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ところで、ぼくはお金の収支のデータを詳細に見たことがない。いわゆる家計簿というものをつけたことがないのだ。会社ではさすがに収支を記録しているが、それでもその仕事は他の人に任せ、ぼくは数字をざっとしか見ない。
それは、面倒くさいからということもあるが、そうすることが必要とも思っているからだ。そうすることによって、ある種の金銭感覚を養っているのである。
ぼく自身は、さまざまな本から「収支を詳細に見ると違うものが見えてくる」と習ったし、近しい人にも「データを活用すること」を勧められたこともあるが、今のところそうしていない。そうしない理由は、一つにはその必要性を感じていないからだろう。いや、もっというとそうしないことによって得られるバランス感覚をだいじにしているからだ。さらにいえば、そこで得られる勘をだいじにしているのである。
どういうことかというと、これまで投資と消費について語ってきたが、実は両
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