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記事 1件
  • ハセベが聞く! 〜阪本竜也さん〜 2016年 vol.12

    2016-10-28 12:00  
    324pt
    ROAD TO プロ観戦者への道
    ハセベ(*1)が聞く! 〜阪本竜也さん〜
     レース観戦素人のハセベが“プロ観戦者”をめざし選手やレース関係者に話を聞きに行く月イチ連載。
     今回話を聞きに行ったのは、宇都宮ブリッツェン(*2)専属カメラマン阪本竜也さん(*3)です。宇都宮ブリッツェンへ関わることになったきっかけやカメラマンとしての観戦に対する想いや考え方、アイデアを聞きました!
    【写真:2011メンバー柿沼社長、廣瀬GM、栗村ディレクターが現役のころ】
    *1 ハセベ:2008年に突如、幼少時代に自転車でどこでも行っていた頃を思い出し、ロードバイクに乗ることを決意。ロードバイクに出会い、仲間に出会い、自転車に乗ることの楽しさに出会い、更に仕事において自転車業界に関わることにより、微力ながら寄与していくことを決意。これまでは自転車に乗ることだけに注力してきたが、この度、「プロ観戦者」になるために始動。
    *2 宇都宮ブリッツェン:自転車ロードレース活動並びに自転車を主としたスポーツ教育活動を行う地域密着型自転車ロードレースチームです。活動内容は、国内最高峰のシリーズ戦である「JBCFロードシリーズ(全日本実業団自転車連盟主催)」や、国内の「UCI(国際自転車連合公認)レース」を主戦場とし、勝利を目指すことはもちろん、日本国内に於けるレース文化の発展を目標として、各種レース情報の配信などを積極的に行っています。将来的には、宇都宮ブリッツェンがモデルとなり、各地に地域密着型チームが設立され、Jプロツアーが本格的な地域対抗のシリーズ戦に発展していく事が我々の願いです。また、環境に優しく健康にも良い、自転車の持つ多様な機能を街づくりに活かすための社会貢献活動にも積極的に取り組み、広い意味での”自転車文化の普及”にも尽力していきます。チームの目標として、まずはJプロツアーでの勝利。さらには全日本選手権でのタイトル獲得、そしてJAPAN CUPでの上位入賞を最大の目標に掲げます。
    *3 阪本竜也:2008年ブリッツェン設立当初よりプロモーション撮影を担当。ジャパンカップ ポップアップストア『レッドゾーン』2010~2015企画プロデュース。BLITZEN×TATSUYA SAKAMOTO 写真集『I』『ZERO』『Pure』『INFINITY』『結』発表する。国内UCI、Jプロツアー全レースを帯同し撮影を続ける。日本のロードレース発展の為レース現場以外でも写真やデザインを通して活動中。

    Q. ご自身について教えてください。
    宇都宮ブリッツェン廣瀬GMと同級生
     元々は、写真をプリントする仕事を中心としていまして、一番やりたかったのは学校関係のカメラマンでした。子どもがキラキラした目で撮影して!と自分のところにやってくるのが嬉しかったです。そんななか、自分は独立しまして、高校時代から友人だった宇都宮ブリッツェンの廣瀬とスタバでプライベートや仕事や人生など多くのことを語りあったりしていましたね。彼の過去であればなんでも知っています(笑)
    プロモーションで大事なのは写真
     彼が自分の引退を意識しはじめた時期だっかと思います。彼が数枚の企画書持ってきて、自分に見せてくれました。その中には自転車で地域貢献を進めていくといったような企画や考えがまとめてありました。当時は、自分も自転車業界のことには疎かったので、写真で何か困ったことがあればいつでも撮影するよ、と話をしていました。そんなこんなで半年後、宇都宮ブリッツェンのプロモーション撮影をしている自分がいました。廣瀬が一番こだわったのは、プロモーションです。プロモーションで写真が一番重要であることを彼は理解していました。
    プロフィール写真への抵抗
     宇都宮ブリッツェンが設立した当時は、プロフィール写真を撮影することに選手は抵抗感と反発があり、驚きましたね。なぜなら、当時は、プロである自分達のプロモーションをして、誰かに見せようとか、伝えようとか全くない環境や雰囲気だったので、その重要さを理解できなかったんです。それに一早く気づいたのは、栗村さんと廣瀬です。
    自己表現の成長
     最初、周囲からは、カッコつけじゃないか、と言われて、選手の写真を使用したのぼりを一本つくるのだけでも大変でした。ただ、選手達もだんだんと自分達が前面に出ることによるプロモーションの大事さを理解していきました。スポーツ選手って勘所が良いとあらためて思いましたね。例えば、イベントでの自己表現もどんどんうまくなっていきました。栃木では、アイスホッケーやバスケ、サッカーのチームが先にあり、後からきた自転車なんて無理だよと言われたこともありましたが、選手のまじめな姿勢や言葉がだんだんと伝わり、スポンサーがじわじわと増えていきました。
