13人の愛好家による、どこよりも濃い独ブンデスリーガ2015-16シーズンプレビュー・上編
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

13人の愛好家による、どこよりも濃い独ブンデスリーガ2015-16シーズンプレビュー・上編

2015-08-12 23:00
  • 2

独ブンデスリーガは8月15日(日本時間)、2015-16シーズンが開幕する。今季も優勝の絶対的な“本命”はバイエルンだが、大黒柱のシュバインシュタイガーを放出した上、リベリに復帰の目途が立っておらず、DFLスーパーカップではPK戦の末にヴォルフスブルクに敗れるなど、史上初の4連覇への道のりには暗雲が垂れ込めつつある。昨季の2位を自信に換え、さらなる上昇の気配を漂わせるヴォルフスブルク、的確な補強で地力を伸ばすボルシアMG、新監督を迎えて雪辱を期すルール地方の両雄、ロジャー・シュミット体制の2季目で成熟が見込めるレバークーゼンらにも、「マイスターシャーレ」を掲げるチャンスがありそうだ。

また、昨季の原口元気に続き、今季も新たな“侍”が渡独。FC東京からマインツに加入した武藤嘉紀だ。若き日本代表には、レスター(英1部)へ移籍した岡崎慎司に代わる“エース”として、大きな期待が寄せられている。すでに、日本人は独ブンデスリーガの一大勢力。今季も、侍達の切磋琢磨から目が離せない。

一方で、独ブンデスリーガでは今季から「ホークアイ」が利用される。ボールがゴールラインを越えたかどうかを判定する機械で、過去に何度となく物議をかもした“幻のゴール”は、ついに姿を消す。


複数のカメラで撮った映像を基に、ゴールラインを越えたか判定する「ホークアイ」

混沌とする覇権争い、10人を超える日本人達の奮闘、新たなテクノロジーの導入。独ブンデスリーガは、今季も見所に溢れている。そこで、各クラブのファンに協力を求め、独ブンデスリーガの魅力や今季のポイント、ブレイクしそうな選手などを挙げてもらった。深い愛情を注ぐファンならではの濃厚なプレビューを読めば、今季は一段と楽しくなるはずだ。

執筆者は、下の画像の通り。



なお、文章の構成や編集、校閲などは暁が担当しているが、執筆者の個性が出るようにも配慮した。一部、権利関係が怪しい写真を使っている。権利者から指摘があれば、速やかに削除する意向だ。



第1章 これが独ブンデスリーガの魅力だ

日本での人気は、英プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラ、セリエAの後塵を拝す独ブンデスリーガ。リーグそのものよりも、日本人選手に視線が集まりがちだ。しかし、独ブンデスリーガの楽しみ方は、日本人選手の活躍だけではない。独ブンデスリーガを愛して止まない執筆者達が、その魅力を語る。


■老若男女が楽しめる

文・脚魂

独ブンデスリーガの中継で時々、スタンドの観客が映ることがある。欧州のフットボールシーンではスタンドの熱狂的な部分が目立ち、独ブンデスリーガも例外ではないが、そんな中で時々映るのは若い女性や子供、あるいは老夫婦…こういった人達がスタジアムに足を運びやすいのも、独ブンデスリーガの魅力の1つではないだろうか。


■過去10年で4チームが優勝

文・昴

若手の躍動や雰囲気の良さは他の執筆者から語って貰えると思う。そこで、別に1つ挙げたい。それは、欧州の主要リーグの中でも拮抗したリーグである点だ。バイエルンの「1強」と見られがちだが、過去10年で4チームが優勝を経験している。これはスペイン、イングランド、イタリアの各リーグよりも多い数字である。決してバイエルンの1強とは言えない。それゆえに、昨季の最終節のようなこと――6チームによる残留争い――も起こり得る。


■チーム愛に溢れた若手の躍動

文・月峰総一朗

独ブンデスリーガは、英プレミアリーグよりも速いプレーだったり、突出したスーパースターだったりが多いわけではない。そして、伊セリエAよりも戦術的ではなく、リーガ・エスパニョーラよりも技術面で優れているわけではない。それでも、我々が独ブンデスリーガを愛する理由は一体何だろうか。個人的には、若手選手の発掘が最大の楽しみである。

