• このエントリーをはてなブックマークに追加

今なら、継続入会で月額会員費が1ヶ月分無料!

  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第129号(2018/1/12号/月2回発行)

    2018-01-16 05:07
    86pt

     あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
     今年は1月に毎年恒例の京田知己監督による絵コンテ講座を、2月に伊藤智彦監督が好きな実写映画を語る講座を行います。
     興味有る方は是非、足を運んでみてください。

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    『声優語 ~アニメに命を吹き込むプロフェッショナル~』(藤津亮太、一迅社)
     発売中! 【Amazon】【ヨドバシ】【honto】
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
     素敵なキャラと過ごす特別な日……
     人気キャラが華麗に描かれた キャラクターケーキ絶賛販売中!
     キャラクターケーキ専門店 あにしゅが
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


    1.最近のお仕事紹介
    2.前回のアニメの門チャンネル
    3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    4.お蔵出し原稿
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
     2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
     3月17日『君の名は。』
     【受講申込】

    2.朝日カルチャーセンター新宿教室 伊藤智彦監督『この映画の話をしよう』
     『ソードアート・オンライン』の伊藤智彦監督をお招きして、映画『太陽を盗んだ男』のお話をうかがいます。伊藤作品にも影響あったという『太陽を~』。いろんなアニメに影響与えた本作の真の魅力とは!?
     【受講申込】

    2.1月のSBS学苑
     1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
     同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】


    前回のアニメの門チャンネル

     12日のアニメの門チャンネルはゲストにライターの前田久さんと高橋克則さんを招いて「2017年はコレ!だった発表会」というタイトルで配信しました。
     それぞれが5つの「コレ!」というタイトルを挙げて、そこを入り口に2017年を振り返るという趣向でした。19日までTS視聴できますので、未見の方は是非。
     3人のコレ!以下のとおりです。なぜその作品を取り上げたかは是非配信で。

    高橋克則
    ・『映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッ!と!想い出のミルフィーユ』
    ・『BLAM!』(銃の音がスゴイ)
    ・『レゴ(R)バットマン ザ・ムービー』(小島よしお)
    ・『夜は短し歩けよ乙女』(顔色)
    ・『アニメガタリズ』

    前田久
    ・『ビッグマウス』
    ・『BLAME!』 3DCG元請け時代
    ・『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』
    ・『夜明け告げるルーのうた』
    ・『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』 再編集映画の底力

    藤津亮太
    ・『GODZILLA 怪獣惑星』(世界との距離)
    ・『我は神なり』(世界長編ブーム)
    ・『サクラクエスト』(テーマはどこにあるのか)
    ・『ラブライブ!サンシャイン』(ソシャゲとアニメと)
    ・『罪人はされど竜と踊る』(いろいろ大変)



    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第57回『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』

     先日開催された「コミックマーケット93」で、早速この『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』を購入してきました。
     前回の『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.1』も分厚い本でしたが、今回はそこから更に100ページ以上分厚くなって、内容もより充実しています。
     掲載作品は、『走れメロス』、『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版)、『PERFECT BLUE』、『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(パイロット版・劇場版)、『ラーゼフォン』、『ひるね姫』の6作品。
     さらに、コミケでの先行販売とアニメスタイルONLINE SHOPの期間限定先行予約販売で購入すると、パラパラマンガ形式の『磯光雄Flip Book』が特典として付属されていました(現在は購入不可)。

    4889356788e8159e48ec52018e25e1f855b192f1

     どの作品も磯光雄さんのお仕事の代表作と言っても過言ではなく、これが1冊にまとまっているのは本当に夢のようですね。
     『走れメロス』は、『ももへの手紙』や『人狼』の沖浦啓之さんの初キャラクターデザイン作品でもあり、豪華な作画スタッフの集まった作品でした。VHSやLD全盛期の作品で、DVDソフト等の発売がされておらず、現在では視聴も困難な作品となっているので、資料が見られるのは貴重なことですね。
     インタビューにも名前が上がっていますが、この後のシーンを続けてうつのみや理さんが担当しており、豪華なリレーとなっています。磯さんのお仕事の中では動きの方向性が特別で、動き方が滑らかな形になっており、後のパートのうつのみやさんの描く特徴的な滑らかな動きと見比べてみたいなと原画集に掲載された原画を見て思いました。今後DVD等でソフト化されると良いのですが……。

