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【自然災害メモリアル】第234回:大分県中部地震(1975)の日 [防災]気象庁の"深さ"を正しく読み取る
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【自然災害メモリアル】第234回:大分県中部地震(1975)の日 [防災]気象庁の"深さ"を正しく読み取る

2019-04-21 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    4月21日は、
    大分県中部地震(1975)から44年です。

    あまり有名な地震とは言えない地震ですが、地味にこの地震は戦後九州地方の内陸を
    震源とする地震の中では、熊本地震に至るまで最も強い規模だった地震です。
    震源の深さも記録上では0km(=ごく浅い震源)でしたが、当時は地震計が各市町村に
    なかったため、最寄りの大分市や熊本の南阿蘇村で最大震度4を観測しました。
    実際は震源地ピンポイントである、由布市(旧庄内町)や九重町では、
    これ以上の揺れが襲ったことになります。

    死者はいませんでしたが、大分県内では負傷者が22人が出た他、
    建物の全壊家屋も58戸に及ぶなど、決して被害が少なかったわけではありません。

    また、1981年の建築基準法の改正時にはこの地震を事例の一つとして役立てられており、
    山下湖の湖畔に存在したホテルのエントランスが壁が少ない為に、
    剛性(曲がる力への耐性)が弱くて1階が潰れるという被害が起きました。
    幸い、深夜に起きた地震だった為、エントランスに殆ど人はおらず、
    警備員も一時は崩落した瓦礫の下敷きになるも、数時間後奇跡的に軽傷で救出されました。


    今回は、
    「気象庁の"深さ"を正しく読み取る」をテーマにお伝えします。

    内陸の地震の中には、深さ0kmとか、-3kmなどといった、
    何も知らない人には、地上や空で地震でも起きたのかと意味不明な数値を見ることが
    USGSなどであるかもしれませんが、実はこれでもしっかりした地震です。

    まず0kmがそもそもどこを示すかというと、
    地表のあなたが地面に接地した場所ではありません。
    海抜0mを基準としています。

    つまり、内陸で標高の高い所で0kmでも深さはそれなりにあるということになります。
    例えば長野県の標高3000m地点の所が震源で、深さ-1kmということは
    正確に言えばあなたの足元から2km下の所が震源 ということになるのです。

    つまり分かりやすいことを言うと、沖合・沿岸部ではマイナスの値が出てくることはありません。
    内陸でのみ、このマイナスの値が出てくることがあるのです。
    但し極めて稀ですが、氷震などのケースでは存在しうることはあります。

    また、特にこのようなごく浅い震源で地震が起きるケースは、
    内陸地殻内で発生する地震のパターンと、火山性地震のパターンがあります。
    死火山や高原の場合だと前者に当てはまることが多く、
    火山島など、活火山がすぐ近くにある場合は火山性地震の可能性が高くなります。

    但し正直な話をすると、このような知識は理数系で気になってしょうがない人だけ
    知ればよい話で、防災面ではほとんど覚える必要はない知識です。
    通常、5kmよりも浅い震源と推測される場合は"深さごく浅い"で気象庁は統一しています。
    ちなみに深さ0kmが存在しない理由としては、
    実際に地表で起きていると誤解を招くことも多い表記ではありますが、
    これを機に覚えて頂けると幸いです。


    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
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