独ブンデスリーガの最大の特徴といえば、若手が次々とトップチームでプレーするということだろう。そして、年々トップチームでのデビューの年齢が低下しているように思える。日本で現役高校生がトップチームデビューとなれば大騒ぎされるが、近年の独ブンデスリーガにおいては普通になりつつある。各クラブは良い10代の選手がいれば、躊躇なく起用する。

若く、ハングリーさがあり、技術的に優れた選手。そしてクラブのユースから昇格してきた選手は、ファンからも愛されやすい。その選手の成長を最初から間近で見続けること、それはクラブを応援していく上の喜びの一つであり、万国共通でもある。

~「若手選手のパラダイスではなくなった」~

「ドルトムントは若手選手のパラダイスではなくなった」。2年前に地元紙の番記者がとある記事の中で述べた。近年、ドルトムントは収益が増大し、比較的多くの違約金を選手に投じることが可能となったが、一方でセカンドチームに所属する若手選手がトップチームに昇格できないという状況が生まれたからだ。

しかし、それは正しくもあり、間違っているとも言える。限られたチャンスを掴む選手も存在する。今季から再び「7」を背負うことになったヨナス・ホフマンは当時、プロ契約も果たしていなかったにもかかわらず、トップチームデビュー。彼のデビュー戦は印象的で、試合後の記者による採点も「2」と高く、そのままトップチームに定着した。

他にも、現代フットボールにおけるシンデレラストーリーを描き、たった1年でドイツ3部からW杯優勝のメンバーに登りつめたエリック・ドゥルムや昨季に久々にドルトムントユースから昇格したジェレミー・ドゥジャークらもいる。

あらゆるクラブにとって確かなことは、ハングリーな若手選手が、いかにして少ないチャンスをモノにするかどうかだ。

~ロイスやグロスクロイツのような選手はお金では買えない~




若き日のグロスクロイツ(上)とロイス

ユースから昇格した選手は、自身が育った街、そして愛するクラブを背負いプレーする。特にケビン・グロスクロイツはその典型だろう。幼い頃からドルトムントの南スタンドで育った彼は、まさにゴール裏を代表してプレーする選手だ。当然、ファンからの支持は絶大で、今年4月のフランクフルト戦では南スタンドの住人たちが大きな横断幕を披露。そこには「Mit Großkreutz verlängern! Jetzt!(今こそグロスクロイツと契約延長せよ!)」と書かれていた。いかにグロスクロイツが南スタンドの住人達から愛されているかを理解できる出来事だろう。

昨季、ドルトムントが下位に沈み、チャンピオンズリーグの出場権もほとんど絶望的だったにもかかわらず、あえて契約延長にサインしたマルコ・ロイスも、ドルトムントユース出身の選手である(当時は昇格できず、アーレン→グラッドバッハを経由して帰還)。

ロイスもまた、筋金入りの「ドルトムンター」で、幼い頃からドルトムントを応援している。彼は「アーレンに移籍した頃、所属先で試合をこなし、それからドルトムントへ向かってチームを応援する日々を送っていた」と後に明かしている。これもまた、ロイスのクラブに対する忠誠心を示した印象的なエピソードである。そういった背景もあり、なおかつクラブが苦境に陥っても見捨てなかったからこそ、ファンは特別な愛情をロイスに注いでいる。

これらは現代フットボールが失いかけているものの1つであり、独ブンデスリーガのクラブが誇れるモノの1つであると、個人的に考えている。スーパースターは多くの金銭を費やせば手に入れられるが、ロイスやグロスクロイツのような選手は金を積むだけでは手に入れられない。

そういったクラブの魂を背負うユース選手が、自国のリーグでデビューし活躍することができる環境にあるのが独ブンデスリーガで、それに対して我々は当たり前のように楽しんでいるが、そのことに少し感謝しなくてはならない。そして恐らく、英プレミアリーグにおいては絶滅しかけている文化である。

