DIYドーム投影の方法
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DIYドーム投影の方法

2014-07-06 23:03
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最近は高性能なプロジェクターが比較的手頃な価格で購入できるようになりましたので、ニコニコプラネタリウム部がニコニコ超会議3で実施したような、魚眼プロジェクターとエアドームを使ったドーム投影は、個人レベルでも充分に現実的です。投影制御ソフトは、Amateras Dome Playerのフリー版でいけます。DIY魚眼プロジェクターおよびDIYドームの制作方法からAmateras Dome Playerの設定まで、DIYドーム投影の方法についてひと通り紹介します。

最終更新: 2014-08-01


この写真は、工房ヒゲキタさんの 5.6m 大型エアドームと、オリハルコン社所有のJVC DLA-X70R+レイノックス魚眼コンバージョンレンズによるドーム投影の模様です。

なお上映用ではなく、ドーム映像の制作時のプレビュー用としては、ドームやプロジェクターを使わずに、OculusRift+Amateras Dome Playerを使う形も有用です。

星風PによるDIYドーム投影の紹介動画:


プロジェクター

DIYドーム投影に適したプロジェクターとしては、次のような機種があります。全て、魚眼コンバージョンレンズ方式でのドーム投影用として実際に用いた実績のある機種です (2014年7月現在):

  • JVC DLA-X70R (実売約70万円)
    解像度 1080P (e-shift により疑似4K化)、コントラスト 80000:1、輝度 1200 lm
  • Acer H6510BD (実売約9万円)
    解像度 1080P、コントラスト 10000:1、輝度 3000 lm
  • BenQ W1070 / W1070V2 (実売約9万円)
    解像度 1080P、コントラスト 10000:1、輝度 2000 lm

JVCのホームシアタープロジェクターは、個人用というよりは、「HAKONIWAシステム」という、プラネタリウム館向けの安価 (※プロユースとしては安価という意味) な魚眼プロジェクターシステム用として定番です。ホームシアター用としてはハイエンド機ですので高価ですが、コントラストの高さにおいては圧倒的であり、星空映像の投影においては背景の黒がよく締まります。

加えて、画素と画素の隙間が狭い点も特徴。通常のDLPプロジェクターの場合、魚眼投影すると画素と画素の隙間が格子状に見えてしまうのですが、JVC機の場合はこれが全然目立ちません。また、最近の機種は e-shift という超解像機能を備えており、通常のフルHDプロジェクターよりはずっと高い解像感での投影が可能です。e-shift 搭載機では画素と画素の隙間は全く見えないです。

Acer H6510BDBenQ W1070 は、どちらもフルHD解像度でありながら実売10万円を切る低価格を実現しています。JVC機と比べるとコントラストが大幅に低く、画素と画素の隙間が格子状に見えてしまうなど、画質はかなり劣りますが、それなりに綺麗な投影結果が得られます。

魚眼コンバージョンレンズ

ホームシアタープロジェクター専用の魚眼コンバージョンレンズは存在しませんが、デジカメ用の魚眼コンバージョンレンズを流用することが可能です。ただし、普通に装着することは無理ですので、DIYな取り付け架台を自作して自己責任において取り付ける形となります。

魚眼コンバージョンレンズとしては、レイノックス DCR-CF187PRO (実売約 5 万円) が定番です。このコンバージョンレンズは大型ですので、プロジェクターのレンズに当てた際にケラレが生じにくいです。

先に挙げたプロジェクター各機種は、このレイノックスの魚眼コンバージョンレンズとの相性が比較的良好であることを確認済みです。プロジェクターの機種によっては、魚眼コンバージョンレンズを適切な位置に当てられなかったり、ピントがうまく出なかったりするケースも生じ得ますのでご注意下さい。

そして、相性が「比較的」良い場合であっても、コンバージョンレンズの取り付けを前提としていないプロジェクターに力技でコンバージョンレンズを当てる形になるため、コンバージョンレンズ本来の性能よりはどうしても画質が低下します。正面は綺麗に映るものの、真横ぐらいから収差が目立ち始めてしまいます。この点はやむを得ないところでしょう。

プロジェクターの設置は、ドームの端にプロジェクターを設置し、対面に向けて投影する方式が一般的です。投影範囲は、完全な円周にはなりません。真横・真上までは投影されますが、後ろ 2/5 ~ 1/4 程度は欠けた投影となります。

対応可能なドーム直径については、1000~3000 lm 級のプロジェクターで直径 10 m のドームまでは対応可能です。ただし、遮光が充分であり、ドーム内を真っ暗にすることができることが前提です。



この写真は、星風P所有のBenQ W1070V2+レイノックス DCR-CF187PRO の例。取り付け架台は簡易的な木工品ですが、レンズの取り付け位置・角度やプロジェクターの設置角度を微調整できるような作りとなっており、実用性は充分です。 レンズ調整に関しては、前後左右上下の平行移動と上下左右方向の角度調節が可能な作りです。



投影範囲は、このように後面の一部が欠けた投影となります。左がズーム望遠端、右が広角端。より広角で投影するほど映像が引き延ばされて解像感が下がる、という点にはご注意下さい。(※このドームは、星風Pの自宅のダンボール製簡易ハーフドーム)

