• このエントリーをはてなブックマークに追加

【ご注意】このチャンネルは、現在新規入会を受け付けておりません。

  • 【週刊奥村vol.282】旅行に行く前にガイドブックを読んで現地の下調べをする。

    2018-10-19 14:00

     あー。普通、旅行に行く前にガイドブックを読んで、
    現地の下調べをする。ごく一般的な行為だ。だけども正直言って、現在、本屋に並んでいるガイドブックって、ほとんどロクなもんじゃないなあ。特に国内旅行!! 画一的すぎてゲンナリするぜ。読者対象は20~40代のOL、もしくは、ちょっと裕福なオッサン&オバハン向け、この2種類しかねえの。だから前者だとスイーツとグルメでほとんどのページが埋められてるし、後者だと隠れ家リゾートみたいなバカ高い宿ばっかり紹介されてたりする。……なんだかなあ。文章だって紋切り型でつまらねえし、なんか読んでてバカにされてるような気さえしてくるもんな。

     たとえば『地球の歩き方』的な、現地の細かいゲリラ的な情報がビッシリ載っててもいいと思うし、その地方の歴史的な解説をマニアックに載せまくってもいいんじゃないだろうか。さすがに現在のガイドブック事情はひどすぎる。たぶん地元のミニコミ誌とかだと、面白い記事が載ってたりするんだろうけど、東京じゃ手に入らないからなあ。せっかく『ブラタモリ』みてえな、ウルトラマニアックな番組が支持されてんだからさあ、もうちっと何とかならんもんかね。……んじゃ、また来週!!
  • 【週刊奥村vol.281】阪神の最下位が確定し、金本監督の辞任が発表された。

    2018-10-12 15:30

     あー。阪神の最下位が確定し、金本監督の辞任が発表された。
    あー、やっぱりなあ……って感じだなあ。金本監督ってえのは、故星野仙一氏の系譜を継ぐ人で、現役時代から“兄貴”と呼ばれたリーダーシップに溢れた努力家でストイックな人物である。だもんで就任時、阪神ファンは大いに期待し、俺も期待した。1年目は2軍で埋もれていた選手を抜擢し、2年目はその選手たちと新たに入団した連中をビシバシ鍛えまくって、3年目の今年は、広島をブチ抜いて優勝や~……ってコトになるはずだった。

     ところが、まさかの最下位。その原因は新外国人が不発、ベンチワークの甘さ、ケガ人が多く出た等、いろいろ言われてるけど、“鍛えまくったはずの若手がたいして活躍しなかった”ってえのが間違いなく最大の理由なんじゃねえかな。

     俺がシーズン通して気になっていたのは、若い選手たちが大事なシーンになればなるほど、ベンチをチラチラ見まくってたコトだ。例えば塁上にランナーが溜まり、長打力のある打者に回ってきた局面で、ベンチを気にする必要なんかねえじゃん、思いっきり振ってスタンドに放り込んだらいいの。ベンチなんざ見てねえで、ピッチャーを睨み付けなきゃダメなの。なんでベンチのサインというか、顔色ばっかり見てんだよ、って何度も思った。そりゃ打てねえわ。

     たぶん失敗して怒られるのが怖かったんだろうな。おそらく親からもロクに怒られてなかった選手だって、そんなに珍しくないんじゃないか。「ベンチなんて知るけえ、俺が一発決めたるわい」なんて選手が出て来たら、金本監督は大喜びしただろうな。でもいねえの。そんなヤツ。だって怒られたコトねえんだもん。迫力満点の監督に怒られるのが怖いんだもん。

     これは阪神タイガースという狭い世界だけで起きている現象ではない。日本の社会全体で起きている。それはスポーツ業界全体で起こっているドタバタ、会社で頻発しているパワハラ騒動とすべて根っこは同じだ。怒っちゃダメなんだな。もう組織内に、親分もオヤジも兄貴もいらねえのだ。いいも悪いもねえの。もう、そうなっちまったんだ。それが現実。……んじゃ、また来週!!
     
  • 【週刊奥村vol.280】俺と上川端君

    2018-10-05 15:30

     あー。
    さっき古巣である秋田書店の新社長である樋口さんから電話がかかってきた。

    「あ、どーも! 社長ぉー!!」「うるさいよ!!」てな会話で始まって用件を聞いてみたら、上川端 通(かみかわばたとおる)のコミックスを電子化したいという。上川端……か、どーも懐かしい名前が出たもんだ。たぶんこれを読んでて彼の名前を知ってる人は、ほとんどいねえんじゃねえかな。

     彼は俺が秋田書店時代に月刊チャンピオンで担当した漫画家である。俺と同い年で、出会った頃(30年ほど前)は、お互い20代で生意気全開の頃だ。他誌の読み切りで発表されたアホみたいな短編を読んでいて彼に注目していた俺は、偶然、チャンピオンに投稿されてきた彼の原稿を発見したのだ!! 狂喜した俺は迷うことなく更にアホみたいな漫画の連載を彼に要求し、出来たのは『Jr.WARS』と『よおっ!日本一シリーズ』という2作。内容は長くなるのでいちいち説明しないが、いずれも熱くて、アナーキーで、アホ丸出しの怪作であった。だけどもその2作は全く売れなかった。なにしろ時代はトレンディードラマ全盛の時代である。冷静に考えると、くだらねえOLのどうでもいいラブストーリーが流行ってるなかで、そんなモンが売れる余地は、これっぽっちも無かったのだ。内容的には2人とも自信満々だったけど、マーケティング的な思考は、見事にゼロだったんだわ、俺。(いまだにそうかもしれない……)

     その後、俺と上川端君は『怒神』という連載を開始したけど、タイトルが問題視され、すぐに打ち切られた。その後、俺はアスキーに移籍し、彼はマンガから足を洗って実家の博多にあるハンコ屋を継いだ。そしてそのまま彼とは音信不通になったんだ。まあ、住む世界が変わると、そうなっちまうんだよなあ。

     話は戻って秋田書店の樋口さんは、彼の2冊の単行本を電子化したいという。んで、許可をとる為に彼の現在の連絡先を教えてくれということだった。もちろん俺は現在の連絡先は知らない、だけど、彼の本名とハンコ屋の所在地は知っているので、それを教えたのよ。お店が潰れてなきゃ、それですぐにわかるはずだからな。

     20分後、樋口さんから再び電話。
    「彼、7年前に亡くなったんだって」
    ……そうか、そういやアイツ、血圧メチャクチャ高くて太ってたから、「そんなんじゃ長生きできねーから、これ飲め!」つって黒酢の一升瓶渡したっけなあ。電話にはカミさんが出たそうなので、ちゃんと所帯持ってたんだな。子供はいたんだろうか……いろんなことが頭を駆け巡ったけど、そんなことはわからない。今度、博多に行く機会があったら、線香の1本でもあげに行って、周りの人に聞いてみようと思う。……んじゃ、また来週。