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再掲「HERO」木村拓哉・八嶋智人・勝矢くん2014/08/04@CX
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再掲「HERO」木村拓哉・八嶋智人・勝矢くん2014/08/04@CX

2016-10-26 14:10

    2014/08/04

    7:25PM

    「HERO」を観た、とても面白かった。
    エンドロールを見ていて気がついた。
    この番組のレギュラー出演者3人と企画者が僕のプロデュース舞台の出演者&演出家だった。
    木村拓哉くん→「聖闘士星矢」出演@青山劇場1991、
    八嶋智人くん→「武器屋2」→出演@青山円形劇場1996、
    勝矢(敬称略ゴメン)→出演「エア・ギア」@スペースゼロ2007、
    企画の鈴木吉弘さん→「ダクト」脚本・演出@青山円形劇場1995。

    アニメの縁だ。
    不思議だった。
    世の中的にはそんなことはいくらでもあることだろうと思う、
    ただしその世界で仕事してきた人ならだ。
    僕はアニメが好きでエンタメの世界に入りプロデューサーとして働いている、
    だからこの「HERO」のようなゴールデンのど真ん中のTVドラマには縁が無い世界にいる、
    それがエンドロールに4人も一緒に仕事した人がいて、
    しかもその4人全員との仕事がいわばアニメ世界の舞台化だというのは、
    気がついてみてちょっとこれは僕以外の人でこんなことはあまりないのではないか、
    と思ってその気分を記録することにした。

    注釈しないとわからないだろうタイトルを解説すると
    「武器屋2」は「装甲騎兵ボトムズ」の舞台化といってよく、
    「装甲騎兵ボトムズ」監督の高橋良輔さんに、
    僕が優れたアニメの演出家は表現手段が変わっても優れた演出家であるはずだ、
    といって舞台化とその演出をお願いし良輔さんが引き受けてくれて実現した。
    ただし正式に舞台化の許諾を取ろうとすると面倒なのでタイトルを使わずに
    中身もちょっとひねって作った作品だった。
    だが初演は良輔さんには納得が行かなかったみたいで、
    再演を逆にお願いされた。
    再演では良輔さんが俳優は演技の面白い人がいい、言ったので、
    八嶋くんに出演をお願いし、再演のその舞台を見て、
    カムカムミニキーナをたくさん観ていてうまいとは思っていたけど、
    こんなほんとになんでもできる役者だったんだ、スゲー、って改めて思った。
    この舞台が縁でその後、何本か僕の関係するアニメ作品に声優として出てもらった。
    僕としては「装甲騎兵ボトムズ」が好きだったので
    初演の「武器屋」があり、その再演で高橋さん納得の舞台ができてハッピーだった。
    アニメを好きで観ていた作品の舞台化をしたいと思って実現した小さな舞台だった。

    「ダクト」は上記の舞台よりも、もう少し事情がある。
    鈴木さんはCXの編成部のバリバリのプロデューサーで僕とは
    なん作品かアニメシリーズを一緒に作った。
    その彼が作りたいと言ってできたのがこの舞台で、
    話は「宇宙戦艦ヤマト」の第3艦橋と本艦を繋ぐダクトの中の物語だ。
    なんでと思う人がほとんどだと思うのだけど、
    ヤマトのTVシリーズではファーストヤマトの話だけど、
    かなりな話数の中でヤマトの艦底に取ってつけたような形で取り付けてある第3艦橋は
    敵の攻撃でほとんどいつも壊されてしまい爆発して終わっていた。
    でも次の話数になるといつも必ず第3艦橋はきちんと当初のデザイン通り
    艦底に勇姿を表すというパターンだった。
    巨大ロボットものでは定番のこの作りもヤマトではあってならないという、
    こんなのないよね派、と、
    あれは次の放送話までの間にヤマト修理班が
    決死の作業をして元通りの形と機能を回復させているという、
    のが鈴木説で圧倒的少数派だった。
    そんな議論も楽しい会話なのだが、
    鈴木さんは本気でその説を証明するといってこの舞台になった。
    なんと飛ぶ鳥落とす勢いの当時のCX編成マンのこのオタク度は、
    ヤマトファンを自認していた僕としては絶対に世の中にきちんと送り出さなければいけない、
    と真剣に思い舞台化に踏み切った。
    良輔さんと同様に吉弘さんも優れたTV局の編成企画マンであり、
    プロデューサーとしても数々のヒット作を持っているとても優秀なクリエーターだった。
    その人が脚本を書き演出をしたら、結果やはりとても面白い舞台ができた。


