• このエントリーをはてなブックマークに追加
上様団子 (昨日は今日の物語)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

上様団子 (昨日は今日の物語)

2017-06-13 16:42
    織田信長公は甘党だったので、団子を好んで食べた。
    その頻度が高かったので、京の人々は裏でこれを「上様団子」と揶揄していた。

    問題は信長公の小姓衆の中に途方もない粗忽者が居たことである。
    どれくらい粗忽かと云うと、信長公の御前で世間話として「上様団子」の話をしてしまう程であった。

    当然、この話を聞いた信長公は手が付けられないほどに激怒する。




    そんな時、登城してきたのが天下の名医・曲直瀬道三である。

    「上様!
    お怒りはご尤もで御座います!
    ですが、この様な前例が御座います!

    かつて天子様がチマキをお召しになった時
    『たいそう面白きもの』
    と仰られ、それを聞いた京童が『内裏粽』『御所粽』と呼んで今日に至ります。

    これは上様への敬意の現れとも申せましょう!」


    道三が話の方向をこの様に持って行ったので、信長公の機嫌は直り小姓も許された。
    偉い人に仕える者は、万事気遣いが必要なのである。







    『昨日は今日の物語』

    江戸時代初期に刊行された笑話集。
    作者未詳。
    醒酔笑と並んで、本邦笑話本の祖とされる。




    『曲直瀬道三』

    日本医学中興の祖・医聖。
    『啓迪集』など数々の医書を表し、施薬院全宗を始めとする多くの後進を育てた。



    『御所粽』

    幾種類もあるチマキの中でも、現代日本で一般的に『チマキ』と認識されている形式のチマキ。
    団子を笹で包んだアレのことである。







    チャンネル会員ならもっと楽しめる!
    • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
    • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
      • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
      • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
    ブログイメージ
    底辺亭底辺の「今日も底辺!」
    更新頻度: 鬱時に長文投下します
    最終更新日:
    チャンネル月額: ¥550 (税込)

    チャンネルに入会して購読

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。