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小飼弾の論弾 #230 「年収200万円で豊かに暮らすために本当に必要なこと、Web3の次はWeb5?AIに感情がある可能性と、文明崩壊後のOS」
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小飼弾の論弾 #230 「年収200万円で豊かに暮らすために本当に必要なこと、Web3の次はWeb5?AIに感情がある可能性と、文明崩壊後のOS」

2022-06-28 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2022年06月21日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2022年07月05日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2022/06/21配信のハイライト

    • IE終了とブラウザの歴史、「Microsoftの支配」について
    • 「文明崩壊後のOS」とリボール、非集権という試み
    • 「ブロックチェーンと公文書」と「我々は知性というものを認識できるのか」
    • 「円安のこれから」と「日本はイタリアよりも落ちる?」
    • 年俸200万円と「とにかく金よこせ、ぐらいでいい」
    • 「物価高のこれから」と「年俸200万円の人に足りないもの」

    IE終了とブラウザの歴史、「Microsoftの支配」について

    山路:早速、今日ちょっとIT系のニュース多いんですけれども、一番まあ軽いっちゃあ軽くもないのかっていうのが、

    小飼:軽いというのか、ゼロというのか、21グラムになったお話ですね、これは。

    山路:(笑)えっと、これはIEのサポート終了ということなんですけど、

    小飼:Internet Explorerがついにご臨終されたという、

    山路:これ、サポートの終了の影響って弾さん、ありました?

    小飼:えーと僕はですね、早速自分がメンテしてるライブラリの一つを、IE、unsupportedにしました。

    山路:それは単純に訪れてきた人のブラウザのバージョンをチェックして動かないようにするみたいな?

    小飼:というのではなくてですね、実は僕の書いてるライブラリの一つというのは、BigInterger、BigIntを使わないとすごい使いづらいライブラリなんですね。まあ要は、組み合わせを扱うライブラリなんですけど、一応GitHubのリンクを出しときます、

    山路:ちなみにBigIntっていうのはその数の型なんですよね?

    小飼:そうですね、

    山路:数値型の一つということなんですよね、

    小飼:数値型の一つだけれども、要するにいくらでも大きな数字が、メモリのもつ限りね。たとえば、もう1000の階乗とかっていうのもパッと出せるわけですよ。

    山路:弾さんが今打ってるのはプログラムなんですか?

    小飼:プログラムではなくて単なるリンクです。

    山路:ああ、びっくりした(笑)。今書いてるかと思いましたよ、検証するやつを。そのBigIntって、今ではもう普通の、そのプログラミング言語では普通になってる?

    小飼:えーと、というのでもちょっとなくって。たとえば、CですとかRustですとかSwiftですとか、そういった言語というのはまあCPUが直接サポートしている、まあ大抵まあ64ビットまでなんですけどね。なんですけれども、このところ多くのスクリプト言語、RubyにしろPythonにしろ、要は整数はいくらでも大きくできるというのが、標準でついてたりしますね。で、JavaScriptにも乗ったわけです。JavaScriptの場合、たとえばTwitterの発言IDが64ビット必要になったんだけれども、かつてJavaScriptっていうのは、もう浮動小数点しかなかったので、マックスでも53ビットまでしか扱えなかったですね。

    山路:53ビットで扱えるツイートの、それを超えるっていうのも大したもんですよね(笑)。

    小飼:大したもんです。

    山路:すごいな、53ビットで足らない、あ、何かリンク出た、

    小飼:興味がある方はちょっと見てみてください。

    山路:これっていうのはつまり、最近のものでないと動かない、最近のブラウザでないと、

    小飼:最近とは言っても、Safariが対応したのが確か2つか3つ前なので、もうずいぶん標準に加わってからは経ってるんですけども、でもInternet Explorerはもう11の段階で、もうこれ以上の機能の追加はしないっていうふうに言ってたんで、絶対にサポートされないというのも決まってたわけですね。今までは、けっこう苦労してBigIntがない場合にはこうします、ある場合にはああしますっていうふうに言ってたんですけども、BigIntがあるということを決め打ちにできるおかげで、戻り値の型が常に一緒になると。そのほうがまあ、ご利益が大きいと。

