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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【子供には教えてはいけないトトロの正体・3 】 なぜトトロ族は滅んだのか?」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【子供には教えてはいけないトトロの正体・3 】 なぜトトロ族は滅んだのか?」

2018-09-12 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/09/12
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    今回は、ニコ生ゼミ9月2日(#246)から、ハイライトをお届けいたします。

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     【子供には教えてはいけないトトロの正体・3 】 なぜトトロ族は滅んだのか?


     じゃあ、なんでトトロ族が滅んだのかの話をしましょう。

     これを見てください。

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     これは、2万年前の日本の地図です。

     この時代の日本は日本列島ではなく “日本半島” だったんです。


     大陸から弓状に突き出した部分、これが縄文以前の日本です。

     当時は日本海というのがなく、巨大な湖があるだけで、北海道、本州、九州、四国は全てひとかたまりになっていました。

     朝鮮半島との境界も、海峡によって別れていたのではなく、大きめの河が1本流れていただけ。

     そして、北海道とシベリアの辺りは完全に繋がっています。


     これが2万年前の日本です。

     瀬戸内海もありません。


     当時の日本半島は、今の日本列島と比べると、メチャクチャ面積が広かったんですよ。

     そして、そんな広大な日本半島だったからこそ、巨大な “照葉樹林” や “落葉広葉樹林” というのを維持することができたんです。


     「古代日本は大きな森だった」というのは、2万年前の巨大な日本半島だった時代を指しているんです。

     今の日本列島では、このような巨大な森を維持することはできません。

     日本が半島だった時代は、本当に巨大な大地だけがある状態だったんです。

     だからこそ、神が存在できるスケールの森を育むことができたんですね。

    ・・・

     この2万年前の日本と現代の日本とでは、土地のサイズがとにかく違いすぎるんです。

     この巨大な森を擁する広い大地があったからこそ、『もののけ姫』に出てくる “犬神” とか “猪神” が存在できたわけです。


     九州を本拠地としていた猪神の主の “乙事主” というのがいたじゃないですか。

     あれは西の方、つまり九州を本拠地としていたんですね。


     でも、乙事主は『もののけ姫』の中で、「見よ。今の我らの眷族を。身体は小さく、すでに言葉も話せない」と嘆いています。

     つまり、乙事主たち猪神の一族は、『もののけ姫』のラストで描かれる人間との直接対決で衰退したわけではないんですよ。


     では、なぜ滅びたのか?

     ……トトロが滅びた理由を説明するためには、『もののけ姫』の話をせざるを得ないんですよね(笑)。

    ・・・


     これを見てください。

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     これは、1万年前から現在に至る平均気温の移り変わりを表したグラフです。

     1万年前というのは、今より平均気温が5度低かったんです。

     しかし、それが縄文時代に入る頃には、今より+2度、つまりそれ以前の時代から比べると、7度から8度も上がっているんですね。


     現代より平均気温が5度も低かった2万年前の日本がどういうことになっていたのかというと。

     水というのは寒ければ縮小するし、暑ければ膨張します。

     地球が温暖化すると、なぜ海面が上昇するのかというと、「南極の氷が溶けるから」というよりは「海水自体が温度が上がることによって、やや膨張するから」なんですね。


     つまり、「今よりも平均気温が5度低い」ということは、「今よりも海面が低い」ということです。

     その結果、日本は列島ではなく、半島みたいな形で浮かび上がっていたわけです。


     しかし、このグラフに示されている通り、7千年前に、平均気温が一気に7度も上がってしまいました。

     これによって海面が100m近く上昇したと言われています。


     この時に、日本の陸地のかなり部分は水没しました。

     この時代は、今よりも遥かに多くの土地が海に沈んでいたんです。

     乙事主たち猪神やトトロ一族といった古代の日本の神々を育んだ巨大な森も、その大部分が失われてしまったんです。


     今の近畿地方なんかも、もう本当に水浸しになっていました。

     「昔、この辺は海だった」というのは、この6千年前から7千年前の気温の上昇が原因なんです。

    ・・・

     おまけに、“鬼界カルデラ” って聞いたことありますか?

     九州の鹿児島の沖の方にある火山なんですけど。

     現在も、ドーム部分にマグマが溜まり始めていて危険だと言われている場所です。


     7300年前、この鬼界カルデラの大噴火というのがあったんです。

     これはもう、本当に「次にこんな噴火があったら、人類は滅ぶんじゃないか?」というレベルの大噴火でした。

     これによって、縄文初期の文明は全滅したと言われているんですね。


     これについては、『もののけ姫』の解説をする時に、もっと詳しく説明しますが、乙事主たち猪神が西から上がって来て、身体がどんどん小さくなってきたのは何故かというと、この鬼界カルデラの大噴火があったからなんです。

