ORASのシナリオ考察 5 エピソードデルタとは
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ORASのシナリオ考察 5 エピソードデルタとは

2016-08-05 00:17
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 これはポケットモンスター ルビー・サファイアとオメガルビー・アルファサファイアの相違点の改変意図を汲み取り、咀嚼しながら、心穏やかにそれらを解釈するための考察記事。
ポケモンシリーズはゲーム世界とプレイヤーの現実世界が融け合って繋がっているのが魅力の一つになっていると同時に、考察するにあたってメタ階層の違いを混同しがちでもある。
劇中の主人公視点のシナリオの世界観となるNPCの台詞やテキスト
プレイヤー視点で語るゲームデザインとしての仕様及びNPCのメタ発言
パロディ表現や
旧作プレイヤー向けファンサービスとしてのメタ発言
制作上の都合や元ネタ・モチーフに言及したり、タイアップ・広告宣伝に関わる情報
など、
色分けを試みている。どのように有効なのかわからない実験段階なのでまだあまり気にしないでほしい。様々なメタレベルの情報を区別して、メタ階層の違いに触れる強引な解釈は避ける。「インドぞうを深追いしない」がモットー。アニメ・ポケSPなどよる設定・解釈は参考にしつつ根拠としてはとりあげない。

0.エピソードデルタの存在理由

 ORASエンディング後のハルカ(ユウキ)とのバトルイベントは、オリジナルのRSでは描ききれていなかったお隣さんとの関係を綺麗にまとめた良い追加イベントだ。本当に良かった。
 御三家最終進化系で戦うことなく再戦の機会がないなど半端に終わってしまったお隣さん、意表をついた再登場もそれまでの絡みが薄く印象に欠けたミツルなど、リメイク以前のRSはライバル不在などとよく言われているのを見かけたが、ORASではミツル戦のBGMタイトルが”ライバルのテーマ”と命名された事ひとつとっても作り手側が改良を意識したと伺える。ちなみにライバルのテーマは新しい曲に聞こえるが、RSシダケタウンのテーマからORASでミツルのテーマ曲がアレンジで作られ、そこからさらに戦闘曲としてアレンジされたルーツあるものになっている。
そういった改変はリメイクならではの”ブラッシュアップ”であり、作り手プレイヤー共に望んだ補完の一つの形なのではないだろうか。


 ORAS本編の感動的な締めくくりから 間も空けず始まるクリア後シナリオ、デルタ。RSの更新、補完の範疇から外れた全く新しいストーリーである。発売当初からその内容は賛否両論と言われており、先日改めてアンケートで問うたところ、以下のような結果となった。

 簡易的な集計でなにかを結論づけるものではないが76%が総合的に好意的に受け止めて楽しんでいると読み取れる。だが50%以上は手放しには好きとは言えない、受け入れられていないようだ。最新のソフトは常に賛否あり、世代を重ねていくごとにファンの間では馴染んできたが、次の新作が出ないまま早2年弱。完全新作サンムーンがORASと同じ大森ディレクターという発表もあった今こそ、改めて見なおしてみよう。

 エピソードデルタとはなんだったのか、このシナリオに課せられたいくつもの課題を混在させたままでは語れないため、大きくわけてエメラルドバージョン要素の補完」「通信で繋がる最古のソフトRSとの一巡した関係」「メガシンカに絡むXYとの設定補完」の3つを個別に検証していき、最後に外因を考慮したエピソードデルタのシナリオを再考察する

1.エメラルドバージョン要素の補完

リメイク作品での”マイナーチェンジ版”の扱い

 エピソードデルタは、カイオーガ・グラードンに次ぐホウエン地方の伝説のポケモン・レックウザを主軸にした追加シナリオである。同じくレックウザをパッケージに飾るエメラルドバージョンとの共通点も多く、それを意識した箇所が多く見られる。まず、エメラルドを含むこれまでの”第三のソフト”の系譜と、過去のリメイク作における”第三のソフト”の要素の影響を洗い出してみよう。

 ポケモンは「完全新作」として毎回2タイトル同時発売するのが恒例で、リメイク時もそれに準じている。かつては1,2年の間を開け”第三のソフト”を出すのも恒例とされ、それらの新作ソフトは「完全新作」と区別するため、「マイナーチェンジ(MC)版」と呼称されてきた。赤緑に対し青、ルビー・サファイアに対しエメラルドなど、3つめが出るでしょ出して欲しいと予測できるパターンもあれば、金銀ときてクリスタル、ブラック・ホワイトでMCはなく続編が2タイトル出たり、XYからはついにZが出ないまま次の完全新作が発表されるなど、制作者側は予定調和感を避ける傾向が強いようである。
またこれまでの3例ではMC版のリメイク作を出したことはなくMC版独自の要素は、オリジナル版のリメイク2本に集約されたり、次世代の基礎要素となることがある。

G1(Generation1=第1世代)
・完全新作…赤緑(96年)

・MC…(97年) 1年後
ポケモンのグラフィック変更 入手ポケモン・出現率変更(以降は略)

   …ピカチュウ(98年) 2年後
アニメ版のシナリオを意識して一部イベント再編
ピカチュウが後ろから付いてくる※1 ポケットプリンタ対応

・リメイク:G3…ファイヤレッドリーフグリーン(04年)2世代8年後
赤緑に忠実でMC版要素はパッケージがエンディングで登場したのみ
クリア後は続編といえる金銀への伏線となるシナリオが中心
ピカチュウ連れ歩きはG4のHGSSで再現
海外ではG1の緑は発売されていないがリメイクは日本同様FR・LGだった。

G2
・完全新作…金銀(99年)GAMEBOY・COLOR共通

・MC…クリスタル(00年)2年後 GAMEBOY COLOR専用
準伝説と呼ばれる枠のスイクンを中心に据えたシナリオに変更。
女の子主人公追加→次世代以降の基本に。
ポケモンのグラフィックがアニメーションするように
モバイルアダプタ対応で、携帯電話を介して交換が可能に。
戦闘やりこみ施設バトルタワー初登場。

・リメイク:G4…ハートゴールド・ソウルシルバー(09年)2世代10年後
金銀を基本とし、クリスタルでの追加シナリオもクリア後にまたいで追加
女の子主人公他キャラデザは一部大胆アレンジ。
モバイルアダプタからはwifi通信でネット交換、対戦へと発展している。
Pt登場のバトルフロンティアをそのまま引き継いでいる。
※ポケットピカチュウの進化版ポケウォーカーも同梱
※G1ピカ版の連れ歩きを全種で再現

G3
・完全新作…ルビー・サファイア(02年)

・MC版…エメラルド(04年)2年後
第三の禁止級伝説枠レックウザを中心に据えたシナリオに変更。
主人公衣装デザイン変更。
ルネジムリーダーがアダン、チャンピオンはミクリに変更。
ポケナビのエントリーコールによりジムリーダー再戦が可能に
バトルタワーの発展施設バトルフロンティアが初実装。

・リメイク:G6…オメガルビー・アルファサファイア(14年)3世代12年後
MC版シナリオは形を変え「エピソードデルタ」内に散りばめられる。
XYのような衣装着替えはなし、エメラルド版衣装も実装なし。
アダン登場なし チャンピオン交代の予感は示唆された。
ジムリーダー再戦はなし。エントリーコールは機能実装前。
バトルフロンティアは建設前として名前を出すのみ
リメイク作として初めてオリジナルと間接的に繋がり、オリジナル版からポケモンの個体を移動すると賞状がもらえる。

