• 24の前奏曲とフーガ(原博)

    2017-11-10 00:20



    この動画(演奏)とこのブロマガは、故原博氏ならびにフーガPさまに献呈したい。

    ニコ動においても、私は2011年から抜粋では何度か投稿してきたが、
    改めて全曲を取り組んだ契機としては、
    ニコ動の仕様が長時間の動画が投稿できるようになった点が大きいが、
    私にも全曲を演奏できる(音楽観や技術を前にする)日が来たのだという
    "直観"が支配的となった為だ。
    (60分ほどを境に低音質になると知ったのは半分ほど作り終えた後・・・でした)
    何故わざわざ契機を述べたのかという理由に、原博氏の言葉を借りる。
    「30歳代の終わりにフーガの作曲を試みたが、全く手の付けようがなく、つくづくとフーガを学習することやフーガを応用することと、フーガを本当に書くということとは全然異なるのだと思い知ることとなった。1980年になって再びフーガの作曲を試みた時、その時期がようやく訪れたこと、この時期を逃してはならぬことを知った」(第一版のライナーノートより)

    抜粋で演奏される機会は、今後も(全曲よりは)あるだろうと思うので、
    全曲を通した“間”であったり、繋がりの中でのテンポを大切にした。
    途中で返して聴いたり、抜粋で聴くと
    おかしい表現がままある理由はここにある。
    投稿の仕様問題にて三分割したが、連続で聴いて貰うことを意識してあり、
    単一ファイルでの演奏に砕心した。

    (北川暁子氏のCDもそうだが)
    CDに収録するとなると、f-mollで終わり、Ges-durで始まる2枚組になる。
    この区切りは非常に良いのだが、今回の3つに分ける区切りも中々悪くない。
    E-durとAs-durで始まるというのは清々しい。
    ただ、es-mollとg-mollで終わるのは果たしてどうだろうか。

    単曲で私が最も好きなフーガは嬰ハ短調。
    続くニ長調の前奏曲が最も好きな前奏曲。
    (当初はご多分に漏れずト長調や変ロ長調の前奏曲が好きだったがニ長調に落ち着いた)
    巧いなと思うのはニ短調フーガ、ホ長調前奏曲、イ短調フーガ。
    深いと思うのは変ト長調フーガと変ロ長調と変ロ短調のフーガ。
    主題が好きなのはロ長調フーガ、対唱が好きなのはヘ短調フーガ。
    最も良い演奏が出来た気でいるのは、ヘ長調前奏曲~ヘ短調フーガの部分。
    “楽譜での音符以外のすべての記入は一応の目安のためであり、 変更は全く任意である。それは速度標語、表現記号、スラー指使いなどである。 各自の自然で個性的な感覚にしたがって例えばLargoをLarghettoに、 フォルテをピアノに、legatoをstaccatoに変えてさしつかえない。”
    と作曲者が(楽譜の注記で)明言しているため、
    私の演奏も今後この曲集をとりあげる者のしるべの一つとなることを希求する。

    この曲集の全体を通して言える特徴として、
    多くの曲で段階的なストレッタ(切迫、追迫)が
    ふんだんに扱われている点がある。
    比較作品として、バッハの平均律クラヴィーア曲集を見たとき、
    (チェルニーやシュトルツェ、カプースチンはここまで技巧的ではなく、
     ザデラツキやショスタコーヴィチやヒンデミット、シチェドリンは比較にならない)
    バッハはストレッタに不向きなテーマを扱うか、
    追迫にない展開で聴かせる曲が多い。
    ここがバッハの凄さ(形式の為に楽句や楽想が犠牲にならない)だ。
    原博はこのストレッタにおいて、モーツァルトやベートーヴェンのような向きがあるが、
    (原博はこの作品において、モーツァルトとベートーヴェンを意識していると明言している)
    ストレッタが作品の中核にならない点で原博は流麗だと思う。
    まるでチャイコフスキーやサンサーンス。
    ただし、ストレットマエストラーレ(全声部が主題からなる追迫)という技法が
    ロ短調フーガで使われており、これは
    ホ短調フーガのリガータ(単一主題から全動機を展開するザルリーノの理論)に基づく
    ペルムテイチオンフーガ(順列フーガ)
    と並んで高度な技法である。
    少なくとも、2手で破綻なく弾けるよう手配するには、相当な予備作業を要すると推察する。
    だがその高度な技巧は、恐らくこの作品の髄とは相反しているように思う。
    原博の射程は、もっと遠くにある。

