• the Riv@als 第2話 side B 「自称・カワイイの意地」

    2017-04-10 01:4231








    麗華

    「マーケティング部から報告があったわ。
    765プロと961プロがそれぞれprprのイベントに出るって」


    ともみ

    「prprって動画サイトよね? ネットアイドルの育成を主体とした」

    りん
    「あっ アタシも知ってる。ペロペラーってやつだ」

    麗華
    「キー局の特に重要な仕事はアタシ達が独占している状態だからね
    すこしでもメディア露出が可能な方法を模索しているのでしょう」

    ともみ
    「麗華、まさかあなた…?」

    麗華
    「フッ 安心なさいともみ。アイドルには格というものがある。今更ネットアイドルの真似事なんてするつもり無いわ。……けど」



    麗華

    「少しは遊んでやっても良いかもね。たしかウチの事務所にもネットを活動拠点にしているのがいたわね。連れてきなさい」




    -----------------------------------------------------------------------


    幸子
    「それでボクたちに白羽の矢が立ったわけですね! フフーン なかなかいい目の付けどころですよ!




    麗奈

    「アーハッハッハッハ……ゲホゲホ!
    と…とうとうこのレイナサマの出番が来たというわけね!!」




    麗華

    「輿水幸子さん、小関麗奈さん。あなた達のキャラクターがネット上で話題になっているのをレポートで読みました。あなた達には特別に任務を与えます」

    幸子
    「わかってますよ、プロダクションマッチフェス!
    カワイイボクが出れば優勝は間違いな……」

    麗華
    プロダクションマッチフェスで天海春香を潰しなさい

    幸子
    ………え?




    麗華

    天海春香は持ち歌である『I want』を出してくるでしょう。あなた達のキャラクターはそれを歌うときの天海春香に似ています。あなた達が先に出れば、キャラかぶりを恐れ『I want』を歌えなくなる…これが作戦です」

    麗奈
    「作戦って……」

    麗華
    「ユニット名も既に用意しています。

    『Red Shoulder』

    我が東郷寺プロが特定の相手を潰すときに編成する特務ユニットのコードネーム
    本来は表立って使われる名ではありませんが、あなた達二人のイニシャルをかけたダブルミーニングとして、今回は実芸名とします」




    幸子
    「……………」

    -----------------------------------------------------------------------
    麗奈
    「随分とふざけた『命令』だったわね… これじゃあアタシらただの当て馬じゃない」

    幸子
    「ボクはね…これでも一生懸命やってきたつもりですよ!
    ネットアイドルの世界で僕のカワイサが通用するって事を証明するために必死でやってきて…」




    麗奈

    「その結果がこんな仕事とはね。
    …まぁ、これはこれで面白そうだしアタシはやるけど、どうする? 降りる?」




    幸子

    「誰が降りるですって? そんなことしたらボクがボクのカワイサを否定するようなもんじゃないですか!!やられたことはやる! その上で証明してみますよ! ボクが誰よりも一番カワイイってね!!」



    麗奈

    上等ォ! それならとことん付き合ってやろうじゃない!!
    ククク… こうなったら天海春香の時代を終わらしてやるわ!!
    彼女のファンを奪い、愚民どもをひれ伏せさせるのよ!!」


    「ククク…アーハッハッハッハ……ゲホゲホゲホゲホ!」




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  • the Riv@als 第2話 side B 「prpr動画」

    2017-04-10 00:421





    ???

    「千川さん、765プロへ行ってもらいたい」



    ちひろ

    「765…プロですか?」


    ???
    「ああ、実は向こうから打診があってな。
    次のプロダクションマッチフェスに出たいそうだ」

    ちひろ
    「フェスに? たしか346プロからも申し出がありましたよね?」

    ???
    「本来はネットアイドルたちの祭典
    だがそこにリアルワールドを拠点とするアイドルたちも注目しているみたいだね」




    ちひろ

    「ただの動画配信サイトだったウチがそれだけ成長した、ということでしょうか?」

    ???
    「そうとも取れるが…彼女たちが目指すIUが一部のアイドルによる寡占状態となって
    あぶれた者たちが流れてきているというのが実態だろうな」

    ちひろ
    「そんな…すこし斜に構えすぎていませんか?」

    ???
    「いいや、大方そんな所で間違いないだろう。
    961プロの内紛が良い例さ。あそこは社長とナンバー2の統括プロデューサーの間で軋轢がある。」


    ???
    「IU執行部やエンペラーレコードと太いパイプがある四条貴音は社長お気に入りのアイドルだ。

    彼女はIUの優勝候補と目されているが、統括Pが担当している星井美希は精彩を欠いている。
    本来なら同じくらい日の目を見て良いはずなのにな…」



    ???

