• このエントリーをはてなブックマークに追加
【自然災害メモリアル】第136回:伊豆大島近海地震(1978)の日 [防災]化学物質が引き起こす災害
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【自然災害メモリアル】第136回:伊豆大島近海地震(1978)の日 [防災]化学物質が引き起こす災害

2019-01-14 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    1月14日は、
    1978年伊豆大島近海地震から41年です。


    この地震は人々よりも、魚介類の方が大被害を受けたと言っても過言ではありません。
    この大地震単独でも確かに死者25人を出し、伊豆大島だけでなく神奈川県横浜市でも震度5を
    観測するなど、それなりの被害地震になったことは確かです。
    しかし、一番この地震で被害を受けたのは静岡県の伊豆半島でした。
    この地震の震源名こそ伊豆大島近海ではありましたが、実際には静岡県伊豆地方の一部まで
    断層破壊が及んでいる為、実質の震源地は静岡県に及んでいる上、この地震は複数震源型で、
    6秒後にさらに西側で断層破壊が起きています。また、この地震で稲取断層が出現しました。
    ほぼ伊豆半島が震源といっても過言ではないのです。
    河津町では地滑りが発生したり、バスががけ崩れに直撃するなど、かなりの被害がありました。
    そして何より惨事と化したのは、天城湯ヶ島町で猛毒として知られる、
    青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)が狩野川に流失してしまい、駿河湾に流れ込んだ為、
    湾中の魚介類が毒に侵され多大な被害を及ぼしました。
    青酸ソーダは、1kgあれば5000人を殺せる致死量を持っています。
    流れ出した場所は、鉱山で、廃液堆積貯水池の堰堤が崩壊、
    この青酸ソーダがどれだけ含まれていたかはわかりませんが、
    その物質を含む10tもの廃水が海にそのまま流れ出たことになります。


    今回は、
    「化学物質が引き起こす災害」をテーマにお伝えしていきます。

    このような地震において、人類が最も気を付けなければならないのが危険物の取扱です。
    たった一つ、大袈裟に言えばただ一滴こぼすだけでも人命に関わる大災害になりかねません。
    今回のような毒物の流失もそうですが、東日本大震災の福島第一原発事故などといったものも、
    ある意味では震災における人類がいてこそ起きる災害です。
    この手のものは、人の手で作り上げたものに必ずなんらかの原因が生じており、
    "安全"を怠ったことで発生してしまう事態が多いです。
    もちろん、想定を超える被害には限界がありますが、せめて"大"がつくほどの災害に至らぬよう、
    最悪の事態を避ける減災なら、人類にはできないことはありません。

    僅かに自然災害と少し話題がそれますが、鉄道の駅でたまに明らか通ることがない場所に
    線路が敷かれて、すぐに車止めと石や砂利の山になっている場所があります。
    単線地域なら一度は見たことがある人もいると思いますが、実はあれも減災の一つと言えます。
    なんらかの理由で大きくオーバーランし止まれないor誤発走した際に、
    最後の手段として本線に影響を与えないよう、わざと脱線させるという意図があります。
    通称、安全側線ともいわれています。実際にこの仕掛けがあったことで、
    特急列車との正面衝突を免れ大事故には至らずに済んだ事例もあります。
    無理やり一部自然が起因となった事例をあげると、安全側線に進入して脱線する事例には実際に
    1995年に福知山線で降雪の影響でブレーキ機能が失われ列車が滑走し脱線した事例、
    2004年には奥羽本線が線路に付着していた枯葉の影響で減速が十分に効かず脱線した事例、
    2005年に紀勢本線が竹の枝葉が付着かつ結露の影響で滑走、上記同様に脱線した事例
    などがあります。ちなみに、安全側線がある駅は単線区間で退避がある駅に多い為、
    丁度列車がすれ違う駅だったり、特急が後続に控えていることが多いので、
    二次被害に至りやすく、結構紙一重だったりします。

    このように、企業単位で減災の取り組みをすれば、
    このブロマガで単独記事に出てしまう程の事故を防ぐことができます。
    安全を施しても不測の事態は必ず起きますので、いざとなったらせめてダメージを最小限に
    悔いとどめる、そうしたものが特に化学物質などの危険物を取り扱うものには
    必要なものだと私は感じます。
    これまでに様々な震災が発生していますが、その教訓はいずれも活用されています。
    しかし、この教訓だけで済まない、次の震災が初事例となるようなことが、
    まだまだ将来いくつも出てくることでしょう。

    最後に一つ、皆さんの周りでも特に震災時の化学災害は、
    複合的・同時多発的に起きることも考えられます。なので軽率に捉えるのはよくありません。
    例えば、塩素系洗剤を使用して掃除している時に大地震が起きることもありえない話ではないです。
    その際は寒くてもすぐに喚起を行うなど、安全を第一にすることが重要です。
    また、不完全燃焼の状態でガス漏れが発生することも考えられます。そうなれば知らずのうちに
    命の危険を迎えることにもなりますから、これらの扱いには日頃からも十分に気を付けましょう。
    札幌市での爆発事故は、認識不足などが原因で起きています。
    日常よく使う化学製品は、ちゃんと説明書を見て使ってくださいね。状況によっては
    あなただけでは被害が済まないこともあり、近隣に迷惑をかけてしまうこともあります。
    予防として、いつも使う時は安全策を持っておきましょう。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。