ドルトムントの前に立ちはだかった18歳~

様々な若手を見てきたが、ドルトムント以外で1人だけ、脳裏から離れない選手がいる。2013-14シーズン、ウインターブレイク前の最後のホームで開催されたヘルタ・ベルリン戦。ヘルタは当時、2人のGKが怪我で離脱し、急遽第3GKで18歳のマリウス・ゲアシュベックが起用された。普段はレギオナルリーガ(4部)でプレーし、もちろんこの試合が独ブンデスリーガのデビュー戦。そして相手はドルトムントである。誰もが、この状況ならば動揺し、冷静なプレーは困難を極めるはずだった。

実際、試合はドルトムントがロイスの鮮やかなゴールで先制。ゲアシュベックは、この失点について試合後に「僕がキャッチしなくてはならなかったゴールだった。それから考えた。『Scheiße!』(独語でク○だ!)と」と心境を語っている。

しかし、その後はヘルタが逆転に成功。ホームで攻勢に出たドルトムントは、レバンドフスキやソクラテスが決定機を迎えるも、冷静さを取り戻したゲアシュベックが好セーブを連発、ロスタイムにはレバンドフスキとの空中戦を制し、見事にデビュー戦を勝利で祝った。

彼はヘルタのユース出身だが、同時にヘルタのゴール裏の住人の1人だ。クラブに絶対的な忠誠を誓っており、愛するクラブのゴールマウスを守ることは、彼の人生における夢であった。試合後、すぐさまフェンスを越えて5000人のファンの待つゴール裏に駆け込み、自身の独ブンデスリーガ初勝利をファンと共に祝福した。


ゴール裏でファンと勝利を祝うゲアシュベック

「もし自分がプレーしなかったならば、他のクレイジーな人達と一緒にアウェイゲームに参戦していたんだ」。ゲアシュベックはインタビューで語り、当時監督を務めていたルフカイは「マリウスはフェンスを乗り越え、ファンの元に姿を消してしまったよ」と満足げに述べていた。

ドルトムントが前半戦最後のホームゲームを落とし、個人的にがっかりした気持ちがあった反面、何故か爽やかな気持ちもあったことを認めなくてはならない。誰も名前すら知らない、突然湧いて現れた18歳の若手選手が見事なプレーを披露し、試合後に自身の居場所であるゴール裏でファンと共に祝うという印象深い光景を目撃したからである。

これこそが、ブンデスリーガが描くことができる、情熱的で美しい物語だ。

ゲアシュベックは「Geil」(ドイツ語で「やばい、すげえ」という若者言葉)と何度もマイクに叫び、そしてこう述べた。

「夢は叶う」と。


■年々近づく日本との距離

文・なかがわ しんや

日本人の目線から魅力を挙げるとするならば、やはり「日本人選手が多く在籍している点」だと思う。自分も含め、そこを入り口に独ブンデスリーガ、あるいはフットボールの扉を叩いた方も少なくないはず。日本人選手がいることでリーグ、クラブ、選手をより身近に感じることができる。

また、日本語版の公式Twitterを開設するなど、さらなる日本人のファンの獲得を狙っているクラブあり、独ブンデスリーガと日本の「距離」は年々近くなっている。


■子供の日常にフットボールを組み込む、垣根の低さ

文・Fusshalt

ドイツ・ブンデスリーガの魅力とは何かを考えてみるに、垣根の低さが一番ではないかと思う。

もちろん、試合観戦のしやすさもある。というのも、他のリーグに比べて、チケットの入手難度が段違いに低いのだ。もちろん、好カードや人気チームは入手難度が上がるものの、それでも英プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラのトップチームほどではない。

加えて、チケットの価格も他のリーグよりも低く設定されているため、子供達のみで観戦に来ていることも多く、独特の牧歌的な雰囲気がスタジアムにあることも魅力では無いだろうか。