    ちなみに現在のWikipediaの記述は大誤りで、この作品は全て2手で届き、
    その必要を問うている作品です。
    原博の言葉における反語を理解していないか、単なるネガキャンのように思う。
    若しくはピアノが弾けない者の旨意だ。


    歴史的なフーガの興りということを考えたとき、その前身はカンツォンだという向きがある。
    これが、器楽合奏に転じたものがソナタ、
    鍵盤楽器に転じたものがファンタジアだということは屡々云われる。
    私としては、これには注記が必要だと思う訳で、
    今年のボカクラ祭のテーマに「幻」があるので触れたいが、
    ファンタジアという楽曲名を最初につけたのは16世紀のリュート奏者だと云われている。
    ビウエラ曲集を初めて出版したL.de.ミランが
    「もっぱら作曲家の想像力と技量から形式と着想を得て創作される器楽曲」と
    銘打っている(1535年)ことでも知られる。
    これは、2手で弾く鍵盤楽曲が、
    ポリフォニックな向きがあった(教会音楽の域を出なかった)のに対して、
    ポリフォニック表現が困難なリュート属が用いだした用語なのだ、と
    諸井三郎も晩年の大仕事「音楽構造の研究」の中巻で述べている。
    (私は諸井三郎の交響曲が3曲とも好きなのだ)
    ファンタジアこれを鍵盤奏者が鍵盤楽器に持ち込んだ為に、
    ファンタジアの始祖が鍵盤楽器にあるとする流れが生まれたのではないだろうか。
    そもそもは、鍵盤楽器の目指す音楽こそがリチェルカータであって、
    その派生的な世俗文化がファンタジアを産み、
    ソナタをも内包していったというのが実のところだろう。
    フーガがフーガたるには、やはり教会音楽の基礎となった「歌詞」の存在が大きい。
    dux(主題)というのは、要するに歌詞を伴ったから、多声部でも同一性を堅持したのだ。
    そういう視点で見たとき、プレリュードというのはファンタジアであって、
    「前奏曲とフーガ」というやつは、カンツォンへと回顧しているのかもしれない。


    迷作だと言う人もあった。
    やる意味があるのかと私に問う者も過去には居た。
    だが私は、この作品を愛している。

    こういった楽曲に「私にも書ける」というような、
    技術的な問題だけで向き合う人が居る。
    「これなら描けそう」と、巨匠の絵に向かって言う人も多い。
    だが例えば、「亡くした肉親の嘗てくれた手紙」に対して、
    同じ手紙を書ける他人に出番は永劫ない。
    あなたの技術的問題は、私にはお呼びでないのだ。
    誰かが書いたシンフォニーをベートーヴェンも書いたように、
    バッハの書いた平均律を原博も書いた。
    ただそれだけのことだ。

    演奏した楽曲がバッハの平均律ならば、私が語るべきことはほとんどないが、
    この作品は、余りに知られていない。
    だが楽曲哲学の明朗性はさておき、楽譜や録音の入手困難さから、
    一種の手引きとして少しばかり言明させて貰う。
    誤りがあれば指摘されたい。

    楽曲構造の分析方法としては、上述の諸井三郎著「音楽構造の研究」より、
    J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集1,2集のフーガの構造分析に準拠した。
    即ち、Durchführungという概念に基づく。ここでは施工規程という此訳を用いたい。
    この方法での諸井氏の分析はフーガにしか及ばないが、
    ここでは前奏曲についても同じように論じた。その理由は一目瞭然である。
    なお、各曲の特記については、私の独断による附記(諸井氏の方法ではない)である。
    ※全音の楽譜には小節番号は付されていないが、
    繰返記号の中身は小節数として数えない手法をとった