 各世代の完全新作、MC版の新要素、リメイク版でのMC版要素の扱いを簡潔にまとめた。図鑑ナンバーの扱いや通信に関しては過去記事ORASのシナリオ考察 1 図鑑と通信 にまとめているのであわせて参照して欲しい。

リメイク自体が未だ3世代分しか実例がないため、パターンというものが存在するわけではないが、金銀→HGSSでほぼクリスタル要素を回収できているのと比較すると、RS→ORASでのエメラルド要素が多く取りこぼされているのが目立つ。シナリオに関しては、クリスタルの主役が準伝説枠であるスイクンであったために少しの改変でホウオウ・ルギアメインのオリジナルシナリオと両立できたのに対し、エメラルドのレックウザ活躍はRSのグラードン・カイオーガの活躍と競合するので両立できないのも大きい。(これは恐らく次にくるであろうDPリメイクにおけるPt要素の扱いに関しても同様だろう)そのためRS同様クリア後にレックウザと出会う形で、エメラルドの要素をORAS殿堂入り後シナリオに盛り込んだと考える。

エピソードデルタの中のエメラルド要素

・エントリーコール

 RSマルチナビはトレーナーアイを搭載しているが、エメラルドではエントリーコールという機能に置き換わっていた。対戦したトレーナーのプロフィールが見られるトレーナーアイに、金銀のポケギアのように通話機能が付け加えられたものである。これによりトレーナーから再戦申し込みなどがくることもあった。ORASではトレーナーアイで一般トレーナーの再戦は確認できるが、エメラルドのようにジムリーダーとの再戦はできなかった。
 エピソードデルタでは『エントリーコール バージョン0.09』が搭載されており、ダイゴからの通話を一方的に受けられるようになっている。開発途中の機能としてこちらからのコールはかけられない。ちなみにトレーナーアイに記載されたダイゴの自己紹介「結局ボクが一番強くて すごいんだよね」はエピソードデルタ後の強化ダイゴを倒すと「結局きみが一番強くて すごいんだね!」に変わる。エメラルドでは「めずらしい いしのためなら たきだって のぼっていくよ」であった。

・宇宙センターでのダイゴとのタッグバトル

 エメラルドではアクア団マグマ団双方敵として戦うことになるが、マグマ団の野望はシナリオ前半(えんとつ山)で砕いてしまう。後半、自暴自棄になったリーダーがトクサネ宇宙センターのロケットを用いてテロを企てる展開がMC版には加えられている。これがデルタにて、ORではマグマ団幹部カガリ、ASではアクア団幹部ウシオが暴走する形で再現された。
ちなみにシナリオ中のNPCとのマルチバトルはエメラルドのコレがポケモン史上初で、戦闘中味方でダイゴのグラフィック・投球モーションが見れる貴重なイベントとして当時は盛り上がった。ORASでは南の孤島で既に一度タッグを組んでいるので感動が薄い。

・チャンピオン・ミクリ

 エメラルドではミクリがレックウザへと続く空の柱の扉を管理している。デルタでは”ルネの民”という設定が加えられ、師匠(恐らくアダン)から役目を受け継いだと語られる。
そらのはしらに立ち入るための儀式として”ルネの民のミクリ”という肩書で戦闘イベント。
手持ちポケモンがエメラルドチャンピオンと同じになっており、台詞もそれを意識している。
また、デルタのエピローグで、ダイゴがチャンピオンの役目を降り、ミクリにいつかその座を託そうと考えていることが示唆される。エメラルドでミクリがチャンピオンとなっている事の補完を兼ねたファンサービスといえるだろう。ちなみにエメラルドで代理のルネジムを任された彼の師匠アダンは、ORASに登場することはなかった。

・ホウエンの危機を救うレックウザ
 エメラルドではレックウザがグラードンとカイオーガの争いを止めるため、ルネシティに降臨する。デルタではホウエンに落下する巨大隕石を破壊するために成層圏へ飛立つ。いずれもそらのはしら頂上がファーストコンタクトとなる。デルタでは新キャラクター”ヒガナ”がグラードン/カイオーガを目覚めさせることによりレックウザを呼びだそうと画策していたことが明かされ、エメラルドの方のレックウザ降臨方法を試そうとしていた節もある。
 ORASそらのはしら内部のBGMは、エメラルド版のイベント『レックウザ光臨!』のテーマがアレンジされて使われている。増田さんの作曲。
 デルタではレックウザをメガシンカさせることが危機を脱するキーとなっており、それはXYの次作である所以、そしてホウエン地方舞台としたリメイク以前と以後の最大の差だろう。
エピソードデルタを成立させるため図鑑文章に今までなかった設定が追加されている。リメイク時に設定が加えられ、文章が改変されたのはORASのグラードン・カイオーガ・レックウザのみである。

ルビー:なんおくねんも オゾンそうの なかを とびつづけ けっして ちじょうには おりてこない ポケモン。くうきちゅうの チリと みずを たべるらしい。
アルファサファイア:オゾン層を 飛び続け エサとなる 隕石を 食らう。体内に たまった 隕石の エネルギーで メガシンカする。

・戦闘!デオキシス 正確に言うとエメラルドではなくFRLGの特別イベントで、配信されることはなかったがエメラルドの内部データにも用意はされていたらしい。RSの時代、第三世代のネタを拾ってきたものとしてここでも扱う。劇場版の前売り券を”オーロラチケット”と引き換えて「たんじょうのしま」へ行くと出会うことができた。
 デルタでは巨大隕石を撃破したレックウザと主人公を待ち受けるラスボスで、期間限定の配信でない幻のポケモンとの戦闘イベントとしては初だろう。また劇場版アニメ『裂空の訪問者 デオキシス』でのレックウザvsデオキシスを思わせるイベントでもある。加えて前回述べた”オゾン層≒地球の生態系の遺伝子を宇宙の脅威から守る守護神”というレックウザのモチーフの推測からするとRS開発時点から構想されていた対立構造なのではないかと思わないでもない。旧ホウエン図鑑ではラストのNo.202となっており、RS発売の時点ではフォルムチェンジも用意されていないため、最初からFRLGカントー地方のポケモンとしてではなく、RS開発の新ポケモンの構想の中に含まれていたであろうことが伺える。
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 FRLGのたんじょうのしまでは動く謎の三角形の物体を最短距離で追いかけると爆発し、デオキシスが登場する。デルタでは破壊された巨大隕石の中に同様の三角形の物体がありFRLGと全く同じ軌跡を描いて動いた後爆発し、デオキシスが登場する。FRLGの三角形の物体はORASの大森ディレクターが担当した仕掛けだそう。エピソードデルタ」というタイトルからして三角形にかけるこだわりは相当なものだろう。「たんじょうのしま」そのものも三角形をしていることから実際に三角形をした島『南鳥島(東京都・日本最東端)』がモデルと言われている。


以上、エピソードデルタに見られるエメラルド要素をあげてみた。他にもエメラルドといえば「カイオーガとグラードンの衝突」など様々な目玉イベントがあったが、オリジナルであるルビー・サファイアのシナリオと競合するものは採用できないので仕方がないだろう。

エメラルドのバトルフロンティアがなかったことは個人的にも残念だが、エピソードデルタとは関係ないので一旦触れないでおく。
 エピソードデルタのプロットを組み立てる上で、ここまであげた”エメラルド要素”を意識してシナリオを仕上げたと見て間違いはないだろう。ファンサービスであると同時に、エメラルドを産んだ制作者達自身の思い入れを込めた内容だと思う。

2.RSから”一巡”したストーリーと並行世界

似て非なる別の世界とは

 エピソードデルタの中でも特にファンをざわつかせた話題のひとつに作中で”並行世界”について言及した点があげられる。リメイク前のRSのホウエン地方と今作ORASのホウエン地方は並行世界=パラレルワールドとして双方存在している… 今までファンの間の解釈として存在してきた俗説のような内容である。以下デルタのヒガナの台詞より抜粋。