例えば、私の贔屓チームであるバイヤー・レバークーゼンの最低チケット価格は14ユーロ(日本円で約1420円)であるが、他のリーグで同規模のチームと比較すると半額以下だ。ちなみに、同規模と思われるチームの価格を幾つか挙げると、リーガ・エスパニョーラのセビージャが35.40ユーロ、伊セリエAのナポリが21.30ユーロ、英プレミアリーグのトッテナムが45.44ユーロとなっている。

さらに独ブンデスリーガの場合、一定区画の公共交通機関の代金がチケットに含まれているため、実際の額面よりも価値は高くなっている。そう考えると、よりユーザーフレンドリーなチケットと言えるだろう。これは、子供達が自分の小遣いでチケットを購入し、観戦に行くことを可能にし、「日常の一部にフットボールがある」という文化をさらに醸成させる一因になっていると思う。

そして、垣根の低さは試合観戦にとどまらない。練習見学も基本的に公開が多い上、選手や監督、コーチとも自由に触れ合うことが可能だ。選手も気さくにサインや写真に応じてくれる。特に子供に対しては、本当に真摯に対応している。それにはチームからの指導もあるとは思うが、それ以上に「自身が幼い頃に選手がそう対応してくれたから」ということが大きいのではないか。選手と自由に触れ合えるからこそ、その選手を応援するためにスタジアムを訪れるというサークルができ上がり、それがスタジアムをさらに熱くさせる。この独ブンデスリーガの持つ独特な雰囲気は、こうして作られていったのではないだろうか。

この雰囲気は、ぜひともスタジアムで味わって欲しいと心から思う。


■ゴールに向かう姿勢が強く、観ていて飽きない

文・ふみ

ゴールに向かう姿勢が強いリーグであることが魅力だ。パス回しが目的となるようなこともなく、リスタートの意識も徹底されている。90分間に亘り観ていて飽きないフットボールが、ほとんどの試合で展開される点が良さである。


■全ての面で開かれた存在

文・Holli

独ブンデスリーガの魅力を改めて考えてみた。自分にとって一番惹き付けられるのは、全ての面で開かれた存在であることだろうと思った。独ブンデスリーガだけではなく、ドイツの社会についても同様のことが言えるかもしれない。

英プレミアリーグはクラブ側が力を持ち、厳格なメディア戦略で情報をコントロールしているが、独ブンデスリーガは比較的オープンである。試合前、試合後の記者会見は、ほとんどのクラブが公式サイトにおいてフリーで映像を提供している。不適切と思われる発言についても、カットせずにそのまま流す。練習見学もオープンだ。ファンと選手の距離も近い。

メディアと一般ブロガーの垣根も低く、先日ハンブルクで開催されたフットボール・バーキャンプ(http://fubacamp.de/)では、各チームのファンが集まり、それぞれが提出したテーマにより活発な討論が行われた。

また、異なるチーム間のファン同士の連絡網も緊密で、例えば難民をヘルプするための「Second Fan Shirt」プロジェクト(https://www.facebook.com/SecondFanShirtGermany)には、多くのチームのサポーターが参加している。

2012年にスタジアムの安全基準がリーグ(DFL)主導で提案された時も、各クラブのサポーターが連帯してスタジアムで反対運動を行った。リーグもそれに対して耳を傾け、改善案を再度提案するに至った。

全てにおいてオープンで、対話によって解決を図るという姿勢は、Jリーグがお手本にすべき部分でもあるだろう。

近年、多くの日本人選手がドイツでプレーしているように、他国の選手を受け入れることにも積極的だ。それでいて自国の育成にはしっかりと力を入れ、代表チームもワールドカップで優勝するほどになった。

開かれたコンテンツとして、多くの参加者を巻き込み、試行錯誤する。何かの障害にぶつかれば、その都度解決して先へ進み、垣根の低さからさらに多くの人々を呼び込む。独ブンデスリーガの魅力は、そこにあるように思う。