    Q. カメラマンの視点として、レース観戦についてどう思われていますか?
    観戦場所が自由すぎてわからない
     一番思うことは、初めて観戦する方は、「どこで観戦すればよいのだろう?」となるのではないかと思います。というのも昔は開催されるレース会場の具体的な住所記載がなく、自分も撮影に行くときにどうやって、どこにいけばいいのか?となっていましたから。その後、少しずつ改善されて事前のアナウンスでレース会場の場所がちゃんとわかるようにはなってきました。ただ、撮影ポイントがわかってもヒルクライムレースなどで、「レース中は頂上への移動はできませんよ」とか言われたりして、自力で早めに行かないといけないなどの苦労があります(笑)。
    【写真:献身的な走りをするアシスト選手】
    Q. レース観戦の応援についてどう思われていますか?
    日本人の遠慮
     一言で言いますと、レース観戦時には自由がゆえに日本人の遠慮が出ているのではないかと感じています。今は、宇都宮ブリッツェンファンが「応援ってこうやるんだよ!」っていうのを周りのファンにみせているような気がしますね。ただ、宇都宮ブリッツェン以外のファンの人がそれについていけないのではとも個人的には感じています。具体的に言いますと、ジャージで応援したり、応援グッズをみんなで揃えたり。そういったことが他のチームではまだまだ見られないですね。チーム側もそういった一体感をある応援ができる体制をファンサービスとしてもっと取り組むべきでないかと思います。
    応援の多様性
     昔は応援も多様性が多くて、まとまりがなかったですね。その中で応援がまとまってきたのは、宇都宮ブリッツェンぐらいではないでしょうか。なので、日本のロードレース全体として応援をもっと底上げしないといけないのではと思います。そうすればさらに観戦者が増えるのではないかと。やはり、応援を盛り上げるための環境は必要かと思います。特に大事なのは、レース観戦場に誰か話し相手がいるということ。応援もそうですが、レースで目の前を選手が通った後にしばらく待つことになりますが暇ですよね(笑)。その空いた時間を一緒に観戦する誰かが近くいることが大事なのでは。
    Q. 阪本カメラマンの仕事のスタンスを教えてください。
    ファッション目線
     元々はファッション撮影などやっていたのでその強さを活かしていくことがよいかと思っています。ですので、プロモーションでは、「とにかくかっこよく!」を意識していますし、「プロロードレーサーはかっこいい」ということが自転車業界の未来に繋がると信じています。
    あえてプロの知識を入れ過ぎないようにしている
     自分は自転車に乗っていないんです。理由がありまして、ロードバイクを毎日乗っていると自分の価値観を写真に押し付けてしまうような気がしているので乗らないようにしています。あえてプロの知識を入れ過ぎないようにしています。なんだかカメラマンの自分がプロの知識を深く得ていくと本業と離れていくような気がしているんです。あくまでも自分の仕事は画作りです。ありのままの選手の姿を伝えていくことを意識しています。
    父親とか恋人視点
     レースの華やかな部分はたくさんありますが、レース中にはなかなか伝わらない裏側では、選手はマッサージを受けたり、悩んだり、苦労、ハードトレーニング、と人間の命を削って競技に打ち込んでいる姿をしっかりと伝えたい。また、レース中ではなかなか伝わらないので、アシストの姿など華やかな部分ではないところも伝えていきたいですね。まさに父親とか恋人とか、そういう視点です(笑)。
    プレスカーには乗らないようにしている
     プレスカーにはなるべく乗らないようにしています。自分で歩くことにより、坂の辛さを知り、カメラポイントを探しています。簡単に言うと、自分も選手と同じように汗をかいて夏の日差しや時には風雨を感じて、その状況をカメラを通して伝えていくのがスタンスです。