メガシンカのメカニズムによって引き起こされる世界の揺らぎ
この世界とは似て非なる別の世界の観測……そして確定……
そう わたしたちが住むホウエンとほとんど同じ そこに生きる人もポケモンも
そう 例えばちょっとだけ進化の道筋が違う メガシンカが存在しない世界……
3000年前にあの戦争が起こらず 最終兵器も作られなかった
そんな世界のホウエン……

メガシンカ可能なホウエン地方と、不可能なホウエン地方が存在し、その差は3000年前のカロス地方における戦争と最終兵器の有無で生じた揺らぎと読み取れる。それは実際にメガシンカというシステムがまだなかったころのG3のRSというソフトとメガシンカというシステムが採用されたあとのG6のORASそのものの違いと言える。
これは、過去記事ORASのシナリオ考察 1 図鑑と通信 で述べた通り、ハードの問題で互換が切れたクリスタル以前のタイトルと違って、RSで入手したポケモンの個体(ID,ステータス)を引き継ぐことが可能なリメイク後のORASだからこそ発生しうる”開発上の一巡問題”であり、それを説明する世界観設定としての「この世界とは似て非なる別の世界」という概念なのだろう。RSで殿堂入りしたジュカインはORASで似て非なる冒険を繰り返し得る)
並行世界について言及したのはヒガナだけではない。エピソードデルタを終えたあと向かう事となるバトルリゾートにおいて非敵対組織のリーダーが話すのは、自分たちこそが伝説のポケモンを目覚めさせ世界を危機に陥れていた可能性について。それはまさにオメガルビーとアルファサファイアという2つのソフトの関係を示している。プレイヤーがどちらのソフトを購入しプレイするのか、それが既にゲーム中の登場人物たちの運命に影響を及ぼしている。

これまでのシリーズにおける並行世界の概念

ポケモンを同じ地方にソフトや世代をまたいで移動した例はORASが初めてではない。

・赤緑→金銀とBW→BW2
 G2金銀クリスタルでは、G1赤緑青ピカ版から3年後のカントー地方を冒険することができる。そしてG1からG2へポケモンを送る、交換することが可能だ。G2からG1へ3年前見つからなかった新種のポケモンやどうぐを送れないように「タイムマシン」を使用して交換するのである。まさに「3年の時を超えてやってきた」風に見える。
 ただし、赤緑でプレイした主人公名がなんであろうと、金銀のゲームに登場するラスボス・前作主人公の名前は「レッド」である。赤緑でライバルにどんな名をつけようと、金銀のオーキドの孫であるトキワジムリーダーの名前は「グリーン」である。ゲームの主人公名はプレイヤーの任意であり、赤バージョンの取扱説明書に描いてあるように(あるいはポケSPに倣って主人公をレッド、ライバルをグリーンと名付けない限り…否、例え同じとしても交換によって繋がった”赤緑”と”金銀”は完全に3年後の同じ世界とは言い切れない。赤緑のプレイヤーは金銀でシロガネ山で逢ったマサラタウン出身の殿堂入りトレーナーを過去の自分とは思わず、得体のしれない誰か…レッドさん、と呼ぶだろう。
ちなみにFRLG→HGSSも3年後のカントーとして接続可能だが、相互ではなく「パルパーク」を通じて一方的にHGSSへ送ることのみ可能である。さらにFRLGは女の子主人公を選択可能で、そちらを選んだ場合は完全に別の並行世界と認識されるだろう。

 G5のブラック・ホワイトとブラック2・ホワイト2というソフトは2年後のイッシュ地方という、G1→G2と似た構造を持つ。世代を超えてはいないため通信交換は通常どおりBWとBW2で相互に行うことが可能である。さらに特殊な点が「おもいでリンク」という新機能で、BWのセーブデータとBW2のセーブデータをリンクさせることが可能で、登場人物が前作主人公のことを呼ぶ際や、BW2のカノコタウンの自宅に名前が反映されたりする。これによりBWとBW2は完全に2年後の同じ世界とすることが可能になった。B→W2でもおもいでリンクは可能だが、登場人物の選択や言動などが一致するためB→B2のように色を揃えるとより完全さが増す。
 このように、ソフトをまたぐ時、完全に同じ世界として繋がりうること自体が奇跡的なことで、RSからORASへ移動してきたポケモン達がいくつもの並行世界を渡り歩いてきたことは、メガシンカうんぬんを抜いても事実と言えるだろう。

・DPtの時空論、世界創造の話
 
ポケモンにおいて"世界"というと外せないのが「アルセウスが世界のすべてを生み出した」に代表されるシンオウ神話。以下はプラチナに登場するNPC、神話について探求しテンガン山周囲を巡っていた哲学者の台詞である。

世界の始まりとは 人に心が芽生えた瞬間だと考えているんです
そう!心が生まれて 世界を認識し始めた!(中略)
そうなると世界を創ったというポケモンは 心の現れとも考えられるのかなー!?
ふむふむ…心が芽生えて世界ができた……心が育って時間 空間が生まれた……
(中略)
心が豊かになるほどに 世界が広がっていく神話!
アルセウスという 絶対的な存在から始まる物語!

これは物理的な宇宙の始まりなどではなく、制作者達から哲学の観点から解釈したシンオウ神話として示された、アルセウスが世界を作ったという内部設定の秘密の一端なのであろう。
"世界"とは認識で生まれるもの、たとえばレッドがチャンピオンとなった金銀は自分の遊んだ赤緑とちょっと異なる世界だな、BWとBW2はリンクすると同じ世界だな、と感じる我々プレイヤーの""が既にそれを物語っているのではないだろうか。BWでシロナがギラティナと出会ったと話せば、その可能性のあるプラチナがBWに続く歴史≒正史であるというファンの解釈が存在してきたように、ダイヤモンド・パールはプラチナと違う可能性の世界だと、区別がなされてきた。逆に言うと細かな矛盾に気が付かなければ同じ世界として"認識”したままだ。
RSとORASは別世界というメタ発言「似て非なる別の世界の観測……そして確定……」は文字通り、なんか違うなという差異の認識そのものを指し、メガシンカの有無という大きな差異ができてしまうため、作中で言及するに至ったと思われる。
 シンオウ神話の哲学を我々のゲームプレイ体験に適応すると、ゲームソフトの中に世界があるというよりは、プレイヤーの頭の中に世界が生まれていると言える。ゲーム制作者が込めた世界観がただの電子基板を通して0と1だけの情報から我々に伝わっている。文章や映像で描かれた世界は表層で、それを通じて我々の心の中に生まれた、ゲームプレイヤー1人ひとり、ソフトごと、異なる選択をしたプレイ周回ごとに違う世界が生まれている…それを体現したシステムこそ初代から存在するトレーナーのIDナンバーかもしれない
 それぞれのソフトが通信ケーブルやwifi,インターネットを通じて交わる時、IDナンバーの違いでお互いを異なるトレーナー、そして同じソフトであってもちょっと違う世界にきたんだなということをシステムに認識させてきた。我々はデルタで言及されるもっと前から、異なる世界が共存してきたことを肌で感じてきたに違いないSF風の解釈”次元移転装置”を『通信ケーブル』と名づけてみせたのも並行世界どうしを繋いできたRS時代のそれ、を意識したためだろう。
ORASは"メガシンカ"を我々が認識することで大きく揺らいだ新たなホウエン地方の物語か。

