【CEDEC2014】ゲーム実況時代のゲームプロモーション niconicoの事例から【発表資料】
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【CEDEC2014】ゲーム実況時代のゲームプロモーション niconicoの事例から【発表資料】

2014-09-04 01:17
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日本最大のゲーム開発者のカンファレンスCEDEC2014で話した「ゲーム実況時代のゲームプロモーション niconicoの事例から」の発表資料です。



【CEDEC2014】ニコニコ動画の「ゲーム実況」はなぜ人気?ゲーム売上への貢献、使いこなすための注意点、人気実況者になるためのコツも…!


はじめまして。今日はゲーム実況時代のゲームプロモーションと題してお話させていただきます。


今日は「ゲーム実況っていったいなんだ?」というお話をさせていただければとおもいます




実はすっごく緊張しています。だって自分はゲーム開発者になりたかったんです。

ちょっと自己紹介させてください。はじめに買ったゲームはファミコンのマザー。あのころはソフトが本当に貴重で、RPGもみんなでやっていました。面白いゲームを買った俺は、クラスでヒーローです。学生時代はゲームをつくっていました。コミケに出展したのも、大学1年生のころで、同人ゲームです。大学院でも体感ゲームみたいなものを作って研究していました。こんな人なので、就職ではセガと任天堂をうけました。ゲームの企画書をだしました。でも、箸にも棒におかかりませんでした。当時着メロをうっていたドワンゴとかいう聞いたことのない会社に滑り止めでうかったので、しょうがなく就職しました。

今は超会議やゲーム実況といったゲームまわりの仕事をしています。だからこうして開発者の皆様の前でゲームについてお話させていくただくことが、本当に恐縮です。すみません、長くなりました。始めます。



今日はゲーム実況について、事例とデータを中心にお話いたします。
おもに企画者のかた、ビジネスサイド中心ですが、テクノロジー寄りの話題もあります。
今回の事例はコンソール中心ですが、スマホのかたのお役にも立てるかとおもいます。
YouTube等のプラットフォームを問わない話を心がけますが、どうしてもニコニコの事例が中心になる点をご了承ください。



ゲーム実況はなぜ人気なのか? これをお話する前にまず、ゲーム実況の人気について。ちょっと動画をご覧ください


これはニコニコがおこなった超会議3のゲームエリアのゲーム実況ステージの様子です。
登場しているのはニコニコでも最も勢いのある実況者のかたがたで、キヨさんはtwitterのフォロワー数が23万人くらいます



こちらネトラボの記事です。会場を埋め尽くす様子を報じています



そして海外。ユーチューブではゲーム実況をして4億円稼ぐ人がでてきています。個人としては世界でNo1のユーチューバーです



なぜ?
どうしてゲームやってるだけなのにあんなにモテるの?
なんでなの!?
ゲームやってる俺はモテないし儲からないのに!
会社でも実はよくきかれますw



一つの重要な答えは、そもそもインターネットではゲームコンテンツが人気だということです。当たり前だけど、大事なことです



ニコニコで最も人気のあるカテゴリはゲームです。再生数の34%を占めています。右側はユーザーが行う生放送のグラフで、1か月で300万ちかい番組があるのですが、半数以上の番組はゲームです。



ニコニコ以外でも人気です。ユーチューブの人気チャンネルTOP100の再生数をみていくと、24%がゲームです。音楽はエイベックスやAKBといったメジャーレーベルがしめていて、ゲームはマックスむらいさんや、ニコニコから最近進出したユーザーさんなどです。
アマゾンが買収したことで話題になったPCゲーム向けのゲーム配信プラットフォーム「Twitch」も4500万UUと化け物サイズです
つまり、そもそもみなさんが開発されているゲームは、世界中で人気です



そのうえで、ゲーム動画というのは新しいコンテンツとして様々な表現がされています。気になるものを4本ほどチョイスしてきました。





ひとつめはようかい体操を演奏したり歌ったものです。いま、ニコニコでは妖怪ウォッチが大流行しています。インターネットのゲームでは、音楽をテーマにしたものが一番歴史があるんですね。特にRPGの楽曲は本当に人気です。
そしてマインクラフト。自由に世界を作れるソフトで、世界で3000万本販売されています。このソフトは完全にゲーム実況されることで売れてきたゲームで、ニコニコでも大人気です
最後に自作ゲームの実況です。実況の良さがわかりやすい動画だとおもいます。



