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  • 篠塚恭一:交通機関や宿泊施設の対応状況について

    2017-07-14 14:34
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    交通機関や宿泊施設の対応状況について 私の専門はトラベルヘルパー(外出支援専門員)®という高齢で介護の必要な人の旅をアシストする人材の育成である。トラベルヘルパーは、単にその人の旅に同行し必要に応じた介助、介護サービスを提供するだけでなく、旅行相談から予約手配、アルバム整理などのアフターフォローまでを行っている。

    また、旅行中は安全な介護環境の確保や本人の体調を見定め、ときにはエスコート役として適宜旅程内容を調整し、また必要に応じて変更を加え、交通機関や宿泊施設など、サービスを提供する専門事業者との交渉や指示を行うなど多岐にわたる。

    一方、こうした旅のあり方を世間に知ってもらうための啓発活動や介護旅行の普及促進にも努めてきた。

    ちょうどこのテーマに取り組み始めた頃、ある航空会社の経営者に「そういうの迷惑なんだよね」と言われたことがある。今から20年ほど前のことだ。一瞬、何を言われたのかわからず戸惑ったのを覚えている。

    現実、世の中にはどこへ行ってもこうした人の存在はある。世間の沈黙の中にもそうしたムードはある。原因は様々だと思うが本人や家族の中には、そうした冷たい空気を嫌いどこにも行かず閉じこもる人は少なくない。

    寝たきりと言われる人は、まずその人の気持ちを起こし、はじめて身体も起こすことができる。それが旅のはじめの一歩となる。

    さて、旅には「移動」を助けてくれる交通機関の存在が欠かせない。

    公的介護保険のスタートと同じ平成12年に施行された交通バリアフリー法は、航空、鉄道、バスなどのターミナルや車両などハード環境と接客を担当する人的サービスを格段に良くしてくれた。

    これは長距離移動を考える人の利便性を高め、しかも個別に移動するよりはるかに安くすむので助かる。最近は「格安」を売りにしている公共交通も増えたので、上手く組み合わせればお得な旅も実現できるようになった。

    しかし、安全で快適な旅のためには、まず自身にとって最適な交通手段を選ぶことが大事だろう。

    たとえば、障害のある人や健康に不安を抱えた人が、都市から片道200キロを越えるような地方へ行こうとするときに考えられる交通手段は、車ならば高速道を行くか、特急列車を使うか、それとも飛行機に乗るかなどの選択肢である。長旅には、本人の体力もさることながら、その間の介助者の健康への配慮も必要になる。安さというのは必ずしも最優先ではないのだ。身体の負担を軽くするというなら、ワゴンタイプのタクシーを貸切り、自宅まで迎えにきてくれるようにすれば楽に行ける。本人が座席シートへ移乗できるなら、背もたれをリクライニングしたり、フラットにしたりして寝ていくことも可能だ。

    一方、予算重視なら鉄道を利用すれば半額程度で済むこともある。障害者手帳を持つ人なら、介助者とも乗車運賃がそれぞれ半額に割引適用される区分もあるのでさらに費用をおさえることができる。旅先では地下鉄、路面電車なども気軽に使えるところが増えた。

    また、長距離バスの利用も検討したい。定期観光バスの中にはバリアフリー仕様のものが増え、路線バスならさらに費用はかなり抑えられる。

    都内で昨年導入の進んだUD(ユニバーサルデザイン)タクシーは、ゆったりとした空間が確保され、乗降時に使い易い手すりが装備されている。スライド式ドアが開閉するとステップが連動して用意されるなど、足元が不安な人にも安心して利用しやすい工夫が施されている。スロープ付きで車いす利用者への対応も可能だ。福祉目的の有償運送に限られる介護タクシーと違うのは、一般ユーザーに対応できるところだ。大きな荷物スペースが確保され、旅行で空港やターミナル駅まで行く家族連れやゴルフ仲間でチャーターする人など、さまざまな利用者に用途が広がっている。UDタクシーの運賃は、一般のタクシーと同じで国が定めた条件を充たせば補助金を活用できる仕組みになっているため、NPOなどで始める動きもある。

    また、ドライバーに対するUD研修も数多く実施されている。

    回転シートつきセダンの利用法や白杖を持つ人の乗降時の注意、高齢者疑似体験等を通してサービスの改善も行われている。さらに安全面での運転技能だけでなく礼儀作法を学ぶなど、乗客の快適さにも重視されているので、幼い子供を預けたいという母親も安心して使えるタクシーとして人気だ。