・BWのハイリンクと世界
 ソフトごとに存在する世界をより具体的に表現したのがブラック・ホワイトの「ハイリンク」である。イッシュ地方中央にある謎の領域で、”誰かの世界”への架け橋を渡ることで近くにいるプレイヤーのソフトに侵入することができる。その際主人公は別の姿に変わって行動するが、他人の目から見た自分と、自分が思う自分の姿が異なる事を表現していると思われる。時々ポケモンの姿に変わることもあり、これはまるでシンオウ神話における「昔は人もポケモンもおなじだった」という記述そのものかもしれない。古くはFRLGからのユニオンルーム、XYからのPSSなど、アイコンの段階では主人公の他人からの見た目が違うのも、わかりやすさというゲームのデザインの他に、世界の違いは人の心の認識の違いという哲学が根底にありそうに思える。(後年アイコンは選べるようになったけど)

パラレルワールドと時系列

並行世界の揺らぎの大きさについて、整理する。
まずポケモンのパラメーターで確認することができる「出会った場所」の表記を見る。

G3→G4 ○○地方からやってきた (HGSS、DPt間でも同様)
G3→G5 ○○地方からながいときをこえてやってきたようだ
G5以前→G6 ○○地方から時間と空間をこえてはるばるやってきたようだ

ゲームの容量・管理的な都合で各ソフト固有の細かい地名までは持ち越せない理由もあるのだろうが、RSのホウエン地方からORASのホウエン地方へポケモンを連れてきた時のギャップを"時空を超えて"きたという脳内処理で”納得”を与えようとしているようにも見える。時間と空間はDPのキーワードでもあり唐突な言葉でもない。なにも言われず変だなーと違和感を感じるままよりはよっぽど配慮の効いた表記だろう。

通信ケーブルやwifiを通じて交換した相手は、限りなく同じだが違う可能性の並行世界
ときをこえて繋がっていた世界は、
同一の世界あるいはゆるやかに繋がった並行世界
時間と空間をこえて繋がった世界は、メガシンカの有無など、ひとつのソフトの中では成し得ない、つもり開発側が再設定(リメイク)した遠い可能性の並行世界、としよう。

次に"時系列"という概念について。

赤緑≒RS金銀≒DPPtBWBW2≒XY

 これはORASが出る前に示された開発関係者のヒントだ。今は消えているため、最新の設定を推測する根拠としてほしくない意図もあるのだろう。それも考慮し、あくまでヒントとして参考にしよう。
 G3~G5は「ながいとき」という時間軸でゆるやかに繋がっているとして良いだろう。
XYもその延長上にあるとされていたが、エピソードデルタを見る限りそれは思いとどまったほうが良さそうだ。
 ORASがBWやXYより昔の話であると示唆する物証や発言が多く存在する。具体的にはマーシュがカロスのジムリーダーになる以前キズナオヤジ誕生の瞬間、ティエルノの幼少期と思われるNPCBWのロイヤルイッシュ号が完成前など。しかしそうなるとメガシンカについてプラターヌ博士の発言やXY発売直後までの謳い文句であった「カロス地方でしか確認されていない現象」と先にホウエン地方で普通に使われているORASの間に矛盾が生じてしまう。設定ミス若しくはXYもまたORASと繋がらない別の時系列と考える他ないだろう。

 この矛盾は全くフォローがないが、何か理由付けして解釈する必要も感じないので、現状はミスまたはあえて無視されているとして受け取り、考えない前提で進めたい。
ポケモンの個体移動可能な ゆるやかに繋がる世界ごとに時系列を整理したのが以下だ。

時系列1:赤緑→(タイムマシン:3年)→金銀
時系列2:RS≒FRLG→(3年)→HGSS≒DPt→BW→(2年)→BW2
時系列3:ORAS→(FRLG〜BWのような歴史が展開されうる)→XY

 ORAS内で多く見られる「12年前」というキーワードが、RSをプレイしたファンへのサービスとしてのメタ発言か、実際に設定としてRSとORASで12年のズレがあるのか、定かではない。ただ可能性や細部が違うだけでORAS→XYの時間の流れはRS→BW2のものと似ていると、現時点で解釈して構わないだろう。詳細な考察はここでは避けたい。

また、ORAS早期購入特典の白い色違いのダンバルを進化させて手持ちに入れておくと、エピソードデルタ内でダイゴとの特殊な会話が発生し、レックウザと過去出会ったことが明かされる。この会話の内容はアニメシリーズの特別編最強メガシンカActⅡの出来事を指し、ORAS発売直前の2014年11月6日放映ということもあり、メディアミックス上のタイアップのひとつだろう。これをアニメとの時系列的な繋がりとゲーム上の設定を考えだすとインドぞうを追いかけかねないため、一旦は単なるファンサービスと捉えておきたい。

完全孤立したG1赤緑青ピカも3DSのバーチャルコンソールで配信され、G7サンムーンへポケバンクを通じて連れて行くことが可能とされている。ゲームボーイ版と直接通信することは叶わないが、初代の世界が現世代と間接的に「時間と空間をこえて」繋がれることを示したと言える。G1赤緑がG3FRLGと断絶しつつVCで間接的に繋がることが決まった今、エピソードデルタにはORASとRSの関係は時空を超えた並行世界であることを示す必要があったと考えるべきだろう。(VC赤緑と通信できるVC金銀が待たれる)


 "パラレルワールド"は 世にある作品の多くで過去の関連作品との関係を一切考えないでいいという制作側の免罪符としても使われている。シリーズコンテンツのファンがこの言葉に敏感なのはそのためでもある。
 エピソードデルタ、ひいてはポケモンシリーズでは、そのような安易な使い方ではなく、DPの神話・哲学の頃からかなり攻めた解釈として取り込んでおり、またシリーズ通して決してブレた概念ではないと言えるし、寧ろ過去シリーズとの繋がりをここまで大事にしてきてくれたコンテンツはそう無いだろう。
いずれ訪れるであろうダイヤモンド・パールのリメイクに向け「時空」という題材でどう展開するか、楽しみなキーワードの一つとしてあげておきたい。そして、XY/ORASからサンムーンへポケモンを移動した時の表記がどうなるか、その点も注目したい。

3.XYから登場したシステム”メガシンカ”の補足 

 メガシンカとは、ポケモンに持たせたメガストーンと、トレーナーが持つキーストーンを介して、人との絆の力がポケモンに作用することで姿や能力が変化する、新たな進化の形とされている。ORASは「メガシンカの謎に迫る新たな冒険」という煽りで宣伝されその起源や事象には、未だ多くの謎が残されているとされてきた。それに対する答えをエピソードデルタに用意したという意図だろう。前2つの「(ゲンシカイキに対抗する)エメラルド要素としてのレックウザの活躍」「RSと似て非なるORASという世界の最大の差異」もこのメガシンカが重要なキーとされている。G6のXYから登場したこのメガシンカとは一体何なのかを見ていく。

メガシンカの起源

起源はレックウザ
 エピソードデルタで示されたメガシンカの謎≒起源の謎は、シナリオ終盤にそらのはしら壁画に描かれた内容を伝承者ヒガナが語る形で明かされる…前に 流星の民のババ様があっさりとそして簡潔にわかりやすく話してしまう。

流星の民ババ様「うむ まさにその通り
『ポケモン』と『力を持った石』『人々』の結びつき……
そうしてポケモンが新たな姿に変わる現象を
後の時代の人間たちが メガシンカと名付けたんじゃ」

