがある。<鍵開け>もしくは<機械修理>に成功すれば引き出しを開けることが出来る。中には大量の酒が入っており、酒好きだったアルはここにこっそり酒を隠していたのだ。

 しかし、その中に青く光る不気味な酒が一本混じっている。その輝きは深海を思わせるもので、不思議と背筋が寒くなるものだ。初めて目撃した探索者は、0/1の正気度を失う。

 これは深きもののアーティファクトでありクトゥルフの福音を伝える魔術的な酒、「海のアプサン」である。詳しくは【12、海のアプサン】参照。


②ファイルキャビネット

 キャビネットには禁酒法施行以後の会計帳簿が残っている。帳簿の背表紙を見ると、「ダゴン秘密教団」と題された帳簿が一冊ある。ここで<オカルト>もしくはアーカム出身者であれば<歴史>に成功すればこれがインスマスにある邪教団の事であることに気づく。

 会計帳簿を調べるなら、【11、会計帳簿】を参照。


【10、アルの日記】

 三ヶ月前からの日記である。最初のページと最後のページを読むのに技能ロールは必要ないが、その他有益な情報のあるページを見つけるには<図書館>ロールが必要になる。一度成功すればすべての情報が開示されるとして良い。


3ヶ月前の記述(最初のページ)

・密造酒商売により、イタリアマフィアが潤っている。

・最近ボストンからアイルランドマフィアがやって来た。


4日前の記述(最後のページ)

・この組織はもはや沈む泥船だ。信じた私がバカだった。

・ルーは狂っている。昔のアイツはどこに行ったんだ。アイリッシュへの復讐と組織への忠誠しか頭に無く、まるで殺人マシンだ。

・もう「行かずの島」には行きたくない。気味の悪い場所だった。

・このままでは、いつかアイリッシュかルー、そして「臭い魚ども」のどれかに殺される。四面楚歌だ。

・話はつけた。アイリッシュどもに組織を売り、「例の店」で保護してもらう。

・ほとぼりが冷めたらこの街ともお別れだ。最後にあの酒場で一杯やろう。

・「合言葉は『ニンジン臭い』」と、欄外に小さくメモがある。


1週間前の記述(<図書館>が必要)

・今日も川の中州にある「行かずの島」で取引をした。奴らはここを取引場所に指定している。不穏な噂があるせいか人は寄り付かないし、繁茂する草が姿を隠してくれる。

・奴らはインスマスからボートでやってくるが、ボートの下で何かが泳いでいる。なんだあれは。きっと奴らのボディーガードに違いない。

・取引が終わった後、川から頭を出したそいつを見てしまった。あまりのおぞましさに、私は思わずその場で卒倒してしまった。今思い出しても手が震える。もう限界だ。

・卒倒した時に手帳を落としたらしい。あの中には「例の店」の場所も書いてあるのに。だが、怖くて取りに行く気も起きない。


1ヶ月前の記述(<図書館>が必要)

・奴らと初めての取引。

・噂には聞いていたが、吐き気を催すようなツラだ。

・青色の酒を買い取った。これも観るだけで気味が悪い。

・奴らが納入してくれる「戦力」とやらでビジネスの奪還が成功したら、この酒を街に流す契約だ。

・これを飲むことで我らの神の福音を得ると言っていた。こいつらの使っている麻薬か?

・ルーはこの酒を街に流す事に何の呵責もないようだ。麻薬は汚い商売だと言って嫌っていたのに、随分と変わってしまった。


【11、会計帳簿】

 すべての帳簿を<経理>で分析すると、ここ7年間のイタリアマフィアの経済状態を理解できる。また、「ダゴン秘密教団」と題された帳簿を分析すれば、ダゴン秘密教団との取引の内容が明らかになる。教団用の帳簿は1ヶ月分の内容しか無いため、分析はすぐに終わる。

 また、探索者達が<経理>を所持していない場合もあるだろう。その場合、<図書館>もしくは<法律>でもある程度分かることにしてもいい。

 ケネス探偵事務所に帰れば、テレジア・ホワイトという美人事務員もいる。彼女に見せて解読してもらうという手もあるだろう。


①マフィアの経済状態について

 3カ月前程までは密造酒ビジネスにより潤っていたが、ここ最近はそれが無くなってしまい、資金難であるのが分かる。賭博業や故買業もしているが、密造酒に比べれば微々たる収入である。さらに、みかじめ料を収める商店が減りつつあり、着々と勢力が縮小しつつある。また、3ヶ月程前から構成員がどんどん減っている。もはや幹部勢はルー・ベニト一人のみであり、構成員はロクに残っていない。

 ここまででイタリアマフィアとアイルランドマフィアの抗争についての情報を得ていれば、これらが抗争の結果であると判断できるだろう。探索者達が気づいていなければ<アイデア>などで判明させるといい。


②ダゴン秘密教団との取引

 1ヶ月ほど前からダゴン秘密教団より密造酒を購入している。教団から卸される密造酒は妙に安価だ。この酒については【12、海のアプサン】参照。また、「戦力」なるものが教団から納入されているのが分かる。