    【写真:UCIレース優勝後僕を見つけて喜びを送ってくれたサイン】
    Q. レース中にもっとやりたいことややったほうがいいのでは、と思うことはありますか?
    バイクカメラの台数増加
     現状は、安全性や、前例がないという理由で、バイクカメラに乗れる人は1人しかいません。カメラ1台とムービー1台。選手やレースがあっての自分達であることは理解していますが、カメラマンとしては、もっとたくさんの台数あれば良いのではないかと思っています。とくにツール・ド・北海道やツール・ド・おきなわなど壮大なロケーションで走る選手の画やコースのロケーションがたくさんあるのに伝えれないのはもどかしいです。もっと伝える画が増えたらレース展開や観戦が、活性化する可能性はあるかと思います。
    少しずつのチャレンジ
     撮影場所の領域を広げたいですね。安全が第一なのは理解していますが、そこにいてはダメというのではなく、少しずつ扉を開いていく(選手に近づいて撮影など)のが今後大事なのかなと。ドローンでも、規制が厳しくなんでもかんでもダメだというのは閉鎖的ですし、過剰なのかなと。現状では、新しいものをつくるには日本の規制は厳しすぎますが、徐々に解除されてファンの皆さんに伝えれる画を増やしていきたいですね。
    Q. 決めているルーティンとかありますか?
    服装は大体同じ
     服装は同じものを着ています。周囲の人や選手に自分だとすぐにわかってもらえるようにしている。あとは、なるべく自分の気配をころして、選手にレースに集中してもらったり、気を使わせないようにしています。なので、選手はレース中に余裕がないほうがこちらとしては良いです(笑)。そのほうがありのままの自然な選手の姿を伝えることができます。
    Q. ここだけでのお話ありますか?
    鈴木譲選手はカメラ目線が多い
     鈴木譲選手はカメラ目線が多い(笑)。サングラス越しでも目線がわかるんです。他の選手は気を遣って僕のカメラを見ないですね。
    レース状況がわからない時は、選手や観戦者の情報から
     自分は宇都宮ブリッツェン中心の撮影なのですが、どんなレース状況かわからない時があります。その時は、写真を撮影した後にあそこのシーンはどんな状況だったかを人から聞いた話で理解します。あとは、選手から聞いたり、選手のブログやTwitterをみたりしています。もちろん、観戦者のみなさんの情報も参考にさせていただいています。自分1人では限界があるので、ぜひ、観戦されたみなさんの情報をSNSにあげていただけますと助かります(笑)。
    Q. 思い出の写真を教えてください。
    2013年ツール・ド・北海道
     2013年中村誠選手、引退の年のツール・ド・北海道です。 雨がすごくてカメラのAF機能(オートフォーカス)が壊れまして、手動で撮影することになったんです。天候環境も最悪でしたが、自分の感でピントを合わせて中村誠選手を撮ったら、宇都宮ブリッツェン中村誠選手だけ焦点があいまして、思い出に残っています。
    【写真:2013ツールド北海道第二ステージ】
    インタビューを終えて
     今回、阪本カメラマンを取材させていただき、チーム・選手との信頼関係を強く持つ阪本カメラマンだからこそ、選手の様々なポテンシャルを大きく引き出しているのではないかと思いました。また、僕らが普段目にする選手写真やレース写真もどんな状況で撮影したんだろう?とか、この時どうだったんだろう?とか、視点を変えてみていくと面白いと思いました。
     プロ観も微力ながら選手の皆さんのポテンシャルを引き出せるようにしていきたいと思います。
    レーススケジュール
    10月29日(土) ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム(埼玉県)
    10月29日(土) JBCFおおいたロードレース(大分県) JPT 第20戦
    10月30日(日) JBCFおおいたいこいの道クリテリウム(大分県) JPT第21戦
    11月13日(日) ツール・ド・おきなわ(沖縄県) UCI-1.2
    Jプロツアー 2016 ランキング
    ※「順位 名称 ポイント」の順で表示しています。
    選手
    1 Jose Vicente Toribio(マトリックスパワータグ) 14156.0
    2 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン) 11848.0
    3 Benjami Prades Reverter(Team UKYO) 10866.0
    4 Oscar Pujol Muñoz(Team UKYO) 9624.0
    5 Jon Aberasturi Izaga(Team UKYO) 8662.0
    6 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) 7954.0
    7 畑中 勇介(Team UKYO) 7200.0
    8 入部 正太朗(シマノレーシング) 7074.0
    8 Salvador Guardiola Tora(Team UKYO) 7074.0
    10 中根 英登(愛三工業レーシングチーム) 5866.0
    http://jbcf.or.jp/prg/PointList6.php
    チーム
    1 Team UKYO 41736.0
    2 宇都宮ブリッツェン 35914.0
    3 マトリックスパワータグ 27574.0
    4 シマノレーシング 19256.0
    5 NEILPRYDE - NANSHIN SUBARU CYCLING TEAM 13809.0
    6 愛三工業レーシングチーム 12788.0
    7 那須ブラーゼン 11938.0
    8 シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム 9420.0
    9 LEOMO Bellmare Racing team 8964.0
    10 イナーメ信濃山形 8063.0
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