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  • 小飼弾の論弾 #87 「日本の科学研究衰退と、幼児型セックスロボットの是非」

    2018-10-17 07:0021時間前
    216pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年6月19日(火)配信の「小飼弾の論弾」の後半をお届けします。

    次回のニコ生配信は、2018年10月23日(火)20:00からの「小飼弾の論弾」です。

    お楽しみに!

    2018/06/19配信のハイライト(その2)

    • 科学研究衰退という日本の縮図
    • ケイ素生物絶滅のお知らせとSF
    • 小児性愛とセックスロボット
    • アインシュタインと東洋人差別
    • 何かを疎かにしてない自覚がない愛は軽い

    科学研究衰退という日本の縮図

    山路:じゃあ、さっき言った科学技術の話ですね。日本の科学研究というのが随分衰退しているっていうことが散々言われているんですけれども、それがこの白書で正式に書かれ、それを閣議決定されたというニュースが出てます。読むと、「科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱まっているとする2018年版の科学技術白書を閣議決定した」

    小飼:閣議決定したと、はい。

    山路:これ散々前から言われていたことで、最近だと『Nature』でしたっけ、『Nature』でわざわざ日本の科学技術大丈夫かよみたいな特集まで組まれてた。これ今更閣議決定で、この白書を出すっていうのも……

    小飼:それで国としてこういった施策というのは失敗でしたみたいな振り返りはあるの? 確かひたすら現場の人を責めてなかったっけな?

    山路:「白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府に十分な投資や若手研究者が腰を据えて研究に取り組める環境の整備などを求める」くらいですかね、ここで記事に書かれてるのは。

    小飼:いやあの、こういうのも何だけども、圧倒的な失敗というのは法的研究機関の大学とかも含めた独立行政法人化でしょう。もう目に見えるじゃん。目に見えるじゃん。

    山路:あれはなんで、あれを決めてしまったんでしょうね? というところはあるんですけど。その行政法人化、独立行政法人化。

    小飼:実はアメリカには国立大学というのはないんですね。公立で1番パイがデカいというのは、州立大学までで。

    山路:ああそうなんですか。

    小飼:はい。それでご存知の通り米国というのは、私高公低、私学大学のほうが公立大学よりも強いんですね。

    山路:スタンフォードとかハーバードとか。

    小飼:はい。ハーバードに至っては米国の歴史よりも長いんですから。どっちがもう偉いかといったら、もう自明なわけです。ケンブリッジというと、たぶん日本ではイギリスのほうばっかり知られてると思うんですけども、米国のケンブリッジにもハーバードとMITがあるので、こっちも同じくらい有名で、今やこっちのほう、そう米国のケンブリッジのほうが英国のケンブリッジよりも重要かもしれない。

    山路:えー(笑)。

    小飼:たぶんそういうのを見てて思ったんでしょうね。日本もそうしなきゃと。でも日本には州なんかないからどうしたらいいか。そうかじゃあ今の国立大学、国立研究機関というのを私学化しようと、そういう浅はかな考えの元に話を進めたんでしょうね。でもその米国ですら、国立大学はなくても国立研究所というのはれっきとしてあるわけですよね。1番デカくて有名なところとだと、NIH(National Institutes of Health、アメリカ国立衛生研究所)とかね。
     医療研究の中では最も重要な研究機関というのは、もうMayo Clinicとか、あと各大学でも頑張ってますけども、何といっても大事なのはNIHですよね。伝染病とかの対策のCDC(Centers for Disease Control and Prevention、アメリカ疾病管理予防センター)というのも当然、これも国立です。
     だから大事なものというのは、連邦政府が連邦政府の金でやってたんですよ。

    山路:なんか見る所が、見誤ったということなんですかね? 日本の大学改革において。

    小飼:大学改革っていうのはもうやめましょう。大学改悪と言いましょう、それは。日本はしくじったの、でっかくしくじったの! これは個人的な感想を言うと、福一の事故(福島第一原子力発電所事故)よりもでかい、人災としては。独立行政法人化というのはでかい。本当に誰得な世界ですよ。

    山路:これ、しかも若手技術者とかが随分困ってるっていうことは、そこから復活していくのっていうのは、どんどん難しくなりますよね。1回人口減少したところで、また人口増やすのが難しいみたいなもので。