    山路:変な分岐をしなくてもよくなった、

    小飼:そうそうそう、余計な分岐が不要になったということですね。

    「ECMAScriptスクリプトになったの?」(コメント)

    小飼:この場合どういう意味でおっしゃってるのかわかんないけれども、まあ具体的に言うと、ES2020以降ということになりますね。サポートの対象が。

    山路:けっこうJavaScriptというか、ECMAScriptと言えばいいんですか、頻繁に言語仕様を、

    小飼:再び変わるようになりましたね。IEの余命宣告宣言が出てから、むしろ速くなりましたね(笑)。

    山路:もう気にしなくてよくなったっていうことでもあるわけか、

    小飼:けっこう大きい一方、でも今や実装のバリエーションが少なすぎて、本当にJavaScriptの異なるエンジンというと、もうあとはFirefoxについてるmozjsだけになっちゃいましたね、事実上は。あ、まあでもあれか、AppleのやってるJavaScriptCoreはけっこう変わってるのか、V8とは。3種類ですかね。

    山路:Internet Explorerって、一番最初、最初っていうのはNetscapeの何て言うのか、コードを使ってたんでしたっけ、IEの2ぐらいまで、

    小飼:その前のご先祖ご先祖としても、NSCA Mosaicというのがありますね(笑)。

    山路:大学の、

    小飼:そうそう、そこのMosaicを開発した大学院生のマーク・アンドリーセンは今ではもうベンチャーキャピタルやってますけど、

    山路:今Web3の人になってるんでしたっけ(笑)?

    小飼:うん(笑)。

    山路:長いよな、あの人も(笑)。マーク・アンドリーセンもね。これ、IEの4のときって、すごいいろいろ変わったじゃないですか。それこそ、

    小飼:昔過ぎて、どうだったか、でもけっこうでかかったのは、Macの標準ブラウザがIE5になった時と、IE6が出た時かな、やっぱこの辺のところがなんかIEがブイブイ言わせてた頃で。

    山路:IE4の時って、確かWindowsで言うと、ファイル管理とブラウザが一体化していったんですよね。

    小飼:あー、なんかWindowsのほうのバージョンでいうと98とか、その辺だったかな、も、

    山路:そうですね、そんな、95のもしかしたら、OSRとかなんか、ぐらいで、だったかもしれない、

    小飼:ちなみに始めの、Windows95の、すっぴんのWindows95にはTCP/IPのサポートというのは付いてませんでした、後付けだったんです。

    山路:Windows Plus(編注:「Microsoft Plus!」の言い間違い )で追加するみたいな感じでしたもんね。

    小飼:僕、出た当日にトリセツ上げました。まあ当時、僕は流しのインターネットプロバイダーの、

    山路:請負人、

    小飼:そうそう、ビルダーをやってたんですけれども。もう皆さん、ダイヤルアップでピーヒャラやってた頃ですね。

    山路:その時に、それこそWindows Explorerのほうに、URLを入れると普通にそれもつながり、ファイルを入れると、ブラウザのほうにファイルをやるとファイルも扱えるみたいな感じで、どんどん統合されてって、結局それが独禁法、マイクロソフトのやつに、

    小飼:そうそう、変なURLを入れるとクラッシュしてたというね(笑)、

    山路:これって今ってその、もうあんまりWindowsとブラウザの統合みたいなこと、言わなくなったじゃないですか。

    小飼:なりましたね。

    山路:だけど、じつはこのIE4でやって、独禁法に問われたことって、どのOSでも、もう普通にやってませんかと、ある意味、

    小飼:普通にやってるどころか、モバイルはもっとひどいよね。だって、

    山路:ディープリンク?