     『新世紀エヴァンゲリオン』では、磯さんはTV版と劇場版両方に参加されているのですが、今回はTV版でのお仕事のみの掲載でした。
     磯さんのお仕事の中でも代表作となっている『エヴァ』関連のお仕事ですが、『エヴァ』のファンの中でも印象的なシーンを担当されています。磯さんは、『エヴァ』では脚本や設定での参加もされています。今回収録されているものだと、見どころとなっているのは、第1話の使徒と軍隊との市街戦やシンジとミサトの出会いのシーン、第15話に登場するリリスのデザイン、そして第19話の覚醒した初号機が使徒を捕食するシーンなどが代表的なものです。特に第19話のクライマックスにあたる初号機の一連のシーンが強く記憶に残っている人は少なくないのではないでしょうか。
     覚醒した初号機は、獣のように這いつくばったり、呼吸を感じさせるように口から蒸気を出したり、まばたきしたりと、突然生物的な動きをし始めて、当時観た時の衝撃は展開も相まって物凄いものでした。

     今回、同じく原画が収録されている『BLOOD THE LAST VAMPIRE』でも、クリーチャーの原画を担当されています。こちらのお仕事でも、そうした動きを堪能できるので、これが1冊にまとまっているのは嬉しいですね。
     『BLOOD』は本編資料のみならず、パイロット版の原画も掲載されています。パイロット版は、DVDの特典映像として観ることはできますが、あまり知られていない映像なので、原画集に資料が掲載されるとは思いませんでした。劇場作品の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』では銃器の設定も手がけている磯さんですが、原画を見ていると銃弾を発射した銃身がグニャリとした歪んだ形で描かれていたりして興味深いですね。
     本編の原画もこれまた磯さんの代表作といって良い充実した内容で、量としても多めに担当されています。また、「ビジュアルエフェクト」として、この作品では撮影まで担当されており、そうした意味でも磯光雄濃度の高い映像が味わえる作品となっています。『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.1』に掲載された、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の爆発とはまたまるで違う爆発の描写に挑戦しており、『vol.1』と見比べられるのも楽しいところです。
     『BLOOD』はデジタルの撮影を活かした最初期の作品でもあり、磯さんの担当されたシーン全体が画面的に暗いシーンとなっています。線としては画面で見づらかったカットでも、原画集では、人物の芝居やクリーチャーの生物的な描写、一つ一つのエフェクト、そのどれもを線一本一本までこだわりを持って描かれているのを見ることが出来ます。

     『BLOOD THE LAST VAMPIRE』でデジタルでの撮影処理まで担当するようになった磯さんが、撮影的な仕事として参加していたのが『ラーゼフォン』です。『ラーゼフォン』での磯さんは、「デジタルワークス」として撮影や特殊効果、CGなどを駆使して、作画や美術にプラスαしていく仕事をされていたようです。今回は、そうした仕事に関する資料は掲載されませんでしたが、掲載されている脚本、絵コンテ、演出を担当された15話の資料は、演出家としてもアニメーターとしても、磯さんの仕事を知る上で貴重なものだと思います。
     掲載されているのはレイアウト時の演出修正ですが、演出修正がこれだけまとまった量で原画集に載るのは、かなり珍しいことですね。原画集の歴史の中でも初めてかもしれません。内容も、磯光雄というスーパーアニメーターの演出修正ですから、これは歴史的に貴重な資料だと思います。

     最後に『ひるね姫』の原画ですが、これはラフ原画までで、磯さんは第2原画までは担当されていないようです。インタビューによると、半分程はラフ原画までということなので、第2原画まで担当されたカットもあるのだと思いますが、今回は掲載されていないようです。しかし、演出修正と同じくらいにラフ原画の掲載も珍しいことですし、まさか磯さんのラフ原画がこんなに見られる日がくるとは思いませんでした。

     前回の原画集では、内容がメカやエフェクトに偏っていましたが、今回はキャラクター、メカ、クリーチャー、エフェクトとバリエーションも豊かな内容となっています。1冊の原画集として、これだけ多岐に渡って内容が充実している原画集は、なかなか無いものだと思います。
     掲載されている作品は、磯さんのキャリアの中でターニングポイントになっている作品でもあり、『エヴァ』では脚本、『BLOOD』では撮影、『ラーゼフォン』では演出と、作画とはまた違う職種に挑戦していきながら独自の映像を作っていく過程でもあり、また時代が進むごとにツールの面でも新しい挑戦をしている姿勢を原画集を見るだけでも感じることができます。
     『走れメロス』から『ひるね姫』までの25年という時間が凝縮された原画集ですが、最先端の表現を渡り歩く、アニメーター以上の活躍を感じられる分厚い内容の本です。分厚くなった分だけ、より一層の見応えを感じる本ですが、見ているだけでも本物の天才の存在を感じさせられます。
     これは、絶対に買ったほうが良い原画集だと思います!