【12、海のアプサン】

 インスマス産の酒である。度数は80程とかなり強烈。深海を思わせる深い青色の液体であり、ほのかに光を発している。栓を開けた途端に強い潮の香りが漂う。味は塩辛い。この不気味な光る酒を初めて見た場合、0/1の正気度を失う。

 アプサンというのはフランス原産の酒の一種であり、幻覚作用があるとされている。この酒はイハ=ンスレイ近隣に群生する、クトゥルフの影響を受けて変異した海藻や、深きものの鱗などが原料として使用されている。そのような魔術的な酒であり、飲むと以下の影響を受ける。

身体的な効果

・首と手足がムズムズするような感覚と共に、エラと水かきが生える。

・皮膚がウロコのように薄片化する。

・初めてこれを経験した場合1/1D4+1、目撃した場合は1/1D3の正気度を失う。

・水中で呼吸が出来るようになり、<水泳>に+50%の補正を受ける。

・酔いが覚めると消える。


クトゥルフの幻覚を見る

・飲んだ際にPOW×1ロールをし、成功すると大いなるクトゥルフに関する幻覚を見る。ルルイエやイハ=ンスレイの光景であったり、海を泳ぐダゴンや深きもの、眠るクトゥルフの姿など、幻覚はその時で様々である。1/1D8の正気度を失い、<クトゥルフ神話>技能が+3%される。

 このPOW係数は海のアプサンを飲むごとに×2、×3と増えていく。最大×5。


呪文の補助

・<深きものとの接触><忘却の波>など、クトゥルフやその眷属に関する呪文の成功率が+20%、消費MPが半減される。


ショゴスの制御

 また、今回のシナリオでは、ショゴス=トゥシャがショゴスを使役するのにこの酒を使用している。ショゴスの活動が過剰に活発化しそうになったとき、ショゴス=トゥシャはこの酒をショゴスに掛ける。すると、この酒の強い潮の香りによって使役者の存在を思い出し、ショゴスの活動が抑制されるのである。この情報はシナリオの終盤で探索者達の切り札になる。

 また、この酒は度数が高いので火炎瓶として火をつけることが可能である。火をつけるとショゴスへ<投擲>した時の成功率が+30%される。酒が揮発して香りが広がりやすくなるためだ。

 しかし、これらの情報に探索者が気づくのは難しいだろう。頃合いを見計らっての<アイデア>や、基本ルールブックP91の「狂人の洞察力」ルールで気づかせるのもいい。

海のアプサンを分析する

 <薬学>か<化学>に成功すれば、酒の度数と幻覚作用については判明する。ただし、原料については何かの海藻が使われている程度しかわからない。


【13、アントンのレストラン】

◆奇妙な密会

 ロウアー・サウスサイドにあるイタリア料理屋である。料理は美味しいと評判。

 店を訪ねるとルー・ベニトが、サングラスにマスク、襟の高いコートで顔を隠している腰の曲がった妙な男と会話をしている最中だ。これは間近に迫ったアイルランドマフィアの経営する酒場へ襲撃の打ち合わせをしているのだ。襲撃予定の酒場は偶然にもアルが潜伏している「フェナーのロードハウス」だ。

 探索者達に気づくとルーは話を打ち切り、探索者を迎えてくれる。妙な男には少し待っててくれ、と手で合図する。男はヒョコヒョコぎこちない動作で隅の席へ座り、じっと押し黙っている。男の名前をルーに聞けば、「ジョージ・ギルマンというビジネスパートナーだ」と教えてくれる。

 ルーは調査の進行具合を聞いた後、なるべく急いでくれと釘を刺した上で食事を奢ってくれる。ただし、探索者達の隣席に座っているマフィアが、一般客を装って探索者達をずっと見張っている。

 ルーは探索者達に「最近妙な男に尾けられなかったか」と聞いてくる。ビルの事である。最近その男に付けられており、探索者達が何か掴んだら教えるよう要請し、自分も電話局や電報局に「友人」が居るから何かあれば伝えると付け加える。


◆一杯どうだい?

 食事が終わる頃、ルーは「新商品」として、海のアプサンを探索者達に振る舞う。グラスに注がれたアプサンを飲むかは探索者達の自由であるが、飲めば【12、海のアプサン】に書かれた通りの効果を受ける。ルーは探索者達にエラが生えても動じる事無く、「面白い酒だろう、これなら水の中でも平気かもな」とうそぶく。

 警戒した探索者が先にルーに飲ませようとした場合、ルーは何事もなさげに酒を飲む。しかしルーは襟の高い服と手袋を身につけているため、探索者からはエラや水かきが発生したのが見えない。

 帰り際に、「試供品だ」と海のアプサンのボトル1本をくれる。


◆腰の曲がった男

 この男は変装した深きものの魔術師、ショゴス=トゥシャであり、ルーとアイルランドマフィアの拠点を襲撃する打ち合わせをしていた所だ。変装のお陰でギリギリ人間っぽく見えているが、ちょっと観察すれば普通の人間でないことは簡単に分かるだろう。