    小飼:iPhoneなんてノーチョイスだよ。だって、iPhone用にも、Chromeという名のブラウザは出てます、Firefoxという名前のブラウザも出てます、Operaという名前のブラウザも出てます、でももう中身は全部、

    山路:Webkit、

    小飼:Apple製のエンジンしか使えない。

    山路:いやしかし、本当に改めて見直すと、Internet Explorerでのこの独禁法はなんだったんだっていう(笑)、あれはどう思いました、今からしてみたら、ぜんぜん意味のなかった裁判なんですかね、あれは。

    小飼:どうだったんでしょうね。いや、当時独禁法で全く刺さなければ、どうなってたんでしょうね。その後、じゃあ仮にMicrosoftがネットにアクセスする時の標準手段になったとしましょう。そのままのMicrosoftはユーザーデータの取り扱いまできちっと面倒見れるようになっただろうか。要はMicrosoftにGmailやiCloudを提供するだけの、

    山路:汎用的な技術にならなかったかもしれない、

    小飼:いや、汎用的な、違うの、そこじゃないの。

    山路:そこじゃない?

    小飼:そこじゃないの。だから、あくまでもIEというのはプログラムの支配のわけね、プログラムの独占なわけ。ユーザーデータじゃないの。ユーザーデータはあくまでも、IEが支配してた頃というのは、

    山路:クラウドのほうには行かなかったかもしれないっていうことなわけですね。

    小飼:そう。いやだから、当時のMicrosoftは覚えてます、Hotmailとかも買って、いちおう、インターネットプロバイダーの真似事はしてたわけですよね、

    山路:全然流行らなかったですよね(笑)、笑っちゃうぐらい、

    小飼:The Microsoft Networkもやってて、ぜんぜんイケてなかったですよね、というのか、本当にスパムの温床になってましたよね。いや、おもちゃというのか、もうなんと言えばいいのかな、使い捨てメアドの代名詞だった、

    山路:Hotmailが(笑)、

    小飼:そうそう、Webメールというのを、まともなメール環境にしたのは、もうこれはGmailの功績ですから。でも、そのGmailからなんですよ、あのユーザーデータに対する緩い支配が。緩いけれども、簡単に抜けられない支配が始まったというのは。
     というのも、ネットのおよそありとあらゆる場所で、もうIDイコールメールアドレスなわけでしょ。っていうことは、一番使い勝手のいいメールアドレスを押さえてるところというのが、やっぱ圧倒的に強いわけですよ。

    山路:Gmailやって、しかもそれをGoogleアカウントとして使うようになってってという流れがあるわけですもんね。

    小飼:そうそうそう。

    山路:最初はなんかこう、Gmailとだけ言ってただけですもんね、それがいつの間にか、Googleの他のサービスのほうにも使われるようになり、

    小飼:そうそう、それでAppleのほうはAppleのほうで、iCloudでユーザーデータというのを囲っちゃってるわけですよね。

    山路:そうか、そこで単純にプログラムからもう本当にユーザーデータっていうところにゲームチェンジが起こったわけなんだ。

    小飼:単なる、あ、単なるって言っちゃうと申し訳ないですけれども、Eメールの内容ですとか、そうですよ、あなたのお読みのエロ本ですとか、そういったデータだけではなくて、今や金銭データまでこっちに来てるわけですよ。一番クリティカルな金銭データですとか、あるいは健康データまで預かるようになってるわけです。Microsoftはそこまでいけただろうか。そういうことをやるセンスというのは、少なくとも当時のMicrosoftにはなかったね。

    山路:スティーブ・バルマーの、前かな、後かな、

    小飼:だから、いくら説明しても、わかんないんだ、伝わらないんだっていうのがガンガン伝わってきましたからね(笑)、この人にはもう何を言っても無駄なのだと(笑)。本当にぎりぎりのタイミングでサティアに変わったっていうのは。ただそのサティア時代になっても、あくまでもcontender(競争者)なんですよね。

    山路:しかしこれ、Microsoftの話とかを別の角度から見ると、ある程度デカくなり過ぎたところで、とりあえず横やりが入って、なんかこうちょっと勢いが衰えたから技術革新が起こったとも言えるんですか、それは言い過ぎ?