    小飼:そうそう。だからあれは本当に取り返しのつかないことをしてしまったレベルなんじゃないですかね。しかもまだそのことを率直に認めてれば、今後はそれを直すためにっていう施策も出しやすいんですけども、未だに、未だに! でしょう。未だにひたすら現場を責めてるわけですよ。

    山路:うん。これなんか日刊工業新聞がすごい気楽な社説を書いてましたね。「研究に限らず何事にも世界にチャレンジする意識を植え付けることが重要ではないだろうか」とアハハ、現場のチャレンジ精神が足らんと言ってますけどね……

    小飼:でもこういうのも何ですけども、研究者というのはもし自分の研究が正しくなかったら、その証拠を見せられたら、間違ってましたって言うのは義務ですよね。義務ですし、それが研究者の倫理なんですよ。少なくとも独立行政法人化が失敗だったというのは、どこのどんな統計を見てもそうだって言い切れるだけの証拠が集まってるわけですよね。

    山路:『Nature』で特集組まれるわけですからね。白書が出る前に『Nature』が出たっていうのは、『Nature』の影響で結局白書を閣議決定することになったんじゃないかみたいな。

    小飼:ご愁傷様です。だからまず、現場ではなくって、トップがあの時の決断は間違ってましたって言うのは、そこからですよね。

    山路:謝らないですよね。日本の政治家は。

    小飼:それを謝らない限りはどんどん下がり続けます。はい。僕が断言するまでもない、それは(笑)。

    山路:ここで現場というか、何か出来ることはないんですか。そういう大学に関わる研究者とかができる、この場で出来ることっていうのは、もうないんですかね、こういうふうにここまで進んじゃうと。

    小飼:いやでも、こういうのも何ですけれども、科学や技術の素晴らしい点というのは、一度それがもたらされたら、その御利益というのは一国にとどまらないんですよね。だから例え自分の国でなくても、業績をあげればそれはちゃんと日本のためにもなるわけです。

    山路:もう外へ行けと。アハハ。外の大学にちゃんと行って研究しろよという。これ、それにしてもなんか現場、ひどい環境でよくみんな文句も言わずに……

    小飼:それがいけなかったの、それがいけなかったの! もし現場の人たちに唯一悪い点があるとしたら、ちゃんと上にNoを言わなかった。「こんなんやってられるか!」って言わなかったことなの。

    山路:ストライキとか、デモ行進なり。

    小飼:そう! いやだからストライキやってもいいんですよ。だからそうやってストライキやった結果、実験で使ってたペトリ皿の中身が全滅してたとかいうのも、いいんですよ。でもそこまでの犠牲を払う覚悟がありましたか。

    山路:やっぱり目の前の職とか失うと怖いですもんね。

    小飼:あるいは目の前の研究ですよね。特に生物系とかだと1日温度管理に失敗したら、全部が吹っ飛んじゃう可能性というのはあったわけですよね。

    山路:ある意味そういう人の良さ、真面目さにつけ込まれちゃったみたいな。

    小飼:そうなんですよ。だから強いて悪いところがって言いましたけども、でもそんなところまで気にかけるのは、研究者じゃないよねっていうのはこれまた一理あることなんですよね。だからこそ、そういった人たちのおさんどんに相当する人たちが面倒見てあげなければいけないんですけども、こういうのも何ですけど、すごい強引な例えなのを承知で言うと、研究者というのは部活動に打ち込んでいる「子供」なんですね。「子供」なんですよね!

    山路:確かに例えが(笑)。

    小飼:そう、だから彼らの弁当を作ったりとかですとか、そういった仕事まで彼らにさせるというのは、あんまり誰も得しないですよね。

    山路:ただでさえ、事務処理に今追われてたりとかもするみたいな。

    小飼:そうそう。

    山路:研究できなくて困ってるみたいな、そこでさらに政治活動までやるっていうのは大変な負担ではありますね。

    小飼:そう、だからこう言うのも何だけれども、特別な子供たちなんですよ。なんですけれども、普通の大人として扱っちゃったんですよね。だから、すごい扱い方を間違えた(笑)。

    山路:日本って、あらゆる人に、あらゆる能力を求める嫌いがありますよね。研究者でもマネジメントをして、その事務処理までして、研究もやって教育もやってみたいな。

    小飼:そうそう、極論してしまうと、研究員だった頃というのは、財布を一切見たことがないとか、買い物を一切したことがないっていうのは、僕はそれはそれでいいと思う。数学者とかけっこうそういう人たちいるから、うん。