 ウロコのようにしか見えない皮膚、平たい頭、マスクからはみ出るほど裂けた口、退化した耳などの不愉快な特徴はすぐ見て取れる。じっくり眺めてしまった探索者は0/1D3の正気度を失う。

 さらに<オカルト>やアーカム在住者なら<歴史>で、これが「インスマス面」ではないかと推測できる。

 ここで<クトゥルフ神話>に成功してしまった場合は、インスマス面どころか深きものであることを看破してしまい、1/1D6の正気度を失う。しかし、それで騒ぎ立てるようなら店から叩き出されるだろう。


下水道に潜むもの

 店を出たとき探索者達は、店の玄関前にあるマンホールから妙な音が聞こえるのに気づく。ここの下水道ではショゴス=トゥシャが連れてきたショゴスが飼われている。必要なときになれば、呪文を使ってショゴスを操る。ショゴスは下水道を通り、指示の場所へ向かっていく。 

 <聞き耳>ロールに成功すると「テケリ・リ!テケリ・リ!」というショゴスのおぞましい声をハッキリ聞いてしまい、1/1D4の正気度を失う。

 愚かな探索者がマンホールを開けるようであれば、その下に潜むショゴスを目撃することになる。ショゴスは突然差し込んだ光に驚いてマンホールの下からすぐに姿を隠すものの、一瞬とはいえその姿を目撃した探索者は1/1D8の正気度を失う。

 その時、ショゴス=トゥシャが店の裏手から出て来て、裏口前のマンホールに「海のアプサン」を注ぎ出す。アプサンを注ぎ終わると、ショゴスの鳴き声は収まる。これはショゴスが飢えているのを察し、海のアプサンで大人しくさせているのである。また、「裏手の」マンホールにアプサンを注いで大人しくなるのは、下水道のショゴスが非常に巨大であることを示している。

 探索者達が店の裏手に行ってショゴス=トゥシャを捕まえようと思っても、裏手への路地には金網が張ってあり、すぐには行けなくなっている。<登攀>で乗り越えるなどしても、その間に店に入り込んでしまうだろう。


【14、ブルーヘブン】

 ノースサイドにあるスピーキージー(潜り酒場)。営業時間は夕方からであり、昼間は準備中である。この酒場は高級志向であり、上流階級向けの店だ。

 所在地へ行ってみても、看板などは一切出ていない。しかし、目立たない路地裏にひっそりと地階への階段がある。薄暗い階段を降りると覗き窓の付いた青いドアがあり、ノックをすると覗き窓がスライドしてドアマンのマフィアが応対する。このマフィアはアイルランドマフィアである。

 入ろうとする者は、ドアマンに「スノーマンは何て言った?」と問いかけられる。合言葉だ。探索者達が【10、アルの日記】を読んで合言葉を手に入れていなかった場合、合言葉を答えることはできず、覗き窓はピシャッと閉められてしまう。

 

イン・ザ・スピーキージー

 「ニンジン臭い」と合言葉を答えることが出来たなら、中へ入れてもらえる。入り口の薄暗い印象とは対照的に、内装は小奇麗なものだ。黒人だけで構成されたジャズバンドがジャズを演奏し、酒場ながらもアーカムらしい、どこか落ち着いた雰囲気である。しかし、隅の席では一般客を装ったマフィアがしっかり見張っている。

 グラスを磨いていたバーテンダーが探索者に目をやり、「こちらへどうぞ」と眼でカウンターを示す。ここでバーテンから常連客であったアルの事を聞き出すことができる。

 しかしチップの一つも渡さないようではシラを切られる。いくらかの紙幣を飲み干したグラスと一緒に渡せばいいだろう。探索者達がチップを思いつかないようなら、<心理学><アイデア>などで、バーテンが言外にチップを要求しているのではないかと気づかせること。それでも思いつかないかロールに失敗してしまった場合、バーテンは眉を吊り上げながら、これ見よがしに指をすり合わせる。

 探索者達がチップを払えば「偶然思い出して」アルの事を語ってくれるだろう。


アルについて得られる情報

・アルはここの常連だった。最近は飲む量が増えつつあり、何かあったのかもしれない。

・3日ほど前に来たのが最後で、思いつめた顔をしていた。

・「あんた方に与することにしたよ」と最後に言っていた。アイルランド側に寝返ったんだろう。

・今頃アイルランドマフィアに匿われているとは思うが、街の出入りは見張られているから街は出ていないはず。

・一週間ほど前、夜中に「行かずの島」で奴を見かけたという話があった。何か手がかりがあるのでは?