■リーグ全体の拮抗

文・まっつー

最近こそ、その印象は薄れたが、やはりリーグ全体の拮抗だろう。どこが優勝するか分からないというのは、大きな魅力の1つになるはずだ。「今年もバイエルンだろう」という声もあるかもしれないが、今季はヴォルフスブルクが優勝をさらい、再び独ブンデスリーガが「戦国時代」に突入することを祈っている。


■スポーツや娯楽をも超越する“文化”

文・まるよし

独ブンデスリーガの魅力、それはやはり世界一を誇る観客動員数とサポーターがつくり上げるスタジアムの雰囲気だ。ドイツ人にとってのフットボールは「文化」そのもので、スポーツや娯楽をも超越している。例えば、チケットの値段がサポーターの目線で設定されているのは、「おらが町のクラブ」を応援するためにスタジアムを訪れる地元の人々を、クラブが何より大事にしているからだ。他の欧州の主要リーグに比べて商業色や政治色が極めて薄い「純粋なフットボールリーグ」だからこそ、人々は熱狂し、スタジアムは常に多くのサポーターで埋め尽くされている。



第2章 押さえておきたい2015-16シーズンのポイント

新シーズンの見所を、執筆者達が独自の視点で紹介する。


■祭りのくじ引きのような実況陣

文・暁空也

日本での独ブンデスリーガの中継は、祭りのくじ引きのようなものだ。

ゲーム機などの豪華な景品で呼び寄せ、外れを量産して子供の貴重な小遣いを搾取する祭りのくじ引きと、下田恒幸という“目玉”を抱えながら、ひたすら資料読みや雑談に没頭する実況者、耳障りなほどやかましかい実況者、的外れな発言を解説者に否定される実況者ばかりを起用し、支払った視聴料を後悔させる独ブンデスリーガの中継。まさに“同類”だ。

しかし、当たりの稀少さは、当たった時の喜びに比例する。すなわち、魔窟のように次から次へと“おぞましい”実況者が這い出てくるフジテレビのCSによる中継は、博打的な快感をもたらす“至高の鉄火場”と言っても過言ではない。

自らが応援するクラブの中継を、誰が実況するのか――。

歓喜と怨嗟の交錯は、童心を甦らせる。

もっとも、新シーズンはFOXスポーツが撤退し、Jスポーツの中継が拡大。ツイッターのタイムラインに罵詈雑言と阿鼻叫喚を量産したFOXスポーツの田中雄介は消え失せ、永田実や野村明弘ら優れた実況者を登板させるJスポーツが各節4試合を中継するため、相対的に当たりの数が増える。8月12日には、GOALが独ブンデスリーガのインターネットによる無料放送を始めると発表。実況や解説の有無は明かされていないが、新たなチャンネルの参画で中継のギャンブル性は低下する。

それでも、中継の割り当てはJスポーツが4、フジテレビのCSが3、GOALが4。少なくとも11分の3は「ハイリスク・ローリターン」だ。さらに、3の中に「1等」が入っているとは限らない。むしろ、外れの比率は当たりよりも遥かに多い。新シーズンも、実況者を巡る悲喜こもごもは後を絶たないだろう。玉石混交のくじ。それを1等から6等までに分け、新シーズンに注目するポイントとして紹介する。

<1等>

下田恒幸


左が下田氏

出現頻度:普通~やや少なめ(フジテレビのCS)

独ブンデスリーガの実況では一頭地を抜いている。俗っぽい言葉で表せば「神」。解説者を上回るほどの知識、それでいて解説者を立てながら上手く話を引き出す“気遣い”、程良く抑揚が効いた実況、彼の名前と姿が画面に映った時の安心感と喜びは格別だ。「(ボールを)付ける」や「ドッペルパック」(=独語で2得点の意)など、他の実況者が使わない独特の言い回しにも個性が光る。決して、玉乃淳の“調教師”ではない。

<2等>

永田実



出現頻度:※多い(Jスポーツ)

通称「海老蔵」。とにかく、顔が海老蔵に似ている(どうでもいい)。ラジオのFM出身(エフエム東京)だけあり、耳朶に響く流麗な声が心地良い。実況はオーソドックスで、ピッチ上の動きを的確に捉えて言葉を充てる。昨季は、ライターの木崎伸也氏と「阿吽の呼吸」で独ブンデスリーガを盛り上げた。


