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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「2010年に富野監督が語った、日本のアニメーションがどんどんダメになったワケ」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「2010年に富野監督が語った、日本のアニメーションがどんどんダメになったワケ」

2019-12-10 07:00

    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/12/10

     今日は、2019/11/24配信の岡田斗司夫ゼミ「富野由悠季を語る 〜2010年11月講演感想戦」からハイライトをお届けします。


     あと、面白かったのが「サブカルチャーのバブル」という言葉を富野さんが使ったんです。これも面白かった。
     そんなふうにおっしゃっていないんですけど、たぶん、これが富野さんのオタクの定義なんです。
     オタクというのは何かって言うと。「日本にはバブルが2つあった」と。1980代と90年代ですね。
     1つ目は「経済のバブル」。それは僕たちの社会にいまだに尾を引いて被害を起こしている。まあ、被害と言ったら悪いことだけに聞こえるかもわかんないけど。
     僕たちは豊かさを経験することによって色んなものが見えるようになったんだけど、やっぱりそこで「儲けなければいけないような気がする」とか「お金がなければ幸せになれない気がする」とか、あとは農業から急激に人が引いてるとか、色んな被害を受けたはず。それがバブル経済の被害です。
     同じように「「サブ・カルチャーのバブル」もあったのではないか? それがオタクなのではないのか?」ていうふうに、おそらく富野さんは考えています。

    ・・・

     でも、それについて僕は、楽屋では聞けなかったんですね。
     聞けないのには理由があって。あの、富野さんの講演を聞きたかったのは純粋に「聞きたかった」だけであって、終わった後で楽屋に入れたのはほんとに偶然だったんですね。
     富野さんの知り合いにたまたま会って、で「中に入りますか?」って言われて、ご挨拶して、ってことだったので。
     僕はあんまりそこで答え合わせをしたくなかったんですね。
     っていうのも、昔、僕が富野由悠季さんに初めて会った時に「僕、ガンダムが大好きです!」って言ったら、富野さんは間髪入れず「あなたはガンダムなんかが大好きなの? 僕はガンダムなんか大キライ!」ていうふうに……まあ、あの、今も時々出てくるオネエ喋りです(笑) 。それでビシっと返されて。
     で、その時に「この人なんなんだろう?」って思った疑問がいまだに僕の中でずっと続いている。これが「富野由悠季をわかりたい」っていう原動力なんです。
     その時から僕は勝手に「俺は富野由悠季の弟子だ!」っていうふうに自分自身に言ってるんですけど。今日も、まあ、本人の前で「いや僕はあなたの弟子ですから!」って言ってきたんですけど。
     僕は昔、富野さんにそういうふうに言われて「この人なんでこんなこと言うんだろう?」って。「もし強がっているんだとしたら、なんで僕みたいな若造の前で強がらなきゃいけないんだろう? なんでこの人はこんなにねじれちゃってるんだろう?」っていうのが謎で。
     その謎っていうのを解き明かすではなく、本人から教えてもらうのではなく、僕は勝手に解釈して。「あ、富野さんてこういう人なんだ!」イコール「人間てこうなんだ!」イコール「ガンダムってこうやって作られているんだ!」イコール「人間にとって物語とは何なんだ!」……っていうふうに、富野さんを起点に色んなものが解きほぐれていく。
     これが、師匠と弟子の関係だと思ってるんですね。

    ・・・

     なので、あんまり答え合わせみたいなことはしたくなかったんですけども。
     富野さんが一生懸命話してた「中国が今すごいんだ! そして、そのすごいっていうのは何かとんでもないことで、僕たちにとっては怖いことなんだ!」っていうのを聞いて「富野さん、それはかつての日本のトリニトロンテレビがアメリカに与えた衝撃みたいな話ですか?」て言ったら、「そう! それそれ!」って楽屋で言われたんですよね。
     だから、「俺は答え合わせができたし、富野さんは今後、講演する時にこの言葉を使ったらラクになるだろうなあ」っていう。お互いにいい取引だったんですけど(笑)。
     そういうことがあるんで、あんまり答え合わせしたくないんです。話はズレますけど。
     だから、講演とかで、よく質疑応答をするんですけど……後で質疑応答大会やるから、こんな話をしたらやりにくくなるかもわかんないんですけども。質問っていうのは「自分に対する質問だ」と思った方がいいですね。
     「これを聞きたいんですけど」と聞く時は「前に立っている人が答えてくれる」のではなくて。「前に立っている人がヒントみたいなものをくれるから、それを元にして、5年がかりか10年がかりで自分で答えを見つければいい」っていうぐらいの考え方が一番楽しいと思います。
     ごんめんなさい、ちょっと話が横に流れました。