    小飼:どうなんだろな、やっぱりね、何で逆転、フリップが起こったかって言ったら、やっぱこれですよ。(iPhoneを見せながら)これが一番でかい。ほんとにMicrosoftが支配できたのは(パソコンを見せながら)ここまでだったんですよね。それがこうなった。この違いがやっぱりものすごいデカかった。

    山路:これって、弾さんはiPhoneがここまで支配した一番の理由はやっぱりUIだと思います? その内部的な、その技術的なものの優位性なのか、それともこういうUIの、UXの優れたところなのか。

    小飼:まぁUI、UXっていうふうな抽象的な言い方じゃなくて、やっぱり具象ですよ、手元ですよ。手元という、もうこれ以上なんて言えばいいのかな、物理的で、タンジブルで、具象というのもないでしょ。本当に「手元」を支配したわけですよ。

    山路:Microsoftは、Windows CEとかはずっとやってたじゃないですか、

    小飼:ねえ……、

    山路:その延長にはiPhoneはなかったのかなっていうのが、いまだにやっぱ思うところなんですけれどね、

    小飼:なんだけれども、やっぱりAppleの中の人たちにしてからが、現物を作ってみな見るまではピンと来てなかっただろうという。ああでもない、こうでもないってこねくりまわして、ここにたどり着くまで、いっぱい葛藤はあったんですよね。大きく分けても、スーパーiPod派とマイクロMac派がいて、まぁマイクロMac版が勝ったわけですよね。この場合は。

    山路:そうか、そういうふうな見方もできるわけか。

    小飼:できるわけです。その時に負けたiPodの生みの親の一人であるトニー・ファデルという人は、Nestという会社に、

    山路:スマートホームのほうに、

    小飼:行っちゃいましたけどね。

    山路:あとこう、ちょっとブラウザの話に戻るんですけど、このIEとかのあとに、あとにというかMac版IEとかもあって、

    小飼:ありました、

    山路:で、結局Mac版IEは開発が中止になり、

    小飼:いつ頃だったっけ? それが6とかそんなぐらいじゃなかったっけ、

    山路:OS Xの初期にはMac版IE載ってましたよね。

    小飼:もうなんかすごい、すごい思い出しながらやりつつある(笑)、

    山路:いや、そこのところで、つまりSafariを独自開発するっていうふうな決断をしたというのもすごいなという、

    小飼:Safariも当初はWindows版が出てたんですよね、Mac版が出てしばらく、

    山路:ああ、あったあった、そのSafariを開発する時に、つまりここまで重要なソフトウェアになると思っていたのだろうかという、

    小飼:ねえ、

    山路:だって、IEがもう圧倒的なシェア占めてたわけじゃないですか、そういう時点で、その時に独自ブラウザ作って何の意味があるのって私思いましたよ、正直(笑)。

    小飼:うん、まあでも当時のIEは確かに重たかったしね。今やちょっと信じがたいんですけれども、SafariもChromeも、出たての頃はすごい軽かったんですよね。今そんな軽くないじゃねえかって思うかもしれないですけど、それはむしろ、個々のページが重くなった上に、タブを数100個ぐらい平気で開くようになったからです(笑)。

    山路:使い方が変わったから(笑)、

    小飼:使い方が変わったからなんですけど(笑)。

    山路:はっきり言って、大抵の人のパソコンのメモリってブラウザのために使われてるんじゃないかっていう、

    小飼:まったく、まったくもって。実際にもう、この番組ではもう何度も繰り返してるというのか、毎回に近いぐらい言ってることですけども、ブラウザのほうがもうOSより大変なんですよね。

    山路:いやあ、なんかね、そういうこう、IEがNetscapeに勝った後に起こったことが本当のブラウザ戦争だったというか(笑)、

    小飼:本当のブラウザというよりも、うんまあ、端末戦争とも言うべきか。少なくとも、PCというフォームファクタは、ネットサーフボードの究極の姿ではなかったんですよね。ではなかったんですよね、(iPhoneを見せながら)こっちだったんですよね。

