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  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第113号(2017/5/12号/月2回発行)

    2017-05-14 14:13
    86pt

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    【アニメの門メルマガ113】

     5月からなんだか妙に仕事が立て込んできて慌ただしくなってきました。その中のひとつで、作業を本格的にスタートさせたのが『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のBD-BOXの100ページブックレットです。なるべく網羅的にしたいなぁとは思いつつも、ページ数に限界はあるわけで、いろいろ考えながらの作業を進めています。ご興味ある方は是非。
     では、いってみましょう。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    4.前回のアニメの門チャンネル
    5.不定期アニメ日記
    6.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     5月20日 『源氏物語』『源氏物語千年紀 Genji』【5月予約】
     6月17日 『おそ松さん』【6月予約】

    2.6月の中日文化センター講座『誰でもアニメ監督になれる!』
     6月10日、1day講座「誰でもアニメ監督になれる!」好評受付中! 大ヒット作『コードギアス』の谷口悟朗監督と藤津亮太による特別対談。作品制作の裏側も語ります。【受講申込】

    3.5月のNHKカルチャー青山教室
     5月20日13:30より「湯浅政明監督の世界」と題して長編監督デビュー作『マインド・ゲーム』を中心に、『夜よ短し恋せよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が連続公開される湯浅監督の世界を考えます。申し込み少なくて開講するかどうかギリギリのところです。気になっている方は是非。【受講申込】

    4.5月のSBS学苑パルシェ校
     5月28日10:30より、「片渕須直作品の魅力」のテーマで行います。『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』を中心にお話をします【受講申込】

    5.5月のオタクの学校
     5月27日のオタクの学校@浅草模型塾。告知はこれからですが『ラブライブ!The School Idol Movie』を取り上げる予定です。


    Q&A

    Q:アニメ制作において、AIによる自動化の研究はどこまで進んで知るのでしょうか。また、今後アニメ制作の自動化が一般化した際は、業界にどのような影響があると思いますか。私としては、産業革命以前の馬のように文字通り馬車馬のように働く時代から、鉄道や自動車の発達により、その絶対数は減らしつつも、今日の競走馬のように生きていく時代が来るのではないかと思っています。(匿名希望)

    A:「アニメ制作の自動化」というのが具体的に何を指しているのかわかりませんが、そういう方向には研究は進んでいないと思います。現在自動化の研究が進んでいるのは、「中割」の自動化ぐらいで、これも80年代からずっといろんなところが手を付けていますが、現時点でようやく「一部実験的に実戦投入」といったレベルです。なので、実態がないことをベースに未来を予測することはできないです。

    「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第41回『渡部圭祐 アニメーション原画集』

     コミックマーケットでアニメーターが原画集を出す機会が増えてきましたが、どちらかと言うと個人の仕事をまとめた本が多い印象です。そんな中で珍しく、「スタジオへらくれす」は、夏冬と定期的にコミケにサークル参加して、スタジオ単位の同人誌を頒布しています。

     「スタジオへらくれす」は、スタジオと言っても、スタジオ内でアニメを制作しているわけではなく、所属するアニメーターがそれぞれバラバラに仕事をしつつ、仕事場を共有しているタイプのスタジオ。渡部圭祐、石野聡、木崎文智、斎藤久、大塚健、千葉道徳、深澤学、小船井充という、監督やキャラクターデザインなどで活躍する実力派アニメーターが名を連ねています。
     渡部さんはその中でも代表的な方で、様々な作品でアクションやエフェクトやメカ作画、もちろんキャラクターデザインとしても『星界の戦旗』などで活躍されています。
    「スタジオへらくれす」の同人誌は、その時々のメンバーの活動をまとめて報告する内容で、イラストだけでなく、原画なども多数掲載されており、渡部さんもその時々でされているお仕事の原画を載せてきました。

     今回紹介する原画集は、そんな渡部さんの2005年から2014年という長い期間のお仕事を180ページの分厚い本にまとめた、お仕事の集大成的な一冊です。
     渡部さんは作品の中でも、見どころとなる派手なシーンを原画として担当されることの多い方ですので、180ページものボリュームでそうしたお仕事をまとめて見ることができるのは、かなりの見ごたえがあります。巻末には、それぞれの仕事に関して解説されており、これも14ページも割かれていて、読みごたえがあります。