    nico_191124_03013.jpg
    【画像】ゼミ会場から

     で、なんかね、「ちょっと怖いなあ」と思った話。
    (ホワイトボードに図説しながら)
     かつての米国と日本の関係を考えると、アメリカは先端技術で家電製品を作ったわけです。ゼネラル・エレクトロニックの冷蔵庫とか、そういうのは日本人の憧れだったわけですね。
     それを日本人が作るようになった。そしたらアメリカ人は、もう生産する手段を失ってしまった。で、どうなったかっていうと、「じゃあ、企業の買収だけしてればいいや!」ってことでここでマネーゲームに行った。
     じゃあ、「日本が生産を独占していて、アメリカは金融経済だけ発達していたのか?」っていうと、そういうわけでもなくて。徐々に徐々に形が変わり続けていく。やっぱり、マネーゲームだけでは国というのが成立しないので、こっからアメリカは徐々にIT化の方に動きました。
     で、日本も同じくIT化のほうに動いたはずだったんですね。まあ、日本の場合はマルチメディア化っていうのが80年代ぐらいに言われていました。
     では、このマルチメディア化をやった結果、今、どうなっているのかと言うと。
     日本ではソニーなり富士通なりが、パソコン作ったり、スパコン作ったり、あとゲーム機作ったり、携帯電話を作ってたはずなのが、これがいつの間にかガラパゴス化っていうふうになってきた。ガラパゴス……カッコイイですね。宇宙怪獣ガラパゴスみたいで(笑)。
     で、その間、アメリカがどうなったのかと言うと、プラットホーム化するようになってきた。プラットホームっていうのは何かっていうと、ネットとかのインフラを作る、もしくはそのインフラの中の仕掛けそのものを考えることですね。
     だから、今、アメリカは、この「マネーゲーム → IT産業 → プラットホーム化」という形で産業形態を変えている。ネット上の仕掛けや仕組みというもの、もしくは、そこで行われる「どのようにして情報を交換するのか」っていう情報交換のルールを決めることによって、ネット上における事実上の法体系を決めてしまったわけです。
     これは、ネットがアメリカ人の大好きな法社会になったということです。
     ところが日本はその中でガラパゴス化しちゃったから、こっからもう一回、産業界のネットワークに入ろうとしたら、どうしてもアメリカのプラットホームに乗らざるを得ない。
     なので、日本のコンテンツ産業は作っても作っても作っても作っても、アメリカのプラットホームにお金を与えるだけになってしまった。
     では、家電はどうなったのかっていうと、今や中国や韓国が作るようになってしまった。かつてのアメリカを日本が追い落とした時とまた同じ構図ですよね。
     そうなると、日本というのは、真ん中で抜かれちゃっている状態なんですね。かつてお金を稼いでくれた家電は中国や韓国のほうに奪われて、そしてマルチメディアとかで情報立国になるはずだったのが、それはプラットホームという形でアメリカに抜かれて、真ん中で何もない状態になっている。
     「でも、その中でもまだコンテンツビジネスだけはあるよ!」って。つまり、「ソフトだけはあるよ!」「マンガとアニメはあるよ!」って言ってるんですけど。
     だけど、ピクサーぐらいの規模でアニメ作品を作られたら、CGアニメのほうはアメリカに抜かれるし。そうじゃないような、日本人がやっている手作業のアニメっていうのでも、中国が本格的にやりだしたら、北京大学のアニメーション好きの学生が研究とかやり出したら、「これ、10年先はどうなるかわかんないぞ」っていう話なんですね。
     「本当に僕らは何にも無くなっちゃうんじゃないのかな……?」っていうのが、おそらく富野さんが感じていた恐怖だと思います。

    ・・・

     で、まあ、ここらへんでですね富野さんの、ちょっと良い発言が出てきて。
     「アニメーションっていうのはね、色んなものを持ち込まなきゃダメなんだ!」と。で、なんで日本のアニメーションがどんどんダメになったかっていうと「アニメを見ているようなやつがアニメ界に入ってきたからだっ!!」っていう、富野さんが昔から言っている、僕や庵野君に対する悪口がまた始まるわけですよ(笑)。
     「お前らみたいにアニメだとか特撮とかを見て、それをもう一回アニメ界でやりたいとか言うやつらが入ってくるからダメになるんだっ!!」っていう。まあ、おっしゃる通りなんですけど。
     別にアニメに限らず、あらゆるメディアとかエンターテイメントというのは総合的な芸術であるから。他の色んなもののファンが集まって……プロレスファンから、釣りファンから、F1レースのファンから、スポーツファンから、山登りが好きなやつから、色んなヤツが集まって、自分が知っている面白いことっていうのをちょっとずつ乗っけて総合的に作らないと、みんながビックリして感動するようなものが作れるはずがない。
     「なのに、アニメーションを見て、好きで、それをアニメでやりたいっていう縮小再生産では、成立するはずがない!」と。そういうふうに富野さんは考えてたんですよ。
     そこで富野さんが言っていたのは「だから! 色んな人材が入らなければダメなんですよ! 例えば自衛隊の人が入ってきたり……自衛隊って言ったら危険かな? じゃあ、例えばゲイバーの人が入ってきたり~」って(笑)。
     そういう時の例えとして、急に自衛隊とゲイバーを出したりするから、俺みたいな人間にツッコまれるわけですよ。
     富野さんにとって「多様な人間が必要だ!」ってなると、いきなり自衛隊とゲイバーなんですよね。つまり、富野さんの中では色んな人間、今のアニメ界にいない必要な人材というのは、マッチョかオカマかのどっちかなんですよ(笑)。
     「面白れえなあ、このおじさん」って。本人も流石に「自衛隊とゲイバー」って言いだした辺りで、慌てて色んなことを言い出したけど。「例えば主婦とか!」って、なんか言い訳みたいに言うとこもかわいかったです。


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