なお、ドームの中央にプロジェクターを設置して真上に向けて投影するという方式もありますが、この方式は、より本格的な魚眼レンズを搭載し、完全な円周投影ができるプロジェクターに向いた方式と言えると思います。

球面ミラー (ハーフドームミラー)

魚眼コンバージョンレンズを使用する代わりに、球面ミラーで反射させることで魚眼化する方法もあります。この方式は海外では定番のようです。Amateras Dome Player の場合、バージョン3.1以降で対応します。

魚眼コンバージョンレンズよりは安価に購入でき、投影範囲についても魚眼コンバージョンレンズよりも広範囲を実現し易いようです。ただし、ミラーの品質等によっては魚眼コンバージョンレンズを使用した場合よりもかなりボケた投影となってしまうこともあるようです。


このページに記載されている通り、かなり小さく映像を投影した場合でもピントが合うプロジェクターを使う必要があります。小さく映像を投影することは通常の用途では求められないため、ピントが合わないプロジェクターが少なくないようです。Acer H6510BD は相性が良いことを確認済みです。

使用する球面ミラーは、店舗などで万引き防止のための監視用ミラーとして使われているものであり、「ハーフドームミラー」で検索すると見つかると思います。普段の販売価格はそれほど安いとは言えないものの、稀に大安売りで直径 50cm で 5 千円、直径 70cm なら 8 千円で販売されることがあるようです。

直径が比較的大きなミラーを使いますので、嵩張るという点では、魚眼コンバージョンレンズに比べて欠点と言えるでしょう。

後述の WorldWide Telescope Planetarium のページでも、球面ミラーを使用した魚眼投影例が紹介されています。

ドーム

ドームは、空気膨張式のエアドーム、またはダンボール製のドームが良いでしょう。

エアドーム

エアドームの素材としては、軽く薄く遮光性が高く安価な農業用マルチシートが優秀です。その他、白布も定番ですが、白布には遮光性がありませんので、部屋を遮光した上で使用する必要があります。

具体的な製作方法に関しては、以下のサイトが参考になるでしょう。

ダンボール製ドーム

エアドームのように持ち運んでの運用には適しませんが、学園祭等での使い捨てドームとしては、ダンボール製のドームも定番です。

具体的な製作方法に関しては、以下のサイトが参考になるでしょう。

WorldWide Telescope Planetarium のページで紹介しているのは、三角形を組み合わせた「フラードーム」というタイプのドームです。球面ミラーを用いての魚眼化に関しても解説しています。なお、WorldWide Telescope とは、マイクロソフト社が公開しているフリーの多機能天文シミュレータであり、魚眼プロジェクターでのドーム投影もサポートしています。

球面ミラーで反射させることにより魚眼化する方法に関しても解説があります。

夜空之欠片 のページで紹介しているのは、より簡易的な構造のドームです。この構造であれば、小学生でも充分に作れます。

なお、ダンボール製ドームでは内側の接合に白い布テープを使うことが多いですが、これはプロジェクターでの投影の際は結構テカりが目立ちます。WorldWide Telescope Planetarium のページでは、内側にはテープを貼らずに組み立てていますが、おそらくはテープのテカりを避けるためでしょう。

簡易ドームとしての傘

白っぽい傘に投影するだけでもいけます。この場合は魚眼プロジェクターである必要も無く、ごく普通のプロジェクターでOKです。

リンク集

その他、工房ヒゲキタさんのサイトにドームの自作に関する膨大なリンク集があります。

Amateras Dome Player での投影補正

  1. ドーム端に魚眼プロジェクターを対面に向けて設置します。
  2. プロジェクターを点灯し、希望の投影範囲が得られるように、プロジェクターのズーム率や設置角度を微調整し、ピントを合わせます。レンズシフト機能が使える場合は併用すると良いでしょう。
  3. Amateras Dome Player を広角表示モードに設定し、スクリーングリッドを表示し、Alt+Enterで全画面表示にします。
  4. スクリーングリッドがドームの形状に合うように、マウス操作で投影補正を行ないます。左ドラッグで角度調節、マウスホイールで拡大縮小、そして マウス中央ボタンを押しながらドラッグでプロジェクターの設置位置に応じた補正 が可能です。
  5. 補正作業中に暗すぎてドーム表面が視認できない場合は、Amateras Dome Playerのシアター制御タブで仮想照明機能を用いると良いでしょう。

以上でAmateras Dome Playerでの投影準備は完了です。慣れればAmaterasの調整作業は10秒で済みます。

プロジェクターの明るさ・コントラストは適切に調節しておきましょう。黒が浮きすぎたり、黒付近の階調が潰れたり、ハイライトの階調が飛んだりしないように。プロジェクターの色調設定も要調整。この設定を丁寧に追い込んでおくことで、投影品質を高めることが可能です。

プロジェクターのデジタル台形補正機能は画質をやや低下させますので OFF にしておきましょう。


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星風P様 
先日、都内某所での上映会に参加させていただきまして、ありがとうございました。その際に、名刺を交換させていただきました、富勢西小学校科学クラブ日記の管理人です。エアドームに関しリンクもしていただきましてありがとうございます。
エアドームに関しては、安価でなおかつ丈夫に作るにはまだまだ改善の余地があると思います。今後、皆様と情報を共有させていただければと思います。
38ヶ月前
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