    山路:アハハ。神永正博先生とか珍しいほうですよね。

    小飼:珍しいほうです。だからあそこまで。でも神永先生は元日立の社員でもありますからね。

    山路:確かに民間出身でもあるから。にしてもそうか、皆ストライキをしなかったから……

    小飼:これ逆説的なんですけど、じゃあなんでそういう風になったかっていったら、日本では秘書に相当する仕事、職業のreputationというのが全然高くないんですよね。だから研究に打ち込めるのも才能だったら、その研究員たちに雑務を気にさせないというのも、これまた才能なんですよ。そっちのほうをどういうふうに評価したかっていったら、日本はただの雑務係として、はい。

    山路:秘書としてキャリアアップするみたいなやつがないですもんね。

    小飼:そうです。だから実は本当によくできた秘書というのは、本当に有り難い存在で、はい。

    山路:そういうバックオフィス的なところを評価するとか、きちんとそういうスタッフ部門を評価するみたいな仕組みっていうのは、日本の会社にも大学にもないような気がしますよね。

    小飼:いやあ、だからそうそう、その結果が書類改ざんですよ。そういうことなんですよ。裏方を舐めるっていうのはそういうことなんですよ。

    山路:なるほどね。いやしかしここで大学の話聞くと、暗い結論にいつもなりますよね、どよーんみたいな。

    小飼:うん、だけども、あれもまた日本の縮図なんですよね。明らかに上が間違っているので、上が間違いを認めることもせず、交代もせず居座って、下を責め続けるというのは、だからそれもまた日本の縮図なんですよ。だから、こう言うのも何ですけれども、まず「隗より始めろ」ではないですけども、まず大学の低下傾向というのをキチッと止めて、とりあえず逆転させられたら、日本もついてくるんじゃないかなという希望はある。

     
  • 小飼弾の論弾 #86 「仕事をしてない日本のサイバーセキュリティ当局と、儲からないPCビジネス」

    2018-10-12 07:00
    216pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年6月19日(火)配信の「小飼弾の論弾」の前半をお届けします。

    次回のニコ生配信は、2018年10月23日(火)20:00からの「小飼弾の論弾」です。

    お楽しみに!

    2018/06/19配信のハイライト(その1)

    • オリンピックと地震と本棚
    • Coinhiveと日本の曖昧な警察
    • App Storeの中ではAppleが神
    • 小学生向けパソコンと超絶儲からないPCビジネス
    • 今ごろ大学入試科目として数学を追加?

    オリンピックと地震と本棚

    山路:今知ったんですけど、今日は8時45分からサッカーワールドカップの日本戦があるという(笑)。

    小飼:すごい裏番組だな。

    山路:すごい裏番組、まあ私達のほうが裏番組なんですけどもね(笑)。
     これは私達も負けられない戦いになってきましたね。

    小飼:何とどう戦えと?

    山路:アイスランドは、アイスランド戦があった時に、アイスランドのTVの視聴率が99.6%だったんでしたっけ?

    小飼:まあでも人口35万人のところだからね、そもそもそういったところでまともに視聴率を測ってたっていうのが、ちょっとビックリだよね。

    山路:いやいやちょっとこれを見て下さる人は本当にありがたいけど、なんか8時45分くらいになったらガタッと人が減るのかもしないと思って、ちょっと戦々恐々ですけどもね。
     このワールドカップ繋がりというわけでもないんですけど、東京では今度2020年に……

    小飼:うえー。

    山路:まあ弾さんの嫌いなやつ、来るじゃないですか。来るじゃないですかというより、やるじゃないですか。

    小飼:もう今からでも遅くないからさ、やめようよもう。

    山路:なんか弾さんの声も弱々しくなってきますよね、2020年が近づくと。それで東京五輪、その祝日に関しても新しいことがまた決まったみたいで。

    小飼:というのかさ、こんなあからさまに祝日とか動かすっていうのはさ、あくまでも東京オリンピックでしょう。日本オリンピックじゃなくて。なんで他の日本の都市の皆さんがねえ、巻き添えを食わなければいけないんですか?
     いや本当、長野オリンピックの時だって、あくまでも長野市のオリンピックで、他の部分というのは、もう「ふーん」という感じでしたからね、確か。日本で最近の、直近のオリンピックっていうと、たぶん長野になると思うんですけど。