ダイゴ「メガシンカのメカニズムは人類とレックウザの出会いによって発見されたものだったのか……

右図は"そらのはしら"壁画をつないだもの。作中で下から解説されていくので、画像内のキャプションは下から読んで欲しい。要約すると
・原始の時代から、自然のエネルギーを巡ってグラードンとカイオーガが争っている
・千年前に落ちた隕石の中にあった"七色の巨石"≒キーストーンと、人々の祈りにより、レックウザの姿が変化し、ゲンシグラードンとカイオーガの争いを収めた
・現代ホウエンに落下する隕石の予言はこの壁画の伝承を根拠にしている らしい。
デボン社員によるとレックウザ体内の"ミカド器官"は隕石を取り込むことでメガストーン相当の働きを生み、人のもつキーストーンと反応が可能になるらしい。隕石はレックウザのメガシンカに不可欠なエネルギー源であり、劇中で主人公が持っていた"いんせき"を喰わせることで枯渇していたメガシンカに必要な力を得た。

メガストーンの正体
 えんとつ山でアオギリ・マツブサが、その"いんせき"に手を加えている。

こいつにはな ある条件で 様々な種類に変化する特徴があるのさ(AS)

星のコアに眠る爆発的なエネルギーと この いんせきをマージさせれば…

ある条件を満たすと いんせきの特性は変化する
たとえば メガストーンへと… たとえば キーストーンへと…OR)

 ストーリーを進めると変化しエピソードデルタでは七色に光りメガストーンへ酷似していく。この"いんせき"はORAS本編シナリオで入手したマグマ/アクア団から取り戻した元々ソライシ博士の持ち物であり、りゅうせいのたきで発見したものだ。恐らく2000年前に落ちたと伝承で語られていたものだろう。そして隕石に与えようとしていた力「星のコアに眠る爆発的なエネルギー」とは恐らく自然エネルギーのことだ。アオギリたちが変化を狙っていたのはカイオーガやグラードンの制御のための宝玉「あいいろのたま・べにいろのたま」であったが、結果得られたものは謂わば"レックウザナイト"のようなアイテムであった。メガストーンとしては不完全だが、レックウザの"ミカド器官"なら補完可能ということかもしれない。
デルタの演出のため、RSにあったソライシ博士へのいんせき返還イベントが無くなった。

XYで示されていた起源説
 メガシンカが初登場したXYではプラターヌ博士によってこう示唆されている。

そもそもメガストーンとは なんだろう? これは ボクの 推測だけど
3000年前 撃ちだされた最終兵器の光……
伝説ポケモン ゼルネアス(イベルタル)のパワーを浴びた特殊な石
それが メガストーンだとおもう
もしかしたら ほのおのいし などが 変化したのかも しれないね……
"いんせき"がメガストーンに変化したというのが、ORASで示された新たな情報だ。
マグマ・アクア団が試みたのは自然エネルギーによる変化だが、プラターヌの仮説では最終兵器の光、ゼルネアス/イベルタルのパワーが原因とされている。

カロス地方でしか確認されていない現象「メガシンカ」という説明との整合性については説明がないが、メガストーンとキーストーンによる世界で初めての1:1のメガシンカがカロス地方のメガルカリオ(マスタータワーで奉られている)ということなのだろう。これはホウエンで千年前目撃されたメガレックウザのメカニズムを基に研究を進めた成果であり、メガシンカと名付けられたのはカロスでの例が初めてと言えるのかもしれない

最終兵器との関係
メガシンカが存在しない世界…
3000年前にあの戦争が起こらず 最終兵器も作られなかったそんな世界
ヒガナがこの関係を前提にして話すのが謎だが、そらのはしらの壁画及び流星の民の伝承でもメガレックウザ登場が3000年前の戦争以降であるように、そしてその現場にAZと思われる男が関わっていた事も合わせ、戦争に使われた最終兵器とメガシンカの現象には因果関係が設定されていると思われる。

最終兵器とプロジェクトAZOTH

最終兵器について
 XYに登場した古代遺跡地下に眠っていた巨大なレーザー射出装置である。3000年前のカロス地方の王"AZ"が、戦死した最愛のポケモン・フラエッテを生き返させるための装置として発明したが、後に兵器転用し圧倒的火力で戦争を終わらせた。兵器の光には永遠の命を得るという副作用があり、AZ及び彼のフラエッテは3000年の時を今も生き続けている。この装置の動力源として数多のポケモンの生贄が必要で、巨大な列石に繋ぎ生体エネルギーを取り込んでいた。加えて伝説のせいめいポケモン・ゼルネアス若しくは、はかいポケモン・イベルタルの力が不可欠のようだが、どちらの場合でもフラダリに破壊目的で使用された。

∞エナジーについて

 今作エピソードデルタではデボンコーポレーションが最終兵器の動力源としているポケモンの生体エネルギーを研究、発展させ∞(ムゲンダイ)エナジーを考案したと明かされる。人とポケモンに役立てるという理念のもと、潜水艇エンジンから宇宙ロケットなど多岐にわたりホウエンの人々の暮らしに貢献している。このエネルギー資源の存在は、ORASのシナリオ考察 3 キンセツ関連 で触れた通り、競合企業ダイキンセツホールディングスが没落要因でもある。現在もポケモンの犠牲によって成り立っているのかは明言されていない。

プロジェクトAZOTHについて
 ORAS本編中で悪の組織が企てていた計画のことで、オリジナルのRSにはない要素。ORASのシナリオ考察 2 マグマ団アクア団 で触れなかったが、マグマ/アクア団が狙っていた"書類"、"デボンのにもつ”は、∞エナジーに関するもの、それを利用した潜水艇のエンジンだった、という改変が加えれている。グラードン/カイオーガの眠る海底洞窟の封印を最終兵器の技術を転用したドリル兵器で解き、目醒させるというのが計画の内容だ。
プロジェクト名の「AZOTH(アゾット)」とは錬金術の用語で、アルファベットのはじまりの文字"A"と、ラテン文字・ギリシャ文字・ヘブライ文字のおわりの文字"Z・Ω(O)・ת(th)"を合わせたものという解釈がある。ORASがタイトルで関しているαにしてΩと同様、始まりであり終わり、全て、永遠を意味する。マツブサ/アオギリの「世界におわりの始まりをもたらす/はじまりに還す」という意志から名付けられたのだろう。封印を貫く剣(ドリルだが)として錬金術士パラケルススの所持していた「アゾット剣の伝承に由来するのではないか。AZ王を思い起こさせる語句として、むしろ死者を蘇らせようとしたAZ錬金術のAZOTHから名前をとったという解答かもしれない。ちなみにサントラの「AZOTH」という曲は、XYの「AZ」のテーマ曲のアレンジである。
 AZOTHのOTHがそれぞれレジスチル・レジアイス・レジロックの頭部に見られる点を結んだ形状"⦿十H"に似ているというファンによる考察があるが、点字の碑文に書かれた「えいえんのポケモン」と錬金術の関係は当たらずとも遠からずという印象だ。どこまで考えて作りこまれたキャラクターなのか不明だが興味深い。それぞれが封印されていた場所のモデルとなったのは古墳である可能性が高い
 この計画はヒガナがマグマ/アクア団に与えた手ほどきによるものとされている。

AZとメガシンカについて
 最終兵器を作った本人AZがメガシンカの誕生を目撃した様子が劇中で語られている。
「まさかこの大木が…カロスより訪れし巨大な男から贈られたものだったとは…」

背の高い異国の男はこう言った
『世の揺らぎより生まれしもの すなわちΔ(デルタ)
人の祈りと石の絆にて世界に生まれし揺らぎを平らかにする』…と
不死の肉体を得たため2千年も生きてホウエンにも訪れたことがあるらしい。3mもの背丈があるため、当時の人々にも印象深かったのだろう。彼の言葉は難解だが、彼自身が発言した意味としては以下のように読み取れるだろう。
『世の揺らぎ(最終兵器の影響)より生まれしもの すなわちΔ(メガレックウザ)
人の祈りと石(メガストーン)の絆にて 世界に生まれし揺らぎを平らか(?)にする』


