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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のメタフィクション構造を分析する」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のメタフィクション構造を分析する」

2018-11-17 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/11/17

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2013/05/20配信「岡田、ハルヒ観たってよ~『涼宮ハルヒの憂鬱』から『エンドレスエイト』まで~」の内容をご紹介します。
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    2013/05/20の内容一覧


    SFとしての『ハルヒ』、作り手と受け手がつながる夢というメタフィクション

     ではSFとしての『ハルヒ』っていうのを語ります。
     SFとしての『ハルヒ』はメタフィクションというふうによく言われます。
     メタフィクションっていうのは何かって言うと、簡単に言うと、登場人物たちが「これはアニメなんだ・マンガなんだ」っていうことを読者に向かって、見ている人に向かって言っちゃうようなものがメタフィクションです。
     その意味では『ハルヒ』は、完全なメタフィクションではないです。メタフィクション風味ってやつですね。

    (中略)

     全体としては僕は面白いと思うんです、『ハルヒ』のメタフィクション部分っていうのは。僕が注目してるメタフィクション部分っていうのはなにかっていうと、涼宮ハルヒっていうのはアニメを作ってる人間にとっての「アニメそのもの」なんですね。キョンっていう登場人物は「視聴者そのもの」なんですよ。
     で、アニメ作ってる人間っていうのは視聴者に退屈されることをもっとも恐れるわけですね。だから、次から次へと宇宙人出しましょうか、それとも超能力者出しましょうかそれとも未来人出しましょうかっていうようにサービスを要求される、それに対して視聴者が「うーん、宇宙人とか言っても、未来人とか言っても、例のいつものアレでしょ、どうせつまんないでしょ、そんなもの信じてるわけじゃないし、オレももう中学生だし高校生だし」っていう、キョンの1話のセリフそのものが、アニメを作る人間にとって視聴者からいつも言われる言葉なんですね。
     だから、アニメを作ること自体が登場人物を活かすも殺すも自分たち、脚本家とか監督次第だし、この世界っていうのも自分たちが作った単なる約束事の世界だけなんだっていうのは、アニメと作ってる人間にとっては全員わかってることなんですね。
     これをバレないようにするとフィクションの世界なんですけど、あえてバラすようにするのがメタフィクションの世界なんですね。
     『ハルヒ』はこのあたりの踏み込み加減とかがかなり絶妙で、見てて楽しくてドキドキする程度なんですよ。うまく設定されてると。
     とくにこれが面白くなってるのが、さっき僕があんまり評価できないんだけど、ただSFとしては面白いよなと言った『エンドレスサマー』なんですね。
     つまり8回同じ話数をやって、最後どうなるのかっていうと、さっき話した、夏休みが終わると。なんで何回も繰り返しているのかっていうと、じつはハルヒにはまだ夏休み、いろんな、魚釣りとか花火見るとかお祭り行くとかいろんなイベントがあったんだけども、まだじつは満足してなかったから、時間が何週間が戻って夏休みを何千回何万回と繰り返してるんだっていうお話なんですけど、最後の最後に、8回繰り返して抜けることに成功するんですね。
     それはなにかっていうと、キョンっていう男の子が「そうじゃない、おれにはやり残したことがある」って、はじめて自分から言うんです。キョンっていうのはずーっとハルヒのわがままにつきあってるだけ、逆に言えばアニメのシナリオライターが書いたストーリーを見せられてるだけの僕らとまったく同じ人物なんですね。
     それに対してキョンがはじめて「いや、そうじゃない」と。「俺はまだ宿題やってない。おまえらもやってないだろ、じゃあ俺んとこに集合だ」っていうふうに言ったら、ハルヒはすごく怒って「なんでわたしに無断でそんなこと決めるのよ、わたしも行くからね!」っていうふうに、照れながらも仲間に入って、すごく楽しい一日を、31日の一日を過ごしたんです。
     そしたらまた新しい、はじまったということになってるんですね。
     これはなにかって言うと、はじめて視聴者がアニメを作る側になにが見たいのか言ってくれたっていう話なんですね。アニメの作り手側からすると、メタフィクション的で考えると。

     メタフィクションで考えると、アニメの作り手っていうのは常に、アニメを見る人の先を読まなきゃいけないんです。なにを彼らは要求してるのか、こんなことが楽しいんじゃないの、こんなのこ必要なんじゃなの、これが見たいんじゃないの、これが青春のきみたちの青春の叫びなんじゃないの、これがきみたちが心のなかで思ってることじゃないの、っていうのを考え続けて考え続けて出すのが、アニメをを作る人間なんですよ。
     それはハルヒのの戦いなんです。
     ハルヒ、じつはSOS団のみんなに無限のサービスをしてるんですね。SOS団のみんな、そして自分の好きなキョンっていう男に対して、キョンが本当は夏休みを一番楽しんでほしいから、こんなこともあんなことも考えた、でもキョンがすごく楽しい夏休みだったと言ってくれないから、ハルヒは何千回も何万回も戻るしかないっていう、乙女心の話なんです。
     それは僕らアニメを作る人間が、なんでいろんなアニメを作るのかっていうと、見てる人間は「これが見たいんだ!」って言ってくれないわけですよね。出してから「これが見たいんだ」って言ってくれたり、「いやここはいいけど、あそこはダメだ」って今僕らが言ってるようなこととまったく同じことを言うから、だからアニメを作る人間は日本中に数千人数万人もいながら、毎週毎週新しいことを、エンドレスサマーをやるしかないんですよ。えんえんとケロロ軍曹は「まだ地球侵略するであります」って言わなきゃいけないし(笑)。
     ずーっと同じこと繰り返すしかないですね。次々と新しい手、新しい手、新しい手を出していくしかないと。
     それに対して製作者側が持ってる夢っていうのが、一回ぐらい、見てる側のほうからこれをいっしょに作ろうよやろうよ見ようって言ってくれるっていう、ほんとに『ハルヒ』っていうのは作る側の人間と見る側の人間、両方オタクですよ、このオタクが手を取り合おうとした作品だと思うんですね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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