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     「金田伊功」さんを原点とした、その作画のスタイルを継承している人たちのことを「金田系」、そうした作画の事を「金田系作画」と呼ぶのですが、渡部さんは金田系作画をする中でも代表的な方でもあり、現在進行形でそのスタイルを進化させている方でもあります。
     金田系作画だけに限りませんが、特定の作画スタイルを前面に押し出した作画というものは、作品の空気感を超えて、アニメーターの個性が全面に押し出されてしまうことが往々にしてあります。
     しかし、渡部さんは作品の空気を変えることなく、作画で作品を盛り上げることのできるお仕事をされる方で、個性を残しつつ、見ごたえのあるその作画は、渡部さんの名前は知らなくとも、印象に残っている人も多いのではないかと思います。

     金田系作画は動きに特徴があるため、タイムシートも見てみたいところですが、この原画集には残念ながら掲載されていませんでした。欲を言えば、次の機会があれば、そちらも掲載してもらいたいところです。

     掲載されている作品は、『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』、『まじめにふまじめ かいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん』、『アフロサムライ』、『ゼロの使い魔 双月の騎士』、『バンブーブレード』、『機動戦士ガンダム00』、『空の境界』、『ヤッターマン』、『ジャスティーン』、『劇場版ペルソナ3』、『ガンダムビルドファイターズトライ』等々、人気作品でのお仕事も多数掲載されています。

     全体的に、画面狭しと動き回る、メカ作画やアクション作画の原画が掲載されているので、絵を見ているだけでも見ごたえがあるのですが、渡部さんの作画の中で多い、透過光の作画の原画が掲載されているのが見どころです。
     透過光は、近年のデジタル処理された画面の中では、絵としてのフォルムが見づらいところがあるため、これを原画ではっきりとしたフォルムで見ることができるのは嬉しいところです。
     今回の本では、掲載されていませんでしたが、『とある魔術の禁書目録』シリーズでのOPのアクションのようなカットなどは、その中でも、渡部さんの代表的なお仕事だと思います。渡部さんは『とある』シリーズのみならず、様々な作品のOPで原画を担当されることが多く、巻末のあとがきによると、今後OPのお仕事をまとめた原画集を作る予定もあるそうなので、期待して待ちたいところです。

    (『渡部圭佑アニメーション原画集』/武蔵関ボンバーズ/?円)


    前回のアニメの門チャンネル

     12日に配信したアニメの門チャンネルのテーマは「デジタル作画入門」。ゲストはワコムの轟木保弘氏と、シグナル・エムディの櫻井圭記プロデューサーです。19日まではタイムシフト視聴ができます。
     お話は、シグナル・エムディが『ひるね姫』で本格的にデジタル作画を導入したという事例をベースにしながら、デジタル作画が今、どういう段階にあるのかをうかがう内容になりました。
     当たり前のことではありますが、デジタル作画は単に「紙と鉛筆をペンタブに置き換える」という話ではなく、むしろ、アニメの制作フローをいかにデジタル化するか、という大問題の中の重要な一部、ということなのです。
     もし、1社だけで完全に内製化しているなら独自の方法でデジタル化を果たしても問題はありません。でも、アニメ業界的にそういうわけにはいかない。フリーランスのアニメーターが複数の会社と仕事をすることを考えると、業界である種のデファクトスタンダードが形成されるようにもっていかないと、制作のデジタル化はうまくいかないでしょう。今は、そのデファクトスタンダードをどう形成していくかのための取り組みが始まった時期であると、いうことを思いました。
     このテーマは今後も、なんらかの形で追いかけていきたいなぁと思っております。


    不定期アニメ日記

     5月3日にNHK BSプレミアムで『みんなで選ぶベストアニメ100』が放送されました。NHKが専用サイトで、それぞれのベストアニメを投票してもらい、その結果を発表した番組です。
     ランキングの合間に、アニメ史的な解説を入れるのが氷川竜介さん。僕は、声優さんたち4人による「名セリフの生アフレココーナー」側にいて、セリフや作品などの解説をする役でした。

     
  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第112号(2017/4/28号/月2回発行)

    2017-05-02 05:41
    86pt

    電子書籍の機能を使用するには、記事を購入してください

    【アニメの門メルマガ112】  アニメ視聴のメインで使用していた全録機が不調で、録画ができなくなってしまいました。数年前に1度修理をしているのですが、もう1度修理しようにも、もう部品が残ってないのではないか(メーカーが撤退して、後継機もでていないし)なぁという感じです。  とりあえず今期は配信サービスで作品を追いかけてみようかなとは思っていますが。実はCATVのセットトップボックスも不調のままだし、どこかで一度録画体制の再構築をしたほうがいい時期にきているのかもしれません。  では、いってみましょうか。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    4.お蔵出し原稿
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     5月20日 『源氏物語』『源氏物語千年紀 Genji』【5月予約】
     6月17日 『おそ松さん』【6月予約】