・ヤツの手帳でも見つければ何か書いてあるんじゃないだろうか。

・こっちも気になってるから、なにか見つけたら教えてほしい。手助けできるだろう。

【20、アルの手帳】の「フェナーの店」について聞くと、「フェナーのロードハウス」というアイルランドマフィアが経営する歓楽場ではないかと教えてくれる。所在地も教えてくれる。


 また、バーテンはマフィア同士の抗争についても詳しい。探索者がアーカムのマフィア事情について質問するようであれば、チップと引き換えに教えてくれるだろう。


【15、行かずの島】

 ミスカトニック川の中洲にある島。結構な広さがある。人の背丈程もある雑草が生い茂るジメジメした場所であり、遠くから見ただけでは島の様子はよくわからない。

 この島について<図書館><オカルト><人類学>などで調べれば、魔女のサバトや正体不明の碑文など、いわくつきの場所だと分かる。気味悪がって近づく人はまずいない。アーカム在住者であれば、上記の情報は<歴史>などで知っていてもいい。

 もちろん橋などは無いので、リバータウンにあるボート小屋でボートを借りる必要がある。ボート小屋の事は適当に通行人にでも聞けばすぐわかるし、アーカム在住者の探索者なら既に知っている。


【16、アーリーのボート小屋】

 リバータウンの埠頭にある古びた丸太小屋である。戸を叩くと、みすぼらしい老人が出てくる。このボート小屋の主、バート・アーリーだ。

 ボートを借りたいと申し出れば船着場のボートを見せてくれる。ここで探索者は、2つあるボートのどちらか一つを選ぶことが出来る。ボートには探索者全員が乗れる。分乗する事を選ぶのもあり得るが、それだと後のイベントでの処理が煩雑になる。片方しか貸してくれないとするべきだ。

 また、KPはこのあと起きるイベントの中で、探索者達に<操縦:ボート>ロールをさせたいと思うかもしれない。どちらのボートでも<操縦:ボート>は初期値25%である。もちろん、特に緊迫していない状況で普通に動かすだけならロールは必要ない。


手漕ぎボート

 オールが4つ付属している。探索者2名までが協力して漕ぐことが出来る。ボートを漕ぐというのは相当に筋力を使う運動であり、手漕ぎでは速度も期待できない。このオールは<大きな棍棒>相当の武器として振り回して戦闘することも可能である。


モーターボート

 古いエンジンの付属したボートである。プスンプスンと幾らか調子の悪そうなエンジンだが、手漕ぎより遥かに速く、ラクである。


泳ぐ

 季節が晩秋であることを思い出そう。


【17、行かずの島】

 ボート小屋からしばらく川を登ると、行かずの島に到着する。ジメジメしており、足元は酷くぬかるんでいる。探索者達はここでアルの手記を探しださなければいけない。


落し物

 <目星>に成功すると、成功した人数だけ【12、海のアプサン】のボトルが見つかる。

 アルの手帳を探せば、ぬかるみに落ちた手帳を発見する。重要な情報のため、見つけられないとシナリオ上困るのでロールは必要ない。内容については【20、アルの手帳】を参照。


行かずの島に潜むもの

 <追跡>に成功すると、島の中に足跡がいくつかあるのを発見する。数人分の靴跡だが、その中に明らかにおかしな足跡がある。水かきのついた、巨大なカエルのような足あとである。

 周囲を警戒すれば、近くを何か人のようなものが泳いでいるような気がする。しかし目を凝らしてみても、水面は濁ってよく見えない。<聞き耳>に成功すると、水道管がゴボゴボと音を立てるような、くぐもった鳴き声のようなものを聞くことが出来る。

 これらは取引場である行かずの島を見張っている深きものの存在を示唆している。既に深きものは探索者達を発見しており、探索者達がボートに乗るのを待ち構えている。水上は彼らのテリトリーであり、そのほうが圧倒的に有利であることを知っているのだ。

 このシーンでは、探索者達に迫り来る脅威を不気味に認識させて緊迫感を煽って欲しい。 


【18、深きものの襲撃】

 探索者達がボートに乗り、人目につきにくい橋の下の暗がりへ差し掛かった頃、探索者達は、ボートの近くで何か大きなものが泳いでいるのを察知する。

 水面下から水道管をゴボゴボ言わせるような耳障りな音と水泡が上がり、深きものが飛び出す。それはトビウオのように水面から跳躍して探索者達へ飛びかかって来るが、最初の一撃は外れて探索者の脇をすり抜け、また水面下へ潜ってしまう。そして獲物を見定めたサメのように、ボートの周りをグルグルと周回するのだ。

 この恐ろしい海の狩人を目撃した探索者達は1/1D6の正気度を失う。複数の深きものを登場させるなら、1/1D6+1くらいまで増やしてもいいだろう。

 しかし、あまり増やし過ぎると戦闘の処理が煩雑になるし、探索者が負けてしまいかねない。このシーンの目的は探索者を殺すことではないのだ。探索者達の人数と戦闘力を考慮して数と強さを調整すること。探索者4人で二匹程度が良いだろう。典型的な深きものの能力値は基本ルールブックを参照。