野村明弘



出現頻度:※少なめ(Jスポーツ)

リーグ・アンや英プレミアリーグのイメージが強く、昨季の独ブンデスリーガの中継に登場した際はツイッターのタイムラインに「珍しい」というツイートが並んだ(筆者の体感)。顔のインパクト(失礼)に反して、実況はシンプル。やや高めのトーンが印象的で、聞き取りやすい。


<3等>

馬場鉄志



出現頻度:多い(フジテレビのCS)

喋りも、見た目も“くどい”(失礼)。狭いスタジオでの中継時は、その巨体で画面の半分以上が埋まり、解説者は暑そうである。もっとも、知識は豊富で、独ブンデスリーガへの愛情も随所に感じさせる。しかし、ピッチ上の実況よりも資料を読んだり雑談に興じたりする時間が長く、饒舌に過ぎる感は否めない。


<4等>

河路直樹



出現頻度:多い(フジテレビのCS)

ほぼ毎週、確実に遭遇する「フジテレビのCSの2トップ」の1人。48歳と円熟の域に達し、実況そのものには安定感がある。コナミのゲーム「実況パワフルプロ野球」で、お世話になった人も多いだろう(10~2009、NEXT、パワポタシリーズ)。しかし、“本職”は野球でフットボールの知識が足りず、解説者には何度となく的外れな質問を投げ込む。風間八宏氏が解説を務めていた頃の“ぎすぎす感”は、離婚直前の夫婦のようだった。


福永一茂



出現頻度:普通(フジテレビのCS)

ニッポン放送からフジテレビに転籍した変わり種で、フジテレビの公式ウェブサイトによれば特技は「マルセイユルーレット」。そのテクニックを実況に生かして欲しいが、良くも悪くも平凡の域を出ない。とはいえ、フジテレビのCSにおいて彼の平凡さは、むしろ一服の清涼剤だ。


小穴浩司



出現頻度:少なめから増加中(フジテレビのCS)

Wikipediaによれば、1つ後輩の生野陽子を気に入っていたようだが、同じく1つ後輩の中村光宏に奪われてしまった(全く関係ない)。学生時代はフットボーラーだったようで、独ブンデスリーガの実況を担当する回数が徐々に増えている。その割に印象に残らないのは、不快感やミスが少ないと捉えたい。


中村光宏



出現頻度:少なめから減少中(フジテレビのCS)

「ショーパン」の夫。新人の頃は、生放送の受け答えが突出して不得手で、泣き虫キャラ、弄られキャラとして笑いを取っていたが、バラエティ番組などで培われたアナウンス力は侮れない。ただ、ここにきて地上波での活動が忙しくなり、独ブンデスリーガの中継では出番が大幅に減った。


<5等>

青嶋達也



出現頻度:普通(フジテレビのCS)

年々、過剰なリアクションが鼻に付くようになってきた。とりわけ、解説者の発言に対する「(驚きながら)は~!」、「(仰々しく感心しながら)ほ~」、「(初めて知りましたという風に)へ~」、「なるほど、なるほど」、「あ、そうか!」などは、下手な劇団員の芝居よりも嘘臭い。「マルカトーレ青嶋」としてハイライトやダイジェストに充てる実況はコミカルで魅力的なのだが…。


<6等>

小野浩滋


右が小野氏

出現頻度:多い(フジテレビのCS)

通称「小野爺」(恐らく、筆者以外に誰も呼んでいない)。河路氏と並ぶ「フジテレビのCSの2トップ」の1人で、好々爺然とした見た目ながら、清水・ネガティブーン・秀彦氏と頻繁に凶悪なタッグを組み、視聴者を暗澹たる気分に陥れる。とにかく的外れな見解が多く、風間八宏氏には「そうじゃないんですよ」、「違います」と否定され、時には怒られていた。


「妖怪ウオッチ」に登場するネガティブーン


木下康太郎



出現頻度:少なめから増加中(フジテレビのCS)