    2.6月の中日文化センター講座『誰でもアニメ監督になれる!』
     6月10日、1day講座「誰でもアニメ監督になれる!」好評受付中! 大ヒット作『コードギアス』の谷口悟朗監督とアニメ評論家の藤津亮太さんによる特別対談。作品制作の裏側も語ります。【受講申込】

    3.5月のNHKカルチャー青山教室
     5月20日13:30より「湯浅政明監督の世界」と題して長編監督デビュー作『マインド・ゲーム』を中心に、『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が連続公開される湯浅監督の世界を考えます。【受講申込】

    4.5月のSBS学苑パルシェ校
     5月28日10:30より、「片渕須直作品の魅力」のテーマで行います。まだWEB予約はできないようなので、予約可能になりましたらよろしくお願い致します。【受講申込】


    Q&A

    「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第40回『馬越嘉彦原画集』

     『馬越嘉彦原画集』は、2010年から2012年にかけてコミックマーケットにて4冊連続で頒布された原画集です。
    1冊140ページ程の本が4冊、すべて合計すると500ページ以上と、かなりボリュームのある原画集となっています。
     ボリュームがあるのは厚みだけでなく、その中身もぎっしり詰まったもので、中心となっているのは当時放映中だった馬越さんの代表作の一つでもある『ハートキャッチプリキュア』、そして『キャシャーン Sins』の2作。
    プリキュアは原画集の表紙にもそのシルエットが描かれていて、4人のプリキュアが活躍する作品内容と合わせて、原画集も4冊組となっています。
     現在進行系の作品の資料が掲載されていることがかなり新鮮で、原画集を見るのが楽しかった記憶があります。

     4冊とも、巻頭に10ページ前後の描き下ろしのカラーイラストを掲載。巻末にはモノクロで、イラストの原画や版権イラストのラフが掲載されていて、原画集パート以外のイラストのパートもボリュームがあり、見ごたえがあります。
     原画集パートには、修正、レイアウト、原画などがぎっしりと掲載。『プリキュア』や『キャシャーン』での馬越さんの活躍ぶりが誌面からうかがい知れます。タイムシートは掲載されていないのですが、その分ページに大きくぎっしりと絵が掲載されていて、馬越さんの鉛筆画の絵力をこれでもかと感じられる構成です。

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     馬越さんはキャラクターデザイン、作画監督をしながら大量の原画も描かれているようで、この原画集には、そうした原画が掲載されています。手がけられているカットも、派手なアクションから、シリアスな芝居、コミカルなカットまで多岐に渡っていて、それがこれでもかと大量に見ることができます。
     掲載作品としては、他にも馬越さんの代表作である『おジャ魔女どれみ』や『剣風伝奇ベルセルク』の資料などもあり、原画集を見ることで、そのバラエティ豊かな仕事ぶりを一望することができます。また、いち原画マンとして参加した作品の原画も複数掲載されており、なんとも至れりつくせりな内容です。
    とにかく、馬越さんの画を、画面に出る前の勢いのある線のまま楽しめる本で、見ごたえがあります。

     また、劇画的な濃い絵柄から、『どれみ』のようなコミカルな女の子向けの作品まで描きこなす馬越さんの絵描きとしての実力、アニメーターとしての多面的な活躍を原画で見ることができる面白さは、こうしてまとめられた本ならではのものだと思います。
     馬越さんのキャリアを見てみると、キャラクターデザインを担当されている作品には、少女漫画原作作品もあれば、青年漫画原作作品、オリジナル作品と実に幅広いんですよね。アニメーターの中でも、ここまでいろんな絵柄を描き分けている人はなかなかいないと思います。
     アニメの画面からは、そうした絵をどんな線で描き分けているのか分かりませんが、この原画集ではそうした絵を見比べられる面白さもあります。様々な絵柄を描き分けるということは、そもそも参加した作品の数が多いということですが、この原画集を見ることで、その筆の速さを圧倒的な物量として感じられるのも楽しいところです。