    (『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』/株式会社スタイル/4,320円)


    お蔵出し原稿

     これから全5回で幻に終わった単行本原稿の「0稿」を掲載します。これが幻に終わったのはひとえに僕の力不足なのです。
     「0稿」なのでデータの精査が足りていなかったり(あるいは数字は虫食いで空けていたり)、文章も推敲が足りない(参考にしたものを、全体に整合するように自分なりに書き直していなかったりするところもあるかもです)のですが、原稿の供養として、メルマガというクローズな場所にアップします。ここからほかにコピーなどされることないようにお願い致します。
     全体のタイトルは『TVとアニメの時代(仮)』です。

     
  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第128号(2017/12/22号/月2回発行)

    2017-12-30 04:02
    86pt

     12月31日23時45分から、BSプレミアムで「あけおめ!声優大集合」で5時間生放送!があります。視聴者投票ができる生アフレココーナーの下準備などを手伝っております。当日はどんな形で番組に出るかは、これから打ち合わせという感じですが、録画なども含めよろしくおねがいします。

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    『声優語 ~アニメに命を吹き込むプロフェッショナル~』(藤津亮太、一迅社)
     発売中! 【Amazon】【ヨドバシ】【honto】
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
     素敵なキャラと過ごす特別な日……
     人気キャラが華麗に描かれた キャラクターケーキ絶賛販売中!
     キャラクターケーキ専門店 あにしゅが
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


    1.最近のお仕事紹介
    2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    3.お蔵出し原稿『東京ゴッドファーザーズ』
    4.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
     2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
     3月17日『君の名は。』
     【受講申込】

    2.1月のSBS学苑
     1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
     同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第56回『DVDビデオ付き!アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』

     「アニメ私塾」は、スタジオジブリ出身の室井康雄さんが通信講座として初めた画塾です。
    ネットを通じて積極的に活動していて、ニコニコ動画の生放送やTwitterアカウントでの宣伝、YouTubeでの動画配信など、有料講座のノウハウを無料でもネット上で公開して話題を集めています。
     アニメーター出身の室井さんの画塾なので、内容的にはアニメーターを目指す人の画力向上を目的としていますが、理路整然とした独特の講義内容がアニメーター志望者以外の人たちにも注目されているようです。YouTubeに上げられた関連動画は画質的に見づらく、量が多すぎて、その内容を把握するのが大変な状態だったので、講義内容が本として見やすくまとまったのはありがたいことです。この本は原画集ではありませんが、アニメーターの技術や考え方が詰まった本なので、番外編として取り上げさせて頂きました。

    78048a19910b03a445112efafd42ba51714bc983

     アニメ私塾の本とは言うものの、内容としては専門的なアニメの描き方ではなく、画力向上のための意識の転換を促す内容だと思いました。付録DVDの内容もイラストの講座となっていて、アニメの描き方というコアな部分ではなく、間口を広げた内容となっていました。
     絵の教則本ではありますが、技術的な側面はもちろん、意識的な発想の糸口を与えてくれる内容となっています。室井さんがアニメーター人生の中で培ってきた思考の積み重ねが読み取れるようで面白い本です。
     例えばPart 2-3の「線の組み合わせ方」の章。これは、ディズニーで伝統的に受け継がれてきた絵の描き方を、室井さんなりにまとめたものだと思います。元となった資料は『Drawn to Life: 20 Golden Years of Disney Master Classes』という本でも見ることができますが、大塚康生さんが自主的に翻訳した資料がアニメ業界には存在するようです。また、橋本三郎著『アニメーションのつくりかた』という本は、そうしたディズニー的なアニメーションのノウハウをまとめた本でした。

     全体としては、基礎的な画力の培い方が載っています。模写の仕方など、他の本ではあまり見られない内容で、画力に自信の無い人に向けて違う側面から絵の描き方を教えてくれる本となっている印象です。単純な形からどう複雑に発展させていくか、また、線が複雑になった際に何に気をつけるか等、本を読んでいる人の成長に合わせて何度も見直せる内容だと思います。
     また、発展的なものとして、アニメでの基礎的な動き、「歩き」や「走り」「ボール投げ」等についても言及されています。これは動きを表現する際に重要な、重心を意識したポーズの描画法のポイントの一部として書かれています。ただ、アニメの技法書として見ると、もっと突っ込んだ内容が欲しいところです。