    山路:しかもその、なんていうのか、本質はこう、Webにアクセスできることそのものにあったというか、なんかこのiPhoneもハードウェアがというよりは、Webにアクセスできたことがデカいわけじゃないですか。

    小飼:でも一つ、iPhoneを出したてのときのジョブズにもわかってなかったのは、Webブラウザに何もかも集約されてたと、されると思ったら、各アプリにバラけたと。実際、中身はWebブラウザなんだけれども、このサービスはこのアプリ、あのサービスあのアプリでっていうふうに再びやるようになったと。

    山路:一番最初のiPhoneが出てきたとき、ジョブズはWebブラウザ動くんだから、その上でWebアプリ作れよって言ってたんですよね、

    小飼:そう、Webアプリ作ればって言ってたんですよ。実際今のiPhoneにも、Webのブックマークをホーム画面のアイコン化する機能っていうのは今でも残ってますしね。

    山路:結局、みんなそれでは満足できなかったわけですよね。

    小飼:やっぱ認証ってでかいんだよね。Webブラウザのほうも進化して、パスワードのオートフィルとか2段階認証が掛かっていても、2段階認証目というのもの自動化するというのは、今のSafariとかやってくれるんですけど、Chromeもそこまでまだやってくれないんだよ、

    山路:あ、そうですか。あ、そうか。

    小飼:2FAの。2段階目。

    山路:2段階目、Chromeやってくれないのか。そうか。

    小飼:まだないね、だから1Passwordは、これけっこう前からできてて、

    山路:1Passwordを使ってたからあんまり気にしなかった、

    小飼:Safariが前、一つ前のバージョンぐらい、今回の、今のバージョンだっけ、ひとつ前だっけ、比較的最近ですよ、に対応したのは。でもそれは置いといても、まあ要するに一発で入れないわけですよね。Webブラウザを使うと、どっこいしょが変わるわけです。ところがこれ普通のアプリ使ってると、せいぜいTouchIDだかFaceIDだか、1個かかるだけなので。

    山路:なんかこう、OSのネイティブのいいところと、Webのっていうのをこうハイブリッドしたみたいな形になってった、

    小飼:でもあるんだけども、その一方で、せっかくWebブラウザに統一されつつあったのに、それをアプリごとにバラけさせるなんて本末転倒もいいところじゃないかって思うことも時々ありますね。特に決済用のアプリがそのサービスを提供しているアプリと別のやつとかね。たとえば、買い物しててPayPayで払いますって、リンク飛んで戻ってくるとかっていうのは、

    山路:あるある(笑)、

    小飼:もどかしいー。

    山路:なんつうかただ、あれは結局オープンな仕様と整合性を取ろうとすると、そうせざるを得ないということなのかなあ。アプリの世界とWebの世界の整合性を取るために今は。いやなんか、思った以上にIEのサポートの終了のほうから何か長い話になりましたね(笑)。

    小飼:やっぱり、いやでもさ、かつては本当にもう『スター・ウォーズ』における、もう帝国軍みたいな、Microsoft帝国にスターデストロイヤーが、いや、デススターだよな、IEは。

    山路:これ、コメントで「IEの首塚の祟りは笑った」ってあるのは、何かこれはどういうことなんだろう、IEの首塚の辺り?

    小飼:ちょっと詳しく、

    山路:なんでしょう、首塚の祟りって(笑)、何かあったんですかね。

    小飼:ちょっと検索してみようかね。

    山路:何か、でもまあ本当に、IEもActiveXがあったりやら、なんかそれを利用した自治体のサポートがそのまんまそのIEで作り込まれて止まっちゃったりとか、なんかこう、Web標準じゃないところでずいぶん活躍したものではあったんでしょうけどね。

    「本当にネットも変わってしまったな」(コメント)

    山路:本当につくづくそう思いますね。

    小飼:いやあ楽にはなったんだけれども、でも、これまた何度も言うように、まだMicrosoftが独占してるって言ってた時代っていうのは、それでも今に比べれば、のどかだったんだなあっていう、牧歌的な世界だったんだなという、

    山路:Microsoft悪の帝国みたいな本もいっぱい発売されましたよね(笑)。

    スタッフ:ちょっと質問っていうか、あれなんですけれども、IEって要はサポートももう終了ってことですか?