    山路:それにしてもこれって、まあいちおう法律決めて、別の日から祝日を移動させてくるんですよね、えらいちょっとアクロバティックなことをするなと思ったんですけど。なんかこの日だけ休みにするとか……

    小飼:まあこの年だけということですかね。

    山路:まあ弾さん的にはそもそもやめてほしいわけだから(笑)、祝日云々の問題ではないという顔をしてますけどもね。

    小飼:うん。いやだから帰還中に、この間の大阪みたいな地震がきたらどういうことになるんでしょうね。

    山路:ただ、あらゆるイベントについてそのリスクはあるわけですからねえ。

    小飼:いやでもそうなったらそうなったで、もう率直にいって今のオリンピックというのは、主にTVに対するネタ出しですから、ネタが出来ていいということになっちゃうのかもしれない。まあでもスポンサーの皆さんどうするんでしょうね。

    「弾さんのところ地震、本棚は地震大丈夫ですか?」(コメント)

    小飼:東日本大震災の時も、この建物、ビルディングにいたんですよね。なんですけども、アパートメントが変わったんで、だから厳密に正確な比較はできないんですけども、その時は本棚は無事でした。全然問題なかった。

    山路:本とかも落ちなかった?

    小飼:全然落ちなかった。むしろ問題があったのは、キャスターに乗せてたTVですとか、あとペンダントライトね、ペンダントライトが天井にバーンと当たりましたね。ブンブン振れて。

    山路:高層階ってかなり揺れるんですよね。

    小飼:周期がゆっくりになりますね。大きくは揺れるんだけども。その分ゆっくりになるので、ガタガタは揺れないんですよ。

    山路:遊園地のこういうバイキングみたいな。

    小飼:そうそう。

    山路:酔いました? ちなみに。

    小飼:酔いはしなかったな。下から見てると、大体水平方向に2mくらい、こういうふうに動いていたみたいですけど。
     僕がいたわけではないんですけども、録画している人がいましたね。

    山路:こわっ! そうでしたか。

    小飼:まあでも下でガタガタ揺れるよりも、安全っちゃあ安全なんですけどもね。

    山路:ガラスとか落ちてこない分、確かにそれは。

    小飼:エレベーターは地震の直後だけ、止めたというよりも、止めてましたね。まぁでもすぐ再開しましたけどね。

    山路:「建物補修したのかな?」とかって書いてますね。

    小飼:えーとですね、これが地震のおかげで壊れた後だというのは、共有部分のレベルではなかったですね。

    山路:すごいなんか、えらい丈夫ですね。

    小飼:個人所有の部分では、さっきも言ったようにペンダントライトが揺れて、天井にぶち当たったとか、あとグラスが倒れて割れたみたいなのはいくつかあったみたいです。

    山路:いやいやまあそれはでも大した被害でなくて、良かったですね。

    小飼:はい。

    Coinhiveと日本の曖昧な警察

    山路:Coinhiveに行く前に、IT絡みっていうことで、このレシート換金アプリ。ちょっとお金繋がりといえば、お金繋がりなんですけど。これは要はそのレシートを撮影して送ると、1枚10円でしたっけ? 10円で買い取るよと。

    小飼:皆さんホント、自分の時間が安いのね。

    山路:買い取りのレシートが24万枚超集まって、想定の200倍から400倍の、それで一旦サービスは休止に追い込まれたということなんですね。そのサービスは再開したんですけども、今度はそのDMMオートというところと連携した形でサービスが再開され、ガソリンスタンドのレシートを1枚数十円で買い取るんだけど、レシートの内容は使わない。要はキャンペーンみたいなものとして、復活したという。

    小飼:意味がわからないな。

    山路:まあこのレシート換金アプリで、すごく世間的に話題になったところに、DMMが乗っかってきて、その話題をちょっと利用させてもらおうとしたという感じなんですかね。外から見ると、そんな感じなんですけど。

    小飼:うーん。いや、こういうのも何ですけれども、ホントに、だから何? ぐらいの感想しか、今の段階では出ませんね。やっぱり有料と無料の閾値というのはかなり大きくて。ゼロ円と1円の差というのは、多分1円と100円以上にあるのかなというふうに思いましたね。だから10円でもそれだけレシートをSubmitするやつが出てきたということは。

    山路:しかも最初の段階でも、1日に買い取るレシートの枚数というのは、けっこう上限があって、それこそ10枚だったかな。だから頑張ってもそんな1日100円とか、数百円レベルにしかならん………

    小飼:いやだから、何をしたかったの? そのレシートを10円で買い取りますっていった人は?