    新幹線には大人が横になる程の多目的に使える無料の個室があり、車いす利用者の他、子供の授乳や具合が悪くなった人の休息に使うこともできる。東海道新幹線や一部の新幹線では、あらかじめ予約でき、乗車の際に駅員が車両まで案内してくれるので助かる。

    しかし、その予約購入手続きについては問題がある。一般乗客では当たり前となっているネット予約が、車いす席の指定にはまだ対応できていない。その為に家族は何度も窓口を往復しなければならないでいる。

    障害者差別解消法ができたことからか、一部の旅行会社ではこの取扱いを代理するところが出てきたが、周囲の負担はまだ大きい。いずれチケットレスの時代が来るのだろうが、せめてそれまでの繋ぎに電話予約をみとめるなど柔軟に対応してほしいと思う。

    また超高齢者社会の到来により急速に増加している要介護高齢者の多くは、障害者手帳を持つ人と同じような身体状況にある。要介護者にもこうした割引制度を適用してほしいと思う。その為には、より多くの当事者や家族の声を事業者へ届くよう努める必要がある。

    日本航空や全日空など大手の航空会社では、障がいのある人や介助が必要な小さな子供、あるいは配慮が必要な妊婦など、さまざまなサポートを要する乗客に向けたサービスがあり専用デスクが設置されている。ここでは、そうした乗客の搭乗に関する疑問に答えてくれ、車いすの貸し出しや設備の説明も丁寧にしてくれる。

    車いす利用者の搭乗手続きは世界共通で、まずチェックインをした際に航空会社の車いすの貸し出しを受け、搭乗待合室で乗り捨てられるようになっている。希望すれば、自分の車いすを待合室まで使うこともできるので相談してみるといい。

    機内へ乗り込む際は係がついてくれ、優先搭乗や車いすのままで可能な移動ルートを案内してくれる。また、揺れる機内では、狭い通路で使える小さな車いすを用意してもらうこともできる。

    また、空港内のトイレや段差解消など、ここ数年ハードの整備は段階的に進められ、新しい施設はユニバーサルデザイン仕様が標準となった。また、航空会社では視覚、聴覚に障害をもつ乗客への接遇や介助訓練など、体系的なサービスシステムの構築も行なわれている。

    一方、空港整備が進んだことからLCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安運賃の航空会社が地方にも多く就航するようになった。しかし、障害のある人の利用には消極的な姿勢を感じる。LCCはとにかく安いのがウリなので、サービスはかなり削られていることから、自身のニーズに応じて慎重に選択したい。

    近年、日本には大型観光客船が多数就航するようになった。そのおかげで旅行価格が下がり、クルーズ客も増加している。クルーズは旅行期間が長く、高齢者の利用も多いことから、船内はユニバーサルデザインが多く取り入れられている。

    またスーツケースの他に福祉用具など運ぶ荷物が多くなる人にも、船旅ならいったん荷物を託送し預けてしまえば、客室まで運んでおいてくれるので身体一つで港に行くことができる。移動のたびに必要な荷造りの面倒もないので助かる。

    これから2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは、さらに新たなターミナルが整備され、地方も客船が寄港すると大きな経済効果を見込めるから誘致も盛んである。

    10万トンを越える超大型客船の就航により、車いす対応の客室数も増えた。また、コースによってはこれまでの5分の1くらいの価格になったこと、短い日数で選べるコースも増えたので、体力に不安のある人には身近で優しい船旅をすすめたい。超大型船は、動くホテルならぬ動く街のようだ。この時期に船旅へトライしてみる価値は大きいと思う。

    注意点として、寄港地の観光はグループ対応なので、団体行動に不安な人は個別の介護タクシー等を手配しておくと気兼ねがない。さらに屋形船や小さな観光船も車いす利用者を受け入れるところが増えたので、あきらめずに相談してほしい。

    海外では地中海クルーズやカリブ海クルーズなどの定番コースがある。歩くことに不安な高齢者の利用も多いことから、寄港地には数えきれないほどの車いすや電動のシニアカーが用意されている。東京五輪を機にそうした光景が日本でも珍しくなくなること期待する。

     宿泊サービスの利用は、今やネット予約が主流となり、「バリアフリー」「宿」などで検索すれば無数の旅館やホテルがリストアップされる。しかし、ここでは情報の質に問題がある。曖昧なワード検索から提供される情報は、ニーズに応じた提供がなされておらず、その信頼性には疑問が残る。

