「おいしくないカレー」考
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「おいしくないカレー」考

2016-12-13 13:20
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この記事はカレー Advent Calendar 2016の13日目として作成されました。

知らない人は知らないけれど、知っている人は知っているように、私は大のカレー好きであります。
また、積極的に好きと言わなくても、世の中の人はたいていカレーをそう邪険に扱うものでもないと思います。そろそろ人生の折り返し地点かしらん?という今に至るまで、「カレーが嫌い」と言った人には一人しかあったことがありません(まぁ、嗜好というのは千差万別ですからね)

それはなぜか。

それは、カレーとは人の好みに応じて千差万別であるとんでもなくバリエーションのある料理だから……ではないか。というのが自分の仮説です。
甘口、中辛、辛口、激辛といった辛さのバリエーションはもとより、全体のスパイスの配合の量、牛、豚、鶏、野菜、シーフード等の具材の種類、白ご飯、サフランライス、ナンなどはもとより、うどん、スパゲティといった麺類に至るまでの組み合わせの数々、さらにはドリアなんかにもなったりなんかして、要は「自分が好きだと思うようなカレー」っいうのを見つけやすいんじゃないかなと。
だから、それぞれの人にとって「おいしいカレー」というのも千差万別であるがために、逆に「カレーがおいしい(またはそう悪くない)」という共通認識へと止揚されるのではないかと。

で、本題です。
「おいしくないカレー」です。
「まずいカレー」と何が違うのか。まずいというのはマイナス方向とは言え、自分の味覚が「まずい」と断じているカレーです。「まずい」味のするカレー。でもね、さっきの仮説でいくとあんまり「まずい」カレーというのは存在しないのじゃないかと思うわけですよ。バリエーションが豊富であるがゆえに、当然「おいしい」「まずい」の好みの違いがあるわけだし、ある人にとっての「まずい」は、ある人にとっての「おいしい」なんじゃないかな。もちろん、焦がしまくったり雑に「まずい」カレーというのはあるでしょうけれど、わざわざカレーをまずく作って食べる酔狂な方もいらっしゃないでしょう。(失敗は誰にでもある)
自分はきちんと食べるために作ってまずいカレーには当たったことはありません。

でも、「おいしくないカレー」には人生で今のところ二回遭遇しています。
直近の「おいしくないカレー」は、最近オープンした近所のカレー屋さんのカレーでした。
若手の同僚達がオープン直後に次々と行ってみたのですが、帰ってくるとみんな一様に首をかしげるのです。
私が「どんなカレーだった?」と聞くと、みんな「うーん…。なんというか…。一度食べてみてくださいとしか…。」という反応です。
なんか気になる反応なので私も行って、個人的に初めてのカレー屋でかならず頼むカツカレーを食べてみました。

わかりました。

これ、「おいしくない」です。匂いはカレーのいい匂いです。カツもサクサクです。でも、食べると味がありません。「カレーの匂いのする何か」が口の中に入ってくるだけです。
「まずい」わけでもなく、ひたすら味が感じられないのです。同僚たちの反応の意味がわかりました。
まさかスパイスを入れ忘れているなんていうことは無いでしょうし、牛肉のかけらっぽいものも見えるのでお肉も入っているでしょう。でも「形容しがたい味」というか味がないのはなぜか。
しばらく食べていた思い当りました。
「この味、以前食べたことあるぞ…!」と。しかも自分で作ったカレーの記憶です。

だいたいカレー好きが高じると、「自分的最強のカレー」を作りたくなるわけですが、私が考えるそれは、シンプルに「玉ねぎ」と「牛肉」の組み合わせでした。
いい玉ねぎを大量に煮込んだところに牛肉を入れ、両方形が判別できなくなるところまでしっかり煮込んだカレーは、コクとうまみの凝縮したカレーは比較的手軽で「おいしい」ものです。
で、ある日例によってカレーを作ろうと考えてですね、いつもの倍の玉ねぎをじっくりと煮込んで、牛肉は脂身の多いバラ肉大量にを形がなくなるまで煮込みつつ、最後に四角いシチュー・カレー用のものを別途入れるとうまいに違いないと思って作ったんですが、いざ食べてみると匂いはすれども味がしない。
「絶対うまいぞ!」と思って食べて味がなかったら、期待の大きさに比例してしょんぼり感も割り増しですよ。
なんでこんなことになったのか……と考えながら小皿にとってあれこれしてみました。
少なくともルウを投入する前までは玉ねぎと牛肉のうま味の凝縮されためっちゃウマイスープだったはず……。と思いつつ、唐辛子をいれたり胡椒をいれたりしていると、だんだんカレーの味になってきたんですよこれが。
どうやら、大量の玉ねぎと牛肉の甘さがスパイスの味と打ち消しあって、味のないカレーを作り出す配合になっていたらしい。やっぱりね、レシピに載ってる分量は載ってるなりの理由があるわけです。

で、このカレーの味、件のカレー屋さんの味によく似てた気がするんですよ……と思いながら店内を見回すと「店長のこだわり」みたいな事が書いてあります。
「淡路島産の玉ねぎを惜しげもなく使用し」「牛肉はたっぷとと形がなくなるまで煮込んで」
たぶん、ビンゴなんではないでしょうかね。
手許の辛みスパイスを投入していくと、自作のカレーとおなじようにカレーの風味が戻ってきます。そして、おいしい。

おいしいカレーを追求するあまり、皮肉にも「おいしくないカレー」になってしまったのでしょう。というか、玉ねぎと牛の脂の甘さパねぇ…。って感じです。話題のお店は、ネットで検索してもあんまり話題がなく、海外からいらした方が "not delicious" って書いてただけなので、みんな言語化しにくかったんだろうな……って思いました。

閑話休題

もちろんこのお店がどこかは自分の中だけにとどめておきますが、カレーのお話をしているのに、こんな文字だけでも味気ないので、岡山のカレーを一つ紹介しておきます。

オリアン
岡山県岡山市北区中山下1丁目9−40

ビルの地下にある洋食屋さんです。ここのカツカレー大盛りとかジャンボとか書いてないのにこのサイズがきます。ルーがカレーポットに入りきらないので、あらかじめ少し御飯にかかってます。これがくる前にカレースープとサラダがあります。カレールウはさらさら、玉ねぎの形も残ってて、味はまろやか。家庭のカレーの洋食屋さんアレンジみたいな優しい味です。
岡山にいらした時は是非ご賞味ください。







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初めまして
イベントをはじめ、当方の鎮守府の節目には毎回「序章~Overture~」を視聴し
自らの”誓い”を新たに出撃に臨む者の一人です。

本当に皮肉な話ですね
折角良い素材を使い、決して調理も杜撰なものでは無かったであろうに
その結果がそのような形に終わってしまうとは・・・
そのお店が一刻も早くそれに気づいてくれる事を願います
努力をしている人には例え自分には赤の他人であってもやはり報われて欲しいものです。
10ヶ月前
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肉もそうですが玉ねぎの甘みは半端ないですよねえ。
自分は市販のカレールーのパックに書いてある規定量の1.5倍の量の肉、玉ねぎをいつも入れていますが、ある時甘みの強い新玉ねぎ(カレーには元々合わない気がしますがw)を使ったらこの店の様な薄っぺらい味になった覚えがあります。
店の人はいい食材、調理法を使ったから盲目的に美味しいものができたと錯覚してしまったのでしょうか。
残念な話ですね。
10ヶ月前
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