太古からポケモンの生体エネルギーは凄まじいポテンシャルをもっており、永遠の命や無限大のエナジーを生み、錬金術を彷彿させる存在で、それを巡って興亡が起こってきたという話だ。次にエネルギーの概念について話を進めよう

生体エネルギーと自然エネルギー

メガシンカと生体エネルギーの関係についてはソライシ博士の発言が手がかりとなる。

今回はロケットの中にあるポケモンの生体エネルギー
キーストーンに秘められた人間の生体エネルギーを掛け合わす―つまり
メガシンカのときに発生する長大なエネルギーを人工的に作り出すことから始まる

メガシンカの現象を科学的アプローチから説明したヒントである。
 メガシンカとは「ポケモンが本来持ち合わせているエネルギーに、人間≒トレーナーのエネルギーが加算されたことによる一時的な現象。エネルギーの接続は、人間側のキーストーンとポケモン側のメガストーンが媒介となり、信頼関係や祈りなど人間とポケモンの意思疎通の力がそれを可能にする」原理という結論が出る。
 生体エネルギーという単語も第六世代で急に登場したたように感じられるが、シリーズに
以前から存在する概念「はどう」や「オーラ」といった生命力の表現を科学的アプローチで呼称したようだ。「みずのはどう」や「りゅうのはどう」は英語版ではPulse(パルス)と訳され、ルカリオの図鑑文章中の「はどう」や「はどうだん」についてはaura(オーラ)と訳されている。パルスとして体内の脈動や放出する攻撃エネルギーの波形を指し、スピリチュアルなエネルギーのニュアンスとしてオーラと同一視しているのだろう。ちなみに「はどう」のゲーム中の漢字表記はほぼ「波動」だが、「はどうだん」の技説明文のみ「波導」となっている。

 一方で今作には自然エネルギーという単語が登場する。ゲンシカイキに関わるエネルギーであり、それはメガシンカとは別のアプローチの進化の形とされる。ゲンシカイキに関してはORASのシナリオ考察 4 ゲンシカイキ で考察した絶滅というキーワードの通り、人やポケモンの生体エネルギーと相対するものとして自然エネルギーが登場したのだろう。
ORAS本編でめざめのほこらでゲンシカイキの事件解決後、地下からあふれた自然エネルギーがホウエン地方の生態を豊かにした出現ポケモンが変わった)現象から、自然エネルギーと生体エネルギーは相互に関係していると考えられる。命が生まれることで生体エネルギーへ、死んで海や地に還ることで自然エネルギーへと循環しているというイメージだ
XYにおけるゼルネアスの与える、イベルタルの奪う、という設定上の役割も、このエネルギーの循環を指して生と死を司どっているのかもしれない。ゼルネアスのジオコントロールは地球操作の名の通り自然エネルギーを自身の生体エネルギー活性化に還元できるニュアンスなのかもしれない。このエネルギーの循環こそαにしてΩ、永遠のテーマに思える。
"いんせき"をえんとつやまの自然エネルギーでメガストーンに近いものへ変化させたことと、最終兵器に含まれるゼルネアス/イベルタルのパワーがメガストーンを生む仮説は無関係ではないだろう。

 陸と海の化身であるグラードンとカイオーガが、自然の脅威的一面を強調したパワーアップを遂げたゲンシカイキに対し、レックウザは何故メガシンカという役割を与えられたのか。そこにエピソードデルタ最大の存在理由があると考える。

メガシンカと絆

震災と絆 Pokemon with you
 地震と津波そして"絆"と聞けば、日本人の多くは2011年の東日本大震災、3・11を思い出さずにはいられないのではないだろうか。G3,G4と2世代ずつずれてリメイクされてきた過去タイトルだが、ORASがG5のBW(2010年)の後ではなくG6となったのには、震災への配慮があったという憶測もあった。G5におけるリメイク延期は定かではないが、3・11以降の作品においてその影響なしに語ることは不可能だろう。伝承中にある「隕石やゲンシカイキによる厄災を人々の祈りとメガシンカ≒絆の力で乗り越えた」という寓話は、被災地の復興へ向けた理想像であろう。ポケモン株式会社はPokemon with you ポケモン復興支援 のような活動を震災直後から続けており、関連してポケモン全体の方向性として"絆"という単語への執着が強くなったように見える。恐らくメガレックウザは、専用技ガリョウテンセイ=画龍点睛の意図するメガシンカの物語の不可欠なピースとして、絆の力で切り開く希望としてのポジションを担ったのだろう。

アニメとゲームにみる絆
 全ての原作である、初代ポケモンにおいても絆のニュアンスがなかったわけではない。オーキド博士はライバルの敗因を「ポケモンたちへの信頼と愛情を忘れている」と諭した。ただしそれはただの台詞であり、パラメータとして存在するものではない。それが具体的に描かれたのはサトシとピカチュウのようなアニメシリーズが有名だろう。
 アニメやコミックでは信頼と愛情をシナリオに盛り込んで描けるが、ゲームでは多種のポケモン・多数の個体から自由に選べる楽しさをもつ故に一匹との関係は希薄であった。ゲームでもポケモンとの関係をより豊かに表現しようという試みが加えられていく。アニメに準じて作られた『ピカチュウバージョン』からピカチュウのなつき具合が設定され『金銀』以降なつき度」として定着したパラメーターは、アニメの影響のひとつといって良いだろう。しかし、アニメのイメージ定着と同時にに、ポケモンの対人戦の大会も盛り上がり、ポケモンとの絆と、ポケモン対戦の戦略上の取捨選択が、相反し始めたといえる。
 世代が進むごとに
対戦ゲームとしてのポケモンは更に戦略性を増し、より勝率を稼ぐため大量に捕獲したポケモンの中から個体を「厳選」する行為もプレイヤーの間で定着していく。ポケモン廃人と化したコアなプレイヤーの間では「ポケモンのシナリオはチュートリアル、クリア後が本番」とも言われるようになった。エメラルドのバトルフロンティアに嵌った高校生の自分も当時そんなことを口走ったかもしれない。ゲームでDPが出ると、ついにアニメにまで「厳選」行為をする少年シンジがライバルとして登場する。ゲーム同様に強さを求める行為を準えるシンジと、仲間との信頼と愛情を絶対とする主人公サトシの衝突を描いたのは、対戦ゲームとしての仕様(クリア後の対戦育成)と冒険の仲間との絆(殿堂入りまでのシナリオ)が乖離している状況に真正面から斬りこんだ試みだ。アニメDPはシンジの価値観も肯定しつつ、サトシの勝利という結末を向かえる。ゲームが作った世界観とそれを壊しかねないゲーム、究極のポケモンを目指して作られたゲームDPの次回作は、その自問自答から生まれたのではないだろうか。

