• このエントリーをはてなブックマークに追加
【自然災害メモリアル】第050回:豊岡水害(2004)の日 [防災]車が水没した時の緊急避難
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【自然災害メモリアル】第050回:豊岡水害(2004)の日 [防災]車が水没した時の緊急避難

2018-10-20 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    10月20日は
    豊岡水害から14年です。

    この豊岡水害は、平成16年台風23号の影響を受けた典型的な雨台風により、
    円山川は決壊、出石川・洲本川・由良川は氾濫する事態になりました。
    中でもこの水害名がつくように兵庫県豊岡市では被害が甚大で
    全体で死者・不明者99人のうち、死者7人を出した一連の水害は、翌日に災害救助法が、
    月末に被災者生活再建支援法が、12月に激甚災害指定をそれぞれ受けました。

    その豊岡市内での死因が「洪水」によるものが多く、
    破堤や家屋内水没による死者より、車両で閉じ込められて死亡した者が割合では多くいました。


    今回は、
    「車両水没時の緊急避難」をテーマにお伝えしていきます。

    台風など、豪雨が続くと氾濫や浸水・冠水といったリスクが時間と共に高くなっていきます。
    記録的短時間大雨情報が3時間連続で出た場合は相当まずい状態といっても過言ではありません。
    低地では間違いなく冠水、川で降っていれば記録的な豪雨の範囲次第で
    氾濫の発生は免れないと言ってもいいぐらいです。
    最悪、堤防決壊で濁流が街に流れ込むことも考えられます。
    また、津波などで町が数分のうちに一気に増水、まさに「町が沈んだ」とでも言うような光景が
    皮肉にも広がることがあります。その切迫した状態に気づきにくいことも多く、
    大雨では周囲の音がたたきつける雨音にかき消されて命の危険が近づく気配を消され、
    津波では絵にかいたような波の襲来にならず、潮位がみるみる上がり続けて静かに堤防の奥を
    海水で埋め尽くすようなこともあります。
    その気配に不幸にも気づかなかった場合、特に車内にいる時にこの状況に陥った場合は
    どうすればいいのか、伝授します。

    まず、クルマの構造はほぼ共通で正面のフロントガラスが最も衝撃に強くできています。
    自力でフロントガラスを割ることは、得策ではありません。
    逆に扉側のサイドガラスは後述する方法で割ることができる程度の強度なので、
    脱出の際、ガラスをやむなく割る時は扉側の方を破りましょう。

    一番良いのは、緊急脱出用のハンマーが存在するので、それを車に備えておくのがベストです。

    値段も車を購入できるぐらいなら安価な部類ですし、一回買えば余程劣化しない限り、
    10年ぐらい保存しても大丈夫なものですのでお守り代わりとしても持っておくとよいと思います。

    水没していなければさっさと脱出するか、クルマの上に退避してください。
    水の流れが速いなどして危険な場合は泳ぐのは大変危険です。
    また、クルマが横転・転覆してしまっているような場合、
    シートベルトが思わぬ障害になることがあります。しっかり切れるものを用意しておきましょう。
    (脱出用ハンマーの多くはシートベルトを切ることができるカッターが持ち手側にあります)
    また、姿勢がどうなっても手が届く範囲に置いておくのがベストです。
    手探りでもここにあるとわかるぐらいであれば、なんとか大丈夫です。

    次点で、外れるヘッドレストの先端部分で割る、
    ビニール袋に小銭を入れて遠心力を使うなどしても割ることができますが、
    上のハンマーよりは生存率が落ちます。
    水没し始めると遠心力は使えませんし、ヘッドレストの先端を外すことができない車種もあります。

    そして、どうあがいてもクルマのサイドガラスを割ることができなかった場合は、
    まだ諦めないでください。ギリギリまで水が溜まってきたところで
    車のドア自体が水圧が均一になって開けることができるようになることがあります。
    完全に水没すれば確実に死んでしまいますので、最後まで諦めず思いっきり息を吸って
    ドアを開けてみてください。足と手を中心に全身で押すようにすると力が均一に加わります。
    脱出後は、ほとんど車は沈んでいると思いますがこの時は泡を目印に這い上がることです。
    目で追おうとしても濁流等の場合は視界が悪く、他にもパニックで方向感覚を失うなど
    訓練や想定通りにはいかないことが多いです。また、大きく息を吸っていれば自分が浮くことも
    できますので、是非チャレンジです。

    尚、流されている時に脱出するのは危険ですが一つだけ有効な策として
    浮袋を用意しておく方法があります。浮袋に限らず軽い容器なら自らしがみつけるものを持って
    外に脱出すれば、容易に体を浮かすことができるかもしれません。
    ビニール袋なら、火災の時と同じように鼻と口を覆って息を長続きさせることもできる他、
    いざという時は貯めた空気で浮くことも可能です。
    一番大事なのは、最後まで諦めないこと。すべてを無に捨てるより希望を捨てない精神こそが
    皆さんの生存率を高める大きな一歩になるのです。

    尚、YouTubeなどでは結構似たような紹介動画もありますので参考になさってみてください。
    共通する点もいくつかあると思います。

    ただし・・・
    津波の場合も水害の場合も共通して言えることですが、
    クルマでの避難は不適です。最初から乗っている場合はせめて駐車場などに退避して
    すぐに徒歩で高台に逃げるのが本来はベストな手段です。
    よくクルマは安全と言いますが、水害には割と弱いので固定概念を持っている方は
    今回を期に、クルマのリスクを考えてみてください。
    あとは物の執着心を災害時には捨てることも必要です。クルマは極めて高価なものですから
    手放したくない気持ちもわかりますし、保険がいくら適用されても手続きは大変なのもわかります。
    でも、命がかかっていることに変わりはありません。時に災害時は断捨離できるだけの
    思い切りさがあるかも関わってきます。災害時の欲は目の前の災いを引き起こしやすくなりますので
    命を守ることだけに手段を尽くしましょう。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。