• プラネタリウムを借りて映像の上映やイベントをやってみたい皆様へ

    2014-08-19 12:2842


    ニコニコプラネタリウム部では、プラネタリウム (ドームシアター) を借りて自作映像を上映するドーム投影実験会を定期開催していますが、正直なところ、このような試みに協力して頂ける施設は限定的である、という点はご理解下さい。

    上の写真は、関東某所のプラネタリウムにてD-2さん作の「ダヨーの迷宮」をプレイ中の皆様の模様。

    理由 1. 技術的な壁

    ほとんどのドームシアターでは、複数台のプロジェクターを組み合わせたマルチプロジェクターシステムでドーム全周への映像投影を実現しています。

    このようなシステムで映像を投影するには、ドームマスターと呼ばれるドーム投影用の映像を、個々のプロジェクターに合わせて切り出し、適切な補正をかけて投影する必要があります。この処理を「スライス」と言います。そして、このスライス処理はかなり重い処理なのです。

    オリハルコン社の「Amateras Dome Player」やコニカミノルタ社の「Super MEDIAGLOBE」等であれば、リアルタイムでスライス処理を行なうことにより、ドームマスター映像を即時投影することが可能なのですが、このようなシステムを導入しているドームシアターは現状ではごくわずかであるようです。

    システムが古いドームシアターの場合、30分間のドームマスター映像のスライス処理にまる1日以上かかったりする場合すらあると聞いています。そのようなシステムのドームシアターでは、持ち込みの映像を上映してもらうことは無理があるでしょう。

    なお、「Amateras Dome Player」は「プレアデスシステム」というドームシアターシステムに含まれていますので、プレアデスシステムが導入されている施設であれば Amaeras も導入されています。

    理由 2. 受け入れ体制の壁

    ドームシアターで自作映像を上映する、という試みは、これまではあまりなかったことですので、技術的な壁がクリアできるとしても、受け入れ体制の問題から協力して頂けないケースも少なからずあると思われます。

    狙い目 その 1. 設備を更新したばかりの施設

    設備を更新したばかりの施設であれば、リアルタイムスライスでの上映が可能なシステム、あるいは、リアルタイムでは無理としても短時間でのスライス処理が可能なシステムが導入されているかも知れません。

    狙い目 その 2. 小型の施設

    直径10m級までの小型ドームであれば、家庭用プロジェクターに魚眼コンバージョンレンズを組み合わせた簡易システムでの上映が充分に可能です。この場合の投影用ソフトとしては、「Amateras Dome Player」のフリー版が使えます。

    「第13回MMD杯本選】プラネタリウムを海にしてみた」の場合、10m級の小型ドームを借りて、持ち込みの魚眼プロジェクターで投影しています。

    ただし、小型のプラネタリウムは古い施設が多く、古い施設の場合は、大型の光学投影機 (星をレンズで映し出す機械) が据えられているケースが少なくありません。その場合は、光学投影機がプロジェクターによる投影の邪魔になる場合がありますのでご注意下さい。

    なお、魚眼プロジェクターは、もしご希望であればニコニコプラネタリウム部のものを貸し出せる場合もありますのでお問い合わせ下さい。

    エアドームという選択肢

    協力して頂ける施設が見つからない場合は、自作エアドームで投影する、という選択肢もあります。安くて軽くて遮光性の高い農業用マルチシート等を使用する「ヒゲキタ方式」のエアドームの場合、直径5~6m級でも1~2万円程度で実現可能です。ただし、設計や加工はなかなか難しいようです。

    協力して頂ける施設を探すには

    協力して頂ける施設を探すには、以上のような事情を踏まえた上で、各施設のスペックや運営方針を確認して協力して頂けそうな施設を絞り、問い合わせをしていく必要があります。

    ニコニコプラネタリウム部では、関東では協力して頂ける施設をいくつか把握していますので、お問い合わせ頂ければ紹介可能です。

    関東以外についてはニコニコプラネタリウム部の活動実績がまだ無く、これから探していく必要がありますが、お問い合わせ頂ければ、候補となり得る施設の紹介ぐらいはできるかもしれません。

    ドーム映像の自主制作・自主上映の輪が少しずつ広がっていくと良いですね!

