• このエントリーをはてなブックマークに追加

  • 次回配信予定
    • 2017/11/25
      岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『シン・ゴジラ』自衛隊の攻撃シーンはもはや“カッコいい兵器映像カタログ”」

    岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『シン・ゴジラ』の石原さとみは“ミスキャスト”ではない」

    2017-11-24 06:006時間前
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/11/24
    ───────────────────────────────────
    今回の記事は、11月12日に『シン・ゴジラ』地上波初放送を記念して行われた実況放送からハイライトをお届けいたします。


    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

    ─────────────────────────────

     「『シン・ゴジラ』の 石原さとみ は“ミスキャスト”ではない」


     (本編時間0:23:25~ 品川を蹂躙するゴジラのシーン)

     この蒲田くん、ボディのサイズに比べて皮膚が揺れすぎてるんだよね。

     CGで生物感を出そうとして頑張り過ぎてて、なんか「ダイエットに失敗して、皮がタルンタルンになってるヤツ」みたいに見えちゃうのが、ちょっとウザい。
     
     生物の身体って、軟らかいところと硬い部分があるからね。
     エラの部分とかはタルタルしててもいいんだけども。


     そして、ここで「立ち上がろうとして、またこける」っていう場面。

     ……ほう、肝心なところでは、やっぱり初代『ゴジラ』の音楽が流れるんだよな。

     ここで、蒲田くんの立ち方と足の形状が変わる。
     偏平足みたいだったものが、つま先立ちの、いわゆる“鳥足”に変わる。

     この辺の、変形するところって、こんなにね身体の表面にザワザワとエフェクトを入れなくてもいいと思うんだよね。
     
     でも、咆哮する時の口の開き具合はメチャクチャ良い。

     あとは、ここで入る、主人公の「すごい、まるで進化だ」っていう素の人間っぽい感想は、なかなか気持ちいい。


     いいね、ゴジラの見せ方。

     だけど、立ち上がると同時に、尻尾が急に宙に浮いちゃうのは、イマイチよくないね。

     前足の弱さと同じように、この段階での尻尾は、たぶん垂れてる方が、第3形態としては正しいと思うんだけどね。

     尻尾が急に浮いちゃうと、もう、これ以降の形態のゴジラと、そんなに変わりがないんだ。

     この電車の飛び方がこんなに軽いのは、半分ギャグのつもりなんだろうな。
     まあ、でも、電車が出てくると、怪獣映画は燃えるよね。


     「赤ペン先生」(コメント)
     

     あはは、やっぱり“特撮赤ペン先生”みたいな言い方になっちゃうよな(笑)。
    ・・・

     (0:31:37~ 巨災対本部での会議シーン)

     で、『エヴァ』の音楽が掛かると。

     わかりますか?
     この、必要もないのにカットを割っている感じ。

     もう本当に、セリフの1言1言とか、アクションの1つ1つごとにカットを細かく割ってる。
     こういうの、実写畑では嫌がられるよね。

    「カットを割る」っていうのは、「見せるものに自信がない」とか、「演技が甘い」、「内容がない」という時にやることであって、やっぱり一つ一つの演技をできるだけ長く見せたくなるのが普通だから。

     そこを、あえて……ほら、今なんか「安田が手を上げる」という動きのためだけに、2カットに割ってるじゃん?

     そして、この「お姉さん(尾頭)が割り込んで喋る」というだけで、また1カット使ってる。

     このカットの割り方の細かさ!
     ほら、1言ごとに割ってるでしょ?

     この映画の異常さはこれなんだよ、絶対に!(笑)

     ほら、単調なくらいに、1言ずつカット割りを入れてるよね。
     
     これが、特有のリズムを作っているんだ。

    ・・・

    (0:33:58~ 安田が何かに気が付き叫び出すシーン)

     おお! ここもいいね。

     何かに気がついた安田が、報告のためにダーッと画面の奥に走って行くと、横からお姉さん(尾頭)がスッと入ってくる。

     で、「後ろの方で安田が話していることと、手前でお姉さんが話していることが、実は同じ」ということで、このお姉さんの有能さを見せている。

     この映画って、こういうふうに、常に目立たせたい人と引き立て役の立たせ方がすごく上手いんだよね。

     引き立て役というのをコミカルに動かしつつ、見ている人間が感情移入するような役を正義の味方みたいに描くことによって、「どういう感情を観客に持たせるのか?」っていうベクトルが、すごいはっきりしている。