    山路:その人は、要は購買行動の調査みたいな、そういうデータとして使いたかったみたいですけどもね。

    小飼:だから10円出すから、私の恥ずかしい記録を見せろと。

    山路:そういうことですね。

    小飼:たった10円で私の恥ずかしい記録を見せろと。

    山路:これを開発したのが、高校生で。いろいろフィンテックアプリとかを開発している高校生で、何回かもうすでにそういうアプリとかを作っている人らしいんですけども。そういうチャレンジングなところっていうのは褒めるべきだみたいな、そういう話もあったりしますけども。

    小飼:まあ高校生のやっていることなので、少なくとも法的責任は取れっていうのは言い難いよね。逆に言えばそれが今の所、免責事項になっているわけだよね。いやだからそういうクソみたいなビジネスモデルでも、高校生がやっているからということで許されているっていうことはあるわけだよね。

    山路:高校生とはいってもある程度、キチンとした枠組みを備えたサービスとしては始めているわけだから、周り、まったくの1人ではなくて、助言してくれる人とかはいなかったのかなと思うんですけれどもね。

    小飼:え? なんで助言する義理があるの?

    山路:いやそれはそうなんだけども(笑)。

    小飼:その助言というのは、プロフェッショナルなものだと、コンサルテーションというふうに呼ばれまして。コンサルテーションというのは当然お金がかかります。だからこういうのも何だけれども、逆にどのように助言してやろうと言ったら、それこそ下心ありありなんじゃないの?

    山路:なるほどね。

    小飼:はい、DMMの中の人みたいに。
     そうよ、だからもし助言が欲しいのであれば、だからちゃんと正当な対価を払った上で、やればいいんですよ。僕もあっちこっちからそうやって、お金を払った上で意見を出して下さいというのは、いくつも例はありますし。はっきり言ってニコ生よりはいいビジネスです。そっちのほうはもっとはっきり言うと。

    山路:でもその高校生もかなりそれで学ぶところ、結局学ぶところ、大人のビジネスのやり方みたいなところを学ぶところが多かったのかなとか思ったりもしますよね。

    小飼:いやわかんない。それはもうそれこそ、その高校生が将来、本当にビジネスに当てるかどうかにかかっているでしょう。

    山路:わかりました。じゃあお金繋がりで、今日小特集の第1弾ということで、Coinhiveなんですけれども。要は仮想通貨のマイニングをサイトを閲覧した人に、仮想通貨のマイニングをさせるJavaScriptをサイトに埋め込んで、それを見た人は………

    小飼:あれ最初に見た時に、上手いこと考えるなって思ったのと同時に、懐かしいなとも思いました。

    山路:懐かしいとは?

    小飼:要はユーザーが今使っていないCPUの資源をなんらかの形で借りてしまおうというコンセプトそのものが懐かしいと思いました。山路さんはSETI@homeって覚えてます?

    山路:はい、宇宙人、えーと宇宙人といったらいけないのかな? 「知的生命体からの信号を見つけよう」というプロジェクトですよね。

    小飼:要は天文台で受信した電波の記録というのは、それだけ見てもなんもわかりませんから。当然解析にかけなきゃいけないわけですよね。その解析をやるためには、けっこうなコンピューティングパワーが必要んだけれども、わりと分散化しやすかった。

    山路:「今もやってるんだって」みたいなコメントが。

    小飼:今もやってると思いますよ。その時はどうやったかというと、スクリーンセーバーが動いている時に、そのスクリーンセーバーが信号データを処理して返すという。

    山路:最初それを見た知った時は、相当頭のいいやり方だと思いましたけどね。

    小飼:すごいジーニアスだなと。

    山路:確かSETIのプログラムは、あとで今現在やってるかどうか知らんけど、タンパク質の構造解析みたいなものとか。

    小飼:そうそう、それはもう本当に実利が発生しますよね。

    山路:これでも最近あんまり聞かなくなってましたよね。そういう分散的にやらせるっていうのは。

    小飼:まあ理由はいくつかあると思います。やっぱりデータを細切れにして、各自に送って、処理された結果というのを受け取ってというのは、やっぱりかなりのオーバーヘッドなんですよね。