     まあ、『エヴァンゲリオン』の “セカンドインパクト” みたいなものですね。


     その結果、彼らは九州付近には住めなくなってしまい、一斉に、東へ東へと移動した。

     これ、現実の歴史でもそうなんですよ。

     縄文初期の文明これで全滅してますから。

    ・・・

     それと同時に、海水量が増えて、ついに朝鮮と日本の間に海峡が誕生しました。

     そうやって、日本海が生まれ、南の方から温かい海流が入り込むようになりました。


     一方で、北には間宮海峡が出来て、シベリアの冷たい水が入ってくるようになります。

     これによって “暖流” が発生し、日本海側には大量の雪が降るようになり、豪雪地帯に雪が溜まるようになります。

     ここで初めて、日本は温暖化して、稲が大量生産出来るような場所になるんですね。


     稲が大量生産できるようになると、森はどんどん伐採されて田んぼになります。

     人口もどんどん増えていきます。

     その結果、乙事主たちのような猪神は “人類に滅ぼされていく” ことになるんです。

    ・・・

     つまり、『もののけ姫』に出てくる神様たちというのは、劇中で繰り広げられているような「森を切られて、火を燃やされたから滅ぼされた」というわけではないんです。

     もっと大きな事件があったんですよ。


     元々、2万年前から1万年前の日本には、広大な森があった。

     それは、当時の日本が半島だったからです。

     ところが、それから平均気温が7度も上がってしまったことにより、海位が100mくらい上昇し、森の大部分が失なわれてしまった。

     それと同時に、鬼界カルデラの大爆発が起こり、おそらく、九州から中国地方の辺りまで、誰も住めない状態になってしまった。


     その結果、古き神々は東へ東へ移動することになるんですけど、この時に “弥生民族” が中国の方から朝鮮半島を経由して日本に上陸してきて、稲作を始め、森をバンバン伐るようになった。

     なので、乙事主たち猪神というのは、鉄と火が大嫌いなんですね。


     彼らが鉄を嫌うのは、「鉄を作る民族=稲を作る弥生民族だから」です。

     火を嫌うのは、鬼界カルデラの爆発を見ていたからです。


     まあ、これが『もののけ姫』の基本設定なんですけど。

     これは、トトロたちの祖先の話でもあるんですよね。

    ・・・

     『もののけ姫』に登場する日本の古代神というのは、もともと2万年前の日本半島で栄えていた “クトゥルフ” みたいな存在なんですよ。

     彼らこそが先住民族であり、人類は他所から来た新参者なわけです。

     それが、鬼界カルデラの噴火で九州を追われて、6千年前に海面上昇で森が劇的に縮小し、生きる場を失った。


     ただ、最初に移り住んできた縄文人たちというのは、トトロたちとは仲良くやっていました。

     彼らも農業はやってたんですけども、あくまでも小規模な農業だったからです。


     しかし、その後に渡ってきた弥生人たちの農業というのは大規模なもので、太古の森をみるみる伐採して、燃料を作ったり、畑や田んぼに改造したりしたんです。

     その結果、日本に元々あった太古の森は、人間にとって便利な “里山” になってしまったんです。

     古代のクヌギとかブナとかの樹木がどんどん失くなって、利用しやすい雑木林に作り変えられました。


     現代の僕らが目にするような自然というのは、本当の意味での自然ではないんです。


     キャンプなんかに行って、山を見たりすると「ああ、自然だなあ」なんて思うじゃないですか。

     だけど、あれは本当の意味での自然ではなく、大規模農業によって一度改造された後の自然なんです。

     現在残っている森の内99%は、もう原生林ではなく、農業が作った雑木林に取って代わられています。


     トトロたちの先祖である古代の神々は、そんな雑木林では生きられないんですよ。

     彼らは原始の森から生まれたような存在ですから。

     だから、乙事主が言うように「身体が小さく、言葉も喋れなくなった」んです。


     そして、乙事主にそう言わせる存在こそが、『となりのトトロ』に出てくるトトロなんですね。

     体長がわずか2mしかなく、人間の言葉も喋れない、かつての神様。

     『もののけ姫』の中で、散々「我々はもう終わりだ」とか「これからは身体がどんどん小さくなって、言葉を話す知性もなくなっていくだろう」なんて言われた、その成れの果ての子孫がトトロなんですよ。

    ・・・

     だけど、その代わり、トトロは人間と共存することを覚えるようになったんです。

     ドングリを食べるようになって、里山の近くの鎮守の森でひっそり生きて、縄文人たちから土器を作ることを習い、江戸時代の子供からコマを作ることを習う。

     そんなふうに、 “ひっそりと生きる方法” を覚えたんですね。


     おそらく、600年くらい前に起きた “もののけ姫 大戦” とでも呼ぶような戦いに破れた神々の子孫たちが、今も、日本中のいろんなところでひっそり暮らしているんでしょう。

     つまり、トトロというのは、西洋人に絶滅させられかけた “アメリカン・インディアン” みたいなものなんですよ。

     そういう先住民族みたいなものなので、稲作をする弥生人…

     …つまり “僕ら” に見つからないように、ひっそり生きているというわけですね。

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