ご覧いただいたように、ゲームの動画にはいろんな種類があり、みんなで楽しんでいます。
グラフにしてみました。ゲーム実況多いな! というのもありますが、それ以外にもいろいろな種類の動画があります。
ゲームは映像、音楽、システムの総合芸術です。だからいろんな動画が生まれ、ゲーム好きはそれを楽しんでいます。実況だけじゃないぞ、と強調したいです。



ではその実況はどういうものなのか?
ゲーム実況って、単にプレイしているだけでなくて、作者の人はいろいろな工夫をしています。先ほどおみせしたホラーゲーム青鬼でそれをみていければとおもいます






まずはお子さんと一緒にやるという動画です。ゲーム実況はまず「誰が」やるかがとても大事なんですね。2年生の子が楽しそうに騒いでいるのが印象的です。
次は、ゲーム速度を何倍にもしています。同じゲームなのに、アクションゲームみたいになっています。「どんな切り口でゲームを実況するか」が大事です。
スポーツの実況風の解説でタイムアタックをします。これぞ実況!というかんじですが、タイムアタック動画なんですね。少しも怖そうな様子はありません。ホラーゲームではなく、早解きを面白く演出したという、とても凝った動画です。

同じゲームでもあの手この手をつかって面白い動画にしようとしています。多様な遊びができるゲームほど、たくさん動画が生まれていきます。



そして実はこれが一番大事です。



ゲーム実況者は毎日毎日動画を投稿します。
動画というのは1本20分くらいです。たとえば40時間のRPGがあったら、120本の動画になります
1度はまったら4か月、毎日動画を見続けることになります
これっていいともやオールナイトニッポンよりも、実況者の声をきくことになるんですね。毎日毎日きいてたら、それは好きにもなります。



まとめると、
1.元々人気の高かったゲーム動画で
2.新しいコンテンツを開拓し
3.毎日投稿して視聴習慣を作ったから
となります。今人気があるひとは、何かしら新しい工夫をして、毎日毎日投稿しています。

案外、思い描いていた世界と違うんじゃないでしょうか。こんな面倒なことをしているくらいなので、ゲーム実況者の人は全員ゲームが大好きです。会ってみて自分でも意外だったのですが、僕らとかわらない、単なるゲーム好きのあんちゃんです。



さて、次はビジネスの面をみていきたいとおもいます。
ゲーム実況で売り上げは伸びるのか?



伸ばせる、とおもっています。
それは本当なのか。



ニコニコ動画ではニコニコ市場というアフィリエイトサービスをしています。動画のしたに、商品広告がでてきます。
これの売り上げがご覧のとおりの数字となります
これはあくまで動画の下をクリックして購入した数なので、直接アマゾンにいったひとやお店に買いにいったひとは含まれていません。
動画をみてゲームを買ったひとは少なくともこの3倍から5倍はいるとおもいます



積極的にキャンペーン展開をした例をみてみます




スパイクチュンソフトがパブリッシングをおこなっているテラリアというタイトルです
マインクラフトのようなサンドボックスのゲームで、多人数プレイがネット越しに可能です。




販売推移です。
正直日本での知名度の高いタイトルではなかったのですが、累計で25万ほど売れているます。特徴はVITA版のほうはDL販売の割合のほうが高く、継続的に売れ続けているところかとおもいます。
これはなぜか?



ユーザーにアンケートをとってみました
こちらスパイクチュンソフトさんがゲームについてたはがきとwebで購入者に実施したものなのですが、知ったきっかけ、参考にした情報源どちらも動画サイトになっています。



テラリアではニコニコ上でゲーム実況を中心としたキャンペーンをおこないました。
先行実況者として、実況をしてくれるユーザーを募集し、発売前のソフトを渡して動画をつくってもらいました。そして発売日に一斉に投稿をしました。最終的に投稿された動画の再生数は120万以上になりました。
また、VITA版では発売日に実況者を使った動画を公開しました。この動画はもちろんvitaでも見ることができます。
ゲーム実況チャンネルというチャンネルで生放送も定例で毎週番組を行い、毎回3万人ほどが視聴しています。この番組でも積極的に実況をよびかけています。