ポケモン解放からメガシンカへ
 G5の完全新作『BW』は、ポケモンと対話できる人物Nによる「モンスターボールから解放すべき」という劇中主人公のみならずプレイヤーへの問いかけを主題のひとつに据えている。野生のポケモンを捕獲していく行為が当たり前になったこのゲームにおいて、その行為を見つめなおして再定義しようという試みで、直接的に厳選行為のことを非難しているわけではなく、動物愛護団体PETAのような極端なアンチに対する回答というわけでもないだろう。様々な人種、色々な考えを持つ人々がひとつの地に集まった「一種」からネーミングされたイッシュ地方を舞台に「お互い信じる真実と理想は異なるけれど」と前置きしつつ「ポケモンと一緒にいたい」と思ってほしいと願いの込められた一作であった。
 さらにその続編『BW2』では「ポケモンの潜在能力を引き出す術は何か」と問う人物アクロマを登場させ、「ポケモンは人と共にいた方が強さが引き出される」とポケモンシリーズ自身、そしてゲームをしているプレイヤーをも肯定した。ポケモンがゲーム性を保ちつつ、メディアミックスなど外的要因とバランスをとるために、必要な過程であったかもしれない。
 それを経た上で、『XY』で人とポケモンが共にあるメリットの部分を発展させたのが"絆"によるパワーアップ「メガシンカ」なのだろう。絆の表現としては「ポケパルレ」による「なかよし度」も追加されたがメガシンカのシステムと関係が全くなかったのは残念である。シナリオで描かれるイメージと違い、アイテム・メガストーンの有無のみがメガシンカの条件であったのは、未だシナリオ要素と対戦ゲーム要素が乖離し続けていることに他ならない。エピソードデルタ後のミツルがポケモントレーナとしての強さを求めた姿の描写の賛否は、制作側がその乖離故の摩擦に無自覚だったと思わせる一節だ。メガシンカはポケモン解放から始まる、そしてAZが求めた「トレーナーとはなにか知りたい」という問いに対するひとつの挑戦でしかないのだろう。今後G7で実装されるという「Zワザ」や「すごいとっくん」によって、厳選」に替わるゲーム性や効率と、冒険の仲間との「は両立できるだろうか。今後メガシンカがどう位置づけられていくのか要注目である。


やや話を拡げてしまったが、エピソードデルタにはXYから始まったメガシンカに関する設定の補完だけでなく、震災などを背景にメガシンカそのものに託された"絆"の力を背負ったストーリーとしての役割があったと思われる。ORAS本編の改変点の多くも、そのための伏線、設定補強としての目的があったことが伺えるだろう。

4.総括!エピソードデルタ

エピソードデルタが担っている要素として、
既存ファンに向けた
エメラルドバージョン要素の補完
オリジナルRSとの似て非なる関係を成立させるための並行世界の示唆
メガシンカの設定・ストーリー的補完

をこれまでのポケモンシリーズの流れと合わせて細かく見てきた。デルタはこれらに加えて、
XYの後に制作されたORAS
XYより時系列が前であるORAS
RSの12年後に発売したORAS
XYのアニメと同時進行のORASタイアップ
といった情報の混乱がプレイヤーだけでなく、制作側にもあっただろう様子がテキストの端々に現れている。エピソードデルタのカオスさは処理すべき要素の煩雑さによるところも大きいだろう。これらを強引にまとめ、場をかき乱し物語を進行させる、まさにトリックスターと言える存在が流星の民の末裔"ヒガナ"である。デルタは彼女の存在に集約していく。

ヒガナの目的と行動

 ヒガナの目的は宇宙からの脅威、巨大隕石の迎撃である。流星の民の伝承に基づき、その飛来を予め知見した上で、メガレックウザのガリョウテンセイを用いての実行を計画している。メガシンカのためのキーストーンを所持し、ガリョウテンセイ伝授の術も心得ている。
肝心のレックウザを光臨させる方法として以下の2つの選択肢があった。
 1.カイオーガ/グラードンを目醒めさせ、治めるためにレックウザが光臨する
 2.多量のキーストーンを集め、そらのはしら頂上で光臨の儀を行う
ORAS本編では1を実行すべく、マグマ/アクア団へ潜入し、プロジェクトAZOTHに至る手ほどきをしていた。しかし主人公の活躍により、レックウザが現れる前に解決してしまう。
エピソードデルタは代案として2を実行に移すところから始まる。

計画遂行のほか、伝承による方法を唯一絶対の最良の方法と信じ、例え同じ目的を有していてもデメリットが高いと判断した他の計画は阻止する。

ヒガナの動機とキャラ設定

 ヒガナは、シガナという大切な人を失った喪失感をゴニョニョに"シガナ"という名前を付けて埋めている、欠けた所のある人物として描かれている。名前の由来は植物の"彼岸花"で、シガナと合わせて彼岸と此岸がモチーフと思われ、仏教的な意味で死別したを示唆するネーミングだ。ニンドリの制作者インタビューによると元々特別な力をもつ「伝承者」としての役目を担っていたのはシガナの方で、代わりのヒガナに特別な力はないという。

どうすれば一番多くの幸せを守ることができるのか考えてきた
力と知恵を持つ者の宿命として…それをなせなかった者の意志を継ぐ者として…

本人の意志でなく居なくなったジガナの人生を生きている状態で、かつ当人には十分な能力・情報が不足しているため、言動に配慮が足りなかったり支離滅裂に見える、と解釈していいだろう。知識や思考、発言さえもシナガの受け売りの可能性もある。

 シガナの正体は明かされないが、ヒガナの強引な行動には何か理由があると納得させる装置としてゴニョニョのシガナを連れ、常に"その場にいない誰か"と話している演出に使っていると捉えよう。故にヒガナとの関係や、実際どうなったのかはシナリオを読み解く上で掘り下げる必要はないだろう。シガナの存在をボカして配置することで常人には理解できない何かを背負って行動していると思わせたい意図を感じるが、世界観に関わるメタな発言のせいでシナリオで消化すべき課題のために動いていると紙一重で感じかねない。

 ポケモンシリーズのテンプレートでヒガナがどのポジションなのか考えてみると、主人公の冒険を手助けし最後に立ちはだかるチャンピオン、若しくは主人公のゆく先々で出会い伝説のポケモンと出会う前後で立ちはだかる悪の組織ボスあたりの存在感だ。悪の組織に加担し、主人公の仲間を傷つけ、伝説のポケモンを用いた計画を目前に挫折する… 従来のシリーズのプレイヤーからすれば今までの悪の組織ボスの系譜にしか見えないだろう。

ヒガナと想像力

きちんと考えてほしいの 必要な犠牲不要な犠牲の二つがあることを

ヒガナはそれを怠ることを「想像力が足りない」とした。
ではホウエンを守る上で彼女が何を犠牲として必要、不要としたか見てみよう

1.マグマ/アクア団への加担によるレックウザ光臨で生じる必要な犠牲
 プロジェクトAZOTHに関わる組織の行動による窃盗や人的被害
 最終兵器の技術を転用したドリル兵器を使用することのリスク
 グラードン/カイオーガを目醒させた災害による被害

2.多量のキーストーンによるレックウザ光臨の儀を行うことで生じる必要な犠牲
 キーストーンを多数集める(借りずに奪う理由は不明)
 自身にもしものことが起こるリスク(詳細不明)

3.次元転移装置による巨大隕石のワープ計画によって生じる不要な犠牲
 最終兵器の技術を転用したロケットを使用することのリスク
 ワープさせた先に隕石に対処する術の無い似て非なるホウエン地方があるリスク

特筆すべき台詞として3の計画に対する発言に注目したい。

人間が考え出した3000年前の忌まわしきテクノロジー……
あなたたちはまた人類のために とか世界のためにとか言って
昔々に犯した過ちを繰り返すつもりなんだね

1の計画で自身が関わっている組織の計画で既にデボンの∞エナジーに手を染めたことを棚にあげた発言と言えよう。自身の好き嫌いの話であり、もはや犠牲の要不要とは無関係の話題であった。
∞エナジーのリスクを除いてもゲンシカイキのによる犠牲の方が、似て非なるホウエン地方に隕石が落ちるよりマシと「知っている」。並行世界の存在や次元転移先を確信していたとして、それを納得、証明する術を彼女は持ち合わせていない。理解を求めるより先に、破壊し、奪っていく。ヒガナの想像力は既定路線で、シナ…シガナから聞き知った伝承や取捨選択の内から出ることができないのだ。