    小飼:終了です。

    スタッフ:もう終わりですよね。

    小飼:終わりです。

    スタッフ:ただ先ほども出た通り、自治体、各自治体でIEで設計したものとか、サービスとかあったと思うんですけども、

    小飼:IEモードというのは残るそうです。だから、イントラネットではIE前提のものというのは残っちゃうというのはやむを得ないけれども、でも少なくともインターネットを介するものというのは、もうIEはお亡くなりになりましたっていうのは言えるわけですよね。

    スタッフ:じゃあ、今後そういうトラブルもひょっとしたら頻発するかもしれない?

    小飼:いや、正々堂々と切れるわけです、IEはもう無くなりました、

    スタッフ:ああ、もう無くなったって(笑)、

    山路:それによるトラブルはいっぱい起こりそうですけどね(笑)、

    小飼:だけど、もう相手も引き下がらざるを得ない、

    スタッフ:そういうことですね。

    山路:何か最近だと、自治体がそんなIEのサポート終了のニュースを受けて、そんな急にサポートを切られてもって(笑)、いやいつからだよみたいな(笑)、いつからサポート終了、

    小飼:そうなんです、この時が来るのをずっと待ってたんですよ。

    「文明崩壊後のOS」とリボール、非集権という試み

    山路:じゃあちょっとそのリッチな方向に行ったブラウザの逆に、文明崩壊後の世界で使うOSの話をしておきましょうかと。これ、面白い、個人的には面白いなと思ったんですが、8ビットマイコン、パソコンというか、8ビットCPUで6502とかZ80とか、いろいろあるじゃないですか。まぁマイコンと言われてたような時代、それで動くOSというか、まあ最低限の機能を備えた、

    小飼:あー、いやでもどの程度までやるかだよなぁ。8ビットではさすがにMMU厳しい、

    山路:そういうことではないみたいですけどね、それこそテキストファイルを表示したりとか、HEXエディタをやったりとか、

    小飼:あー。あくまでもランチャー的な、いや、まぁでも8ビットの頃だって、今よりもあんまりOSはしてなかったけれども、OSと言えるものはありましたよ。

    山路:N88 BASIC?

    小飼:CP/Mとかね。

    山路:あー。

    小飼:いや、でも文面崩壊するって言ったからには、8ビットではなくて、どころか、集積回路自体、無理じゃねという。

    山路:でもこう、何て言うのか、いろんなジャンク屋がそのジャンクパーツとかを漁って、ディストピアなところでなんか組み立てるみたいなのは世界は来ないんでしょうか(笑)。

    小飼:なんだけれども、だとすると、ボトムラインとして樹脂で封印しておくとか、石を。どういうことかって言うと、結局、超長期的にコンピューターを使う場合の、コンピューター限らず、電子回路を使う時の最大の敵というのは酸素なんで(笑)。
     樹脂に封印しておくと、ただなあ、今度は樹脂は樹脂で劣化するからね。でも、光に当てないようにすればかなりもつのかな。『ジュラシックパーク』の琥珀みたいにね。あれもまさに樹脂だ。

    山路:じゃ、『スター・ウォーズ』のタトゥーインとかでああいう武器商人がいろいろ人を襲ってジャンクパーツ狙ったりとか、そういうのはあんまり成り立たないかも、

    小飼:でもさ、あの連中さ、そのわりにランドスピーダーとか飛ばしてるじゃん。本当にあれ、集積回路なしで動くように作れるの、ランドスピーダーって。いや、でもその前に、理屈のわかんない反重力で浮くこと自体がファンタジーで、その辺突っ込み始めるともう野暮の極みではあるんだけれども。

    山路:まあなんかね、本当、でもこのCollapse OS、文明崩壊後のOSって、今のロシアとかに実は必要なもんだったりするんじゃないかって気も(笑)、

    小飼:いや、どこまでdegradeできるんだろうね。

    山路:さすがに、インターネットブラウジングをこのCollapse OSでやるのはちょっと無理だと思うんですよね。

    小飼:いや、だけど真空管だけでもMig-25は飛ばせたわけだからね。

    山路:え、そうなんですか?

