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ボカロPのための音楽著作権&隣接権講座(中級編)Presented by 浜町音楽ギルド 解説#1
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ボカロPのための音楽著作権&隣接権講座(中級編)Presented by 浜町音楽ギルド 解説#1

2013-05-27 07:52
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その1「放送で発言された《原盤使用印税はおよそ15%》について」

5月24日に放送された「ボカロPのための音楽著作権&隣接権講座(中級編)Presented by 浜町音楽ギルド 」において、皆さまからのコメントでいただいた疑問点や、番組終了後に行われたボカロPさん(EasyPopさん、PolyphonicBranchさん、FB777さん)たちと打上げ会で挙がった質問などをもとに、ちょっと詳しく書いていこうと思います。

番組内でご出演者の方々から原盤印税についての様々なご意見が出されましたが、番組の最後の方で
司会者の吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)から「とりあえず今日は原盤使用印税は15%だと覚えておきましょう」といった趣旨のご発言でキレイにまとめていただきました♪

ここではこの「原盤使用印税は15%」について説明したいと思います。

※ここでいう「原盤使用印税」とは「商用CDなどにボカロPさんが制作した音楽原盤を提供するときの印税」を指しています。通常、CDが発売されたときはその楽曲を着うたなどで有償配信しますが、この「着うたで販売したときの原盤印税」に関しては「CDに収録したときの原盤印税」とは別に発生するものです。これについては別の機会に書きます。

原盤を提供したときの印税にルールはありません。原盤を制作したボカロPさん(原盤権利者)と原盤を使用するレコード会社との間での話し合いで決めることになります。

※一般的には原盤権利者が「●●という条件で提供します」という形で条件提示をするのが普通です。これを「指値(さしね)」と呼びます。番組中で向谷実さんが「原盤印税は指値だから」とご発言されたのはこのことです。

つまり「CDに収録する場合の原盤印税は15%」はルールではなくあくまでも「日本のレコード業界における業界慣習」です。「日本のレコード業界における慣習では原盤印税はおよそ15%程度だ」というのが正しい表現です。「およそ15%」ですから14%のときもあれば16%のときもあります。

※大手レコード会社(あえて言いませんが♪)が管理している原盤を使いたい場合など20%以上の場合もあります。

こうした数字をなんとなく並べると「だいたい15%」ということになるという意味です。で、ここで問題があります。いったい「なんの15%」なんでしょうか?

番組中では参加いただいた識者の皆さんから「出荷控除」とか「ジャケット代」とか「楽曲按分」とかいう言葉が発言されましたが、聞こえましたか? これらを踏まえて「業界慣習的な原盤印税の計算の方法」を説明します。

まず数式で書いてみます。今後「原盤印税」と書いた場合には「日本のレコード業界における標準的な原盤1曲あたりの原盤印税」という意味ですのでヨロシク!


「原盤印税」=(「CDの税抜定価」-「ジャケット代」)×(「出荷枚数-「出荷控除」)×15%÷「収録楽曲数」

どうです、わかりますか?

ここで重要なのは「計算の元になっているのは《税抜き定価》」です。日本においてはCDやレコードは「再販指定商品」と指定されていますので「定価」が決められています。日本のレコード業界ではこの「定価」を基準に印税を算出するのが標準です。

※今話題の「TPP」(環太平洋戦略的経済連携協定)が導入されると「再販指定商品」という概念が無くなるかもしれません。実際に米国ではCDに「定価」という概念がありませんので、上のような「定価ベースの考え方」は日本独自のものです。

※とても重要なことですが、上の式で書いた「原盤印税」はあくまでも「原盤印税のみ」であって「著作権印税」は含まれません。「著作権印税」はこれとは別に音楽著作権者(ボカロ曲の場合ほとんどボカロPさんが音楽著作権者になるはずです)に支払われます。

上の式で出てきた「ジャケット代」は一般的には「税込み定価」の10%が標準です。ここでは「税込み」です。このあたりは日本のレコード業界の慣習ですが、「なぜそうなったか」についてはどこかで浜町音楽ギルド主催の生放送で業界重鎮である甲斐さん(DUE取締役)に語ったいただきましょう♪

また「出荷控除」は20%が標準です。日本のレコード業界では「返品」という制度があり、店舗に出荷された商品も売れなければレコード会社に戻ってきます。つまり出荷した全てのCDの対価をレコード会社が受け取るわけではないのです。この返品の数を元にいろいろと検討した結果、現在の日本のレコード業界の慣習では「出荷控除」を20%としています。

また上の式の一番最後で「収録曲数」で割っていますよね。これが「楽曲按分(がっきょくあんぶん)」です。この言葉も音楽業界では良く出てくることばですので、覚えておいてください。

というのが、番組で向谷実さんが「原盤印税はだいたい15%だよ」と言ったことの説明です。

次回は向谷実さんが「原盤の二次使用料をもらえない契約なんてあるの?」と発言されましたが、ここででてきた「原盤の二次使用料」について書きたいと思います。これが最初にここで書いた「着うたで販売したときの原盤印税」のことです。

(文責 浜町音楽ギルド にへどん)https://twitter.com/nihedon_21




 

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名曲を駄作にしてるようにしか思えんけど・・・

No.1 132ヶ月前

音楽を安くするから無能でクズな3流音楽家が蔓延る。そしてそれを聞く耳の腐った難聴人間が増える。
貧乏人から音楽を剥奪しちまえばいい。金のない貧民は音楽を聞く価値すらない。
歌ひとつ1万にすれば価値も上がるし耳の腐るような雑音はあっという間に廃れていく。

No.2 132ヶ月前

ボカロが既存の曲歌うな腐る

No.3 132ヶ月前
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