    また、高齢者から希望の多い温泉旅館等での入浴介助について、介助者は着衣でサービスを行うことから、大浴場の利用が条令で禁止されている地域もある。このような要望に対して、現在は風呂付の部屋を用意するか家族風呂を貸し切るなどで対応しているが、旅情を欠くという声もあり、他への配慮をしつつも可能な改善は地域に求めていきたいと思う。

    ホテル・旅館を所管する厚労省や国交省、観光庁では、高齢者・障害者の自立支援やユニバーサルツーリズムの推進としてさまざまな取り組みをしているが、情報提供においては未だに不十分との声がある。先日開かれたユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議では、あるべき姿の未来像について詳細に述べているが、その実行性に期待したい。

    旅人を助けてくれるのは、交通、宿泊、食事、観光施設など、各々の分野でサービスを専門的に提供するプロ集団である。それは、さまざまな独立機関の組み合わせで成りたつ分業と連携であり、それらは切れ目なく結ばれていることが重要となる。

    観光サービスにおいて、そうした役割を担うのは旅行会社であり、シームレスなサービスを質よくコーディネートし、旅先できちんと提供されるのを見届ける立場である。

    今や旅行予約の7割以上がインターネット経由の時代となり、窓口相談というスタイルはなくなりつつある中で、ネット情報は売り手の一方的な提供になりがちだ。

    利用する旅行者の求める期待とサービスを提供するものとの違いは、しばしば不幸な諍いを起こしてきた。情報への自由なアクセスは、さまざまな人の夢を叶えるための第一歩となったが、どんなに本人が願い情報が気軽に入手できるようになっても、障害のある旅行者の周囲でより質の高いサービスが実際に提供される環境が整わなければ叶わぬこともある。

    冒頭の航空会社の経営者の言葉は、これまでの公共交通が優先してきたことは何かを示している。しかし国民の四分の一が高齢者となり、障がいのある人を家族にもつ人があたり前となった今、どのような社会を残していくのか、その根源的な問題を合理的に解決すべき時期にきていると思う。

    (月刊ノーマライゼーション 旅に出かけよう~障害者の旅あれこれより)




    【篠塚恭一しのづか・きょういち プロフィール】
    1961年、千葉市生れ。91年株SPI設立代表取締役観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。95年に超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。06年、内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー外出支援専門員協会設立理事長。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。



  • 田中良紹:安倍総理がいる限り自民党への逆風は止まらない

    2017-07-04 14:32
    東京都議会議員選挙で安倍自民党は大惨敗を喫した。獲得議席数は第一党に躍り出た都民ファーストの会の半分以下、公明党と同数で共産党をやや上回る選挙結果は過去にはない負けっぷりである。

    二階自民党幹事長は「敗因を良く分析して」とおとぼけを言ったが、よく分析しなくとも敗因ははっきりしている。安倍総理が作り出した「情実政治」のなれの果てがこの選挙結果になった。

    強いものにはペコペコしながら弱いものは切り捨て、お友達を優遇する「政治の私物化」を隠蔽するため強権をふるう。それが「森友問題」を契機に国民の目にはっきり見えてきた。

    そもそも安倍政権が米国の要求に屈し2015年に集団的自衛権の行使容認を決めた時、私は「政権は地雷原に入った」とブログに書いた。地雷に触れずに通り抜けられるか、地雷に触れて自爆するか、危険な綱渡りが待っていると私は考えた。

    「世界の警察官」を続けられなくなった米国は日本の自衛隊に「テロとの戦い」を肩代わりさせ、また第二次朝鮮戦争にも出兵させようと考えてきたが、これまで日本は憲法を盾に言を左右にしてきた。しかし安倍政権は憲法解釈の変更によって要求を受け入れ米国を大いに喜ばせた。

    それは日本の軍事的経済的負担の増大を意味する。従って国民の理解を得なければならないが、安倍政権は理解させないまま決定を強行し国内を分断させた。強いものにはペコペコしながら弱いものは切り捨てる例の一つがこれである。

    幸い軍事的経済的負担を国民が実感する事態がまだないため、安倍政権は地雷に触れずに地雷原を進んできた。しかし今年2月に総理夫人が名誉校長を務める小学校に8億円の値引きで国有地が売却された「森友問題」が発覚し、私は安倍政権がついに地雷を踏んだと思った。

    国会で追及を受けた安倍総理は「妻も私も関わっていない。関わっていたら総理も国会議員も辞める」と明言し、財務省は交渉記録すべてを破棄したと答弁した。これが今回の選挙大敗のすべての出発点である。