    ■ Praeludium ■
    • Nr.01 | C: | 3/8 | C-G 15 | G-e-G 29 | G-a 43 | a-F 64 | F-C-c-es-C 102 | Durchführung^5
    • Nr.2a | c: | 2/4 | c-B 19 | B-g 29| Es-c 42 | reprise, c-Es 65 | Es-c 86| Durchführung^5
    • Nr.2b | c: | 2/4 | c-B 17 | B-f-Es-c 38 | reprise, c-Es 55 | canon, Es-g-B-c 63 | c 80 | Durchführung^5 再現部のカノンに疑似追迫が使われる
    • Nr.03 | Des: | 2/2 | Des-As 9 | As-f-Des 24 | reprise, Des-es 38 | es-Des 42 | Des 50 | Durchführung^5 プラルトゥリラとターンの入れ方に疑問が残るが、17番と同様に、北川氏とは違う先取を採択した
    • Nr.04 | cis: | 3/4 | cis-dis 6 | dis-E 15 | E-A-D-Cis-H 27 | H-cis 33 | reprise, cis-picardische 49 | Durchführung^5
    • Nr.05 | D: | 6/8 | D-A 10 | fis-h 21 | h-G 28 | reprise, G-D 38 | h-D 44 | Durchführung^5
    • Nr.06 | d: | 2/4 | d: 41 (passacaglia, 18var. +coda) | Durchführung^1
    • Nr.07 | Es: | 3/4 | Es-B 20 | B-c 36 | c-Es(reprise) 59 | Es 67 | Durchführung^4
    • Nr.08 | es: | 3/4 | es-Ges 12 | Ges 26 | Ges-des=b 35 | es(reprise)-c-Ges-es 45 | es 60 | es 70 | Durchführung^6
    • Nr.09 | E: | 2/2 | E-fis 12 | A-cis 24 | H 43 | e 53 | e-E 68 | reprise, E-e-picardische 80 | Durchführung^6
    • Nr.10 | e: | 3/4 | e-G 7 | G-h 23 | h-D-e 45 | reprise, e 54 | e-picardische 60 | coda, e 72 | Durchführung^6
    • Nr.11 | F: | 12/8 | F 12 | g-d 20 | piacere, d-es-e-f 27 | reprise, f-picardische 43 | Durchführung^4
    • Nr.12 | f: | 4/4 | f-Es 14 | Es-c-Es 24 | Es-b-f 36 | Des-fis-h-e-f 46 | reprise(orgelpunkt), f-picardische 52 | Durchführung^5
    • Nr.13 | Ges: | 4/8 | Ges 8 | Des-b 15| b-as-ces-ges 27 | reprise, Ges 37 | coda(orgelpunkt), Ges 46 | Durchführung^5
    • Nr.14 | fis: | 4/4 | fis-cis 8 | A-h 16 | reprise, h-fis 25 | coda(orgelpunkt=sopra), fis 8 | Durchführung^4
    • Nr.15 | G: | 4/4 | G-D 8 | D-G-e 16 | e-h 24 | h-G 34 | reprise, G-g-picardische 46 | Durchführung^5
    • Nr.16 | g: | 2/4 | g-B 8 | B-d-g 17 | g-B 28 | Es-c 49 | reprise, c=g 59 | g-picardische 69 | Durchführung^6
    • Nr.17 | As: | 3/4 | As-f 12 | f-c 23 | Des-As 38 | coda, As 44 | Durchführung^4
    • Nr.18 | gis: | 3/4 | gis-Fis 19 | fis-h 26 | h-gis 42 | coda, gis-picardische 51 | Durchführung^4
    • Nr.19 | A: | 6/8 | A-D 5 | D-E 11 | E-A 24 | A-E 37 | E(orgelpunkt)-A 50 | Durchführung^5
    • Nr.20 | a: | 2/4 | a-e 19 | canon, c-a 41 | C-a-picardische 60 | Durchführung^3
    • Nr.21 | B: | 2/2 | B 8 | B-g 17 | g-c 27 | c-B 47 | Durchführung^4
    • Nr.22 | b: | 4/4 | b-f 12 | f-picardische 23 | es-b-picardische 33 | Durchführung^3
    • Nr.23 | H: | 3/8 | H-gis 14 | gis-A 33 | fis-picardische 43 | Fis-dis 51 | dis-H 64 | gis 74 | gis-A 98 | fis-h-picardische 113 | Durchführung^8
    • Nr.24 | h: | 4/4 | h-fis 6 | fis-A 12 | A-e 15 | reprise, e-h 19 | h-(orgelpunkt) 27 | Durchführung^5