【19、深きものとの戦闘】

 深きものによる正気度喪失が終わった時点で、KPはこれらの情報をPLに伝える。


・相手が水中に居るため、射撃武器はダメージに-2の修正を受ける。

・深きもののDEXは、相手が泳いでいるために2倍として換算する。

・モーターボートに乗っていた場合、エンジントラブルにより停止する。修理は可能そうだ。

・手漕ぎボートに乗っていた場合、逃げるなら深きもののDEXと漕手2名のSTR合計で対抗する。

・深きものは泳いでいるため<水泳>で回避する。

・深きものの<水泳>技能は95%である。


KPはこれらの情報を提示した後、「君達は逃げることを選んでもいいし、銃を抜いて戦いを挑んでもいい」と選択を迫るといい。


戦うことを選んだ場合

 深きものは、自分へ武器を向けている探索者を優先的に攻撃する。あとは探索者達の戦闘力次第である。


逃げることを選んだ場合

①手漕ぎボートの場合

 深きもののDEX2倍と漕手2名の合計STRで対抗する。深きものが複数居た場合でも、どちらか片方との対抗に勝てばいい。

 また、誰かが深きものへ攻撃を加えて追跡を鈍らせる事もできる。攻撃が命中したら、与えたダメージの半分のDEXをそのラウンドの対抗から差し引く。対抗に失敗すると、深きものから攻撃を受ける。深きものは武器を構えている探索者を優先的に攻撃する。

 2回対抗に勝利すればボート小屋まで逃げ切ったことになる。


②モーターボートの場合

 前述のとおり、エンジンが停止してしまっている。誰かが<機械修理>もしくは<電器修理>を試みなくてはいけない。どうしても成功しなさそうなら、<幸運>でロシア式機械修理(要するにぶっ叩いて直す)を試みさせてもいい。修理に失敗すると、深きものから攻撃を受ける。深きものは武器を構えている探索者を優先的に攻撃する。

 修理に成功すれば、ボート小屋まで逃げ切ったことになる。探索者に修理技能の高い者がいてあまりにもあっさり終わってしまいそうだと考えたら、数ラウンドにわたって成功しないとボート小屋まで辿りつけないとしたり、<操縦:ボート>を試みさせてもいい。


海のアプサンを使用する

 ここまでで探索者達が海のアプサンの効能に気づいていたならば、すかさず酒を飲み干してその効果を利用することもありうる。その場合、使用した探索者は<水泳>+50%に成功するか、深きものとDEX対抗を行い、勝利すればボート小屋まで逃げ切ることが出来る。この場合、深きもののDEXだけでなく、探索者のDEXも倍加させて判定する。


ここでのポイント

 このシーンでの目的は中盤の山場として探索者達に緊迫した状況を与えることである。探索者達を殺す事ではないのだ。できれば中途脱落させるべきでない。探索者達がこのピンチを脱するために何か良いアイデアを思いついたなら、よほど荒唐無稽なものでなければ採用して、少しでも有利にしてやるといい。大事なのは探索者達がこの状況を生き延びた時に達成感を感じることなのだ。

 そしてあまりにも悲惨な状況であったり、そもそも人数や技能が足りずに苦境に陥るようなら、ビル・フォーブスを登場させて川岸からの射撃などでサポートをさせてもいい。シーン終了後は【21、ビルとの会談】に繋ぐといいだろう。


【20、アルの手帳】

 アルの使っていたメモ帳である。夕飯のおかずメモから違法取引の詳細まで、様々な内容が書かれている。一番最後のページを見ると、赤ペンで丸をつけて「フェナーの店でアイリッシュに匿ってもらう」と書かれている。

「フェナーの店」がどこの店なのか、探索者達には分からない。詳しそうな人に聴きこんでみるべきだ。

 「フェナーの店」についてスピーキージーのバーテンダー、警察のミッキーなどに聞きこみをすれば、シナリオの最終局面、「フェナーのロードハウス」の所在地を聞き出すことが出来る。探索者たちが聞き込みを思いつかない場合、<アイデア>などで気づかせよう。

 また、このメモにはマフィアの抗争についてアルが知っている事の書き込みも多い。ここまでで探索者が取りこぼした情報があるなら、<図書館>ロールをさせて与えてもいい。


【21、ビルとの会談】

 探索者達が行かずの島での戦いを終えた後、もしくは探索者達が信用に足ると考えた時、ビル・フォーブスが接触してくる。ビルは自分がBOI捜査官であることを明かし、自分の使命について説明する。ビルはイタリアマフィアを検挙するため、帳簿係のアルを捕まえたら自分に引き渡してほしいと探索者達に頼む。

 探索者達が協力を渋るようであれば、ダゴン秘密教団とイタリアマフィアは情け容赦のない犯罪集団であり、探索者達が任務を遂行してもアルと一緒に口封じされるだけだと主張する。

 また、アルの居場所が見つかればボストンから応援を連れて向かうと言う。フェナーのロードハウスの場所を伝えた場合、応援を連れて駆けつけるから確保しておいて欲しいと言われるだろう。