ワープシステムの次元転移による解決の問題点は「この星のどこかでない」ことしかわかっておらず、ソライシ博士も言葉を濁した不確定要素にある。ワープした先が生命のある惑星だったら、他の文明のある惑星だったらという想像を説けば、厄災の押し付けが根本の解決でなく、コストの限界などを理由にした怠惰に過ぎないなどを理由に説明できるだろう。唐突に似て非なる世界のホウエン地方など持ち出しては共感を得られない。

ゲーム中で描かれたヒガナのキーストーンの奪取は4つ、エピソードデルタの後にダイゴが四天王たちに易々と配ってしまうその数に等しい。世界を救うためにダイゴやメガシンカの使い手達に協力してもらいキーストーンを貸してもらえば済む話なのではないだろうか。襲われた仲間たちが必要な犠牲と主張するのであれば、想像力が足りないのはヒガナの方ではないか、多くのプレイヤーはダブルスタンダードで高飛車な態度に苛立ちを覚えただろう。ヒガナはシガナの遺した想像のみに固執し、協調することができない哀れなキャラクターである。
(あと一人のメガシンカの使い手ルチアは忘れられたのか、舞台裏で襲われたのだろうか。)

ヒガナの失敗と果たした役割


 ヒガナは主人公とダイゴからは何故かキーストーンを奪おうとしなかった。チャンピオンと元チャンピオンには敵わないとふんだのかは不明だが、両者への態度はまるで違う。ダイゴへの敵意にあふれた辛辣な態度と、どんな返答(はい・いいえ)を選んでも返される主人公への甘い受け答えの違いが一体なんなのか、明確に示されることはない。このダイゴの受難は、エメラルド要素としてのチャンピオン交代という未来へ導かれることになる。このように、シナリオに課された多くの課題をクリアするため、ヒガナの行動は謎の偏りを見せている。彼女はシガナ≒シナリオに囚われたキャラクターだ。

 ヒガナは巨大隕石に立ち向かうための目的をまっすぐ進まず、イレギュラーな主人公の存在を容認し、計画の目的地、そらのはしら頂上へと誘導していく。本編での活躍や一戦交えたことで伝承者としての素養を見抜き、自身が失敗した時のセーフティとしての期待をこめたのかもしれない。

事実、レックウザ光臨には成功するがメガシンカさせることはできなかった。主人公の所持していた「メガストーン化しつつある"いんせき"」を喰わせることで事なきを得る、そこから「伝承者」としての役割が主人公へ明け渡されることとなる。ヒガナ一人では世界を救うことはできなかったが、巨大隕石の危機を回避するべく「伝承」する役割は果たせただろう。

カタルシスの浄化が足りない

 ヒガナのポジションがこれまでの悪の組織のボスの所業に比類するのに対し、レックウザを前に彼女は伝承者としての挫折を経て、物語を自己完結してしまう。ヒガナとのバトルに、彼女の行動に対する苛立ちや仲間のキーストーンを奪ったカタキといったプレイヤーに積もったマイナスの感情をぶつけ、勝利によってカタルシスが浄化されるような機会が与えられなかった。戦うのはガリョウテンセイの制御の伝承という、いい人、主人公を手助けするチャンピオンの類のポジションに納まっている。そういった部分が多くの人がモヤモヤを残していると思う。
個人的な好みのバランスでいえば、例えば伝承者としてレックウザに選ばれることに固執した状態で挑まれ、闘いを通して冷静にさせるなどのステップを踏みたかった。例えばNの夢を打ち砕く後味の悪さをカバーするゲーチス戦などのように)

 あるいは、ヒガナの受け継いだ伝承の欠点を、宇宙センターやデボンの技術でカバーする、それこそポケSPのORAS編で成されようとしているような展開を盛り込めたはずだ。実際レックウザと共に飛立つ直前主人公がマグマ/アクアスーツを着て宇宙へ備えている。この行間にそのようなやりとりが挟まっていたかもしれない。

あと 少し逸れるがこれだけは言っておきたい。
ヒガナがシガナへの想いを主人公へ語るシシコ座流星群のシーン、演出上夜にせねばならず

昼間のプレイでも時間が飛ぶことになるので、その間「主人公が寝ていた」ことにされる。
「おはよう」と言われても意味がわからないし、背景の時間帯はそこまで気にならないのでずっと夜〜夜明で良かったのではないだろうか。配慮が裏目に出てテンポを崩している。

 ラストのデオキシス戦の導入などは鳥肌もので、それまでのモヤモヤも吹き飛ぶ素晴らしさだ。これがカタルシス浄化として足りなかったのは、事前の公式告知で展開を知ってしまったことが大きく影響している。公式が言わなければ幻のポケモンがプレイ中に現れるなど夢にも思わなかっただろう。このサプライズを、プレイ中に味わいたかった想いでもう1万字語れるほどだ。悔しいなぁ。

5.ORASのその先


XYとORASの矛盾点、カロス地方にしかメガシンカが確認されなかったはずのXYについて、
他に解釈がある。
ORASとRSのホウエン地方の違いは、最終兵器の発動に関わらず、メガシンカの発見がメガレックウザによるものか、後年カロス地方でメガルカリオによって発見されたものか、という説だ。つまり"完全新作"ディレクターで区切られて繋がる世界である。

田尻:赤緑→(タイムマシン:3年)→金銀
増田:RS≒FRLG→(3年)→HGSS≒DPt→BW→(2年)→BW2→XY
大森:ORAS→サンムーン

産みの苦しみを乗り越えた田尻氏の後、思えば長かった増田ディレクターの時代。大ヒット作というプレッシャーのもとで、RSを区切りに一新された新たなポケモン世界を育ててくれたのは彼のおかげである。

いつか全ては終わり そして… 新たな始まりを迎える

G7サン・ムーンへの期待は…エピソードデルタにデオキシスイベントをぶちこんだ大森ディレクターを信じる!ってところで如何でしょうか?














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興味深い考察です。

ただチャンピオンミクリに関しては、エメラルドにつながるというよりBW2(リメイクされたBW2)につながると思いました。

エメラルド自体はR・Sと同じあらすじから始まる物語なので、パラレルワールドみたいなものです、エメラルドの世界のダイゴは元チャンピオンかは作中でははっきりしてないです。

ほかにBW2につながる所といえば、ジムリーダーのツツジが生徒から先生になってる所。

とはいえORASではエメラルドにあった幻影の塔というダンジョンが確認されてないので、つながるのかは不明です。

BW2のリゾートデザートにいるバックパッカーが「ホウエンの砂漠にあった幻影の塔が消えました」という発言
そのセリフから察するに、エメラルドで主人公(プレイヤー)が幻影の塔にあった化石を取ったことで、幻影の塔が消えます。

それが他の作品で触れるということはBW2でエメラルドが正史になってることかと思われます。
15ヶ月前
×
>>1
反応が遅くなって申し訳ないです。
ORASからの エメラルドへも BW2へも 明確な繋がりを示唆するものは無い と考えています。
開発者視点というメタレベルで エメラルドverの要素を彷彿させる展開を ORASのクリア後に盛り込みたかった という観点で ミクリのチャンピオンに関して見ています。

正史という概念もあまり重要視していません。エメラルドで遭遇できただけで 幻影の塔はRSの世界にも存在しなかったという確証はありません。

ただ、同じ舞台似たストーリーによる、違う冒険をすることが 「肯定」されたのみです。
14ヶ月前
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