    山路:そもそも分割するというところで、相当いろいろ処理が発生する。

    小飼:はい。あとプロテイン・フォールディングの場合は、明らかにこれご利益があるわけですよ。それで新薬ができるかもしれない。その時の財産配分をどうするべきかっていうのも、見切り発車みたいなところというのもあったわけです。

    山路:まだ地球外生命体探しだと金にならなくてもあれだけど、実際に金になるものだと、どういうふうに配分するか。

    小飼:後もう1つは、そういうことをしなくても、実際にクラウド・コンピューティングとかで、明示的にコンピューター資源を好きなだけオンデマンドで借りてくるというのが楽になったということもありますよね。だからわざわざ他のユーザーの使われているか使われてないかのわかんないのにも、データを送りつけて、しかもまだ未処理のデータが残っているうちに終了されたり、再起動されちゃったりというのもあるわけですよね。
     だから当然そういったことが起きた場合にはどうするかというのも、加味してやる必要がありますよね、そういったものというのは。

    山路:スパコン借りる方が手っ取り早いようなところとかも。

    小飼:手っ取り早く、まさにそういうことなんですよ。だから仮想通貨を掘るというのは、これは中々頭がいいなと。

    山路:しかもタスクを分散しやすいというか、分けやすい。

    小飼:タスクを分散しやすい。

    山路:それでこの人達もCoinhiveのやつを仕掛ける、仕掛けるというかサイトに設置することで、なんらかの収益が得られるんじゃないかということで設置して、結局そこのところで警察に事情を聞かれるようになり……ということなんですけれども、これって、すごく素人的な感覚としては、え? そんなことで一々、警察いきなり来るのか? みたいな唐突感があったんですけれども。

    小飼:まあ唐突感がありましたね。まず具体的にどんな被害があるのかというのが、すごいわかりづらいですよね。今どきのブラウザというのはよくできていて、例えばあるタブで使われているオーバーレイジが100%になっても、例えばここでタブを切り替えた場合というのは、それの実行優先順位を下げちゃうんですね。要はそういった一杯計算させるようなページがあったとしても、人間の体感のほうが重要ですから、そうだから人間のアテンションが必要なイベントが発生したら、そっちを優先しようと。OS自体もそういう設計にはなってはいるんですけども。
     ブラウザの場合、そこはさらに良く出来てるっていうことがあります。要はブラウザというのは、別にCoinhiveに限らずに、今まで様々な攻撃を受けてきたわけですよ。今も受け続けているわけですよ。ちょっとやそっと攻撃されたからといって、パカっと落ちちゃったら、ユーザーが使ってくれなくなっちゃうわけですよ。今ブラウザを使ってくれないというのは、OSメーカーにとって死活問題ですから、だからその辺のところというのは、バンバン対策されてますし、それをくぐり抜けてみつかったものは片っ端から直されているわけですよね。

    山路:ほほう、じゃCoinhiveのヤツを作ったヤツっていうのは、けっこう大したものですか?

    小飼:いやCoinhiveのプログラムを作った人が、大したことじゃないんです。ブラウザを作った人が大したことなんですよ。

    山路:それをつまりくぐり抜けて、抜けてきたわけじゃないですか。

    小飼:抜けてきてないの!

     
  • 小飼弾の論弾 #85 「死刑制度は絶対に廃止してはいけない」

    2018-10-05 07:00
    216pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年7月17日(月)配信の「小飼弾の論弾」の後半をお届けします。

    次回のニコ生配信は、2018年10月9日(火)20:00からの「小飼弾の論弾」です。
    テーマは、「国境はなぜなくならないか?」。

    お楽しみに!

    2018/07/17配信のハイライト(その2)

    • オウム真理教の幹部死刑執行と、死刑制度の是非
    • 新しいMacBook Proの話
    • Appleの独占禁止法違反の疑い解消
    • Gmailの内容は、第三者に読まれている?
    • 自動車の補助輪で発電して、仮想通貨マイニング?
    • 1年間で1人当たり142冊の本を読む小学校の方法、アリ?ナシ?

    オウム真理教の幹部死刑執行と、