    お問い合わせ先: hoshikaze.ya<あっと>gmail.com (星風P)




  • 広告
  • DIYドーム投影の方法

    2014-07-06 23:0313

    最近は高性能なプロジェクターが比較的手頃な価格で購入できるようになりましたので、ニコニコプラネタリウム部がニコニコ超会議3で実施したような、魚眼プロジェクターとエアドームを使ったドーム投影は、個人レベルでも充分に現実的です。投影制御ソフトは、Amateras Dome Playerのフリー版でいけます。DIY魚眼プロジェクターおよびDIYドームの制作方法からAmateras Dome Playerの設定まで、DIYドーム投影の方法についてひと通り紹介します。

    最終更新: 2014-08-01


    この写真は、工房ヒゲキタさんの 5.6m 大型エアドームと、オリハルコン社所有のJVC DLA-X70R+レイノックス魚眼コンバージョンレンズによるドーム投影の模様です。

    なお上映用ではなく、ドーム映像の制作時のプレビュー用としては、ドームやプロジェクターを使わずに、OculusRift+Amateras Dome Playerを使う形も有用です。

    星風PによるDIYドーム投影の紹介動画:


    プロジェクター

    DIYドーム投影に適したプロジェクターとしては、次のような機種があります。全て、魚眼コンバージョンレンズ方式でのドーム投影用として実際に用いた実績のある機種です (2014年7月現在):

    • JVC DLA-X70R (実売約70万円)
      解像度 1080P (e-shift により疑似4K化)、コントラスト 80000:1、輝度 1200 lm
    • Acer H6510BD (実売約9万円)
      解像度 1080P、コントラスト 10000:1、輝度 3000 lm
    • BenQ W1070 / W1070V2 (実売約9万円)
      解像度 1080P、コントラスト 10000:1、輝度 2000 lm

    JVCのホームシアタープロジェクターは、個人用というよりは、「HAKONIWAシステム」という、プラネタリウム館向けの安価 (※プロユースとしては安価という意味) な魚眼プロジェクターシステム用として定番です。ホームシアター用としてはハイエンド機ですので高価ですが、コントラストの高さにおいては圧倒的であり、星空映像の投影においては背景の黒がよく締まります。

    加えて、画素と画素の隙間が狭い点も特徴。通常のDLPプロジェクターの場合、魚眼投影すると画素と画素の隙間が格子状に見えてしまうのですが、JVC機の場合はこれが全然目立ちません。また、最近の機種は e-shift という超解像機能を備えており、通常のフルHDプロジェクターよりはずっと高い解像感での投影が可能です。e-shift 搭載機では画素と画素の隙間は全く見えないです。

    Acer H6510BDBenQ W1070 は、どちらもフルHD解像度でありながら実売10万円を切る低価格を実現しています。JVC機と比べるとコントラストが大幅に低く、画素と画素の隙間が格子状に見えてしまうなど、画質はかなり劣りますが、それなりに綺麗な投影結果が得られます。

    魚眼コンバージョンレンズ

    ホームシアタープロジェクター専用の魚眼コンバージョンレンズは存在しませんが、デジカメ用の魚眼コンバージョンレンズを流用することが可能です。ただし、普通に装着することは無理ですので、DIYな取り付け架台を自作して自己責任において取り付ける形となります。

    魚眼コンバージョンレンズとしては、レイノックス DCR-CF187PRO (実売約 5 万円) が定番です。このコンバージョンレンズは大型ですので、プロジェクターのレンズに当てた際にケラレが生じにくいです。

    先に挙げたプロジェクター各機種は、このレイノックスの魚眼コンバージョンレンズとの相性が比較的良好であることを確認済みです。プロジェクターの機種によっては、魚眼コンバージョンレンズを適切な位置に当てられなかったり、ピントがうまく出なかったりするケースも生じ得ますのでご注意下さい。

    そして、相性が「比較的」良い場合であっても、コンバージョンレンズの取り付けを前提としていないプロジェクターに力技でコンバージョンレンズを当てる形になるため、コンバージョンレンズ本来の性能よりはどうしても画質が低下します。正面は綺麗に映るものの、真横ぐらいから収差が目立ち始めてしまいます。この点はやむを得ないところでしょう。