    小飼:そうやって考えると、すごいよね、昔の人の技術。確か、ソリッドステートというのか、真空管無くなったのは、アメリカでもシャトルからだったですよ。

    山路:へええ。

    小飼:シャトルも、オールICではなかったはずです、確か。磁気コアとが載ってたはず。だけれども、何もしなくても切れる真空管はないわけですよね。いや、真空管ってただ通電してるだけで、フィラメントか徐々に金属が蒸散して切れるのは避けられないですからね。

    山路:これなんかリアルな設定のディストピアSFとかやってみると、意外に本当にその辺のところ全滅なのかも、

    小飼:あのね、真空管はけっこうなハイテクですよ、少なくとも生産過程というのは、かなり工芸的。今ロシアから入らなくて困ってるみたいですけれども。それに比べると、シリコンというのか、集積回路というのは工場はもうハイテクの極みなんだけども、いったん出荷されちゃうと、だっていまだにCPUをソケット付けできるっていうこと自体、すごいと思わない? 素手でこうやって載せてさ、上にグリース載せてっていうのを、ある程度の素人でもできるという前提になってるじゃないですか。まあまあこれ用のとかはBall Grid Arrayって言って、

    山路:直に付けられている、

    小飼:話は変わるけれども、僕がけっこう好きでというのか、見ちゃうショートムービーとしては、リボールという、リボールってわかります?

    山路:reball?

    小飼:はい、こう書きますね。

    山路:リボール、

    小飼:えーとじゃあ、いちおう、

    山路:動画なんですか?

    小飼:はい。

    「わからない」「リボール」(コメント)

    小飼:さっきBall Grid Arrayという言葉が出たじゃないですか。今時のこういうソケットに入れないタイプの、はめ殺しのチップっていうのは裏側にハンダのボールをちょんちょんちょんって載せて、それを基盤に乗っけて、少し焼くとそのハンダが溶けて密着される。それを温めて、剥がして、それでもう一度ハンダを載せてっていう、このハンダを載せる作業という、

    山路:なんのために?

    小飼:要するに、たとえば石を交換する、たとえばSOCとかっていうのはメモリとかも、とかストレージとかも一緒じゃないですか、ストレージだけ増やしたいって言ったら、そういう手段を取るしかないわけです。と言うのか、そういう手段ができるんですね。

    山路:それ、相当職人芸じゃないですか(笑)、

    小飼:深圳とかにはそういう職人たちがいっぱいいるらしいんですよ! すごくない?

    山路:それはすごいな。

    小飼:でも人間技じゃねえと思ってると、いや本当に素手で、ああ、こういう治具を使うのねとか、思わず見入っちゃいますよ。

    山路:なんか、そういう人たちにそういうなんかCollapse OS必要なのかもしれないですよね。

    小飼:いや、ほんと草ですよ、本当、草なんですけど、それでできるんですね。だから、バキバキに壊れたiPhoneとかを集めてニコイチ、サンコイチとかする時に、そういった技術が活躍するんです。もちろん、業界の人たちのリバースエンジニアリングとかには欠かせない技術でしょうね(笑)。リボールですよ、リボール。

    山路:これ、今リンクが出たのはこれ、なんなんですか?