     本の後半では、レイアウトや画面構成について書かれており、他の技法書ではなかなか言及されない内容がまとまっています。この手の話題で最も中心になりやすいのが「パース」の概念ですが、室井さんはパースではなく「空間ビート」という独特の単語を使って画面を構成する提案をしています。これは、本来のパースよりも奥行きの圧縮を意識して描こうという考え方です。
     椅子に座る人物という基礎的なテーマから発展形まで、実例を交えてまとめられています。絵を描く人で背景の描き方などにつまずいている人ならば、この項目を読むためだけでも、この本を手に取ってみる価値があります。
     また、巻末には、アニメ私塾の塾生が提出した課題とその修正例が掲載されており、アニメ私塾の実際の活動内容を感じることができます。これは、実際のアニメのレイアウトに近い絵となっていて、実戦的な内容を感じさせられます。

     アニメ私塾の本ではありますが、アニメの描き方に偏っているわけではなく、絵を描く人全般に向けられた内容だと思います。もちろん、アニメにおいて重要と思われるポイントにも触れられているので、この本が売れて、より実戦的なアニメ技術の本が出版されると良いのですが。
     以前に紹介した立中順平さんの『スーパースポーツデッサン』もそうでしたが、絵の教則本ではあるものの、専門的なアニメの作画技術に偏って良いのかどうかが難しいようです。
    しかし、アニメを作成するための描画ソフトの一般化が進んでいる現在、これまでよりアニメの作画に関する知識は強く求められて行くと思います。室井さんの活動は、そうした需要に対して、従来のアニメ教育の領域を超えて届いた活動だったと思います。
     今後、アニメという映像の未来がどうなっていくのかははっきりと分かりませんが、アニメを描く人たちの存在が、日本の商業アニメ業界以外でも大きくなっていくことになると思います。
     こうした本は、原画集とは違った方法でアニメーターの知識や技能を形にしたものであり、アニメ文化を発展させるために必要なものの一つだと思います。

    (『DVDビデオ付き!アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』/エクスナレッジ/2,592円)

    【お知らせ】
    12月31日(日)、コミックマーケット93にて「理想のアニメ原画集を求めて」の連載20回分をまとめた同人誌を頒布します。書き下ろし記事もありますので、よろしくお願い致します。
    会場:東京国際展示場 東6ホール:ト44b(サークル名:bono1978)


    お蔵出し原稿

    年末らしい原稿をひとつ。宝島社から出た『トウキョウゴッドファーザーズ』のムックに書いたものです。

    「赤ちゃん」と「クリスマス」 ――『東京ゴッドファーザーズ』に欠かせないもの

    『東京ゴッドファーザーズ』には欠かせない要素が二つある。それが「赤ちゃん」と「クリスマス」だ。どうしてこの二つが欠かせないのか。過去の映画作品などを参考にしながら考える。

     まず最初に断言してしまおう。
     『東京ゴッドファーザーズ』は、「赤ちゃん映画」であり「クリスマス映画」なのだ。  「赤ちゃん映画」に「クリスマス映画」だって? そんなジャンルは聞いたことがない、と思う人もいるかもしれない。でも「赤ちゃん」と「クリスマス」という二つは間違いなく『東京ゴッドファーザーズ』にとって、欠かせない要素だ。そして「赤ちゃん」や「クリスマス」を欠かせない要素として持っている映画は、まだほかにもある。そこで、そのほかの映画を参考にしつつ、「赤ちゃん」と「クリスマス」の二つを通じて、『東京ゴッドファーザーズ』について考えてみようと思う。

     
  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第127号(2017/12/8号/月2回発行)

    2017-12-15 13:11
    86pt

     12月31日23時45分から、BSプレミアムで「あけおめ!声優大集合」5時間生放送!があります。5月の特番からの流れで、僕も出演することになりました。生アフレコなど盛りだくさんの放送です。ご興味ある方は是非。

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    『声優語 ~アニメに命を吹き込むプロフェッショナル~』(藤津亮太、一迅社)
     発売中! 【Amazon】【ヨドバシ】【honto】
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ■広告■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
     素敵なキャラと過ごす特別な日……
     人気キャラが華麗に描かれた キャラクターケーキ絶賛販売中!
     キャラクターケーキ専門店 あにしゅが
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.前回のアニメの門チャンネル
    4.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     12月16日『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(髙山文彦監督)【受講申込】
     ■1月期 【受講申込】
     1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
     2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
     3月17日『君の名は。』

