エル・インヘルト農園のオークションロット解説 パカマラ編
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エル・インヘルト農園のオークションロット解説 パカマラ編

2017-06-12 12:35
    前回は、エル・インヘルトのパカマラ種がどれだけすごいのかを説明して、ドライプロセスのロット『ノーブルエイジ』を紹介しました。今回は、いよいよパカマラ種のウォッシュトです。このパカマラ ウォッシュトがエル・インヘルトを有名にしたいわば看板ロット。毎年3種類のパカマラ ウォッシュトが出品されていますが、今年はゲイシャや精製方法と同じく、呼称が変わっています。詳しく見ていきましょう。

    <今までの呼称>
    ■パンドラ・デル・カルメン
    ■パンドラ・コンセプシオン
    ■パンドラ・デ・ファティマ
    <今年>
    ■レセルバ・デル・コメンダドール
    ■レセルバ・デ・ラ・ファミリア
    ■レセルバ・デ・ラ・フィンカ

    ガラッと変わってしまいましたね。

    3つともパカマラ種のウォッシュト精製のロットです。

    いったい何が違うのでしょうか?
    プロフィールを見てわかるのは、収穫日と乾燥工程の違いです。

    <レセルバ・デル・コメンダドール>

    収穫日:2017/03/10
    乾燥:温室の中に設置したアフリカンベッド(網棚)

    <レセルバ・デ・ラ・ファミリア>

    収穫日:2017/03/10
    乾燥:パティオで乾燥

    <レセルバ・デ・ラ・フィンカ>

    収穫日:2017/04/06
    乾燥:温室の中に設置したアフリカンベッド(網棚)

    コメンダドールとデラファミリアは、収穫日が一緒で乾燥工程違い。
    デラフィンカは、収穫日が約1ヶ月後で、乾燥工程は、コメンダドールと同じ。
    温室(ビニールハウス)の中でアフリカンベッド乾燥させるというのは、エル・インヘルトにおいてはここ2~3年の新しい方法で、それまではパティオとグアルディオラ(乾燥機)を併用する方法がデフォルトでした。

    さて、この収穫日と乾燥工程の違いでどのような風味の違いが出てくるのでしょうか?

    LOT:El-07
    レセルバ・デル・コメンダドール
    ~パンドラ・パカマラ(ウォッシュト)


    パカマラ種 ウォッシュト精製(P3)

    このオークションの名前を冠したロット。オークション自体がパカマラ種をメインに考えられていることが分かります。

    約25年前(90年代初頭)にドン・アルトゥーロがエルサルバドルに行った際に大きな実をたわわに付けたコーヒーの木に興味を持ち、種を持ち帰ったのがこの農園のパカマラ種の始まり。

    エルサルバドルでパカマラの開発が始まったのが70年代、完成して市場にリリースされたのが80年代の後半ですから、90年代初頭にパカマラをグアテマラに導入したというのは時期としては非常に早く、驚きです。なんという慧眼でしょうか。

    しかし、この品種、最初は全くと言っていいほど

    売れなかった

    そうです。

    以前、ドン・アルトゥーロと食事をした時、パカマラを売るのにどれだけ苦労したかを話してくれました。

    まず、バイヤーたちはあの大きな粒を見たことが無かったそうです。バイヤー達は保守的で「こんな大粒のコーヒーは大味に決まっている」とか、他の品種には無いエキゾチックなフレーバーをなかなか受け入れようとはしなかったそうです。

    他のコーヒー豆が全て売れ、パカマラだけが倉庫に残る。そんなことが何年も続いたといいます。今では信じられない話ですが、値引きや抱き合わせ販売によって在庫を処分しなければならないこともあったと。

    苦難の時代を乗り越えて今がある。そう思うとエル・インヘルトのパカマラはさらに味わい深いものに感じられますね。

    フレーバー:トマト、レザー、グレープ、ラズベリー、アプリコット、ピーチ、ダークチョコレート

    LOT:El-08
    レセルバ・デ・ラ・ファミリア
    ~パンドラ・パカマラ(ウォッシュト)


    パカマラ種 ウォッシュト精製(P3)

    El-07と同じ収穫日の精製工程違い。ウォッシュトとナチュラルの精製「方法」違いというのはよくある飲み比べでしたが、同じウォッシュトで乾燥「工程」違いというは新しいですね。
    エル・インヘルトは、日々進化、深化。

    このロットだけパティオドライということで、クラシックなインヘルト・パカマラのフレーバーが堪能できそう。かな?

    フレーバー:キャラメル、オレンジピール、ヘーゼルナッツ、アプリコット、メープルシロップ

    LOT:El-09
    レセルバ・デ・ラ・フィンカ
    ~パンドラ・パカマラ(ウォッシュト)


    パカマラ種 ウォッシュト精製(P3)

    4月の収穫ということで、最後の摘み取りに近いのではないでしょうか。
    私個人的には、インヘルトの遅摘みロットは大好きです。

    4月収穫で5月にサンプル発送となるわけですから、サンプルカッピングの時には、まだフレーバーが出ていないことが多い。生豆というのは、ある程度寝かせる期間があってこそ豊かなフレーバーが感じられるようになるのです。

    つまり5月の段階で、このロットの全貌を把握することはほぼ不可能に近い訳です。こういうのはカッピングの時はイマイチでも実際に仕入れると『化ける』ことが多い。

    今回のカッピングでもこのロットには大きな可能性を感じさせられました。

    フレーバー:メロン、ブラックカラント、レモンティー、グレープ、ダークチョコレート

    最後になりますが、今回のオークションに出品される品種の豆面(まめづら)を比べてみましょう。


    <上から>
    パカマラ
    ゲイシャ・セントロアメリカ(レジェンダリーゲイシャ)
    ゲイシャ・アフリカ(ルビーゲイシャ)
    モカ

    2017年のオークションは6/13(火)。結果が楽しみです。

    <カフェテナンゴが販売するエル・インヘルト農園のパカマラ種>
    http://www.cafetenango.jp/shopdetail/000000000373/

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