• 舞台『INFINITY』観劇記

    2017-06-26 22:401

    どうも、月1で浅草に通ってる者ですw

    そんな訳で、すっかり浅草六区ゆめまち劇場づいている今日この頃ですが、
    小雨の降る中、またお芝居を観に行って参りました。



    今回の舞台は、昨年末に見た『Gilles de Rais』のスピンオフ作品ということで、
    幕末と妖刀がフィーチャーされております。

    ここでGilles de Raisシリーズのおさらいをちょっと。



    時は中世フランス、百年戦争を終結させた英雄ジャンヌ・ダルクと、
    彼女に協力をした青髭男爵ことジル・ド・レ。
    ジャンヌはその後魔女裁判によって処刑されますが、彼女の復活を試みたジル・ド・レは
    次第に錬金術(という名目の黒魔術)に没頭するようになります。
    英雄の名声の裏で何百人もの美少年を陵辱・虐殺した彼は一本の妖刀を造り出しますが、
    後年、大量虐殺罪により憤死。ジル・ド・レの名のついた刀だけが遺されます。
    (以降書き分けの為に、人物のほうを「青髭」刀のほうを「妖刀」と書きます。)
    そしてその妖刀が、宣教師ルイス・フロイスによって戦国時代の日本へもたらされ、
    天下統一を目論んだ織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康の元を渡り歩きました。
    (エピソード1は、信長亡き後の秀吉軍と忍者たちの物語でした)
    天下泰平を望んだ家康は妖刀を封印し、以降200年余にわたる平和が続きますが、
    幕末の代、あの妖刀がふたたび世に放たれて・・・というところまでが、
    今回の物語が始まる前の基礎知識です。

    基本、Gilles de Raisシリーズは無言劇(ノンバーバル)なのですが、
    スピンオフと銘打つだけあって今回は台詞有りの舞台です。
    そんなこともあり、物語はかなり複雑且つ難解になっていました。
    登場人物も多く、幾つものストーリーが重なり時にぶつかって、
    ひとつの作品になっている・・・といった印象でした。
    ストーリーや人物を追い切れていないところもあるかもしれませんが、
    どうかご容赦願います。



    舞台の幕が上がると、沖田総司・原田左之助・永倉新八が談笑する場面が。
    そこに、客席から現れた謎の黒頭巾の男が乱入します。
    偶然私は、黒頭巾の男の目の前におりまして、持っていた刀が赤くテラテラと
    輝いていたので、「あ・・・これが妖刀か!」と察することが出来たのですが、
    とにかくのっけから殺陣アクションが派手でど肝を抜かされましたw
    今回のお芝居は、とにかくステージを飛び出して、客席の、観客の目の前で、
    激しいアクションや殺陣が繰り広げられ、息遣いや衣摺れまで聞こえる
    全編臨場感あふれる舞台となっていました。

    今までのジルドレだと「抜いた妖刀を手に持った者が、強大な力を持つ代償として
    心を狂わされる」といった割と単純なルールで動いていたので、
    黒頭巾=斎藤一が刀を落とした途端に呪縛を逃れたところでひとまず安堵します。
    しかしそれを拾った武器商人トーマス・グラバー、それに壬生浪士組長・芹沢鴨の描写と
    その彼が暗殺されるシーンによって「誰かの人格」が明示され、新たな謎として
    物語が進行してゆきました。

    芹沢の死によってリーダーは近藤勇となり、名前も新たに新撰組となります。
    ここで客席に背を向け、浅葱ダンダラの羽織を身につけた近藤。
    その紋付の部分には「誠」の文字が記されていました。
    このオープニングシーンだけでも、かなりボリュームがありシビれます。

    さて、その近藤勇を演じていたのが、我らがまっつんです。
    今回はとにかく舞台上でほとんど笑わない(記憶している限り、笑ったのは
    「トシ」と呼ぶ土方歳三と肩を組んだシーン一ヶ所のみだったと思います)、
    客席を笑わせるシーンもない、真面目で義に厚い、日本を憂う男を演じていました。
    他の隊士がなかなか濃いキャラクターをしているのですが、
    そんな隊士をまとめてゆくことに苦悩する、割と史実に近い役どころです。
    正直なところ、まっつんの配役が他の隊士でも龍馬でもなく、何が正義かに悩むキャラの
    近藤局長で良かった、一番役に似合っていた・・・と感じました。

    他にも鬼の副長・土方や沖田・永倉・原田などお馴染みの新撰組メンバーと、
    彼らと対をなす「日本を洗濯する男」坂本龍馬、そして龍馬を慕う岡田以蔵。
    そんな人間模様が、あの妖刀と「人格」によって狂ってゆきます。

