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トレンドはもう「爆買い」ではない? 代々木公園のゴミ箱設置に見る訪日中国人の観光スタイルの変化とは
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トレンドはもう「爆買い」ではない? 代々木公園のゴミ箱設置に見る訪日中国人の観光スタイルの変化とは

2017-03-31 15:30
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    東京都心で桜の開花が宣言され、天候にも恵まれた先週末の土曜日にはさっそく花見を楽しんだ人も多いでしょう。筆者が訪れた代々木公園にも多くの花見客が集まっていました。

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    花見スポットの一画「桜の園」の沿道には、昨年までにはなかった種類別のゴミ箱がズラリと並び、花見客に対して分別を呼び掛けたり、自らゴミを回収して回るスタッフの姿も。

    聞いてみると、彼らは公園の管理スタッフではなく、世界最大規模の決済プラットフォーム『支付宝(アリペイ)』を運営するアリペイジャパンと、『アリペイ』をお店にカンタンに導入できる決済サービス『モバイル決済 for Airレジ』を運営するリクルートライフスタイルが共同で活動を実施しているのだとか。

    企業が花見スポットのゴミ回収を手伝う理由とは? 活動の企画を担当したアリペイジャパンの王磊(ワン・レイ)氏と、リクルートライフスタイルの佐藤亮太氏に話を聞いてみました。

    中国人観光客、これからのトレンドは「文化体験」

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    中国国内の実名認証ユーザー数が4.5億人を超える『アリペイ』は、中国のモバイル決済市場で最大のマーケットシェアを持つ決済サービス。買い物や飲食の支払いだけでなく、交通、宿泊、携帯電話、公共料金などの支払い、病院の受付やチケットの予約に至るまで幅広くカバーし、中国人にとっての生活インフラとなっています。

    王氏は「日本に訪れる中国人はほぼ『アリペイ』のユーザーだと考えられます」と語り、「『アリペイ』のアプリ内では地図の位置情報を使って、『アリペイ』が利用できる店舗情報が即座に分かるようになっています」と説明。決済に『アリペイ』が利用できるか否かが、訪日中国人による消費活動の恩恵をお店側が受けられるかに直結すると指摘します。

    とはいえ、一時期の報道で「爆買い」と騒がれた頃と比べると、最近は「ショッピング」よりも「文化体験」を重要視する中国人観光客が増加しているとのこと。

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    日本文化のなかで最も人気のある花見シーズンの期間中(4月3日まで)、アリペイではキャンペーンの1つとして、中国人観光客向けに銀座三越から代々木公園の渋谷門までの無料バスの運行を提供しています。

    交通の便を向上させるだけでなく、両社は「日本の文化である花見を楽しんで欲しい」「ショッピングと文化体験を結び付けたい」という思いから、クリーンな花見を実現するマナー啓蒙プロジェクトを共同で立ち上げました。

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    王氏:「近年、訪日中国人などの観光客を含む花見客全体のマナー問題が騒がれていますよね。そこで我々は、アリペイで用意したバス車内のアナウンスやアプリの中で代々木公園に関する情報を紹介し、花見マナーの啓発を行っています。ゴミ箱を設置し、分別を呼びかけるのも、クリーンな花見を楽しんでもらいたいという思いの一環です

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    佐藤氏:「花見のマナーは外国人に限らず公園の利用者全体の問題だととらえています。とはいえ、昨年あたりは中国人など訪日外国人の花見マナーがメディアで取り上げられる機会が多かったのも確かです。もちろん訪日旅行者も公園を荒らしたいとは全く思っておらず、むしろ正しく花見を楽しみたいと考えている。特にゴミの分類など公園におけるマナーは国によって大きく異なる文化で、そこにギャップがあるなと考えました。このように訪日中国人の観光をサポートする立場の会社として、彼らに気持ちよく花見を楽しんでもらいたいと思ったのがプロジェクトの発端です。具体的な工夫としては、ゴミ箱を日中英の3か国語で表記したり、分別スタッフも日本語・英語・中国語が通じる体制にしたりと、世界各国の人にこの活動が伝えられるようにしています。公園で活動をしていると、日本人からも外国人からも声をかけられることが多く、手ごたえを感じています」

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    「地方」にも注目が集まる

    さらに王氏は、「昨年は630万人の中国人が日本を訪れました。我々は、東京オリンピックまでに年間1000万人に達すると見込んでいます」と語りつつ、中国人観光客にとっての興味が、都心だけでなく地方へも広がりを見せていると明かします。

    『アリペイ』の決済対応も地方展開が進んでおり、リクルートライフスタイルが提供する『モバイル決済 for Airレジ』も、北海道のアウトレットモールに全館導入されていたり、沖縄県那覇空港の売店や国際通りに導入されていたりと、首都圏のみならず全国的に導入店舗が拡大しています。

    王氏によると、以前はツアー旅行が主流だったのに対し、最近は個人旅行を選択する人が増えているそう。地方都市でもスマホ片手に『アリペイ』から情報を取得する人が多くいることを踏まえ、「今後も地方と協力しながら中国人に日本の文化を紹介していきたい」と語りました。

    佐藤氏:「『アリペイ』を導入できる決済サービス『モバイル決済 for Airレジ』の加盟店は、『アリペイ』のアプリ内で店舗情報を表示することが出来ます。弊社は『ホットペッパー』や『じゃらん』を運営していることもあり、もともと全国の飲食店や宿泊施設などとつながりを持っているという強みがあります。これからさらに開拓を進めていくことで、より多くの方に日本旅行を楽しんでいただきたいですね」

    『モバイル決済 for Airレジ』
    https://airregi.jp/mp/

    RSSブログ情報:http://getnews.jp/archives/1677388
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