    ■ Fuge ■
    • Nr.01 | C: | 4/4 | C-G 16 | G(e)-a-d-F 33 | F-C 43 | stretta, C-e-C 57 | Durchführung^4
    • Nr.02 | c: | 3/4 | c-f 16 | f-B 23 | B-Es-Des 30 | Des-umkehrung-c(G) 39 | G(orgelpunkt,erweiterung),umkehrung-(c)picardische 45 | Durchführung^5
    • Nr.03 | Des: | 9/8 | Des-es 13 | (pseudo stretta),es-b-As-f 23 | (pseudo?)stretta, f-Des 30 | stretta, Des-es-Des 40 | Durchführung^4
    • Nr.04 | cis: | 2/4 | cis-E 24 | E-cis 37 | cis-fis-E 56 | cis 67 | Durchführung^4 平行調でトーナルとレアルが逆転、疑似追迫でレアルが続くが真性追迫では呈示部に回帰する手法がとられている
    • Nr.05 | D: | 2/2 | D-h 26 | h(2comes)-e+(Index verticalis=3) 43 | h(2thema)-fis(doppel)-A 57 | A-D 72 | G-D 83 | Durchführung^5
    • Nr.06 | d: | 6/8 | d-F 20 | F-g 34 | pseudo stretta, d-a-B 53 | B(umkehrung)-g(umkehrung)-d 62 | d 72 | Durchführung^5
    • Nr.07 | Es: | 4/4 | Es-B 15 | B-c-Es-f 27 | f(stretta=zwischenspiel)-c 31 | c(stretta=zwischenspiel)-B 38 | Es(umkehrung-orgelpunkt) 45 | Durchführung^5 追迫を嬉遊に充てパウゼで挟むという特殊な構造をとり、その2セット同士でレアルとトナルが逆転する
    • Nr.08 | es: | 2/2 | es-Ges 29 | Ges-es 44 | (pseudo stretta), es 51 | pseudo stretta, es-as 60 | as-Ces 71 |stretta, Ces-es-picardische 82 | Durchführung^6
    • Nr.09 | E: | 3/4 | E-cis 18 | cis-E 28 | (pseudo stretta), E 38 | stretta, E-H 55 | E(orgelpunkt) 60 | Durchführung^5
    • Nr.10 | e: | 6/4 | e(1dux) 13 | D-G-e 26 | e-a(2dux)-e 32 | e(principal) 40 | h-D-G-e 50 | e-coda(orgelpunkt), picardische 59 | Durchführung^6 フーガリガータ、ペルムテイチオンフーガ
    • Nr.11 | F: | 4/4 | F-d 9 | d-C 17 | C-g-G 28 | umkehrung, C-B 40 | B-g-F 50 | Durchführung^5
    • Nr.12 | f: | 6/8 | f-As 21 | As-b 30 | f-c-f 43 | f 52 | Durchführung^4
    • Nr.13 | Ges: | 2/4 | Ges-b 21 | b-es-Ges 33 | (pseudo stretta), Ges-es 42 | stretta, es-Ces(umkehrung) 57 | Ces-Ges 60 | Durchführung^5
    • Nr.14 | fis: | 3/8 | fis 15 | cis-h 32 | h-A 38 | A-fis-E 55 | umkehrung, E-fis 66 | fis 75 | fis-cis-D-fis 91 | erweiterung, fis-picardische 100 | Durchführung^8
    • Nr.15 | G: | 6/8 | G 15 | G-e 35 | e-h-B 45 | umkehrung, B-D 56 | D-a 69 | a-G 86 | coda, G(orgelpunkt) 89 | Durchführung^7
    • Nr.16 | g: | 3/4 | g-d 22 | g-B 29 | B-F 39 | F-c-f 58 | c-g(1comes verticalis=3) 66 | Durchführung^5
    • Nr.17 | As: | 4/4 | As-Des 10 | Ges-c 14 | c-Des 21 | Des-f-b-f 28 | des-as-picardische 42 | Durchführung^5
    • Nr.18 | gis: | 4/4 | gis 12 | gis-H 18 | H-gis 24 | (pseudo stretta), gis-H 30 | stretta, H-gis 35 | erweiterung, gis-orgelpunkt, umkehrung-picardische 48 | Durchführung^6
    • Nr.19 | A: | 5/8 | A-E 19 | E-fis-h 33 | h-D-E 46 | E-A(orgelpunkt, umkehrung) 57 | Durchführung^4
    • Nr.20 | a: | 6/4 | a 66 | a-C 34 | C-umkehrung-a(orgelpunkt) 58 | a-d-a 72 | a-picardische 75 | Durchführung^5
    • Nr.21 | B: | 4/2 | B(1dux)-g 16 | g-B 24 | B(2dux)-doppel-c 35 | c(umkehrung)-B 45 | B-g-F 57 | B 64 | Durchführung^5
    • Nr.22 | b: | 4/4 | b-Des 16 | Des-es 27 | es-Ges-f 38 | b(orgelpunkt) 44 | pseudo stretta, b-Des-es 56 | stretta, es-b-picardische 67 | Durchführung^6
    • Nr.23 | H: | 2/2 | H-cis 16 | cis-E 30 | E-dis 39 | dis-H 48 | H 57 | coda, H 68 | Durchführung^6
    • Nr.24 | h: | 4/4 | h-fis 14 | fis-D-h 23 | h-e 29 | e-G 34 | G-fis-h 45 | stretto maestrale, h-umkehrung-picardische 54 | Durchführung^6 呈示後は常に半拍ずつストレッタとなっており、最終的にストレットマエストラーレとなる

