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安倍政権にどう対応し、通常国会でいかにたたかうか/NHK日曜討論 志位委員長の発言
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安倍政権にどう対応し、通常国会でいかにたたかうか/NHK日曜討論 志位委員長の発言

2015-01-26 10:54

     25日のNHK「日曜討論 党首に問う」での日本共産党の志位和夫委員長の発言は次の通りです。

     中川緑アナウンサー つづいて日本共産党の志位委員長です。よろしくお願いします。

     志位委員長 おはようございます。

    「イスラム国」日本人拘束

    絶対に許せない残虐非道な蛮行
    政府は、人命最優先で、人質解放のためにあらゆる可能性の追求を

     島田敏男解説委員 まず「イスラム国」。新たな動きが、昨夜からネットの世界でまず情報が飛び交うというかたちで動いています。政府に対してはどのような対応を求めていきますか。

     志位 いま彼らがやっていることは、残虐非道な蛮行であって、絶対に許すわけにいかない。強く非難します。そして人質の解放を強く求めたいと思います。

     日本政府に対しては、人命最優先で、解放をはかるために、あらゆる手段、あらゆる可能性を追求してほしいと思います。

    躍進した力をどう生かすか

    議案提案権を活用し、現実政治を前に動かす
    国民との共同で暴走政治を止めるために力をつくす

     中川 共産党は去年12月の衆議院選挙のときに大幅に議席を伸ばしましたね。視聴者の方からこんなご意見が来ています。「21議席をとり、それなりのことができるようになった。どう生かしていくのか」というご意見なんですが、つまり衆議院でも単独で法案を提出できるということになったわけなんですが、それをどう生かしていくかという声なんですね。明日からの通常国会どうのぞみますか。

     志位 今度の総選挙で躍進させていただいて、議案提案権を衆議院でも得ることができました。これは国民のみなさんの願いを議案の形で出すことができるようになりましたので、まず明日の召集日には、政党助成金の廃止法案を提出したいと思っております。各党にも真剣な検討を呼びかけていきたいと思っています。そのほかにも雇用の問題をはじめ、この議案提案権をどしどし活用して、現実の政治を一歩でも二歩でも前に動かすために頑張っていきたい。

     そして、今年を考えますと、「アベノミクス」、集団的自衛権、原発の再稼働、沖縄の新基地建設―安倍政権の暴走とのたたかいがいよいよ正念場の年になると思うので、国民のみなさんとの共同で、また国会論戦も大いに頑張って、暴走を止めるために力をつくしたいと考えております。

    「暴走ストップ」の課題は

    政府予算案、集団的自衛権、原発再稼働、沖縄新基地
    ――あらゆる面で頑張りたい

     島田 その「暴走ストップ」というのは、志位さんが選挙のときにもずっといっていた。それを実現するための一番のポイント、さまざまな課題の中で優先順位をつけていくと最重要ポイントはどれですか。

     志位 (課題は)たくさんありますね、これは。

     経済の問題、これは今回の(政府)予算案を見ましても、福祉を削って大軍拡と大企業にお金を流そうという、これは許せない。まず予算案の問題が出てきます。

     それから今度の国会を考えますと、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」の具体化のための安保法制(改悪)という問題が大争点になってきます。

     それから原発再稼働も、国民の力でずっと(稼働を)止めているわけですが、いよいよ再稼働とのたたかいが問題になってくる。

     沖縄の新基地建設も、県民のああいう審判が下ったにもかかわらず、もうそれに眼中なく、強硬なことをやっていますから、これも歴史的大闘争が必要になってくる。

     あらゆる面で頑張っていきたいと思っています。

    来年度予算案をどう見るか

    社会保障切り捨て、大企業優遇、大軍拡の「三悪予算」
    ――抜本的組み替えを求めてたたかう

     島田 その中でもうちょっと予算のことについて聞きますとね、財政再建の要請というものを受け入れて、そのために介護報酬の引き下げですとか、生活保護費の支給額の縮小といったことも含まれてきますよね。社会保障というのが一番大きな予算の中の固まりですから、そこを圧縮しないと財政再建はできませんけども、それについては共産党はどう考えるんですか。

     志位 私は、今度の予算案を見て、三つの大問題があると思うんですよ。

     第一に、いまいわれた社会保障の問題ですが、(安倍政権は)「社会保障のため」といって消費税増税をやったんですね。にもかかわらず今度の予算案では、社会保障の「自然増の削減」を復活させて、介護、年金、生活保護、医療、あらゆる分野で社会保障の手当たりしだいの切り捨てをやろうとしている。

     第二に、その一方で、「財政再建」と言いながら、あれだけもうけをあげている大企業に対しては、2年間で1・6兆円の減税をばらまこうとしています。

     第三に、3年連続で軍拡予算を進めています。そして5兆円の軍事費に拡大して、自衛隊を「海外で戦争する自衛隊」につくり変えようとしている。

     ですから、社会保障切り捨て、大企業への不当な優遇、大軍拡に道を開く――「三悪予算」だと考えておりまして、抜本的な組み替えを要求してたたかいたいと思っております。

    集団的自衛権の「法整備」は

    「閣議決定」の撤回、「閣議決定」にもとづく法制は許さない
    ――この一点で、院内外の力を総結集した大闘争を

     島田 いま軍拡予算だということをおっしゃっていましたけれども、この集団的自衛権の行使容認、去年7月の「閣議決定」に基づく法整備というのがこの国会のテーマになります。共産党は一貫して反対だといっていますが、与野党各党の意見を聞いてみますと、共産党に近い政党と必ずしもそうではない政党と、さまざまなようですが、どうストップをかけていきますか。