    「昔っから大手マスコミの論理だけが正義の息苦しい世界だからな。
    星井は苦しい状況の中で少しでも世間に知られようといろいろやっているみたいだ」

    ちひろ
    「随分お詳しいんですね」

    ???
    「本人から聞いたからね」

    ちひろ
    「えっ?」



    ???

    「実は、961の統括プロデューサーもうちに売り込みに来たんだ。星井美希じゃないけどね。
    <トライアドプリムス>というユニットをフェスに出したいと」

    ちひろ
    「346プロに961プロですか… そして私には765プロへ行けと?」

    ???
    「765プロは876プロと提携して5人組のユニットで出たいらしい。
    そのメンバーの中に少し気になる名前があってね…だから君にサポートをしてほしいんだ」




    ちひろ

    「この名前は…… まさか私に彼女を勝たせろと…?」

    ???
    「そこまでは言っていない。ただ真意を見極めて欲しい。
    かつてこの世界で女王だった彼女が再び舞い戻ってきた真意を」

    ちひろ
    「はぁ…」


    ???
    「それに、彼女以外のメンバーはネットライブは初体験だろう。その手助けの意味もある。
    もちろん他の事務所にも、サポート要員を派遣する。
    けど、あそこには一番信頼している君に行ってもらいたい。」

    ちひろ
    「わかりました。あなたのことですから何か考えがあるのでしょう。
    しっかりと彼女たちを見てきますね!」


    ???
    「ありがとう」

    ちひろ
    「それにしても…これだけリアルアイドルの出場が増えると…うちの既存会員の反応が気になりますね」

    ???
    「確かにな…彼女たちの中にはリアルアイドルに敵愾心を持っている者も多い。
    けどコレはいつか通らなければならない道だと思っている。
    ネットアイドルの注目度が上がるほど…そしてリアルアイドルの世界の淀みが進むほど
    彼女たちの歩く道は交差する運命にあったとね…」


    ちひろ
    「…………」

    ???
    「ネットアイドルたちはリアルアイドルの侵攻を塞がねければ自分たちの活動場所を奪われてしまう。リアルアイドルはネットアイドルを蹴散らさなければ自分たちの認知度を広められない。
    せいぜい、互いに切磋琢磨しこのイベントを盛り上げてほしいものだ」


  • the Riv@als 第1話 side B 「フリルドスクエア」

    2017-02-12 18:411

    一週間前



    穂乃香

    雪歩さん、狂いましょう


    雪歩
    ふぇ!!?
     と、突然何を言い出すの綾瀬さん??」



    穂乃香
    「バレエの演目に『ジゼル』というのがあるのは知っていますか?」

    雪歩
    「じぜる…そういえば聞いたことがあるような」

    穂乃香
    「この演目のキーワードの一つが『狂うこと』なんです。実際にビデオを見てもらった方が早いでしょう」



    ------------------------------------------------------------

    穂乃香
    「どうですか」

    雪歩
    「う…うん……なんというか…とても怖いんだけど切なさもあって……
    うまく言えないんだけど引き込まれました」


    穂乃香
    「ジゼルは第一幕で恋人アルブレヒトの裏切りに合い発狂してしまいます。
    第二幕ではウィリと呼ばれる幽霊になったジゼルとアルブレヒトは再開し、
    彼を許してジゼル冥福を得るのですが…」





    穂乃香

    「この演目はダンサーによっていろいろな解釈がとられる作品なんです。
    例えば、アルブレヒトがジゼルを愛していたか否か、
    幽霊となったジゼルがアルブレヒトを許すか否か
    中にはジゼルは死ぬのではなく狂気に陥ったまま生き続ける
    という解釈をとる場合もあります」

    雪歩
    「一つの演目でもダンサーによって見せ方が違う…ということですか?」

    穂乃香
    「ええ、それで思ったんです。雪歩さんには『ジゼル』が似合いそうだと」

    雪歩
    ええっ!? こんな繊細なお話私にはできませんよぉ…」



    穂乃香

    「そうですか? 一人で残って練習している雪歩さんを見て思ったんです。
    この人の中には自分の確固たる世界があるって。ただそれと演目があってなくて苦しんでいるんだって」

    雪歩
    「そんなそんなそんな…私はただ、先生や綾瀬さんの言う通りにやれていないだけですぅ…」

    穂乃香
    「本当ですか…」

    雪歩
    「………それは…確かにこうしたいっていうのはあるけど……
     でもやっぱりダメですぅ! 綾瀬さんにこんな事と話したら笑われちゃう」

    穂乃香
    「どんなことですか? 言ってみてください」



    雪歩

    「………………………………………………………………ヒロイン

    穂乃香
    「え?」

    雪歩
    ヒロイン……やってみたいんです!
    多分、春香ちゃんか美希ちゃんに選ばれるんでしょうけど
    でも真ちゃんが主役なら私だってヒロインに!!