     俺、自分で言ってても笑っちゃうんだけど、本当に「セリフごとにカットを変える」よな(笑)。

     つまり、これ、何かっていうと、「監督がダメ出しをした時に、リテイクがやりやすい」っていうことでもあるんだけどね。

     大勢が長セリフを言うようなカットを撮ろうとすると、1人か2人がセリフを間違えても、そのままスルーすること多いんだけど。

     この撮り方だったら、気に食わないことがある度に、監督が「すみません。こういうふうにやり直してください」って言えるから、本当に監督の思い通りに撮れるよな。

    ・・・


    (0:35:58~ カヨコ・アン・パタースン初登場シーン)

     出た!
     石原さとみ!

     ここでの石原さとみは「日本的な演技で、英語喋り」なんだよ。

     つまり、こういうことをアメリカ人の若い女の補佐官が喋るんだったら、ナメられないために、あえて感情を動かさず単調に喋るはずなんだけど。ここでは、日本のドラマ的な感情を込めた演技になってしまっている。

     でも、喋っているセリフは、英語らしい、論理的で余計なことを言わない決め付け口調。

     だから、チグハグに見えるんだよ。
     どちらかに統一すればいいのに。

     これは完全に演出ミスだと思うな。

     怪獣のシーンだけじゃなく、もうちょっと役者に対する演技指導もやれよ!(笑)


     「ZARAはどこ?」っていうのも、わざわざキメゼリフにしなくてもよかったよね。

     まあ、でも、「ああいうキャラクターを出す」と決めた以上、ここら辺は言ってもしょうがないな。

     というよりも、「ああいうキャラクターがお好みなんだったら、こういう出し方しかない」でしょう。

     つまり、「石原さとみはミスキャスト」なんじゃなくて、正しくは「庵野秀明の女の趣味が悪い」って言うべきなんだよ、この場合は。

     みんな、石原さとみを責めるのはやめて、庵野の女の趣味を笑え!(笑)


    ─────────────────────────────

    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive

    ───────────────────────────────────

    いかがでしたか?

    「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

    番組内で取り扱う質問はコチラまで!

    よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
    みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
    だから僕は、質疑応答が大好きです。

    みなさんからの様々な質問をお待ちしています
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
         ヤムアキ
         起こしのヤスタカ(FREEex)
         歴史のカオリ(FREEex)

    ───────────────────────────────────


    岡田斗司夫
    and
    Special Thanks To読者のあなた
    ───────────────────────────────────
    Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
    ───────────────────────────────────
    ■お問い合わせ
    有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
    『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501
  • 岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『シン・ゴジラ』の爽快感は俳優やプロデューサーのクリエイティブを許さない作り方から生まれている」

    2017-11-23 06:00
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/11/23
    ───────────────────────────────────
    今回の記事は、11月12日に『シン・ゴジラ』地上波初放送を記念して行われた実況放送からハイライトをお届けいたします。


    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

    ─────────────────────────────

     「『シン・ゴジラ』の爽快感は俳優やプロデューサーのクリエイティヴを許さない作り方から生まれている」


     (本編時間0:00:00~ 映画冒頭)

     まずは、昔のゴジラシリーズと同じように、「東宝」のテロップが流れる。

     『キングコング対ゴジラ』あたりの、カラーになった頃から始まった、オプティカル合成でやってる時代の東宝マークだね。

     最近の東宝映画で、このマークをこんなに長い秒数で見せる作品は珍しいよね。

     そして、初代の『ゴジラ』と同じ、「東宝映画作品」という製作会社名を一枚看板で出して、その後で「シン・ゴジラ」というタイトル。

     その後の映倫のマークは、どうやっても入れなきゃいけないものだから、ど真ん中に小さく入れるという。これは、庵野の「映倫のマークを意地悪く入れる」という、いつものやつだよな(笑)。