 探索者達が応援のBOIと共にロードハウスへ行きたいと主張した場合、あまり目立ちたくないから大勢で乗り込みたくはないと言われてしまう。

 探索者達はビルに懐疑的かもしれないが、最終的にビルに味方するかどうかは自由である。


【22、フェナーのロードハウス】

 町外れの森の近く、ボストンへのハイウェイ沿いにポツンとある2階立ての歓楽場である。深夜を過ぎてもまだ遊び足りない人々はこの歓楽場へやってくる。様々な安っぽい娯楽を提供しており、1階は酒場と賭博場、2階は倉庫となっている。夕方から明け方まで営業している。

 こんな店でも建築法は守っており、裏手には屋上から降りる為の非常階段が設置されている。

 駐車場にはアルの車が止まっている。アルの家で車の書類を見つけていればアルの車だと分かるはずだ。

 2階の一室にアルが匿われている。探索者達が2階を見れば、カーテンの隙間から神経質に外を見張っているのが見えるだろう。探索者と目が合うと、怯えたようにサッと隠れてしまう。


1階

 酒場と賭博場になっている。カウンターの裏には調理場がある。酒はもちろん、ビリヤード、ルーレット、カードなど、様々なゲームで遊ぶことができる。隅に2階と地下への階段がある。


2階

 廊下に沿っていくつかの部屋がある。それぞれは備品、食品、銃火器などの倉庫だ。廊下の突き当りには屋上への階段がある。

 2階の入り口には見張りのマフィアが居るが、立ったまま居眠りをしている。こっそりとアルの部屋へ行くならば<忍び歩き>か<隠れる>に成功する必要がある。

 失敗すると目を覚ましてしまい、「そんなに入りたきゃ外から壁でも登ってきやがれ!」と追い返される。武闘派の探索者が居るならブチのめして押し通ってもいいが、銃声を鳴らせば1階から応援のマフィアがやってくる。そうなれば数の暴力で叩きだされるだろう。

 外から非常階段で屋上へ上る場合、屋上から2階へ降りれば見張りに気づかれること無くアルの部屋まで行くことができる。


アルの部屋

 部屋は空き部屋にベッドなどの必要最低限のものを置いただけの簡素なものだ。アルは探索者達が入ってくると銃を向け「わ、私を殺しに来たのか!?」とうろたえる。

 ここでアルを落ち着かせるためには、<言いくるめ>などの交渉技能や<精神分析>に成功することが必要である。失敗した場合、アルは恐慌状態のまま探索者へ向けて発砲してしまう。弾は命中しないが、銃声を聞いたマフィア達が駆けつけて来る。強制的に【23、ショゴスの襲撃】に進む。

 アルを落ち着かせて穏便に確保したなら、会話する機会を得ることが出来る。ここまでで取りこぼした情報があるなら、ここで与えてもいい。探索者がアルをBOIに引き渡そうとしている事を伝えた場合、アルはそれを拒否しない。安全を確保されるならどこでもいいと考えているのだ。


【23、ショゴスの襲撃】

 アルを確保したか、マフィアが駆けつけて来てしまったところで、どこからか奇妙な詠唱のような声が聞こえてくる。その声は、探索者達が行かずの島で聞いたあの声によく似ている。

 轟音が響き渡り、建物が大きく揺れ、誰もが立っていられなくなり、凄まじい悪臭を放つ玉虫色のタールのような液体が窓を覆う。ショゴス=トゥシャがショゴスを招来し、アイリッシュマフィアへ襲撃を始めたのだ。巨大なショゴスは建物全体を覆い、中にいる人間ごと喰らい尽くそうとしているのである。

 建物全体が締め付けられ、ミシミシと悲鳴を挙げだす。同時に、部屋の壁が破られて一本の触手が飛び込んでくる。その触手に無数の眼球と口が生じ、すべての目が探索者を見つめる。そして全ての口が、あの忌まわしい呪詛を吐き出した。「テケリ・リ!テケリ・リ!」

 ショゴスの触手を目撃した探索者達は、1/1D8の正気度を失う。ここでマフィアが駆けつけていた場合、部屋のマフィア達が触手に捻り潰される光景まで目撃するため、正気度喪失は1D4/2D4となる。


2階から1階へ

 ショゴスのDEXは低いため、すぐさま部屋を飛び出せば攻撃を受けることはない。しかし、窓や屋上への階段は全てショゴスに塞がれており、剥がすことは出来ない。

 <聞き耳>に成功すれば、詠唱が地下から聞こえていると分かる。失敗しても、とりあえず階下であることは分かる。ショゴスの攻撃を止めるには、詠唱の元を断つしか無い。

 一階へ降りる途中、武器庫になっている倉庫からせっせと武器を持ち出して階下へ運んでいるマフィアがいる。探索者達に気がつくと、「お前らも好きなやつを持っていけ」と好きな武器と弾薬(無限)を渡してくれる。KPはPLと相談し、基本ルールブック武器表に掲載されている、1920年代までに存在するどんな武器でも渡してしまって構わない。

 探索者達にはこれから脅威へ立ち向かう高揚感と束の間の安心感を味わわせるといい。どうせショゴスには通常火器で1ダメージ、ショットガンや爆発物で半分のダメージしか与えないため、何を持って行こうが大差はない。