結果として発売後1年半にわたり、毎日動画が投稿されている状況になりました。
テラリアは体験版が配布されているので、とりあえずダウンロード、そこで気に入ったらレジストという形で、購入まで非常にスムーズに結びついたものかとおもいます。



そうはいってもゲーム実況は問題なんじゃないか。過去にトラブルもあったじゃないか、という声もあるかとおもいます。
ゲーム実況はビジネスの敵なんでしょうか



私は、そうではないとおもっています。コンテンツとして物語が非常にゲームをのぞいて、ゲーム実況とは向き合わざるをえないかとおもいます。
なぜなのか、それはゲームを取り巻くビジネス環境がかわってきているからです



このセッションをごらんのかたには釈迦に説法かとおもいますが、整理します。
ビジネスが買い切り型から運用型にかわりつつあります。パッケージを販売するモデルから、アイテム課金、ダウンロードコンテンツ、ネットゲームやプレイステーションプラスのような月額課金、プレイするたびにお金が必要な都度課金、CDやグッズなどゲーム以外でビジネスをするメディアミックスなどです
運用型は発売後が重要で、継続して長期間ゲームコンテンツが運用されることが特徴です。



これまでのパッケージ販売は、店舗で売られるものでした。だから発注してもらうためのマーケティングをする。一方運用型ではDL販売でいつでもかえます。ゲーム情報がある場所すべてが、売り場のようなものです
パッケージでは発売前にどれだけ情報を拡散し、面白そうだとおもってもらうかが大事でした。運用型では、発売後に「おもしろい」という声を拡散するのが大事です。わかりやすい例として、パッケージでは発売前にCMをうちますが、スマホアプリでCMを打つのは200万ダウンロードされてからです
パッケージでは全員が同じ値段って買っていました。運用型では、長く遊ぶひとはたくさん支払います。ネットゲームの月額課金、スマホアプリのガチャ、乙女ゲームのキャラクターソングCD…どれも熱心なファンに向けています
そしてパッケージは一人で消費するのが目的でした。運用型では、パズドラでコラボのたびに話題となりますが、ゲームを中心としたコミュニケーションに需要があります
ゲームの楽しまれ方が、大幅にかわってきています。



つまりこれは、全部がゲームセンターになったようなものだとおもいます。
ゲームセンターをイメージしてください。色々なゲームが長時間稼働している。
人気の格闘ゲームは、人だかりができて観戦している。みんなが見てるゲームほど遊びたくなる。
いいゲームセンターはいいコミュニティになってて、ゲーム好きの居場所になっていたりする。そこで会話するために、ゲームをプレイする
マシン単体も重要だけど、運用型は場が大事だとおもいます。



これを整理すると、何を、だれが、どこで、という分類になるのかなとおもいます。
たとえば、同じ格闘ゲームというコンテンツも、ガチに戦う人と、キャラクターが好きな女性は遊び方も、おもに会話する場所も、お金もすべてが違うはずです。
いまのゲームはこの3つがそろってゲームビジネスになっています。
ゲーム単体を作るというより、ゲームを中心とした複数のコミュニティを運営し、そのなかでキャッシュポイントを作っていくというのがゲームビジネスになるんじゃないでしょうか。
ゲーム実況はその一つのパーツだとおもっています



運用型の例として、ニコニコ動画では人気ネットゲームの各社さん、月一定例番組を行っています。
どんな効果があるのか
ゲーム好きのコミュニティ形成による離脱防止で、番組を楽しみに
イベントとして実感をもった情報伝達ができる。コアユーザーのかたに、同時に直接わかりやすくつたえられます。
変化はストレスです。どんなアップデートでも炎上の可能性がある。「なぜかわったのか」「どこがよくなった」「どこがちょっと我慢してもらうところか」背景を伝えることで、ユーザーとの行き違いによる不幸な炎上の防止できます。