     そして、タイトルがあけると、いきなりプレジャーボートのシーンから始まる。

     ああ、やっぱり展開が早いよね。

     漂流したボートの映像がまず流れて、そして「デッキに人はいません!」、「遺留物有り!」という台詞が続く。

     そして、いかにもこれを見てくださいという感じで映し出される、並べられた靴。
     これは「この靴の持ち主は自殺した」っていう印だね。

     なんでこんな位置に靴を並べてるのかというと、船の後ろの方にこれを並べちゃうと、船内にカメラが入った瞬間に、ネタがバレちゃうからだ。


     そして、次の瞬間、バーンと水蒸気が上がる。
     
     この辺から、「ある人が船から飛び降りて、そのおかげでゴジラが現れた」っていう因果関係が示されてる。

     で、また、すぐさまアクアトンネルの事故が起きる。


     すごいね。

     映画が始まってから、まだ2,3分だというのに、もう、ゴジラがドンと出てくる。

     本当にテンポがいいんだよ。あらゆる映画って、これくらいのテンポでなきゃダメだと思うんだけど。

     ここからの状況説明のためのナレーションも、一つ一つのセリフがメチャクチャ被ってるよね。

     『シン・ゴジラ』では、こういう場面では、最初のセリフに被せ気味に、次のセリフを入れてるんだけど、これがスピード感を生んでいる。

     普通の邦画って、どうしてもこういうセリフを聞かせようとしちゃうんだよ。

     ナレーションとかがあったら、絶対に言葉を被せずに、セリフを言い終ってから0.5秒くらいの間を置いて次のセリフを入れるものなんだけど。

     このセリフの入れ方は上手い。

     このニコニコ動画みたいなカットも、セリフ、下のテロップ、画面上に流れるコメントっていう、情報量がとにかくすごいよね。

     こういった圧倒的な情報量で緊迫感を生み出す画面作りは本当に上手いよ。

    ・・・

     (0:18:50~ 自衛隊の防衛出動を検討するシーン)

     この、会議で人が喋っている画面に法律の条文が被るのは面白いね。

     「延々延々、法律に振り回されて話が進まない」という場面で、その前提となっている条文を画面にバッと出すというのは、実はギャグなんだよな。

     でも、それ以上に、これをやることで画面全体の見栄えが変わる。

     『シン・ゴジラ』では、とにかくアブノーマルな構図や、こういった見た目の移り変わりというのを最優先して画面を作っているんだ。

     なぜなら、この映画って、放っておいたら部屋の中で人が話しているだけのシーンばっかりになっちゃうんだよ。

     面と向かった会議のシーンというのは、緊迫感があるように見えるんだけども、これをずっと続けてたら、すぐに単調化するんだ。

     だから、今の、法律の条文がそのまま表示されるみたいな、見た目的に面白い場面を入れているんだね。


     で、次は総理を含めて、防衛出動するかどうかの話し合いのシーン。

     この総理の「防衛出動は大変だぞ!?」みたいな日本のドラマ的なセリフの言い方、僕はやっぱりダサイなって思うんだけど。

     そう思った瞬間に、カットがパンと切り替わっちゃうでしょ?
     これを演じている俳優さんは、こういうの、すごく嫌がるよね。

     演じている俳優としては、「悩んでいる中、決心する」というところまでをワンカットで見せたいはずなんだよ。

     それが演技だから。

     こんなふうに細切れにされると、演技なんて見せられないんだけども、ここでは細切れにしちゃってるよね。

     つまり、「俳優を使い倒している演出」だというのが、ここでわかる。

     俺はね、これが邦画の新しい形、映画の新しい形だと思うんだけど。
     まあ、実際に演じている俳優としては、こういうのを嫌がるよね。


     次に、総理に「自衛隊を出すか否か」の結論を迫る人達の顔がどんどんアップになっていき、それにつられるように、総理を映すフレームもどんどん顔に寄って行く。

     そして、カットが切り替わって「防衛出動を総理が宣言」というニュースが流れる映像に変わる。ここもいいね。

     総理役の俳優さんが「では、宣言する!」みたいに、苦渋の決断を下すところは画面に映らないじゃん。

     これも、やっぱり俳優としては、やりがいがない。

     かわいそうにな、本当に(笑)。

    ・・・

     (CM中)