    「聖闘士星矢」「エア・ギア」は言うまでもなく人気漫画からアニメ化され舞台化に繋がった作品だ。
    木村拓哉くんも八嶋智人くんも舞台を一緒に作らなければわからない才能だった。
    顔の作りと姿かたちこそちょっと違うけど、二人とも天才俳優だ。

    木村くんは稽古場からなんでも出来た、
    そんなの器用な人なら出来ると思う人もいるかもしれないけど、
    器用でできるレベルとは全く違うレベルで
    悪役のカッコよさを作り上げた。
    ダークサイドヒーローが立たなければ正義のヒーローも存在意義が薄れ物語は面白くならない。
    これを分かっていたのかもしれない、
    でも僕が、彼がそのことをわかっている、と気がついたのは舞台が終わって何年も経ってからだった。
    彼は、稽古場で自分の役を早く仕上げ、この舞台の面白さを引き出そうとしてくれたのだろうと思う。
    セリフはすぐ入れてくる、
    歌もミュージカルの歌は彼がいつも歌っている歌とは違うのに歌えた、
    演技も全くあっという間に演出家の要求は飲み込んでしまう、
    ジャズダンスは経験がないはずなのにジャズの振り付けを形にする、
    瞬く間にに奥行きの深いポセイドンになりきった。
    デビュー前の19歳の誠実な集中力と天性の表現力に感心した。

    八嶋くんは、「武器屋2」のステージ上に置かれた黒板に、
    フジテレビマークに似たあの全国共通の怪しいマークを、
    マークに全く関係ないその場面に必要な、
    例えばxの2乗+yの3乗に○○×○○÷2、×○○/○○○といったような
    複雑な公式や計算式をセリフにして口で語りながら、
    手は白墨を握り黒板にそのマークを書きなぐり、
    平気でそのマークに見入ると言う神業を見せてくれた、驚いた。
    観客席は騒然となった。
    稽古場では確かに演出家が俳優にアドリブありの場面として稽古していたのだけど、
    こんなアドリブ、舞台空間は台本に沿った進行をしているので、アドリブというのかすら不明だが、
    常識を超越した演技、天才の成せる技だった。

    勝矢は、ミュージカル「エア・ギア」では、
    初めは怖いけど後に主人公側になる原作キャラクターを、ド迫力のコワモテで演じてくれた。
    こんな怖い顔出来る人は世の中にそうはいない、と思う反面、
    いつもオートバイで通っていたのであまり付き合ってくれなかったけど、
    たまに飲みに行くと、なんであの顔ができるんだろうと思うくらい優しい人だった。
    ただし、それまでの彼は、主なフィールドのVシネで怖いお兄さんばっかりを演じていた。
    その彼が守衛役で見せる優しい顔、
    お菓子をもらって喜ぶ顔は多分演技じゃないんじゃないかと思うくらい、
    守衛役の見た目のど迫力と表情の落差をドラマの味に効かせるなんて、
    さすが吉弘さん、オタクの天才、常識でキャスティングしない、
    演技する方もそこに持ってくる方も凄い。
    どんな使われ方でもいい、勝矢をこうした表通りの看板番組で観れるのはとっても嬉しい。

    アニメと言う共通項が「HERO」の4人にあるなんて面白いと思ったのは僕だけかもしれない。
    まぁーいいか、たったひとりでも、
    僕がただのアニメのファンだった頃の話がいまできたんだから、
    4人とフジテレビに感謝しよう。

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