    龍馬は江戸で北辰流剣術を修め師範にまでなっていますが、
    これからの日本を想い刀ではなくピストルを構える男として描写されていました。
    長崎でグラバーからあの妖刀を授けられますが決して抜くことはなく、
    それが悲劇へとも繋がってゆきます。

    そして、そんな龍馬を巡った恋の攻防がコミカルに描かれており、くすっときました。
    京都で夫婦の約束を交わしたおりょうと、江戸で婚約していたおさなこと千葉佐那子。
    しびれを切らしたおさなが京都へやって来てしまい、寺田屋に匿われていたおりょうと
    壮絶な口喧嘩を繰り広げるシーンは笑いなしでは見られませんでした。
    しかしこのふたりも、幕末の動乱と妖刀の悲劇に巻き込まれてゆくとともに
    関係性が変わり、次第に奇妙な友情が芽生えてゆきます。

    新撰組と龍馬のちょっとしたいさかいから、妖刀の所持者が龍馬から以蔵へと移り、
    刀を抜いてしまった以蔵はその後『人斬り以蔵』に変貌してしまいます。
    また、芹沢に憑いていたあの「人格」が新撰組内で容器(身体)の持ち主を変え、
    時代の移り変わりや隊の存亡に関わって暗躍し、物語内でその正体を明かします。
    幕末という激動の時代と、ジル・ド・レというひとつの物語がうまくミックスされ、
    色々と腑に落ちたり、ぞっとしたり。

    物語は龍馬が殺され、新撰組が解散し土方が函館で戦死するところが
    実質の終局となっていましたが、妖刀はまだ存在するという恐ろしげな伏線で
    幕を閉じました。妖刀の最後の所持者、そしてあの人格・・・青髭の執念の持ち主が
    同一であることと、史実で「新撰組唯一の生き残り」とされている人物とその後の経歴が
    一致するのは、かなりの恐怖を覚えました。
    その後の明治〜昭和初期にかけた日本の動乱のことを考えると、
    妖刀にまつわる物語は幾らでも創れてしまうのでは・・・と素人ながら感じました。

    そして幕切れでその姿を現し、グラバーと対峙したジャンヌ・ダルク。
    その彼女にまつわるエピソードが、今夏ep.0として上演されるとのことで、
    かなり期待を煽る終わり方をしていました。心憎いですw



    舞台終了後、まっつんとお話が出来ました。
    今回はとにかく全編で殺陣が繰り広げられていたこと、そして声を張り上げる
    シーンが多かったことから、1ステージごとにかなり消耗をされていた様子でした。
    それでも笑ってファンに対応してくださったまっつんは、
    役者の鑑やー!と切に感じましたです。



    特に注文した訳ではないのですが、刀を構えてくださいました!
    有難うございます!!



    他のファンの方とのツーショットチェキなどにも応じられていましたが、
    刀で襲いかかるポーズを決めてみたり(男性ファン向け)、
    刀で護るポーズをとってみたり(女性ファン向け)、
    本当にお疲れのところ有難うございました・・・という言葉しか出て来ません。

    今回は、また新たなまっつんを堪能することが出来ました。


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  • 松川貴則さん出演舞台『INFINITY』告知

    2017-05-26 01:37

    新しい 舞台が 流れてきたぞーっ!

    おなじみ「浅草六区ゆめまち劇場」の新演目にして、
    昨年末出演した『ジル・ド・レ(ep.1)』のスピンオフ作品に、
    まっつんが出演します!!

    INFINITY~幕末妖刀異譚~



    2017年6月15日(木)~25日(日)
    浅草六区ゆめまち劇場

    公演日時
    6/15(木) 19時公演
    6/16(金) 14時公演 / 19時公演
    6/17(土) 13時公演 / 18時公演
    6/22(木) 19時公演
    6/23(金) 14時公演 / 19時公演
    6/24(土) 13時公演 / 18時公演
    6/25(日) 13時公演 / 18時公演
    ※開場時間:開演の60分前

    料金  全席自由席
    一般4,000円 / 学生3,000円 / 小人2,500円(消費税込) 
    別途ワンドリンクオーダー必要
    ※未就学児童は保護者膝上に限り入場無料

    チケットは、本日5/26(金) 10:00〜発売です!!

    チケット6(チケロク)
    03-5826-0315(10:00~19:00、月曜日休)
    公演名『INFINITY』と、公演日・時間、チケット種別を申告のうえ、
    「出演者の松川貴則さんの扱いで!」
    と申し添えてください。

    『幕末妖刀異譚』と銘打つだけあって、劇場サイトのあらすじには
    「新撰組」「坂本龍馬」の文字がちらほらと・・・。
    また刀を持って殺陣シーンにも挑戦するとのことで、期待値大です!!