    弱いものを切り捨てるのが身についているのか、安倍総理は仲間だったはずの森友学園前理事長を「トカゲのしっぽ切り」にする。「しっぽ」はやむなく捨て身の反撃に出た。昭恵夫人が値引き交渉に関与していた事実をはじめ、安倍総理が重用する稲田防衛大臣や憲法改正時のパートナーとなる日本維新の会について次々に暴露を始めた。

    口封じのためか検察を動かし逮捕させようとしているようだが、国有地売却に関わる案件を捜査すれば、財務省の内部にもメスが入ることになりかねず、検察は本命でない案件しか捜査していない。これでは前理事長が捜査に協力する限り検察が逮捕できるとは思えない。安倍政権はやっかいな「しっぽ」を敵にしてしまった。

    「森友問題」から目をそらすためか、安倍総理は3月に入ると急きょ予定になかった「共謀罪」の通常国会成立を急がせた。国論が二分する問題を次々に打ち出して時間を限って結論を出させるのは、ナチスが得意とした国民に考える暇を与えない手法である。5月に「憲法改正」を急がせる方針を打ち出したのも同様である。

    こうして目をそらすための無理をしてきたが、しかし「森友問題」は終わらない。そのうちに「第二の森友」と呼ばれる「加計問題」の追及が始まった。こちらは資料をすべて破棄した財務省とは対照的に文科省の中から資料が出てきた。それは霞が関の官僚機構に官邸や内閣府に対する不満のマグマが充満していることを物語る。

    さらに読売新聞と官邸が連動して文科省の前事務次官の人格攻撃を行ったことで、権力に追随するメディアの問題もクローズアップさせた。一般紙に対抗心を燃やす週刊誌が一斉に安倍政権批判を過熱させたのは読売報道を見たからである。それが都議選を前に盛り上がった。

    そして安倍総理のお気に入り稲田防衛大臣が選挙の応援演説で法律違反と思われる問題発言を行う。普通の国なら即刻罷免になるケースだと思うが、不思議なのは安倍総理はそれをしない。あくまでも「お友達」や「妻」など自分の周辺は守ろうとする。それを世間では「情実」と言って「不公平」の極みと考えるが、安倍総理にはそれが分からないのである。

    そして今回の選挙を象徴したのは最終日の秋葉原での安倍総理の街頭演説であった。「共謀罪」の強行可決以来支持率が下がり、野次を恐れてか屋内だけで応援演説を行っていた安倍総理が街頭演説を行うかどうかに注目が集まっていた。演説の予定が決まるとネット上で話題となり安倍総理を批判する人たちが会場に集まった。

    そこには森友学園の前理事長夫妻も訪れ、安倍総理に「うそつき」、「辞めろ」の声を上げた。批判派のブーイングに安倍総理は色をなして反発する。「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫ぶのを聞いて、この人には自分が国家の代表である「総理」である意識より「お友達」や「味方」を優遇する「情実」の人であることを痛感した。

    しかし翌日の選挙で自民党は「負けた」。獲得した候補者の票数は都民ファーストのほぼ半分であるおよそ120万票、前回選挙より40万票以上減らした。ちなみに公明党も共産党も前回選挙よりそれぞれ9万票と16万票増やしている。

    公明党は今回都民ファーストと選挙協力を行ったが、これまでの創価学会のやり方から言えば自民党にもこっそり票を流していたはずである。それでも全面的な協力がないと自民党は選挙に強くないことが証明された。この結果を見れば自民党は次の国政選挙を考え公明党に頭が上がらなくなる。

    安倍政権の政権運営はこれまで通りにはいかなくなる。野党の要求を飲んで国会を開かなければならなくなったし、憲法改正に至る日程も変更を余儀なくされる。「安倍らしさ」を封印しないと何もやれなくなることは間違いない。

    内閣改造で再浮上を図ると言われているが、人事は間違えれば逆に力をそぐことにもなる。それでなくとも自民党内の反安倍勢力がものを言いやすい状況になったことから全体への目配りが必要だ。

    「安倍らしさ」を封印しなければならないのであれば、むしろ自民党はリーダーを交代させることを考えた方が良いかもしれない。昔の自民党なら知恵者がそのようなシナリオを書いたと思う。この選挙結果にはそれだけの重みがある。




    ■《丁酉田中塾》のお知らせ(7月25日 19時〜)

    田中良紹塾長が主宰する《丁酉田中塾》が7月25日(火)に開催されることになりました。詳細は下記の通りとなりますので、ぜひご参加下さい!