    スタッフ:あ、これMig-25、真空管が使ってる、

    山路:あー、はいはいはい。

    スタッフ:レーダーに使ってたんですね。

    山路:なるほどね。

    小飼:今でも、レーダーで真空管の部分は、電波を送出する装置でマグネトロンというのがあるんですけど、これも一種の真空管ですね。

    山路:ふーん、なんか意外にローテクだと思われてたものの進化系っていうのは、けっこう使われているものなんですね。

    小飼:ああ、いや、マグネトロンだったら、文字通りどこのご家庭にもあっておかしくない、マイクロウェーブオーブン、電子レンジに、レンチンは今でもマグネトロンを使っているはずです。

    山路:じゃあちょっと最近のこの技術として、今度は、

    小飼:真空管、一番は昔はCRT、ブラウン管だったんですけどね。それはさすがにもうどこか行っちゃったんで。

    山路:最近、国までがWeb3と言い始めたところで、世の中は一足先にWeb5らしいですよと。Twitterの創業者であるジャック・ドーシーが今度はWeb5って言い始めたそうなんですけど。

    小飼:いや、それだと掛け算で6じゃねえかというのはさておき。

    山路:これ、ただその、もちろんそのWeb5っていうこの用語というか、その打ち出し方自体はまあまあバズワードの極みみたいなもんなんだろうけれども、ただ、非集権を実現するための手法として、ブロックチェーンじゃない、それぞれのユーザーがこうデータは持ってて、そういうそれを使って、たとえば音楽なんかをやるにしても、GAFAみたいなところに全部逃げられるんじゃなくて、それぞれデータを個別に持っててっていう、

    小飼:よく考えたらさ、Twitterの中の人がそう言い出したっていうのはさ、Twitterの中の人がさ、これからはマストドンだっていう感慨があるね、

    山路:(笑)ジャック・ドーシーはTwitterの中の人ではもうないとは思いますけど。

    小飼:元中の人だけどさ。

    山路:これ、よくそのWeb3界隈なんかが、なんていうのかな、マーケティングのキャッチコピーとして使うのが、非集権っていうのがあるじゃないですか。だけど、その本当にNFTなんかにしても、非集権なのか、デセントラライズされたものなのかみたいなことってことは言われることに対して、ジャック・ドーシーは、じゃ、これが本当の非集権なんだよって言ってこうWeb5を持ってきたわけなんですけど。

    小飼:いや、本当って、持ってきて今のところ掛け声だけだよね、もう実装があるの? これが本当だっていうからには、検証できる実装があるはずだよね、少なくともマストドンは実装はある。

    山路:そこまでのものはないですよね。

    小飼:今でもけっこうあちこちのインスタンスが細々とではあるけれども、動いてはいますよね。

    スタッフ:すいません、それだったらWinnyなんかも、非集権的で、ファイル共有とはいえ、P2P技術、じゃないんですか?

    小飼:いや、でもそれは単にファイルを共有してるだけだよね。

    山路:個人にとって、なんかその持ってる自分の重要なデータをどうコントロールするかみたいな文脈においては、何て言うのか、P2Pではうまくいかなかったっていうことではありますよね。

    小飼:別にこれは金子さんを卑下するわけでも何でもないんですけれども、Winnyっていうのは日本で騒がれてる頃には、既にトウが立ったソフトウェアでしたね。簡単にNATの外に出れなかったし、たとえば。当時からも、すでに他のもっと使われているプロトコルってありましたからね。今も、今やBitTorrentとかはもう市民権得てるじゃないですか。

    山路:まあ普通に配布に使われてたりもしますもんね。

    小飼:そうそうそう、Linuxディストロとかを配る時に使ったりもしてますよね。

    「Web5よりも年収200万円で豊かな暮らし」(コメント)

    山路:ちょっといいですね(笑)、

    小飼:ああー、それどうしようかな、ちょっと年収200万だけでも有料ということで、有料にしましょう、その話するのは、あれです、年収200万の方も、払う価値のある話をしましょう、それで。

    スタッフ:じゃあ月額500円払っても、価値がある、

    小飼:そうそうそう、

    山路:それは楽しみですね(笑)、じゃあ年収200万の話は限定のほうということで。ただこの、さっき言ったような、そのWeb3なり、あるいはそのなんかP2Pなり、非集権であるってことの価値を弾さんはそんなには重要視はしてないっていうことですか?

     
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