    2.12月のオタクの学校
      12月23日のオタクの学校「アニメを読む」は「声優の歴史」です。知ってるようで知らない声優の歴史や、『声優語』の取材のエピソードなども紹介しつつアニメと声の関係を考えます。予約はこれからです。【講座詳細】

    3.1月のSBS学苑
     1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
     同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】


    Q&A

     「なぜなにアニ門」は今回で最終回です。

    Q:最近いくつかの作品が「共同制作」と銘打っています、「共同」というからには「五分五分の関係で作品に取り組む」ということかと思われますが、クレジットを見るかぎり、複数の制作会社がひとつの作品にタッチしているケースは、これまでも間々あり、プロジェクト内のパワー・バランスは様々とはいえ、それほど珍しい制作形態ではないようにも思われます。ついては、制作会社がタッグを組む理由や意義、それを声高に打ち出す意図、そもそも「共同制作」とは? など思うところを教えてください。(PN:カドワランダー) ※質問が長かったので要約を掲載しました。

    A:投稿の通り、共同制作についてはいろいろパターンがあると思います。「あの有名スタッフがコラボ」的な打ち出しをしたい場合、「有名スタジオの名前を大きく出して企画のメジャー感を出したい場合」いろいろあると思います。ただ、監督の机はかならずどこかのスタジオに置かれるわけで、共同で新スタジオを設けない限り、「現場」を担当する会社と、そうでない会社という組み合わせになるのではないかと思います。また制作会社として資金の出資している場合はその比率でも主従がつく場合はあると思います(もちろん出資比率は対等ということもあるでしょう)。


    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルはライター、アオヤギミホコさんをゲストに「20周年記念!『少女革命ウテナ』再考」をお送りしました。 金曜日までTS視聴可能です。
     配信は「『少女革命ウテナ』との出会い」から始まり「ベストバウト」「ベストエピソード」をお互いに紹介し、最後は「ウテナは王子様になったのか」というテーマでディスカッションしました。
     お互いが紹介した「ベストバウト」「ベストエピソード」は以下の通りです。

     ベストバウト
      アオヤギミホコ選
       1位 第23話 デュエリストの条件
       2位 第29話 空より淡き瑠璃色の
       3位 第20話 若葉繁れる
      藤津亮太選
       1位 第7話 見果てぬ樹璃
       2位 第29話 空より淡き瑠璃色の
       3位 第12話 たぶん友情のために

     ベストエピソード
      アオヤギミホコ選
       1位 第39話 いつか一緒に輝いて
       2位 第33話 夜を走る王子
       3位 第17話 死の棘
      藤津亮太選
       1位 第39話 いつか一緒に輝いて
       2位 第33話 夜を走る王子
       3位 第38話 世界の果て


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第55回『「この世界の片隅に」劇場アニメ原画集』

     『この世界の片隅に』の原画集が出たのは、とても意外でした。
     最近の原画集は、どちらかと言うと、キャラグッズの一種として、キャラクターの絵が見たいファンの需要を見込んで出版される場合が多いように思うからです。そんな中から、作画ファンやアニメ制作に興味のある人にとっても満足感のある本を探すという感覚があります。
     そういう状況を考えると、『この世界の片隅に』の原画集が出たことは、意外に感じられました。

     とは言え、この作品は絵コンテ集も発売されており、初版があっという間に売り切れになった前例もあります。700ページと劇場作品の絵コンテとしても分厚く、3500円という値段にも関わらず売り切れになり、自分も購入できたのは増刷されてからでした。絵コンテという、かなりマニア向けの書物が出たのも驚きなら、この速度で売り切れになったのも、実に珍しいことだなと思っていました。
     劇場公開前から『「この世界の片隅に」公式アートブック』や『この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック』が発売されたり、その後も『ありがとう、うちを見つけてくれて 「この世界の片隅に」公式ファンブック』が出版されたりと、こうして振り返ってみると、実に関連書籍の充実した作品だと思います。そんな中で、原画集は一体どんな内容なんだろうと思いつつ購入してみました。

    effe30f62cfece7f38d6947535fe12e8415dbbcb

     A4の大きめの判型の本で、フルカラー、印刷も綺麗なので、絵が見やすくてよいですね。
     掲載されている原画は、どのような素材なのかが細かく明記されています。単純な表記ではなく、「原画への作監修正」「レイアウトに入れた作監修正」など、工程に関する説明的ニュアンスまで書かれているのが親切でよいですね。
     素材の担当者の名前も細かく明記されています。1カットの中でも複数人の作画担当が入り乱れているカットも少なくなく、ここまで原画集で細かく明記されるのは珍しいことだと思います。