    ・前述の通り、全フーガにわたり、段階的ストレッタを多用している
    ・2節に分類される楽曲が存在せず、3節のものもごく少数である
    ・古典派の凝った作品にみられるような「下属調で再現される楽曲」が多い
    ・バッハ平均律のごとくカンクリザンス(主題逆行)は用いられない
    ・少なからず、他曲の動機引用(関連)が存在する(意図されたと推測される)
     (d:fuge ; a;fuge)(As:prelude ; gis:prelude)(gis:fuge ; B:fuge)(B:fuge ; b:prelude)

    ブロマガのサムネイルはロバートブルームの「本を眺むる女」(PD)である。
    さて、ボカクラ祭の制作を開始せねば。
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  • 錬金の調べ

    2017-08-24 20:291
    今更ですが、ルカを使ってクラシカに挑む…
    作曲家200人をショパンを以て達成しました。

    150より上の一覧はこちら
    http://ch.nicovideo.jp/hachibip/blomaga/ar935555

    ついでに、記録してあるその他のボカクラ。





    チリツモということで、シート落とし込みにより折角ソートできるので
    「何か調べてみるか」と200人の調性の内訳を数えてみました。

    • ハ長調 11
    • ハ短調 11
    • 変ニ長調 1
    • 嬰ハ短調 7
    • ニ長調 15
    • ニ短調 17
    • 変ホ長調 6
    • 変ホ短調 3
    • ホ長調 4
    • ホ短調 16
    • ヘ長調 10
    • ヘ短調 5
    • 嬰ヘ長調 2
    • 変ト長調 3
    • 嬰ヘ短調 6
    • ト長調 12
    • ト短調 11
    • 変イ長調 3
    • 嬰ト短調 1
    • 変イ短調 1
    • イ長調 6
    • イ短調 12
    • 変ロ長調 7
    • 変ロ短調 2
    • ロ長調 3
    • ロ短調 5