     この原画集が出ている途中で発売されたのが、『馬越嘉彦 東映アニメーションワークス』です。その本の発売に、この原画集の影響があったのかは分かりませんが、馬越さんを皮切りに、東映アニメーションワークスシリーズとして、プリキュアシリーズのキャラクターデザインを担当されていた方々の画集が5冊発売されています。
     なかなか珍しいことだと思うのですが、さらに珍しいなと思うのが、一度出た馬越さんの画集が『改訂版 馬越嘉彦 東映アニメーションワークス』として改めて発売されたことです。シリーズで発売されるようになったことからも、その人気ぶりが伺えますが、ページを増した改訂版が発売されるほど人気のある本だったようです。

     改訂版は、最近まで見たことがなかったので、その内容は知らなかったのですが、40ページほど増えた中身は『ハートキャッチプリキュア』関係の修正やプリキュア10周年記念メッセージの原画などでした。ちょっとした原画集と言っても良い程のしっかりした内容で、画集自体が改訂版では250ページと分厚いにも関わらず、2160円とかなりリーズナブルな値段です。『馬越嘉彦原画集』は今から手に入らなくとも、こちらもおすすめの本となっています。
     馬越さんの画集は他にも『おジャ魔女どれみ』の小説版のイラストをまとめた、『おジャ魔女どれみ16 馬越嘉彦 Illustrations』があります。近々、香川久さんとの共著で『香川久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック』という教則本が出版されるようです。

     『馬越嘉彦原画集』は同人誌ですが、馬越さんのように量が多く、人気の高いアニメーターのお仕事は、できればいつか商業出版の原画集として、広くいろんな人が手軽に手にできるかたちで、まとめられると良いなと思います。

    (『馬越嘉彦原画集』/弁慶堂/各2,000円)


    お蔵出し原稿

    マイナビニュースのために書いた『ヤマト2199』の原稿です。主にビジネス面から語っています。

    『宇宙戦艦ヤマト2199』のウィンドウ戦略

     映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』が12月6日より公開される。同作は2012年より上映された『宇宙戦艦ヤマト2199』('12)の完全新作劇場版だ。本作の公開に至るまでの過程は、近年のアニメにおけるウィンドウ戦略(一つの作品のリリース時期をメディアごとに順序をつけて展開する戦略)の代表的な例といえる。本作の歩みを通じて、現代のアニメビジネスのあり方を見てみよう。

     
  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第111号(2017/4/14号/月2回発行)

    2017-04-18 06:06
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     仕事で読まなくてはならない本を優先していたので、途中で止まっていた土居伸彰さんの著作『個人的なハーモニー』がようやく終わりに近づいてきました。『話の話』を入り口にしながら、アニメーションという器の形と中身について考察する一冊です。すごく柄の大きな本なので、同書の射程の中に、日本のメジャー流通系アニメの表現論もちゃんと含まれうるところも興味深く読めた理由でした。
     ご興味ある方は是非。買って損なしの一冊だと思います。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.前回のアニメの門
    4.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     5月20日 『源氏物語』『源氏物語千年紀 Genji』【5月予約】
     6月17日 『おそ松さん』【6月予約】

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    3.5月のNHKカルチャー青山教室
     5月20日13:30より「湯浅政明監督の世界」と題して長編監督デビュー作『マインド・ゲーム』を中心に、『夜よ短し恋せよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が連続公開される湯浅監督の世界を考えます。【受講申込】

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     5月28日10:30より、「片渕須直作品の魅力」のテーマで行います。まだWEB予約はできないようなので、予約可能になりましたらよろしくお願い致します。【受講申込】


    Q&A

    Q)アニメの円盤が売れないと言われる昨今において、テレビシリーズの映画館での一挙上映で人を集めたり、人気を持続する方法が流行る可能性はあると思いますか? 映画館での上映が流行れば、グッズやイベントでの売上への依存度を減らし、本編の質に対するモチベーションも高まるかと思いますかどうでしょうか。(匿名希望)

    A)単純に計算すればわかることですが、映画館の一挙上映で想定される利益はパッケージソフトの売上に遠く及びません。
     仮に通常のイベント上映のケースを考えて見ましょう。シネコンの座席数は150~250席が多いというので、200席で想定。
     200席×1800円×1日6回×座席平均稼働率20%=43万2000円(1日の売上)。2週間興行で604万8000円の売上。これを60館(『亡国のアキト』と同規模)で上映すると、全体で3億6288万円の売り上げ。
     映画館がおよそ半分、配給会社がさらにその半分(1/4)をもっていくので製作委員会に入るのは9072万円。
     60分作品の制作費が数千万円~1億円程度と想定すると、順調にお客が入ればなんとか興行だけでペイできる水準に達しますが、スクリーンはもっと狭くなるだろうし、2週間フルに6回上映するとも考えにくいし、60館もブッキングできるかどうかもあやしいわけで、これを順調に下回る数字になると予想されます。
     これがTVシリーズの一挙上映となると、制作費はだいたい2~3億円。値段をあげても6000円とかにはできないし、館数も1館だけのことが多いですし、興行回数も1回だけになるわけで、むしろパッケージの販促というふうに考えないと、割が合わない企画ではないかと思います。
     ま、単純な算数の問題ですね。以上、配信でもお答えした質問でした。

