• 社内勉強会スタート

    2018-10-18 17:01

    少し前から、弊社で社内勉強会をスタートさせました(メンバーの一人が「勉強会をやりたい」と言ってくれたのがきっかけです)。


    弊社は技術分野が「IT」に絞っていることから、勉強する分野もこの分野に限っています。


    僕も一メンバーとして勉強会に参加しているので、自分自身の復習や頭の整理用にログを残しておこうと思います。


    特許事務所では、社内勉強会を開催しているところも多いかと思います。その意味ではあまり役に立つ内容ではないかもですが、参考までに。


    今回は運営コンセプトなどが中心です(具体的な中身は次回以降に譲ります)


    ■前提

    ・参加メンバー

     実務経験者(弁理士、元特許庁審査官含む)と、実務未経験者。4,5名。


    ・実施コンセプト

     基本的に実務未経験者のレベルに合わせる。一方で、経験者は未経験にきちんと「理屈」「理論」を説明できるようにする。その過程で、今まで「感覚値」で行っていた実務をきちんと言語化。自分の実務能力のあらを探したり、理論的根拠を持たせてスキルアップ向上を目指す。
     ※ちなみに、経験者オンリーの高度な勉強会は別途計画中です。

     いままで「当たり前」にやっていることが、「実はあまり合理的ではなかったかも」みたいなことってありますよね。そうならないように、きちんと理屈を伴うようにしようね。という位置づけです。


    ・開催頻度

     隔週実施。遠隔参加OK。

     現状は社内メンバーのみですが、そのうち、外部メンバーで希望者がいれば広げていく予定です。

     (参加希望の方がおられれば、こちらまでお問い合わせください。件名:「IT実務塾」 担当:湯浅)


    ・進め方

     テーマと演習課題(具体的な技術案件)を設定。今回のテーマは「先行技術調査」。演習課題は伏せます。

     まずテーマに対して、「行うべき作業」を分解して言語化。その後、各作業を詳細に「アクション」として定義していきます。

     次にそれら「アクション」を行うための「小問題」を作成(例:問「XXという技術に対して、キーワードを5つピックアップしてください」のようなイメージ)。
     各問に対して、時間配分も設定(3~5分くらいが目安)。

     参加メンバーが解答を考えて、時間が来たらみんなに共有。講師がチェック、講評する。

     講評結果を「まとめ(1回目)」として、きちんと言語化。

     その後、「もう一度」同じ小問題を解いてみる。この時、大体みんなの答えは同じになるが、それでも理解が実は誤っている人が見つかったりするので、きちんとフォローアップ。


     最後に、「まとめ(2回目)」を作成したら、次の「小問題」に移る。

    3回~4回程度で1事例(演習)が完了。その後、同じテーマで2,3回別の事例で演習を行うことで、知識の底上げを図る。


    次回からは、「先行技術調査」を例に、どんな形で進めたかのログを残しておこうと思います。



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  • YOL事件:記事見出しの模倣と不法行為 part2/2

    2017-03-04 12:00

    YOL事件の続きです。

    http://ch.nicovideo.jp/it-patent/blomaga/ar1198057


    前回紹介した①~③の事実によれば、被告は


    イ 原告に無断で、営利の目的をもって、かつ、反復継続して、しかも、

    ロ YOL見出しが作成されて間もないいわば情報の鮮度が高い時期に、

    ハ YOL見出し等に依拠して、

    二 特段の労力を要することも無く

    ホ これらをデッドコピーしていリンク見出しを作成し、

    へ 実質的に見出しを配信しているものであって、

    ト 被告のサービスが原告のサービスと競合する面がある


    として、不法行為を認定しました。


    トの競合性については、「競合する面があることも否定できない」という表現を使い、完全な競合性までは要求していないようです。


    実際、YOLでは、被告が毎日数百個のリンクを貼っている中、原告のリンクは10個以下であり、必ずしも依存度は高くなかったようです(実際、被告サービスによって、YOL見出しのアクセス数が実際に減少したという事実は証拠上見つかっていない、とされている)。



    著作権法の保護を受けない情報財が、一般不法行為に該当するかどうかについては、


    ・佐賀綿包袋事件

    ・木目化粧紙事件

    ・コンベヤベルトカバー設計図事件

    ・翼システム事件


    などがあります。


    なお、若干論点はことなりますが、著作権法(特に6条)の保護を受けない著作物について、不法行為が成立するかという事件について、北朝鮮事件があります。


    また、特定の相手方に事業上のダメージを与えることを目的とした損害賠償請求については、厳格に解釈するという、


    サイボウズ事件

    ケイコとマナブ事件

    スケジュール管理ソフト事件


    があります。


  • YOL事件:記事見出しの模倣と不法行為 part1/2

    2017-02-25 12:00

    著作権判例百選に掲載されていますが、結論としては一般不法行為の問題となっている事件です


    いわゆる出版社が提供する記事記事見出しをコピペして、他サイトに転載。無料で見出しを見ることができるうえで、サイトPVを稼ぎ刻々収入を得ている第三者に対し新聞社が差し止めと、損害賠償を求めた事件です。


    当初は記事見出し自体が「著作物」に該当することから、著作権侵害として主張していましたが、一審ではこれを否定。合わせて請求していた(予備的請求)一般不法行為についても否定しました。


    原告はこれに不服として控訴。


    高裁では、原審における主位的請求については、控訴棄却したものの、予備的請求を一部認容しました。


    つまり、著作物性は否定したものの、不法行為が認められるというものでした。



    判決では、


    「不法行為が成立するためには、必ずしも著作権など法律に定められた厳密な意味での権利が侵害された場合に限らず、法的保護に値する利益が違法に侵害された場合であれば、不法行為が成立するものと解すべきである。」


    と述べています。民法709条では、


    (不法行為による損害賠償)

    第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


    と規定しています。「法律上保護される利益を侵害」された場合も損害賠償の対象になることから、上記判決の文章は妥当と言えば妥当。


    あとはこの「法律上保護される利益の侵害」をどのように証明するかです。


    YOLでは、


    ①原告の多大な労力等をかけた報道機関としての一連の活動が結実したものといえること

    →つまり、見出し作成までにそれなりのコストをかけている

    ②相応の苦労・工夫により作成されたものであって、簡潔な表現により、それ自体から報道さされる事件等のニュースの概要について一応の理解ができるようになっていること

    →知的成果物としての創作性があるということ


    ③YOL見出しのみでも有料での取引対象とされるな独立した価値を有するものとして扱われている実情があること

    →お金を払ってくれる人がいる(市場にニーズがある)


    に照らし、YOL見出しは、法的保護に値する利益となり得る


    としています。