    【日時】
    2017年7月25日(火) 19時〜 (開場18時30分)

    【会場】
    第1部:スター貸会議室 四谷第1(19時〜21時)
    東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル 302号室
    http://www.kaigishitsu.jp/room_yotsuya.shtml
    ※第1部終了後、田中良紹塾長も交えて近隣の居酒屋で懇親会を行います。

    【参加費】
    第1部:1500円
    ※セミナー形式。19時〜21時まで。

    懇親会:4000円程度
    ※近隣の居酒屋で田中塾長を交えて行います。

    【アクセス】
    JR中央線・総武線「四谷駅」四谷口 徒歩1分
    東京メトロ「四ツ谷駅」徒歩1分

    【申し込み方法】
    下記URLから必要事項にご記入の上、お申し込み下さい。
    http://bit.ly/129Kwbp
    (記入に不足がある場合、正しく受け付けることができない場合がありますので、ご注意下さい)


    【関連記事】
    ■田中良紹『国会探検』 過去記事一覧
    http://ch.nicovideo.jp/search/国会探検?type=article

    <田中良紹(たなか・よしつぐ)プロフィール>
     1945 年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同 年(株)東京放送(TBS)入社。ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、 警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。1990 年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

     TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。主な著書に「メディア裏支配─語られざる巨大メディアの暗闘史」(2005/講談社)「裏支配─いま明かされる田中角栄の真実」(2005/講談社)など。

  • 田中良紹:読売新聞は「週刊文春」報道にどう応えるのか

    2017-06-03 17:00
    加計学園の認可問題を巡り、文科省が安倍官邸から圧力を受けていたことを明らかにした前川喜平前事務次官の告発に対し、安倍官邸は前川氏が「歌舞伎町の出会い系バー」に通っていたことを読売新聞に書かせそれを反撃の切り札にした。

    前川氏の身の下問題を暴露する人格攻撃で前川証言の信ぴょう性を疑わせようとしたのである。この手の人格攻撃は権力の常套手段だが、リーク先に選ばれるのは通常「週刊文春」か「週刊新潮」である。それが今回は読売新聞という一般紙にリークされた。ニュースとは言えないゴシップが一般紙の社会面を飾ったのはおそらく初めてのケースである。

    極めて珍しいケースだけにまず私はどういう事情で安倍官邸が読売に書かせたのか、その裏舞台を探れば安倍政権の置かれている現状が明らかになると思った。そして同時に驚かされたのが菅官房長官の記者会見である。

    薄ら笑いを浮かべながら「教育行政のトップが出会い系バーに行き小遣いまで与えていたことに、国民のみなさんもそうでしょうが極めて違和感を感ずる」と発言した。私はかつて中曽根内閣時代に後藤田官房長官の番記者をやった経験がある。その経験からしてこの記者会見に極めて強い違和感を覚えた。

    官房長官とは総理大臣を支える女房役であると同時に霞が関の行政機構を統括する内閣の要である。米国で言えば副大統領と大統領報道官を合わせたような重要な役職を担う。身の下問題を暴露して相手を攻撃するような下賤の仕事はしない。

    後藤田官房長官は中曽根総理が米国の要請を受けペルシャ湾に日本の海上自衛隊を派遣し機雷掃海に従事させようとしたとき、身を挺して派遣に反対し中曽根総理を翻意させたことがある。官房長官はただの総理の使い走りではなく国家の命運を総理と同等のレベルで考える人間なのである。

    ところが菅官房長官は安倍総理の「お友達への特別待遇」に疑惑が生じているとき、その疑惑にまともに応えようとせず、まるで総理の使い走りであるかのように低レベルの身の下攻撃を鬼の首を取ったかのように会見で語った。

    その姿に私は菅官房長官の人間としての浅ましさ、同時に官房長官という役職にある者の発言とは思えない違和感を覚えた。政治未熟児の安倍総理とは異なり、これまで何度もまともな判断を下してきたと思っていただけに、この会見で私の菅官房長官に対する評価は一変した。この程度の人間が官房長官の地位にあることに国家の行く末が案じられる。

    私は前川前事務次官の「出会い系バー通い」が身の下問題であったとしても、それで今回の告発が信用に値しないことにはならないと考えていた。ところが1日発売の「週刊文春」が「出会い系バー」の女性に取材したインタビュー記事を掲載した。それを読むとこれは全く身の下問題ではない。