    プロジェクターの設置は、ドームの端にプロジェクターを設置し、対面に向けて投影する方式が一般的です。投影範囲は、完全な円周にはなりません。真横・真上までは投影されますが、後ろ 2/5 ~ 1/4 程度は欠けた投影となります。

    対応可能なドーム直径については、1000~3000 lm 級のプロジェクターで直径 10 m のドームまでは対応可能です。ただし、遮光が充分であり、ドーム内を真っ暗にすることができることが前提です。



    この写真は、星風P所有のBenQ W1070V2+レイノックス DCR-CF187PRO の例。取り付け架台は簡易的な木工品ですが、レンズの取り付け位置・角度やプロジェクターの設置角度を微調整できるような作りとなっており、実用性は充分です。 レンズ調整に関しては、前後左右上下の平行移動と上下左右方向の角度調節が可能な作りです。



    投影範囲は、このように後面の一部が欠けた投影となります。左がズーム望遠端、右が広角端。より広角で投影するほど映像が引き延ばされて解像感が下がる、という点にはご注意下さい。(※このドームは、星風Pの自宅のダンボール製簡易ハーフドーム)

    なお、ドームの中央にプロジェクターを設置して真上に向けて投影するという方式もありますが、この方式は、より本格的な魚眼レンズを搭載し、完全な円周投影ができるプロジェクターに向いた方式と言えると思います。

    球面ミラー (ハーフドームミラー)

    魚眼コンバージョンレンズを使用する代わりに、球面ミラーで反射させることで魚眼化する方法もあります。この方式は海外では定番のようです。Amateras Dome Player の場合、バージョン3.1以降で対応します。

    魚眼コンバージョンレンズよりは安価に購入でき、投影範囲についても魚眼コンバージョンレンズよりも広範囲を実現し易いようです。ただし、ミラーの品質等によっては魚眼コンバージョンレンズを使用した場合よりもかなりボケた投影となってしまうこともあるようです。


    このページに記載されている通り、かなり小さく映像を投影した場合でもピントが合うプロジェクターを使う必要があります。小さく映像を投影することは通常の用途では求められないため、ピントが合わないプロジェクターが少なくないようです。Acer H6510BD は相性が良いことを確認済みです。

    使用する球面ミラーは、店舗などで万引き防止のための監視用ミラーとして使われているものであり、「ハーフドームミラー」で検索すると見つかると思います。普段の販売価格はそれほど安いとは言えないものの、稀に大安売りで直径 50cm で 5 千円、直径 70cm なら 8 千円で販売されることがあるようです。

    直径が比較的大きなミラーを使いますので、嵩張るという点では、魚眼コンバージョンレンズに比べて欠点と言えるでしょう。

    後述の WorldWide Telescope Planetarium のページでも、球面ミラーを使用した魚眼投影例が紹介されています。

    ドーム

    ドームは、空気膨張式のエアドーム、またはダンボール製のドームが良いでしょう。

    エアドーム

    エアドームの素材としては、軽く薄く遮光性が高く安価な農業用マルチシートが優秀です。その他、白布も定番ですが、白布には遮光性がありませんので、部屋を遮光した上で使用する必要があります。

    具体的な製作方法に関しては、以下のサイトが参考になるでしょう。

    ダンボール製ドーム

    エアドームのように持ち運んでの運用には適しませんが、学園祭等での使い捨てドームとしては、ダンボール製のドームも定番です。

    具体的な製作方法に関しては、以下のサイトが参考になるでしょう。

    WorldWide Telescope Planetarium のページで紹介しているのは、三角形を組み合わせた「フラードーム」というタイプのドームです。球面ミラーを用いての魚眼化に関しても解説しています。なお、WorldWide Telescope とは、マイクロソフト社が公開しているフリーの多機能天文シミュレータであり、魚眼プロジェクターでのドーム投影もサポートしています。