1階から地下へ

 1階は阿鼻叫喚となっている。ショゴスに貪られた死体がそこら中に散らばり、壁から突き出したショゴスの触手が人々をむさぼり食っている。この凄惨な光景を見た探索者達は1D3/1D10の正気度を失う。

 まだ動ける人々は倒したテーブルやカウンターを盾にしながらショゴスに応戦しているが、サブマシンガンや軽機関銃といった強力な火器を使っているにもかかわらず防衛線は長く持ちそうもない。

 さらに階下から、つまり地下階から詠唱が聞こえてくる。人々はショゴスに手一杯だ。詠唱の元を断てるのは探索者達だけである。

 

地下倉庫

 地下倉庫に降りると、ショゴス=トゥシャとその護衛の深きものが、床のマンホールから飛び出しショゴスに海のアプサンを掛けているところだ。大量の獲物に喜んだショゴスが好き放題に暴れまわっているので、自分が脱出するまで多少大人しくさせようとしているのである。

 海のアプサンを掛けられると、その強い香りにより、暴れまわるショゴスは一時的に縮んだようになっておとなしくなる。これは重要な情報なので、必ず描写すること。

 探索者達の存在に気づくと、ショゴス=トゥシャと深きものは探索者に襲い掛かってくる。この戦闘は探索者が先の武器庫でフルオート火器を入手していた場合の練習台だ。基本ルールブックP68の「火器のスポット・ルール」欄には、フルオート射撃のルールやその命中率を上げる記載がある。煩雑なルールなので、この戦闘で使い方を理解させること。後にショゴスと戦う場合、同欄の「大きな対象」も参考にするといい。

 典型的な深きもののデータはルールブック参照。ショゴス=トゥシャはPOWが高い以外は通常の深きものと変わらない。倒すと、ショゴス=トゥシャが所持していた海のアプサンのボトル1本が手に入る。


【24、ロードハウスからの脱出】

 ショゴス=トゥシャを倒すと、建物を覆っていたショゴスが咆哮を上げる。今まで自分を縛っていた存在が居なくなったことを感じ、一挙にこの建物を食らいつくそうとしているのである。建物は今までに増してギシギシと音を立て、壁にはヒビが入る。

 このあたりで、上階が焦げ臭いと分かる。


地獄絵図

 調理場から出火したらしく、1階は火の海と化している。煙が充満しつつあり、1階にいては窒息の危険がある。しかし地下に戻れば建物が崩れた時に生き埋めになってしまうだろう。

 先程までショゴスと戦っていた者達は既に全滅しており、残っているのは探索者達だけである。ショゴスの触手には悲鳴を上げる人間たちが取り込まれており、探索者達に助けを求めている。

 探索者達は人々を助けるために触手へ戦いを挑んでもいいし、見捨てて逃走してもいい。


戦いを挑む場合

 ここまでで探索者達は、海のアプサンのボトルを何本か所持しているはずである。ボトルを<投擲>してショゴスにぶつければ、一時的に退散させることが出来、捉えられていた人々は開放される。

 探索者達の<投擲>技能が低くて中々当たらない場合、前述の「火器のスポット・ルール」欄に記載がある「大きな対象」を採用したり、<アイデア>などで海のアプサンを火炎瓶にする事の効果を思いつかせること。探索者達の誰かが発狂しているなら、「狂人の洞察力」ルールを使うのもいい。それが出来ないなら、ここまでで手に入っているであろう火器で闘いを挑むしか無い。

 どちらにせよ、この戦いが厳しいものになるのは疑いようもない。探索者の誰かが一人が犠牲になった時点で、「今ならショゴスは捕まえた探索者を食べるのに夢中になっている」とでも描写して、無理せずに逃げろと示唆すべきだろう。その場合、「探索者○○の犠牲によってショゴスは追ってこず、無事に2階へ上がれた」としてあげれば、犠牲は無駄ではなかったと少しは報われた気分になるかもしれない。

 人々を助けるのに成功した場合、人々は探索者達に多大な感謝をし、ぞろぞろと後をついてくる。


ショゴスの触手

STR18 DEX6 INT5

CON30 POW5 SiZ40

耐久力35 ダメージボーナス+2D6


武器

押しつぶし 命中60% ダメージ2D6

装甲

火と電気は半分のダメージしか与えない。通常の武器は1ポイントのダメージしか与えない。ショットガンや爆発物は半分のダメージを与える。


鉛の嵐を吹き荒らせ!

 無事に2階の廊下まで出ると、屋上への階段が見える。階段まで辿り着けば屋上から脱出することができるだろう。しかし、ショゴスの触手が床を突き破って追いかけてくる。

 探索者達は階段に辿り着くまでの3ラウンドの間、DEX13(探索者達のDEXによって調整すること)との対抗ロールに成功して耐えきらなくてはいけない。失敗した場合はショゴスから押しつぶしによる攻撃を受ける。

 探索者はDEX対抗ロールを試みる前に、海のアプサンを<投擲>で投げつける、銃撃して怯ませる等の行動でショゴスの触手のDEXを下げることが可能である。アプサンが命中したら2D3DEX、銃撃したならば10ダメージにつき1DEXを下げることができる。


人々を助けていた場合

 探索者がDEXロールに失敗した場合、先ほど助けた人々が、身を呈して探索者たちを庇ってくれる。しかし、庇ってくれた人は悲鳴を上げながらショゴスに食われてしまう。かばってもらった探索者は1/1D4+1の正気度を失う。


逃げろ!!!