     志位 やはり「閣議決定」の撤回ですね。そして、「閣議決定」にもとづく法制は許さない。この一点で力をあわせていきたいと思っています。

     この集団的自衛権の行使の一番の危険がどこにあるのかという問題は、国会論戦でも、あるいは総選挙のときの党首討論でも、安倍さんとさんざん議論した問題ですけれども、これは日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもないということです。アフガン戦争、イラク戦争のような戦争をアメリカがおこしたさいに、従来の「戦闘地域」まで行って自衛隊が米軍と軍事行動をやる。つまり米軍と自衛隊が肩を並べて戦争をやるということです。

     さきほど、「イスラム国」の問題が出ておりましたけれども、ああいう事態にさいしてアメリカが空爆をやる。それに対する支援について、(首相は)政策上は当面やらない(島田「後方支援ですね」)。しかし、(憲法上は可能だといって)否定はしないと、「枠組みの中で」ということを言われました。非常に重大です。「海外で戦争をする国」づくりは許さないということです。

     憲法違反の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」は撤回するということです。それを具体化する法整備、あるいは日米「ガイドライン」(軍事協力協定)の再改定はやめるということです。もし、法制が出てきたら、私たちは国会での最大限の共闘を追求しますし、院外での力もあわせて、総結集して、必ずこれを許さない大闘争をやっていくつもりです。

    戦後70年にどうのぞむか

    「村山談話」の核心的部分をあいまいにし、後退させる、首相発言は重大
    アジア諸国との「和解と友好」に向けて五つの提案

     島田 そして、戦後70年の総理大臣談話、この内容の件ですけれども、安倍総理の先ほどの発言で、過去のキーワードですね、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」、こういったキーワードについて、そのままの単語には必ずしもこだわらないという発言がありました。志位さんはどう考えますか。

     志位 さきほどの(首相の)発言を聞いていてですね、島田さんが、「村山談話」の「一番のキーワード」である「植民地支配と侵略」、これを引き継ぐんですかということを聞いたのに対して、「全体としては引き継ぐ」と言いながら、「文言にこだわらない」という発言でした。

     これは、(「村山談話」の)一番の核心的な部分はあいまいにしていこうと、そして後退させていこうということが、はっきり出た発言で、非常に重大だと思います。

     私は、戦後70年という年を、日本がアジア諸国とほんとうの「和解と友好」に向かう転機の年にする必要があると思います。そのためには―

     第一に、「村山談話」「河野談話」の核心的な部分をしっかり継承して、それにふさわしい行動をとる。

     第二に、日本軍「慰安婦」問題については、被害者の方々の人間としての尊厳が回復される解決をはかる。

     第三に、首相や閣僚は靖国(神社)参拝はやらないという政治ルールを確立する。

     第四に、人種差別をあおるヘイトスピーチは、これをなくすということで、法整備も含めて断固たる対処をする。

     第五に、歴史への反省の立場を、(学校)教科書にしっかりと反映させるための真剣な努力をやる。

     この五つが必要だと考えています。

     これをやってこそ、ヨーロッパで実現したような「和解と友好」が、(日本と)アジア諸国との間で、心が通うかたちで進むと思うのですね。これを求めていきたいと思います。

    沖縄新基地問題にどう対応するか

    民主主義の国では許されない安倍内閣の強権的な対応
    ――沖縄と本土が一体に、新基地建設反対の大闘争を

     島田 もう一つ、安全保障関連になりますが、沖縄の普天間基地の移設の問題です。ここでは衆議院選挙のときにも、他の野党との選挙協力を行って反対する人たちがすべての小選挙区を抑えたと。そしてその前の知事選では、このときにも翁長(雄志)さんの当選ということになりました。ただ、政府は粛々と辺野古移設は進めますといっていますけれども、こうした政府の動きにどう対応していきますか。

     志位 昨年、いま言われたように、(沖縄)県知事選挙、あるいは総選挙で、保革の枠組みを超えて、「オール沖縄」で、新基地建設反対の民意がはっきり示されました。

     それにもかかわらず安倍政権がやっていることは何かと言えば、翁長新知事への面会や対話は拒否する。沖縄振興予算は削減する。県民のみなさんの抗議行動を強制排除して海上作業を再開する。まさに強権的なやり方で聞く耳を持たないということです。これは民主主義の国では許されない対応だと思うのですね。

     私が、沖縄の新基地建設で言っておきたいのは、「普天間基地の移設」ということをよく言われるのですが、おこなわれようとしていることは、「移設」という生易しいものではないということです。つくられようとしている新基地には、長さ300メートルもの岸壁を持つ、強襲揚陸艦という4万トンの船が接岸できるそういう軍港までつくられるということです。耐用年数は200年です。

     こんな暴挙は許さないために、沖縄と本土が一体になって、これも大闘争を起こしていきたいと思います。

     島田・中川 ありがとうございました。

     志位 ありがとうございました。

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