     お、CMになった。やっぱり面白いね。

     この前、『関ジャム完全燃SHOW』を見てたら、ゴジラの音楽担当のプロデューサーの おばさん が出てたんだ。

     みんな、もう『シン・ゴジラ』の話を聞きたくてしょうがないんだけど、でも、そのおばさんは、すごく言葉を濁すんだよね。

     それはなぜかというと、『シン・ゴジラ』っていうのは、映画の音楽担当プロデューサーが、まるで仕事させて貰えなかった映画だからなんだよ。

     というのも、これは今、世の中に出ている資料とかにも書いてるんだけど、現場では、とにかく庵野の演出は不評だったんだよね。

     撮影の現場では、俳優から出てきた不満、スタッフから出てきた不満を、樋口真嗣が全部「まあ、まあ、まあ、」ってやってたんだけども。

     これは、音楽に関しても同じだったんだよね。


     打ち合わせをする場合、監督が「このシーンは『怪獣大戦争』の曲で」とか、「ここは『エヴァ』の音楽で」って言うと、たぶん、音楽プロデューサーも「じゃあ、私がそこで音楽を差配して」とか言うと思うんだけど。

     庵野監督は、そういう、現場のスタッフの「じゃあ、ここは私の担当で」みたいな頑張りや、クリエイティブを一切許さないんだ。

     「あんたらのそんなクリエイティブなんか要りません。ここは『怪獣大戦争』のまんまでいいです」とか、「ここは『エヴァ』の音楽を入れます」みたいに。
     
     こういうことをすると、現場の管理職というか、間に入ってクリエイターとかを使ってる人らの仕事が、綺麗になくなっちゃうんだよね。


     これ、俺にしてみれば、「うわあ、それは嫌な監督だろうな」と思う反面、「ざまあ見ろ!」って思うんだよな。

     だって、日本の音響監督とか音楽監督とかって、ほとんど仕事なんかしてないんだから。

     クリエイターと監督が直に打合せをすれば済むのに、間に何人も何人も偉い人が入ってくるから、ろくなものが出来ないというか、“間に入って手柄を取りたがるヤツ”が多いんだけども。

     そこらへんを全部ぶっ飛ばしちゃったっていうのが、『シン・ゴジラ』を見ている時の爽快感にも繋がってると思うんだ。

     これは、同時に、さっきから話している、「どうせ、日本の俳優なんか、ほとんど演技が下手なんだから、演技なんかさせなくていいんだよ!」……って、庵野君がそう思ってるかどうかは知らないけど、俺はそう思ってるんだよ(笑)。

     そういう日本の俳優的な演技をバーンとやめさせるという、この作り方にも繋がってるよね。


    ─────────────────────────────

    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive

    ───────────────────────────────────

    いかがでしたか?

    「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

    番組内で取り扱う質問はコチラまで!

    よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
    みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
    だから僕は、質疑応答が大好きです。

    みなさんからの様々な質問をお待ちしています
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
         ヤムアキ
         起こしのヤスタカ(FREEex)
         歴史のカオリ(FREEex)

    ───────────────────────────────────


    岡田斗司夫
    and
    Special Thanks To読者のあなた
    ───────────────────────────────────
    Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
    ───────────────────────────────────
    ■お問い合わせ
    有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
    『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501
  • 岡田斗司夫の毎日ブロマガ「『シン・ゴジラ』と役者の演技と実相寺アングルの関係」

    2017-11-22 06:00
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/11/22
    ───────────────────────────────────
    今回の記事はニコ生ゼミ2016年8月7日よりハイライトでお送りします。


    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

    ─────────────────────────────

     「『シン・ゴジラ』と役者の演技と実相寺アングルの関係」


     『シン・ゴジラ』が変えてしまった認識、三つ目。

     日本の映画プロデューサーのものの見方が変わるんじゃないかな、という話です。

     日本映画のプロデューサーが『シン・ゴジラ』を見たら変わるだろう認識は、アイドルがでる漫画原作映画ってのはもう終わるだろうなと。

     ゴジラの演技ってものすごく、おもしろく見えるんですね。
     でも日本の映画俳優はみんな下手だと僕は言いました。
     でも、舞台の上での彼らはすごくうまい。

     なにが違うのか。

     別方向から説明します。


     実相寺アングルという言葉があります。
     これは実相寺昭雄さんという監督が始めた独特のカメラアングルによる演出技法です。

     実相寺監督は、ウルトラマンとかウルトラセブンとかの監督さんです。
     実相寺監督が担当した回は、独特のカメランアングルで撮影しています。


     カメラの前に何かものがあって、そのもの越しに、「なめ」っていうんですけどね。

     なめ越しに人物を撮ったり、極端な魚眼レンズで撮るんですよ、
     それがあまりにも特徴的だったので、実相寺アングルって呼ばれています。


     なぜそんなことをしたのかというと、答えは簡単。

     セットもしょぼければ衣装もしょぼくて、役者さんもそんないい役者さんを雇えるわけじゃない。

     だから、画面の中で構図を斜めにするとか、魚眼レンズで取るとか、手前に電話機をおいて、大きく映ってる電話機の間から役者を撮るとか、そういうふうにしないと絵が収まらないよ、と実相寺さんは言ってます。


