月の明るい部分の面積を求める
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月の明るい部分の面積を求める

2015-12-03 01:41
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の記事は 日曜数学 Advent Calendar 2015 の 3 日目の記事です。
(2日目:この文献・・・日本語じゃない.英語でもない.でも,あきらめない!
こんにちは、キグロです。
皆さんは、「日曜数学」「日曜数学者」という言葉を聞いたことがおありでしょうか。
もちろんあるはずです。
なぜなら、今年の4月にはニコニコ超会議2015で「日曜数学者」のtsujimotterさんが登壇されましたし、私自身が今年の6月から3回、「日曜数学会」を開催しているからです。
なので、こんなブロマガを見ているような方は、既に聞き馴染んだ言葉であるはずです。

さて、「日曜数学」の定義は、tsujimotterさんによれば以下の通りです。
日曜数学とは「興味の赴くままに趣味として数学を探求すること」である
要するに、数学者ではない一般人がやっている、趣味の数学のことですね。
そして日曜数学をやる人のことを、「日曜数学者」と呼んでいます。

日曜数学のやり方は、人により様々です。
tsujimotterさんは主に整数論について、何冊も本を読んだり、プログラムを組んだり、講演したりしています。
他の方の中には、パズルについて研究したり、立体図形を自作したり、数学の良問を集めたりしている方もいます。

では私キグロはどんな日曜数学をやっているかと言うと、大きく3つ。
1つ。身近な題材からオリジナルの問題を作って解く。
2つ。数学や数学史の本を読む。
3つ。数学の動画を作る。

最近はこれに、「数学のイベントを開催する」が加わりつつありますねw


私の最初の記事に当たる今回は、1つ目の「身近な題材からオリジナルの問題を作って解く」をパフォーマンスしたいと思います。
今回の問題は、tsujimotterさんからAdvent Calendarのお話を頂いたときに、パッと思いついた問題です。
そんなに難しくないので、お時間のある方はぜひ考えてみてください。
問題は以下の通りです。
【問題】
月の明るい部分の面積を求めよ。
自分で問題を作って解く場合、何が一番面倒かと言いますと、「必要な条件がわからない」ということですね。人が作った問題を解く場合は、問題文の中にすべての条件が含まれているわけですが、自作問題の場合はそもそも揃っていない可能性があるので、まずは条件を揃える必要があります。
今回の場合は、例えばこんな具合です。
【問題】
月を完全な球体とし、地球から見た月を完全な円とする。
地球から見た月の面積を A とする。
地球から見た月齢nの月の明るい部分の面積 S(n) を、A を使って表せ。
これで、解くために必要な条件は揃ったと考えられます。もし揃っていなかったら、問題を解く過程で条件を追加していきましょう。
なお月齢というのは、新月を0として、翌日を月齢1、翌々日を月齢2……とする数え方です。満月は月齢15、そして月齢30でまた新月に戻ります。三日月を「三日」月と称するのは、それが月齢3の月だからです。
当然、S(0)=S(30)=0、S(15)=A とならなくてはなりません。

さて、ご存知の通り、月は太陽の光を反射して光っています。
そのため、地球から見た月が、三日月でも、半月でも、満月でも、実際には月の半分が常に光っています(図1)。

では、明るい部分と暗い部分の境界線は、どのような曲線になるでしょうか?
この境界線は、月面上では、月の北極と南極を通り、月をぐるりと一周する円になっています。
これを地球上から見ると、図2のように潰れた円になります。
潰れた円……つまり、楕円ですね。境界線は、円を地軸を軸に角度θだけ傾けた図形なので、楕円になります(円を傾けると楕円になることの証明は省きます)。
新月のときを θ=0として、角度θだけ傾けたとき、どのような楕円になるのか考えましょう。月の半径をrとすると、下の図3のようになります。
図中の赤い線の長さは rcosθ となるので、この楕円は長径r、短径rcosθ の楕円ということになります。
長径、短径というのは、円の半径に相当する部分のことです。楕円の中心から最も離れた点までの距離を長径、最も近い点までの距離を短径と呼びます。
長径a、短径bの楕円の面積は、円周率をπとして、
で求められるので、この楕円の面積は
となります。
これを利用して、月の明るい部分の面積を求めましょう。下の図4のように考えれば求められます。

つまり、月全体の面積から、楕円部分の面積を引いて、残りを2で割ればよいわけですね。2で割るのは、月を完全な球としているので、左右対称と考えてよいからです。
あとは、これらをすべて数式で書けば、面積が求まります。
このようになりました。1行目から2行目の変形は、
であることを利用しています。
ところで、図4を見て、
「三日月ならこれで求まるけど、半月より大きくなったら、これでは求まらないのでは?」
と思った方もいるかもしれません。
でも実は、半月より大きくても、同じ式で求められます。
なぜなら、半月より大きくなるのは θ>90° のときなので、cosθ の値が負になるからです。cosθ の値が負になると、楕円の面積も負になります。
負の面積を引くということは、正の面積を足すということです。そして月の全面積に楕円の面積を足すと3行目のように変形できるので、やはり同じ式で面積を計算できます。

でも、まだ S(θ) ですね。求めたいのは S(n) でした。
θの定義から、満月のときは θ=180° になります。そして満月のときは n=15 でした。θとnは互いに比例するので、
θ=n/15×180° = 12n°
とわかります。よって、これを S(θ) の式に代入すれば、S(n) が求まります。
これが、我々が求めた S(n) です。
【解答】
あるいは、12n° を弧度法で表して、
【解答】
としても良いでしょう。

いま求めた S(n) に n=0 や n=15 を代入すると、ちゃんと S(0)=0, S(15)=A となることがわかると思います。さらにこの式から、三日月の面積 S(3) は、
となるので、三日月のときは満月のときのおよそ10%の面積が光っているのだとわかります。


いかがでしたでしょうか。
こんなものを求めたところで、何かの役に立つわけではありません。数学的にも大して難しいことをしていませんし、新規性もおそらくないでしょう。

ではなぜこんなことをするのか。
それは、そこに数と図形があるから。
そしてなにより、暇だから

数学は、よく「紙とペンとゴミ箱があればできる」と言われます。
しかし、今回お見せしたような簡単な問題であれば、紙すら必要ありません。すべて頭の中だけでできてしまいます。
そう、数学は頭さえあればどこでもできる、お手軽な暇つぶしツールでもあるのです。

というわけで皆さんも、「数学」という言葉の持つ堅苦しさに尻込みせず、気楽に数と図形に付き合ってみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、素敵な出会いが待っているかもしれませんよ?


本日の私の記事は以上。
明日は、そくらてすさん(@7danmoroboshi)の
「数学が何を研究する学問なのか」という問いかけに対する自分なりの答え
です。お楽しみに。

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■微分積分法の基本定理(fundamental theorem of calculus) を 使わないで 面積を求めさせる■ のが

  通の指導者の間で 蔓延って いるのか も 知れない と 思える例達に 遭遇する。
  
  で 徘徊し http://www.webchikuma.jp/articles/-/14  なる 書籍の存在を知る。
  
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 ●微分積分法の基本定理(fundamental theorem of calculus) を 使い 次の 面積を求めたい●
       
    
    http://146.progoo.com/rental/img_bbs2/img_data/146_2965_46f7b0e076.jpg
       の 灰色部分の 面積を ●定積分で 表現● して下さい! ;
 
12ヶ月前
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