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篠塚恭一:情報へのアクセス向上で本人が介護旅行を計画する時代に──街へ出よう(35)
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篠塚恭一:情報へのアクセス向上で本人が介護旅行を計画する時代に──街へ出よう(35)

2017-03-27 10:39
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    介護現場には「本当は〇〇したい」と願うお年寄りと、「本当はさせてあげたい」と願う介護職であふれている…これは私が高齢者施設で暮らす方のところへ出入りするようになって実感したことです。サービスの現場にいる方の思いはたくさんあるのに、それが実現されていないのは、「ただ思っている」だけでどうしていいかの道筋がわからず、制度や規則に縛られているためと思い込んでいるためではないかと思うことがあります。その結果、お墓参りのようなお年寄りなら当たり前にしたいこと、できることまで、本人もそのまわりの人々も互いに諦めてしまっているのではないでしょうか。

    それでも中には希望を叶えて、旅を実現する人たちもいます。そうした人はどんな方かと言うと、行きたいという願いの強い人です。ご本人はさることながら、その傍には愛情深くその心情を察する力を持ちあわせた家族の方や、職業スキルの高いケアマネージャーや相談員といった専門職で行動力のある方がおられる場合が多いです。

    ところが最近、その様子が少し変わってきて、私は時代や社会環境に大きな変化が起きはじめていることを実感するようになりました。介護旅行の相談にくる方や内容の照会を求める方に変化が生じているのです。

    例えば、これまでは家族や熱心なケアマネからの相談が主でしたが、ここ5年程は成年後見人からの相談が増えました。核家族化がすすんだことから一人暮らしのお年よりや家族関係に悩まされている方、障がいを持つ方などに対してさまざまなサポートをしてくれる後見制度ですが、弁護士や会計士など資産管理をする士業の方とは別に、身上監護などの生活面を支援してくれるソーシャルワーカーや市民後見人のような方が増え、善意の第三者を通した相談が多くなりました。

    また、同じ専門職でも作業療法士や理学療法士など、病後のリハビリを担当する医療職がトラベルヘルパーに関心をよせてくれるようになりました。動機を聞くと「自分たちが担当した患者さんが、リハビリで回復したあとのことが知りたい」と言います。病気以前の生活に戻れたとしても、その習慣が悪ければ再び病院へ戻ってきてしまうのを残念に思う医療職の方の声で、行政担当者も同様に心配していたことを思い出しました。

    さらに驚くのは、ここ2年で介護を必要とするご本人からの相談が増えたことです。おそらく団塊世代と呼ばれる方から少し上の世代の中の「ネットシニア」という層で、こうした方はパソコンを自由に操り、自分の欲しい情報に容易にアクセスすることができるため、そういった方々からメールで直接相談を持ち込まれるようになってきました。

    どんなに本人が願っていても、周囲の環境が整わなければ叶わないことはあります。また、願う気持ちは同じでも、行動に移す強い気持ちになるには様々な方の事例を知ることが後押しになることもあります。情報への自由なアクセスは、さまざまな夢を叶えるための第一歩なのかもしれません。


    【篠塚恭一しのづか・きょういち プロフィール】
    1961年、千葉市生れ。91年株SPI設立代表取締役観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。95年に超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。06年、内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー外出支援専門員協会設立理事長。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。



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