    穂乃香
    「だったらなりましょう! ヒロイン! いいじゃありませんか」




    雪歩

    「本当ですか? こんなダメダメな私でもなれますか?」

    穂乃香
    「そのための手助けならいくらでも!
    実は『ジゼル』を見せたもう一つの理由があるんです」

    雪歩
    「もう一つの理由…?」

    穂乃香
    「今言った通り、ジゼルのキーワードには『狂気』があります。
    今度の演目にもそれは言えるんじゃないかって」

    穂乃香
    「この脚本の中の世界、どこかおかしいですよね。
    絶対王政期のフランスをモチーフにしているけど只の史劇じゃない。
    ところどころのセリフ回しや演出が歪んでいるんです」

    雪歩
    「あ、それはプロデューサーも言ってました。
    春香ちゃんや伊集院さんはすぐにそれに順応したみたいだけど、真ちゃんは苦戦しているみたい」

    穂乃香
    「多分、この先生の世界観なんでしょうけど、これをさらに雪歩さんの狂気で歪めてしまうんです」


    雪歩

    「私の…狂気ですか?」

    穂乃香
    「はい! 春香さんのように世界観に順応して役を作るのではなく、雪歩さんの世界観に脚本を順応させてしまうんです。
    そのためには、この脚本以上にくるってしまう事が一番近道になると思います」

    雪歩
    「私に…できますかそんなことが……?」

    穂乃香
    「はい、きっと!」




    ------------------------------------------------------------

    そして…



    穂乃香

    「ふふ… よかったですね雪歩さん」




    「なーにニヤついてんの穂乃香ちゃん?」

    穂乃香
    「えっ? いや忍ちゃん!?何でもないですよ?」




    あずき

    「あーさてはカレシからのメッセージだな?」

    穂乃香
    「えっ!? そんな! ちっちがいますよ!」


    「ないない。オクテな穂乃香チャンに限ってそれはないって
    どうせまた例のブサイク関係でしょ」

    穂乃香
    「えっと…それも違うんですけど…
    それに! ぴにゃこら太はブサイクじゃありません!!」



    美城

    「そもそも、我がアイドル部門は恋愛禁止のはずだが?」


    うわぁっ! じ、常務サン? いつからそこに??」

    美城
    「ミーティングの時間を言い渡したのは私だ …ふむ、全員そろっているようだな」


    美城
    綾瀬穂乃香喜多見柚…」




    美城
    工藤忍桃井あずき……」




    美城
    「君たちは本日をもって候補生から正式に我が社のアイドルに昇格することになった」


    「ええっ ほ、本当ですか!?」


    美城

    「うむ。4人一組のユニットとして活動してもらう。
    ユニット名は<フリルドスクエア>、我が346プロのアイドル部門初のユニットだ。
    4人とも心して活動に臨んでもらいたい」

    穂乃香
    「私たちが…本当にアイドルに…」

    桃井
    「アイドルデビュー大作戦、成功ってこと…?」




    美城

    「成功するかは最初のイベント次第だな。
    君たちには『プロダクション・マッチフェス』に出てもらう」


    「『プロダクション・マッチフェス』?」


    「あ、アタシ知ってるよ。ネットアイドルが集まって一番を決める奴だ!」

    美城
    「そうだ。だが次回のイベントは我が社も協賛し出演することが決定した
    話によれば我々だけではない。あの765プロ876プロもアイドルを出してくると聞いている」



    穂乃香

    「え……?」


    「765プロと876プロもですか!?」


    美城
    「セミプロのネットアイドルたちは言うまでもなく、現役のアイドルたちにも負けるわけにはいかない。
    全員、そのことを肝に銘じてもらいたい」


    4人

    「はっ、はい!!」




    穂乃香

    (765プロってことはもしかしたら……)




    (まさかと思うけど、やよいちゃんや響ちゃんじゃない…よね)






    「うん?」




    あずき

    「二人ともどうしたの??」





    穂乃香
    「…ううん、何でもありませんよ。
    みんな、やるからには絶対に勝ちましょう!!




    「そうだね。あのスゴイ人たちとやっと肩を並べることができたんだもん
    次はそれを追い抜かさなきゃね!!」



    「おお、なんか二人とも燃えてるねー!」

    あずき
    「それじゃあ『プロダクションマッチフェス大作戦』始めよっか!」

    4人

    「おおーーー!!!!」


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