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第147回 ほんのり怖い人達のウラガワ(3)
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第147回 ほんのり怖い人達のウラガワ(3)

2017-07-27 19:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第147回 ほんのり怖い人達のウラガワ(3)


    ◆もくじ◆

    ・ほんのり怖い人達のウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     
    太田出版よりイヤミス『嘘と人形』発売
     開催迫る! 8/1(火)『噓と人形』発売記念トークショウ&サイン会開催
     8/6(日)「オメ★コボシ39」開催
     角川ホラー文庫より『現代百物語 不実』発売中
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    なんでもない日常に潜む、「普通の人達」があるタイミングで発揮する怖さをつづってきた今月。

    今号は、妊娠・出産にまつわる、ぞっとするエピソード2つです。
    ある家の娘には、秘密があった。高校受験を控えていた冬に、出産をしたのだ。
    しかし恐ろしいのはそのこと自体ではなく……。
    なかなか子宝に恵まれないご夫妻。旦那さんが外国に駐在をしたのちに発覚したのは……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~15年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
    2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
    3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
    4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
    5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
    6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
    7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
    8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
    9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
    10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ
    11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ
    12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ



    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ====

     子どもの頃は本当に、七月が好きだった。夏休みもあるしプールもアイスキャンディーもある。なんといっても、テレビや雑誌が怪談特集をしてくれる。

     あの頃ももちろん、先生や親に怒られたり、友達とのケンカに上級生の意地悪といった、人の怖さってのもわかってはいたけれど。大人になってやっとわかる、人の怖さもある。

     そして、子どもの頃はひたすら血まみれだったりグロテスクだったりするホラーが好きで怖かったのに、今はなんでもない日常に射す奇妙な違和感のある光と影、みたいな雰囲気の地味な逸話に吸い寄せられてしまう。

     そんな、そこはかとない薄闇の中の人達を書いてきた今月。ラストに登場願う人達もすべて仮名であり、あの人だあの場所だといわれないように、いろんなものを微妙に脚色し変更してある。私も大人になったからね。

                        ※ 

     青田さんはごく普通の会社員の奥様で、大学生の息子と高校生の娘がいる。どちらもこれまたごく普通の、良い子なのだが……

     はつらつとした可愛い娘には、秘密がある。いや、青田家のみんなに関わる秘密だ。
     娘さんが高校受験を控えていた冬、突然「お腹が痛い」と苦しみ始めた。尋常でない様子なので、救急車を呼んだ。そして運び込まれた病院で、娘さんは出産した。

     母も父も兄も、誰よりも本人がア然ボー然だった。親も兄もまったく気づかず、なんといっても本人も気づいてなかったのだ。いや周りも本人も、
    「なんだか肥ったな」
     とは思っていた。それだけだ。確かに、妊娠時のおなかの出方は本当に人それぞれだ。四か月あたりでもう目立ってくる人もいれば、七か月くらいまでほとんど目立たない人もいる。元が肥満体なら、臨月近くになってもよくわからない場合が多々ある。

     
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