悪い意味で今後の有望株。上智大学のサッカー部に所属していたようだが、幽霊部員を疑うほど、独ブンデスリーガの実況では意味不明な表現が多い。それでいて口数が多く、迷調子で視聴者を閉口させる。9月6日で30歳と、アナウンサーとしての経験不足は同情に値するが、昨季の田中雄介に勝るとも劣らない“大外れ”になりそうな悪寒に包まれ、西野カナばりに震えてしまう。

※Jスポーツは昨季の1試合から4試合に増えるため、新しいアナウンサーが加わる可能性は高い。あくまで、昨季を基に執筆した。

※あくまで筆者の主観です。


■久々に見られるかもしれない熾烈な優勝争い

文・Siebenendenweg

このところ優勝争いが注目されない独ブンデスリーガだが、今季はバイエルンが史上初の4連覇を達成するか、あるいは他のチームがそれを阻止するのか。独ブンデスリーガのファンとしては、熾烈な優勝争いを久々に見たい。


■名門クラブの復調

文・昴

今季の見所は、名門クラブの復調だろう。



■非常に予想が難しいチャンピオンズリーグの出場権争い

文・とんとん

チャンピオンズリーグの出場権争いが見所だ。昨季はルール勢の不振、ボルシアMGとアウクスブルクの躍進、ロジャー・シュミットの招聘により変貌したレバークーゼンなど上位陣に大きな動きがあった。そのため、今季のCLの出場権争いは非常に予想が難しく、大きな見所の1つと言える。


■最後まで目が離せないチャンピオンズリーグの出場権争い

文・なかがわ しんや

注目するポイントは、チャンピオンズリーグの出場権争いだ。4つある座席のうち1つは、もうバイエルンが腰掛けているも同然。残り3つにどのクラブが座るのかが非常に興味深い。昨季と同様にヴォルフスブルク、レバークーゼン、ボルシアMGなのか、あるいはドルトムントやシャルケが「定位置」に帰ってくるのか、はたまた予想外のクラブが「横取り」するのか。最後まで目が離せない展開となりそうだ。


■ストップ・ザ・バイエルンは成し遂げられるか

文・Fusshalt

ストップ・ザ・バイエルンを成し遂げることができるや否や。これが今季の独ブンデスリーガの最大のポイントではないだろうか。

昨季、バイエルンは3連覇を達成し、今季は前人未到の4連覇と3冠に挑むことになる。そのペップ・バイエルンの野望に、他のチームがどこまで食い下がれるか。

ヘキング監督の戦術が浸透し、新戦力の加入でさらにチーム力を増したヴォルフスブルグを筆頭に、少数精鋭をさらに推し進め、カウンターを研ぎ澄ませたファブレ監督のボルシアMG、超攻撃的なフットボールを推し進めるロジャー・シュミット政権2年目のレバークーゼン、戦術の鬼・智将トゥヘルへとバトンタッチしたドルトムント、ブライテンライター氏を監督に迎え、戦術的アプローチを変更して覇権を狙うシャルケらに、リーグのエンターテインメント性がかかっている。

また、ペップ・グァルディオラに何度も苦杯を舐めさせた若き智将・ヴァインツィール率いるアウグスブルクが上位戦線をかき回せれば、非常に混沌とした面白いシーズンとなることだろう。個人的には、ぜひとも混沌としたシーズンになって欲しい。そう心から望んでいる次第である。


■アウクスブルクの新たな挑戦

文・ふみ

個人的にはアウクスブルクに興味がある。ヴァインツィール監督の手腕もあり、近年は戦力以上の成績を残しているアウクスブルクだが、今季はヨーロッパリーグに本戦から出場するため、中2日でのリーグ戦が増える。昨季は、ほぼ固定されたメンバーで戦い抜いたが、今季はそうもいかないだろう。ヴァインツィール監督にとっても、新たな挑戦となりそうだ。