 ここまで来ればあとは非常階段で下に降りるだけだ。探索者達が脱出すると同時に、ロードハウスはショゴスに押しつぶされて全壊する。ショゴスはしばらくロードハウスをしゃぶり尽くした後、どこかへ去っていく。


【25、最後の選択】

 ロードハウスから脱出して息つく暇もなく、アーカムからルーが車でやってくる。同時に、反対側のボストン方面からビルもやってくることだろう。どちらも車数台分の部下を連れている。

 探索者達は道路の真ん中で両陣営に挟まれ、両方からアルの引き渡しを要求された上「君達はどちらの味方なのか」と迫られる。最後に探索者達がどちらの陣営に付くことを選択するかは自由だ。

 その後、両陣営の銃撃戦が始まる。探索者は伏せていれば撃たれない。数十秒後、銃声は止む。探索者達の味方した陣営が勝利しており、ビルに味方していればボストンのBOi支部へ、ルーに味方していればアントンのレストランヘ共に向かい、今回の冒険は終結する。


【26、シナリオ終了】

ルーに味方した場合

 探索者はアントンのレストランで食事を振る舞われ、多額の報酬を受け取ることができる。ルーは探索者達の仕事に満足し「何かあったら我々を頼ってくれ、私たちは恩を忘れない」とコネを得ることができる。

 アルはミスカトニック川に沈められるし、近い将来イタリアマフィアが街の覇権を取り戻したら、街のスピーキージーには海のアプサンが並ぶことになる。アーカムに謎の幻覚症状とインスマス面の呪いが振りまかれるかも知れないが、それは今回のシナリオとは関係のない話である。



ビルに味方した場合

 探索者達はボストンのBOI支部で事情聴取を受け、幾らかの報酬を受け取る。通常の探偵業の相場よりは多いが、驚くほどの大金というわけでもない。

 ビルはアルからイタリアマフィア検挙の証拠を掴み、必ずや諸悪の根源であるインスマスを壊滅させてみせると請け合う。

 その数日後、イタリアマフィアがBOIのガサ入れにより検挙されたとのニュースが流れる。そしてさらに数カ月後、インスマスをBOIと海兵隊が襲撃する。インスマスは焦土と化し、深きものの勢力は大きな痛手を負う。探索者達の勇敢な行動がインスマスを覆う影に楔を打ち込んだと言っても過言ではないだろう。大げさかもしれないが、世界は救われたのだ!


【27、正気度報酬】

 探索者がどちらの陣営に味方した場合でも、全員2D8+4ポイントの正気度を獲得する。また、フェナーのロードハウスで人々を助けていた場合、さらに2D3ポイントの正気度を獲得する。

 また、BOIに味方した場合は警察に顔が効くようになる。ルーに味方した場合は犯罪者たちに顔が効くようになる。どちらの場合でも、探索者たちの<信用>が1D10+10%成長する。

 そして今回の冒険で様々な神話的体験をした探索者達は、5ポイントの<クトゥルフ神話>技能を獲得する。


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他8件のコメントを表示
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「季節が晩秋」の素っ気無さに笑いましたwwww
42ヶ月前
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>>8さん
おめでとうございます、市民Vector。
あなたはサプリメント購入による奉仕が認められてオレンジクリアランスに昇格しました。
市民、幸福は義務です。

テレジアはなんか出すと喜ぶ人が居るんじゃないかと思ってチョイ役で出したよ。
42ヶ月前
×
おーすごい!ぜひこのシナリオでやってみたいです!というか、やってみます!
42ヶ月前
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これから、1対1でやりますw私がKPですが・・・上手くできるかな?w
33ヶ月前
×
>>13さん
【1:はじめに】に書いているとおり、このシナリオは探索者が4~5人居ることを想定しています。
PL1人は……なんか改変しないとキツいと思います(;´・ω・`)
33ヶ月前
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なんとかかんとかさんの動画を見まして、ルルブとアーカムの全てを購入し、CoCやり始めたのが最近。ついにヘンリーアーミテッジかっちゃいましたよー。存分に遊ばせていただきます!
29ヶ月前
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こんちは、なんとかかんとかさんのTRPG動画いつも楽しく拝見させていただいてます
改変推奨シナリオとのことなので、遠慮なくそうさせてもらいます!
ただし、自分初KPになりますがねww
25ヶ月前
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お借りします
18ヶ月前
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お借りします。やってみますー
8ヶ月前
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楽しく卓に使わせてもらってます。
こいつは・・・リプレイとか書かせてもらってもよろしいんですかね?
4週間前
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