    嬰ハ長調、嬰ニ短調、変ハ長調
    は無く、
    残りは音列か無調。

    多かったのは、ニ短調に次いでホ短調。
    結構意外。

    嬰ハ長調と言えば、私が思いつくのは(バッハの)平均律でしょうか。
    嬰ニ短調はやはり平均律か、スクリャービンの悲愴。
    変ハ長調…うーん、チクルスのように調体系を網羅する曲集以外で、
    主調ではみたことがないかも…。
    ああ、セヴラックと思ったけど「空は屋根の向こうに」はas-mollですよね。
    平均律はいけるけど、スクリャービンの8-12はボカロでは厳しいなぁ。
    ただ歌わせるというのなら簡単な話なのですが。



    さてさて、これだけの多様な作品を「調性」ただそれだけでぶったぎる、というのは
    なかなかに強引というか、大雑把というか。
    それは勿論、百も承知…いや二百は承知か。
    調判定など無益だ、という考えも同意できます。
    ですが、例えばバルトークが
    自身のピアノ協奏曲1番を「ホ短調だ」と明言しているかどうか、というのは、
    やはりとても重要なことだと思うんですよ。
    日本でクラシックと呼ばれる音楽においては、殊に。当然ながら。
    モンテヴェルディとアルトゥージ、ラモーとルソーが
    後世の音楽の姿をどのように変えたか…ということを顧みましょう。

    私は今年ようやくAnleitung zur Singkunstを読了する程度の不勉強ぶりなので
    扱う楽曲に偏りがあると強く自覚していますが、
    場所や時代を超えて培われてきた様々な在り方を、
    楽譜を通して取り組んだと言って良いのかな、と少しばかり思います。
    その上で、
    調性という概念に立脚した時代というのは、それなりに長く、
    今なお浸透していると感じています。
    どこかに基準を持たないと、判断などできませんからね。
    自らの基準を持つには、人生なんて短すぎる。
    それに、基準は外部に持つ方がいい。
    歴史を扱う学問なら殊更に。
    100年を超える知見累積を、歴史に頼らず得るのは至難です。

    とまぁこのような考えで、
    調性別のカウントをしてみた訳です。


    「曲が調性を選ぶ」ということはあっても、
    「調性が曲を選ぶ」ということは私には皆無です。
    ですから、この200曲が選ばれたということは、
    即ち調性の分布でもあるのかな?とも思う訳です。
    統計学的には更なる桁が必要でしょうけれどw

    あと、調律についても考える必要がありますよね。
    同じ楽曲について、
    A=440HzのA-durと、A=466.16HzのAs-durの2者で、
    同じ12平均律で演奏した場合に、
    楽曲(の調性)を知らない前提で、
    両者の違いを人間は認知できるのか、と言う問題です。
    私が言いたいのは、
    「認知できなければ意味がない」ということではなかろう、と言うことです。


    そんなことで、最近ピュリスム(コルビジェ)に惹かれていまして、
    バルトークに似た匂いを感じるのです。
    モジュロールを使った楽曲ってあるんだろうか?
    なければ作ってみたいけど…クセナキスとかやってそうだなぁ(詳しくなくて知らない)
    …何も知らないものは何も愛せないのかも。

    黄金といえば
     

    指輪とランスへの旅はまだないのか…

     
     
     
     