■一強の崩壊

文・Holli

昨季の終盤からバイエルンの強さには翳(かげ)りが出始めたように感じる。今季は「バイエルン一強」の状態が崩れるのではないだろうか。近年になく優勝争いが面白くなることを期待したい。


■ドルトムントの華麗なる復活劇

文・まっつー

注目は、ドルトムントの華麗なる復活劇だ。プレシーズンの結果は概ね好調と言えるもので、新生ドルトムントは大いに期待できる。また、トゥヘル流に生まれ変わったと言われるドルトムントは国内のみならず、欧州を熱狂させるに違いない。ここ数年「ドイツダービー」と呼ばれるバイエルンとの試合でも、強烈な一撃を与えるだろう。優勝争いに絡んでくることはほぼ間違いないとにらんでいる。


■勢力図の変化と新しい風を吹き込む“新顔”

文・まるよし

勢力図の変化を見逃すな――。近年の独ブンデスリーガは、目まぐるしいスピードで勢力図が変化している。かつて1部で名を馳せた名門クラブが2部や3部に追いやられ、代わってアウクスブルクのようなプロビンチャ(地方クラブ)が躍進している。記憶に新しいのが昨季のパーダーボルン。残念ながら1年での降格となってしまったが、アマチュアに近い環境の中でも、1部で通用する魅力的なフットボールで旋風を巻き起こした。

そして今季、新たに1部に加わる“新顔”は、FCインゴルシュタット04(以下、インゴルシュタット)とSV ダルムシュタット98(以下、ダルムシュタット)。多くの人にとっては聞き馴染みのない両クラブだが、インゴルシュタットは初の1部昇格、ダルムシュタットは34年ぶりの1部復帰となる。前者は世界的に有名な自動車メーカー・アウディをバックに持っており、1部に定着するポテンシャルがある。後者は残留の可能性が極めて低いかもしれないが、資金面から考えると、この昇格は夢のような快挙と言っていい。

リーグに新しい風を吹き込むクラブが、1部の強敵相手にどんな戦いを繰り広げるのか。ぜひとも注目して欲しい。


■グアルディオラ政権は今季終了まで持つのか

文・ゆんゆん

バイエルンが優勝できるか、というよりグアルディオラ政権が今季終了まで持つのか注目している。

シュバインシュタイガーの放出には驚いた。以前から移籍の噂はあったが、まさかバイエルンが放出に踏み切るとは。昨夏のクロースに続き、このクラブのやることはどうも分からない。クロースとシュバインシュタイガーを手離して、代わりに連れてきたのがシャビ・アロンソとビダルというのは…。バイエルンのサポーターはどう感じているのだろう。ビダルはたしかに一線級のタレントだが、4年前に獲り逃した選手を28歳という売り時の年齢で高値で掴まされた感は否めない。

内外から批判にさらされるグアルディオラ監督が自身の在任期間を成功として形付けるには、独ブンデスリーガの話ではなくなってしまうが、ビッグイヤーの獲得しかないだろう。資金力も戦力も飛び抜けた存在であるバイエルンにとって、国内タイトルの獲得は当たり前。それだけでサポーターは満足しない。チャンピオンズリーグで早々に敗退するようなことがあれば、その時点で解任されてもおかしくない。来季以降の契約はどうやら用意されていないようで、今季終了後のマンチェスター・シティ行きが噂されている。

40年近くクラブを支えてきたメディカルスタッフが出ていくなど、火種を抱えるチームがシーズン途中で空中分解なんてこともあったりして。もっとも、独ブンデスリーガはバイエルンが低迷した方が優勝争いが盛り上がるだろうから、“クラッシュ”してもらって大いに結構なのだが。



以下、中編に続く

※誤字や脱字、事実誤認、おかしい点などがあれば、遠慮なく指摘して下さい。コメント欄でも、twitterでも構いません。
広告
×
馬場さんLoveの俺激怒
26ヶ月前
×
>>1

私も馬場さんは好きですよ。競馬の実況は、何度となく唸らされました。

ただ、私のTLは馬場さんの時に拒否反応が凄いので、それらも踏まえて下げさせて頂きました。
26ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。