  • 舞台『Moderato』観劇記

    2017-05-15 23:37

    今年二度目のゆめまち劇場へ行きました。

    今回は、昨年も上演された『Moderato』にまっつんが再び挑戦するとのことで、
    非常にワクワクしながら伺いました。



    この『Moderato』、ひとことで言ってしまえば
    「ごく普通の男が恋をし結婚して家庭を持ち、紆余曲折を経て自分の娘を嫁に出す話」
    という、ごくごく平凡なストーリーです。

    最近は悪のラスボスや狂ってゆく自衛官、はたまた怪人二十面相の変装など
    アクの強い役どころが多かったまっつんではありますが、
    それでも昨年観たこの舞台の主人公・真中生(マナカ イクル)役が
    一番彼らしい役なんじゃないかと個人的に思っていたので、
    再び観劇出来ることに心躍らせながら会場へ向かったわけです。



    まっつん演じるイクルは、脱サラしてラジオDJとなり、
    人気番組の2代目DJとして番組を担当しはじめます。
    普段はとにかく緊張しぃで、初めは挙動不審さすら感じさせるのですが
    マイクの前ではめちゃくちゃ饒舌になるというキャラです。
    しかし、しばしの間のあと"数ヶ月後"の展開をみせるシーンでは、
    程よいリラックス感を醸し出す台詞回しと表情を作り出し、
    観客が本当にその番組をワンクール聴いていたかのような錯覚すら覚えさせられます。
    この「キャラクターの成長」を感じさせる演技こそ、
    まっつんの真骨頂ではないでしょうか。

    作中でイクルが、番組の真っ最中にディレクター・カナコに公開プロポーズを
    行う場面があるのですが、そこで熱唱する『いとしのエリー』が、
    昨年と比べて微妙に下手クソになっていましたw

    ・・・いいえ、これは演技なのです。
    とにかく朴訥で糞真面目だけが売りの男が公衆の面前で、
    ましてや一世一代のプロポーズで上手く歌える筈がありません。
    音は外れ、息も切れ切れで、でも心を込めて必死に歌う姿は、
    「俳優・松川貴則」ではなくて「求婚者・真中生」そのものなのです。

    その熱演ぶりに、今年は更に磨きがかかったと痛感しました。

    さて。この物語ではイクルの他にも、狂言回し役でありイクルの妻になるカナコや、
    ふたりの理解者であるプロデューサーの御堂筋(スージー)など、
    魅力的なキャラクターが沢山出てきます。
    そんな登場人物たちの人生が、1980年代のJ-POPの名曲に乗せて
    ラジオ番組仕立てでどんどんと展開してゆきます。
    ときには笑いを誘いながらも、物語は淡々と時代を描いてゆき、
    ラストシーンでは涙が止まらない展開が待っていました。
    おそらくは観客ひとりひとりが、自分の人生や自分の80年代を
    振り返ったり追体験したりしてこれからの生き方を想う、
    そして"自分の経験値を次の世代に伝えてゆく"、そんなテーマを孕んだお芝居なのでしょう。

    ラストシーンでは、孫が生まれ番組も最終回を迎えたイクルが
    感慨深げに最後の葉書を読む・・・という場面があります。
    これが台詞回しといい佇まいといい小さな指先の動きといい、
    まさに初老男性にしか見えないまっつんの迫真の演技!

    もう一度言います。このお芝居こそ、一番まっつんらしい作品です。

    他にも今回は、面白い見どころが沢山ありました。
    カナコ役の長久さんは本当に声の通る快活な方で、
    元気な姉さん女房役を体当たりで演じてらっしゃいましたし、
    (そんな彼女の、絞り出すような「歯痒いです」の台詞に胸が痛みました)
    スージー役を今回初めて担当されたおかざきさんは
    その重圧を跳ねのけ、面白おかしくて〆るところは〆る
    新しいスージー像をつくってらっしゃいました。
    (PPAPや情熱大陸のモノマネからの、ラストシーンで目を伏せる演技がもう!)

    そして陰の主役であるミュージシャンさん達も、
    ヴォーカリストの米野さん・愛乃さんをはじめ、みなさん本当に素敵な演奏を
    聴かせてくださいました。

    愛乃さんからは、客席を回りながら『ルージュの伝言』を歌唱するシーンで、
    ほっぺたにシールを貼って戴きましたw
    (そのシールはその後、チケットに貼り直しました)



    観劇したのは丁度「母の日」だったのですが、
    家族のことをいま一度考え直すこの日にこの物語を観て
    また涙することが出来て、本当に良かったです。
    今度はまた来年辺りに再びこの作品を観て泣きたいです。
    そして、大げさですがこの舞台がまっつんにとって
    「ライフワーク」的な作品になればいいな・・・なんて
    勝手なことを考えながら、帰途につきました。