    球面ミラーで反射させることにより魚眼化する方法に関しても解説があります。

    夜空之欠片 のページで紹介しているのは、より簡易的な構造のドームです。この構造であれば、小学生でも充分に作れます。

    なお、ダンボール製ドームでは内側の接合に白い布テープを使うことが多いですが、これはプロジェクターでの投影の際は結構テカりが目立ちます。WorldWide Telescope Planetarium のページでは、内側にはテープを貼らずに組み立てていますが、おそらくはテープのテカりを避けるためでしょう。

    簡易ドームとしての傘

    白っぽい傘に投影するだけでもいけます。この場合は魚眼プロジェクターである必要も無く、ごく普通のプロジェクターでOKです。

    リンク集

    その他、工房ヒゲキタさんのサイトにドームの自作に関する膨大なリンク集があります。

    Amateras Dome Player での投影補正

    1. ドーム端に魚眼プロジェクターを対面に向けて設置します。
    2. プロジェクターを点灯し、希望の投影範囲が得られるように、プロジェクターのズーム率や設置角度を微調整し、ピントを合わせます。レンズシフト機能が使える場合は併用すると良いでしょう。
    3. Amateras Dome Player を広角表示モードに設定し、スクリーングリッドを表示し、Alt+Enterで全画面表示にします。
    4. スクリーングリッドがドームの形状に合うように、マウス操作で投影補正を行ないます。左ドラッグで角度調節、マウスホイールで拡大縮小、そして マウス中央ボタンを押しながらドラッグでプロジェクターの設置位置に応じた補正 が可能です。
    5. 補正作業中に暗すぎてドーム表面が視認できない場合は、Amateras Dome Playerのシアター制御タブで仮想照明機能を用いると良いでしょう。

    以上でAmateras Dome Playerでの投影準備は完了です。慣れればAmaterasの調整作業は10秒で済みます。

    プロジェクターの明るさ・コントラストは適切に調節しておきましょう。黒が浮きすぎたり、黒付近の階調が潰れたり、ハイライトの階調が飛んだりしないように。プロジェクターの色調設定も要調整。この設定を丁寧に追い込んでおくことで、投影品質を高めることが可能です。

    プロジェクターのデジタル台形補正機能は画質をやや低下させますので OFF にしておきましょう。


  • ニコニコ超会議3では超ボカロプラネタリウムにお立ち寄り下さい!

    2014-04-24 21:00


    ニコニコ超会議3、いよいよ今週末4/26(土)・4/27(日)となりました! ニコニコプラネタリウム部では、超ボーカロイド感謝祭エリアのユーザー企画ブースとして、超ボカロプラネタリウムを出展致します。

    工房ヒゲキタ提供の直径 5.6m エアドーム内に、(株) オリハルコンテクノロジーズ提供の魚眼プロジェクター&投影制御ソフトウェア「AMATERAS Media Player」により、視界いっぱいに広がる MMD 映像を投影! 平面スクリーンでは実現できない、没入感の高い仮想現実体験をお楽しみ頂けます! (※MMD 系以外のソフトウェアによる作品も含みます)

    今回はなんと、1 回約 10 分間のプログラムをA~Eまで全 5 パターン用意してローテーション上映する予定です。そして使用映像のほとんどが、超会議で初めて一般公開となる作品です。目指せコンプリート…!? (たぶん無理!)

    各プログラムの内容は見てのお楽しみ。待機列にお並び頂いて順に入って頂く方式ですので、残念ながら上映プログラムの任意選択はできません。1 回の上映の定員は約 25 名となります。

    先日のブロマガで紹介した「Starduster」も上映予定です! 5つのプログラム中、1つのみでの上映になりますので、来て頂いても見て頂けるかどうかはわかりませんが、5つ全てが魅力的な内容になってますのでお楽しみに!

    幸いにも前評判が良く、当日は行列が予想されますので予めご了承下さい。

    (…4/24(金)午後9時現在、一部作品は絶賛制作作業修羅場中です。果たして間に合うのか…!?w)

    なお、上映に用いるオリハルコン社提供のプロジェクターは、JVCケンウッド社製のホームシアタープロジェクターに魚眼コンバージョンレンズを取り付けたものになります。優秀なコントラスト比、そして e-shift という解像感向上機能により、魚眼投影においてもなかなか良好な画質を実現可能です。