     で、今回も『シン・ゴジラ』でそういうカメラアングルのシーンがありました。


     具体的に言うと、放射線線量の異常が確認されたかどうかというシーンで、ヘルメットが手前にばーっとあって、向こうの方に小さく人物があったり。

     あと、石原さとみと矢口が歩いてくるときに、カメラがそのままクレーンで上がっていって、向こうの方にモノレールのレーンがドーンと並んでる。

     この辺も、ある意味で実相寺アングルなんですね。


     なぜ、そいう見せ方になるのかっていうと、役者さんの演技だけではちょっと絵としてもたないからです。

     ほかに大きい背景を入れて、端っこのほうで一部 見てもらいましょう、という。


     それは、例えば落語家が、面白い話になってきたら、段々段々、今、僕がやってるみたいに声を小さくするんですね。

     声を小さくすることによって、聞いてる人の集中力を上げていって、バンッって声を出すっていう話し方を落語家さんはよく使います。

     それと同じような働きが実相寺アングルにはあるんです。


     最初に話した邦画『ゴジラ FINAL WARS』に出演している國村隼は、今回の『シン・ゴジラ』にも出てます。

     『シン・ゴジラ』の國村隼は、自衛隊員です。

     セリフ少ないですけど、すごく印象的で演技もめちゃくちゃ上手く見えます。


     たとえば、ヤシオリ作戦の立案で、こういうふうにするっていうの決めた後のシーン。

     矢口に「ありがとうございます。申し訳ありません」っていうふうに言われた後、「仕事ですから」っと短く答えるんですね。


     この時の國村隼は、すごく自信があり気で、演技が上手く見える。

     では、それとそんなに時代が違わない、FINAL WARSの時の國村隼どうだったのか。


     冒頭、変な外人の役者が、SFセットの真ん中で轟天号っていう潜水艦だか宇宙船だか分かんないやつに乗っているシーンです。

     ゴジラが手前にいて、ゴーっと言ってビームを発射する。

     横の方でグラグラ揺れてるところで手すりを握りながら、國村隼が「艦長、もう限界です」と言ってるんです。


     何度も、この「艦長、もう限界です」って言ってる日本映画の中の典型的なダメ演技をやっている國村隼と、今回のめちゃくちゃ上手い國村隼は同一人物なんですよ。

     つまり、國村隼の演技が下手なんじゃないんですね。

     そうじゃなくて、シン・ゴジラの中での國村隼っていうのは、やることが決まってるんです。

     普通の邦画の欠点は、役者にやることを考えさせちゃう点です。
     言い換えると、役者の想像力ではなくて、空想力に頼っちゃってるんです。

    (中略)

     そうじゃなくて、もっと徹底的に役者を縛らなきゃだめなんです。
     徹底的に、これしかできないというふうに縛る。

     たとえば『シン・ゴジラ』の会議シーンがなぜ面白いのかって言うと、役者がみんな無表情だからなんですよね。

     日本人の会議って、無表情で当たり前なんですよ。
     官僚の会議も無表情で当たり前だから、僕達はその無表情から相手の真意を読もうとするんですね。

     観客が空想力というか想像力を使うのが正しくて、役者は表現力しか使っちゃいけないんですよ。


    ─────────────────────────────

    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive

    ───────────────────────────────────

    いかがでしたか?

    「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

    番組内で取り扱う質問はコチラまで!

    よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
    みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
    だから僕は、質疑応答が大好きです。

    みなさんからの様々な質問をお待ちしています
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
         ヤムアキ
         起こしのヤスタカ(FREEex)
         歴史のカオリ(FREEex)

    ───────────────────────────────────


    岡田斗司夫
    and
    Special Thanks To読者のあなた
    ───────────────────────────────────
    Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
    ───────────────────────────────────
    ■お問い合わせ
    有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
    『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501