    記者会見で前川氏は「出会い系バー」に行った理由を若者の貧困問題に対する関心からだと語り、それを大方の人間は「ふざけるな」と疑っていたわけだが、記事は前川氏の発言を裏付けている。前川氏に相談していた女性は「前川氏によって救われた」と語り、女性の両親も前川氏がこの問題で攻撃を受けていることに同情しているというのである。

    記事の通りならそれはむしろ美談である。決して菅官房長官が勘ぐる汚らしい話ではない。記事の裏付けが取れれば菅官房長官は不明を愧じ前川氏に謝罪しなければならない話だと思う。記者会見であれだけのことを言ったのだから菅官房長官は当然裏付けを取り、適切な対応をすべきである。

    そして官房長官以上に問題なのは社会面で大きく報じた読売新聞である。読売の社会部といえば昔は一目置かれる存在だった。前川氏が通う歌舞伎町の「出会い系バー」を取材したのであれば当然「週刊文春」が取材した女性を取材しているはずである。前川氏と最も関係のあった女性に取材もしないで新聞社が記事を書くはずはないからだ。

    取材をしていながら読売新聞が「週刊文春」が書いた内容を記事にしなかったのはなぜか。結果として読売新聞と「週刊文春」とではまるで印象が異なる。「週刊文春」が事実と異なる印象操作をしているのか、それとも読売新聞が印象操作をしているのか、その黒白をつけてもらいたい。そうでないと国民はフェイクニュースに迷惑させられる。

    もし仮にその女性に取材しないまま記事にしたというのなら新聞として大問題である。「週刊新潮」は官邸から読売にリークがあったと報じているが、それなら読売新聞は官邸の言う通りにフェイクニュースを掲載したことになる。

    読売新聞が自らを「社会の公器」と位置付けているのであればその経緯を国民に説明する義務がある。それが出来なければ「社会の公器」をやめて読売新聞はイエロー・ペーパーを自認することだ。

    安倍総理はまだこの問題で自分が「印象操作」されていると被害者面で強弁している。しかし「週刊文春」の記事の通りならを前川氏こそ「印象操作」の被害者である。前川氏に対する「印象操作」を行ったのは誰か。勝手に読売がやったと言うつもりか。

    菅官房長官は杉田和博内閣官房副長官が前川氏に「出会い系バー通い」を厳重注意したと語っている。つまり警察出身の官房副長官は以前から「出会い系バー通い」を知っていた。ありうるのはやはり官邸による「印象操作」である。その頂点がいかにも嬉しそうに前川氏を批判した菅官房長官の記者会見だ。

    これらすべては「週刊文春」の記事に誤りがない前提での話である。読売新聞を使って「印象操作」をやってしまったばっかりに「週刊文春」も「週刊新潮」もこの問題では官邸に冷ややかである。官邸はこれからどう対応していくのだろうか。まさか「共謀罪」をちらつかせて週刊誌を委縮させようとはしないだろうね。




    ■《丁酉田中塾》のお知らせ(7月25日 19時〜)

    田中良紹塾長が主宰する《丁酉田中塾》が7月25日(火)に開催されることになりました。詳細は下記の通りとなりますので、ぜひご参加下さい!

    【日時】
    2017年7月25日(火) 19時〜 (開場18時30分)

    【会場】
    第1部:スター貸会議室 四谷第1(19時〜21時)
    東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル 302号室
    http://www.kaigishitsu.jp/room_yotsuya.shtml
    ※第1部終了後、田中良紹塾長も交えて近隣の居酒屋で懇親会を行います。

    【参加費】
    第1部:1500円
    ※セミナー形式。19時〜21時まで。

    懇親会:4000円程度
    ※近隣の居酒屋で田中塾長を交えて行います。

    【アクセス】
    JR中央線・総武線「四谷駅」四谷口 徒歩1分
    東京メトロ「四ツ谷駅」徒歩1分

    【申し込み方法】
    下記URLから必要事項にご記入の上、お申し込み下さい。
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    http://ch.nicovideo.jp/search/国会探検?type=article

    <田中良紹(たなか・よしつぐ)プロフィール>
     1945 年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同 年(株)東京放送(TBS)入社。ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、 警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。1990 年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

     TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。主な著書に「メディア裏支配─語られざる巨大メディアの暗闘史」(2005/講談社)「裏支配─いま明かされる田中角栄の真実」(2005/講談社)など。