最後にゲーム実況の使いこなしかたについて考えていきます



以上にかかれているような点が、よく実況をビジネスとして扱うときに気を付ける点です



生放送を活用した事例を紹介します



D3パブリッシャーから発売された地球防衛軍4です。
ニコニコ上でも昔から愛されたシリーズで、オンライン協力プレイが特徴です。



ニコニコモンズはニコニコ動画が提供する著作物利用のガイドラインを示すサービスです。ここで様々なタイトルの実況範囲が明示されています。



地球防衛軍はストーリーのあるパッケージコンテンツです。
そのため、期間ごとに内容が公開されるという形でネタバレに配慮をしていました。
最終的には発売3か月ですべてが解放されます。



ただ許可を出すだけではなかなか実況がおきないかもしれません。ユーザーに放送をするきっかけを与えるためにニコニコゲームマスターという形で大会をおこないました。
予選大会は生放送で参加ができます。事前に練習もできるので、普段の生放送が面白くなるんですね。決勝大会はユーザーが主役になる、とても華やかなものになりました。



決勝大会の映像をごらんください。ユーザーさんが輝けて、見る専でも楽しめるステージを心がけました。



こうした施策のおかげか、きのう時点で同時に9番組がありました。なかにはDLC買ったから遊ぼうよ、と呼びかけている番組もあります。
・マルチ協力プレイ
・高難易度面への挑戦
・雑談しながらアイテム集め
という内容なんですが、いつでもあそび場として参加できる状態なんですね。ゲームがずっと続いている状態というのは、そのゲームコンテンツの寿命を伸ばしているのかなあとおもいます。



動画と生放送をあわせてちゃんと定着しました。1年間ずっと露出がある状態です。買い切り型としてはかなり珍しいとおもいます。
動画投稿数の3月は1名のユーザーのかたが大量に投稿したのでちょっと尖っています番組数は今年ちょっと右肩あがりですね。



企画の話ばかりでしたが、システムで実況を扱うこともできます。



PS4のシェア機能では毎週3.2万番組が放映されています。
ゲームセンターのmaimaiからは24万動画が投稿されています。先日芸能人のかたが投稿して話題を呼んでいました。リリースから数年たつサービスなのに、今話題を呼ぶというのはすごいです。
システム的な対応は動画を増やす非常に良い方法だとおもいます



スマートフォン用のゲーム実況SDKも提供が始まっています。
スマホからかんたんに動画が投稿できます。組み込みも相当簡単にできています。



これまでを簡単にまとめます。
インターネットでは、そもそもゲームコンテンツが人気でした。それを工夫して、毎日視聴できる習慣型コンテンツにしたものがゲーム実況です。
ゲームの世界は「買い切り型」から「運用型」に大きな変化が起きています。長期間コンテンツの寿命を延ばし、長く深い人からお金をとるモデルでは、コミュニティ形成が重要です。ゲーム実況はそのために使えるパーツです。
ゲーム実況を積極的に仕掛けるものとして、ポリシーの明確化や、実況の目的設定などが使えるのではないか。・・・というお話をしてきました。



かつて、音楽は聞くものでした。
しかし、カラオケの登場で音楽は聞くものから歌うもの、参加するものになりました。いまもTVで芸能人がカラオケを競う番組が人気です。
シングルCDにはカラオケ用のインスト曲がはいることが当たり前になりました。カラオケで歌いやすい音域の曲が主流になり、売れました。環境の変化というのは、コンテンツそのものを変えるんですね。そして新しい需要がうまれ、1998年にはCDの最高売り上げを達成しています。
ゲーム実況の登場も、もしかしたらカラオケくらいコンテンツそのものを変えてしまうのかもしれない、とおもっています。ゲーム実況が当たり前の環境になってきたこと、ゲームが運用型のビジネスになってきたことは、とめられない変化です。変わっていくのであれば、開発者の皆様といっしょに、前向きにこの変化をとらえていきたいです。



本日はご静聴ありがとうございました。
本件に関するお問い合わせは、お気軽にいただければとおもいます。




今日はゲーム実況について、事例とデータを中心にお話いたします。

おもに企画者のかた、ビジネスサイド中心ですが、テクノロジー寄りの話題もあります。

仕事ではスマホ中心だが、今回の話はコンシューマーを起点にする

プラットフォームを問わない話を心がけるが、ニコニコの事例が中心になる点をご了承ください。


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