    おまけ

  • 宇宙人のチューニング

    2017-07-22 13:3441
    私たち人類は、環境を自己本位のもとに改変して生きている。
    豚は猪だったろうし、野菜なども収穫量や食べられる部分が少なかった筈。
    これを自然破壊だとか環境汚染と混同してしまうこともあるけれど、
    私たち人類とて自然の一部なのだから、
    切り離して考えるのはエゴイズムが過ぎるというか、
    私個人は違和感を覚えたりするのです。
    だけれども、その境目がどこなのか、具体的には難しくて、
    『食においしさを求めること』、『温度湿度などのパーソナルな快適性』、
    『生活へ害を及ぼすものの駆逐』、
    というのが果たしてどこまで適当であるか、というのは、
    「分からない・考えない」というカテゴリに仕舞って
    目をあてていないようにも思う。
    そう、ヒアリだのウナギだののニュースをうけて、
    私がこのところずっと考えていることです。
    いずれにせよ、我々…生きとし生けるものは
    必ず
    どこかまで環境をチューニングしている訳だ。

    ~~~~

    いつだったか、まとめサイトか何かで、
    宇宙人(?)とのチャネリングのような面白い話をみた。
    承前から考えるに、我々も宇宙人なのだから、
    宇宙人という呼び方は適当ではないけれど、
    ここでは宇宙人と呼ばせて貰う。

    そのスレッドの宇宙人は違う次元に存在しており、
    一元論的に細分化して、遠くを見渡すレンズを磨いても、
    私たち(宇宙人)は見つけられないよ、といったような話だったと思う。
    それなりのトレッキーである私は、違う次元ならそりゃそうだ、
    スタートレックも見たことないのか?なんて思った訳だけれど、
    この話を思い出したのは他でもない、
    異次元宇宙人のような存在が
    我々の基準でいうところの時間や空間へと
    既に干渉していた(ファーストコンタクトしていた)として、
    彼等が我々をチューニングするとしたらば
    それは一体何なのだろう?ということなのだ。

    「同じ次元で語られる宇宙人」というやつは、
    悉くUFOに乗ってきて、人類を地球を侵略していく。
    我々は戦うわけだけれど、ホーキング博士はやめたほうが良いと言っている。
    マヤやネイティヴアメリカンが駆逐されたように、同じ事が起こるというのだ。
    だが、次元が違うのであれば、
    彼等が我々を食べる必要はなさそうだし、
    暑い寒いは勿論のこと、狭い・ぶつかるということもなさそうで、
    害益の概念もなさそうだし、迫害しそうもないように思うのだけれど、
    私が納得のゆく考えとしては、
    彼等のチューニング先として
    我らのスピリチュアルな面なら
    筋が通るではないかということなのだ。

    はっきり言ってしまえば、
    音楽の精神的充足こそ、彼等のチューニングなんじゃないか、
    コンファームなんじゃないか、と私は思ったのだ。
    彼等は音楽が聴きたいんじゃないかな。
    あるいは彼等の正体が音楽、でもいいかも知れない。
    都合の良い「宇宙人像」すぎるだろうか。

    ~~~~

    そのスレッドでは
    宇宙人が「地球人は音楽が好きだよね」と語るような場面が挙がっていて、
    私は、フェイクというか、肝というか、謎を感じた。
    関係のないはぐらかしというか、
    異質な話題にみえたのだ。
    音楽の話をするのか?音楽が理解できるのか?
    次元が違ってもやはり文化があるのか?
    と感じたのだ。
    だからなのか、
    話が繋がってしまった。

    ~~~~

    だが待って欲しい。
    養豚所の豚さんが
    「我こそは人類においしくいただかれるためにチューニングされ生まれてきた存在だ」と仮に悟ったとする。
    いや、悟っていないという方が不自然な話なのだけれど。
    不自然かどうか、不自然とはなにかはさておき、
    豚さんの、己の存在価値から、生死を取り除いた(次元が異なる)としたら、
    果たして豚さんは、おいしくなろう、とするだろうか?
    我々が我々の音楽を求めるように?
    うーん、しないような気がするなぁ。
    というところでこの話はご破算。
    大いなる勘違いなのだろうか?
    はたまた、異次元の宇宙人に、チューニングの必要性はないのだろうか?
    そもそも私の考える音楽というものが卑しいのだろうか?
    いやはや音楽とは一体何なのだろう。