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    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルは、編集者・両角織江さんをゲストに『昭和元禄落語心中 ふたたび編』と題して、同作の第2期を振り返りました。2人で全話の見どころを振り返りました。

    【両角さんが選んだポイント】
     第1話 導入部(アバン)の語り
     第2話 ゲームボーイetcの背景描写
     第3話 花火の効果。※第3話はきりどころも難しい!!
     第4話 EDが……(羽織)。※小夏の落語の見せ方
     第5話 反魂香の煙
     第6話 寄席の情景描写。※第6話は切り方がうまい
     第7話 芝浜のフィルム(菊比古と助六の差)
     第8話 キャラクターにお芝居をさせるおもしろさ。※萬月師匠おかえりなさい!
     第9話 死神の描写。現実orファンタジー?
     第10話 “のざらし”のシーンで描かれる時の移り変わり
     第11話 三途の寄席での、コマのカット・インとゆびきり
     第12話 死神(第8話との重ね合わせ)

    【藤津が選んだポイント】
     第1話 「これだって立派な情だ」のところでのイマジナリーライン越え
     第2話 すべる助六
     第3話 『落語心中』といえば縁側(親分とのくだり)。助六の『居残り佐平次』をやる八雲
     第4話 子守唄の『寿限無』
     第5話 仕上がった刺青(原作とは位置を少しだけ変えている)
     第6話 大旦那の語る「寄席」の歴史
     第7話 転がる包丁
     第8話 八雲の語りと街灯をとらえる特別なカメラワーク
     第9話 親分との会話→逮捕。誰もが未練を残していく。
     第10話 やはりここでも縁側(八雲の最期)
     第11話 走馬灯のような風景
     第12話 (いろいろあるので特定のシーンは挙げず)

     このほか原作のラストのタイミングと、アニメの放送のタイミングを合わせることについてと、小夏が産んだ信之介の父親問題についてもアレコレお話しました。


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第39回『LOST IN ANIME ロマン・トマ DESIGN WORKS』

     ロマン・トマさんはフランス出身の方で、現在は日本に拠点を置いて活動されています。
    自分がその名前を意識したのは、『バスカッシュ!』という作品でした。その時は、原作にも名前が載っていますが、本編では設定や背景美術に関するお仕事をされているのかなと思っていました。『バスカッシュ!』は日本の作品ながら、他の国産アニメとは一風変わった美術が目を引き、そこに名前のあるロマン・トマさんのお仕事には興味を惹かれる魅力がありました。
     ロマン・トマさんは、その後もサテライト作品を中心として、様々な作品に設定や美術を中心に参加されていきます。この本では『オーバン・スターレーサーズ』から始まり、ロマン・トマさんの日本でのアニメ作品でのお仕事を一望することができます。

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     自分は、この画集を見るまでは、ロマン・トマさんは単純にメカやプロップ、美術などの設定を担当されているのかと思っていたのですが、そのお仕事は想像より多岐にわたるものでした。
     『オーバン・スターレーサーズ』では、イメージボードや美術ボード、こちらは原作を兼ねた世界観やストーリーの創作そのものを担っているようなお仕事でした。続いて掲載されている『ARIA The NATURAL』では、プロップやゲストキャラクターデザインの設定、それから大量のレイアウトが掲載されていました。
     以前の『ARIA』シリーズでは、荒川真嗣さんが「レイアウト監修」という役職で、作中に登場するヴェネチアの風景を監修されていました。その役割をこの作品ではロマン・トマさんが担当されていたようです。キャラクターの修正までは担当されていないようですが、アニメーターが描いたレイアウトを監修するという、どちらかというと美術より、アニメーターの仕事に寄ったお仕事のように思えます。以前、ここで取り上げた『METHODS ~押井守「パトレイバー2」演出ノート』に掲載されていたレイアウトに近いものだと言えば分かりやすいでしょうか。