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ブロマガ

  • 劣化する人:その19(1,703字)

    劣化する人が問題になるのは、格差社会の拡大につながるからだ。 ぼくは、今の最大の社会問題は「格差」だと考える。そしてぼくは、たいていの社会問題は容認できるが、格差についてだけは、なかなか容認できない。だから、これを是正するに越したことはない――と考えている。 そうして、ぼくを含めた今を生きる全ての人にとって、「格差是正に取り組むこと」こそ、最大の社会貢献だと考える。また、人は社会貢献をしないと生きていけない。だから、格差是正は、もはや現代を生きる人にとって「義務」といってもいいだろう。 そうなったとき、我々は何をすべきか? 格差是正の一番の方法は何か? それは、格差上位の者が、格差下位の者に正道を「教える」ということである。まず、彼らの誤りを正してやることだ。 その際、知的能力のない人は、ほとんど問題がない。誤りを教えればその通り、改正してくれるからだ。 逆に問題となるのが「若いときには知的能力を発揮していたが、40歳以降にそれができなくなり、格差社会の下位に落ちてしまう人」である。つまり「劣化する人」だ。 なぜ問題かというと、彼らはなまじっか若い頃に成功している分、他人...

    22時間前

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  • 石原莞爾と東條英機:その44(2,107字)

    石原莞爾はスイスから帰国した直後、仙台の歩兵第四連隊長に着任する。これは、心身の疲れから引退を申し出た石原を引きとどめるため、陸軍上層部が用意したポストだった。石原の故郷である山形に近い地で、石原の好きな歩兵たちとの仕事だ。そこで心身の疲れを癒してほしいという狙いがあった。 ここから分かるのは、このときの陸軍上層部は石原に対して破格の扱いをしていたということだ。それは、満州事変の成功を評価してのものだ。満州事変と満州国の成立は、陸軍としても強く望んでいた、心から嬉しいできごとだった。それを主導してくれた石原に対する感謝の気持ちもあって、この人事になった。 また、陸軍上層部は石原の「好み」もよく分かっていた。普通のエリートなら田舎の連隊長など絶対に望まない。もし配置されたら、「自分は左遷された」と大いに嘆くところだろう。 しかし石原は、陸軍に入ってから除隊するまで、一貫して出世を望まなかった。それよりも、歩兵たちの間近にいて、彼らを助けることが最大の望みだった。 だから石原としても、この配置をとても喜んだ。もしかしたら、石原自身が上層部に対し、陸軍に残る条件としてこのポストを...

    2日前

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  • 庭について:その73(1,728字)

    偕楽園は水戸藩の第九代藩主徳川斉昭が、1833年に作ったものだ。つまり、江戸の末期である。 斉昭は、優秀な政治家であり、またカリスマ性の強い思想家だった。世の中を良くしようと、徳川家の内側からいろんな改革を実行した。ちなみに、徳川最後の将軍徳川慶喜は、彼の実子である。 斉昭は、気性が激しいことから烈公と呼ばれた。彼は、祖先でもある水戸光圀が創始した水戸学の強く信奉していた。そうしてこれを、日本中に広めた。 するとそれは、多くの若者に影響を与え、後に明治維新が起こったり、あるいは教育勅語が起こったりすることのバックボーンともなった。その意味で、斉昭は日本近代化の陰のキーマンともいえる。 「水戸学」とは、端的にいうと「日本主義」だ。日本という「国(国体)」がとても重要で、何ごともこれを中心に考えなければならない――そういう思想である。 これの最大の特徴は、日本という存在を徳川や天皇よりも上に置いていることだ。まず日本がだいじで、そのために徳川はもちろん、天皇も貢献しなければならない――そういう考えである。 これは、江戸時代には直感的に理解しがたい概念だった。だから斉昭は、必然的に教育...

    5日前

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  • 1994:その11(1,790字)

    1994年の男女関係、男女交際はどうだったのか? 男女の恋愛が大きく変化し始めたのは1980年代に入ってからで、柳沢きみおの『翔んだカップル』に、その傾向が象徴的に見られる。若者が恋愛に悩み、新たな形を模索し始めたのだ。 それまでの恋愛は、面白いことに型が決まっていた。だから、新たな形を模索するということがなかった。決められた形の中で、どう上手くこなすかという勝負だった。 『愛と誠』というマンガがあるが、これがまさに人々の間に共有されている理想とされた型をとことん追求するという話だった。 ただし、この頃からすでに型の崩壊の予兆はあった。それが崩壊しかかり、風前の灯火だからこそ、惜しみ、残そうとする気持ちが、人々の間にあった。 だから、それを愚直に追求する『愛と誠』がヒットしたのだ。この作品は、1973年から1976年まで連載されている。まさに「70年代」を代表する作品だ。それに対して『翔んだカップル』は、1978年から1981年の連載である。『愛と誠』の次の時代だ。 だからこの作品は、最初は前時代の恋愛観から抜け出せない主人公2人の戸惑いが描かれる。そうして次第に新しい恋愛観を模索するようになり、...

    6日前

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  • [Q&A]なぜSNSへの不適切な投稿で仕事をクビになったりする人がいるのでしょうか?(1,830字)

    [質問] 教員をやっています。3名で担当する授業があり、3年目にして意見の違いがだんだん出てくるようになりました。統一した方法性は取りづらい芸術系の科目なので、仕方がありません。美術や音楽や身体表現を総合的に表現する科目なのです。それぞれの専門性が違うので、自分の専門に触れる領域に入ると、この表現は許せない、というものが出てきやすいのです。 しかし、意見の違いとは別の人の授業批判につながる要素を持っているので、そう穏やかではありません。意見が食い違うと言うのは、それぞれが自分の意見を言えるという意味ではいいのでしょうが、この3人には、誰かが中心になって進めていくリーダーがいません。対等に意見を言わないと進められない、ストレスを誰かが溜める、ということになるからです。 ハックルさんは、複数名で進めていくプロジェクトについてどのようなお考えをお持ちでしょうか? 教えて下さい。 [回答] ぼくは子供の頃から非合理的なことに絶えられないので、他人を慮ることはできますが、無駄だと思うことは絶対にできません。それで、ぼくだったら最初に「せめて役割分担を決めよう。そうしないとケンカになる」と提...

    1週間前

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2014/01/30 11:01

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