• 構成の妙味 ぴっかりP アイドルマスター サクラ大戦 「奇跡の鐘 ~So special a day~」

    2017-01-11 23:47
    ぴっかりPのアイマス歌劇団はうますぎて特に書くこともないんでみんな見よう!くらいしかないんだけど、ちょっと思ったことを残しておきます。

    あと、ダンスだけで6分持たせる技術の謎にもちょっと迫ってみたいかな。

    ぴっかりP
    アイドルマスター サクラ大戦 「奇跡の鐘 ~So special a day~」


    この作品、冒頭でトリオであることが明示されます。



    立ち位置はこうですよ、というぴっかりPからの提示ですね。わたしはこのトリオを躍らせるんですよ、と。なんでこういう入りが必要かというと、すぐソロに入るからです。


    舞台上手に真がいて、その向かって左に春香さんの手が見えます。



    真の後は千早のソロです。



    そして春香さんのソロ。

    上の3枚のスクリーンショットを見てもらってもわかると思いますけど、カメラがセンターにあって、上手、下手、センターと映しています。

    この3人のソロ、真が約6秒、千早が約41秒、春香さんが約37秒です。真にはタイトルが挟むので印象的にはもっと長く感じられるでしょう。そして、春香さんのダンスが終わるまでに約2:42使っています。

    6分のダンスPVなのでここまでで半分近くです。そして、この三人のダンスはカットを切り替えていません。いわゆる長回しです。イフェクトもなにもない。ミドルでのダンス。

    ぴっかりPがどれだけアイマスのダンスを信頼しているか伝わって来ます。もちろん、オリジナルでもそのダンスは素敵でしょうけど、この曲にあわせてもアイドルたちはこれだけ綺麗に踊れるんだよ、って。

    アイドルたちへの信頼がこの長回しを成立させているんだと思います。別に切り貼りしなくても、曲に合わせて踊ってくれれば、ほら、これだけ、すてきだろうと。

    こうやって前半まで人を飽きさせません。

    そして中盤戦です。



    ソロがあったからこそのトリオの華やかさ。花がぱっとひらくような映像がそこにあります。ソロでももちろんいいのですが、やっぱりアイドルが揃って踊る楽しさが、2分以上待たされただけに嬉しくなるのです。



    クロスフェードを使って、またソロに戻ります。クロスフェードを使うことで、次はまたソロですよ、と提示しています。これがあるので、つぎの真ソロを自然に見られるのですね。



    ソロ2回目の春香さんから真への美しいクロスフェード。2回目のソロは1回目のソロより短いです。繰り返しの美しさを保ちながらも飽きさせないようにしていますね。

    そして。



    バレリーナのように美しいポースから、



    春香さんが入って来ます。この画面右の腕だけで春香さんとわかるように構成しているぴっかりPの技術があるからこそ、唐突感がなくなるんですね。



    その後は春香さんのバックでやっぱりバレリーナのように千早と真が踊ります。ここまで4:40。これだけ時間をかけたからこそ、背後で踊るふたりがとても綺麗に見えます。



    後はただただ、楽しい3人の踊り。楽しさで胸が一杯になります。




    アウトロの入りが5:43です。タイトルを除くと6:05で終わっているのでアウトロだけで20秒引っ張れるのはここまでの5:43があったからでしょう。

    まったくあきることのない6分作品でした。

    ぴっかりPはメイキングも作ってくれています。



    わたし的にはこのメイキングの速度調整版でおなかいっぱいなので、この感想文を読んでぴっかりPメソッドがちょっとでも伝わったのなら、もっといっぱいPVみたいな。ぴっかりPのメソッドは感想文でも書いた通り、わりとわかりやすいとおもいますし。

    くちぱくが合わないのが気持ち悪いといってがんばってますけど、わたしから見ると、そもそもアイマスのカメラ自体がカメラじゃないんで、なんでもいいかなって気もするんだけど。

    ただ、ぴっかりPが大事にしてるのは見てる最中に「あれ?」って思う瞬間をなくしたいってことらしいので、まあ、しかたないかなとも思ったりします。たしかに、無音の所で歌ってると気にはなるよね。




    最後に。千早Pってめんどくせーなー、と。いや、音Pみたいに好き好き大好きな人がいるのはわかります。でもさー、春香センターの作品でクライマックスはちーちゃんにもってくるって、それって、どうなん?これだよ、これ。どうみても、これを見せたかっただけだよねって思うんだけど、みなさまいかがでしょうか。

    そんなこんなで、この感想文はおしまい!

    あと、ぴっかりPは異常にお酒を飲むので同じペースで飲んじゃだめだよ!

    ニコマスもサクラ大戦もいいよね!!
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  • PONANZAじゃなくて、なのは。盤上のシンデレラ ~島村卯月は分からない~ 第18局 感想の続き

    2016-09-10 18:58
    ネタバレしかない感想文です。


    なんとなく思ったことを書きます。


    盤上のシンデレラ ~島村卯月は分からない~ 第18局
    KKPP


    コンピュータ将棋でPONAZAっていう強いソフトがあります。コメントでも卯月をそれに例えている人がいて、気持ちはかります。けど、PONANZAは四間飛車「だけ」を指し続けることはありません。

    なんでかっていうと勝てないからです。

    なんで卯月は四間飛車しか指さないんだろう。なんとなくわかった気がします。

    PONANZAなら居飛車でも振り飛車でも初手から考えるでしょう。そういうソフトですから。

    でも、卯月にはできない。なぜなら、彼女も「にんげん」だから。

    将棋の序盤はすごくわかりやすい駒組みでも、先手と後手の意図、意志であっという間に戦型がわかれます。だいたい、角道を開けるか、飛車先を突くかなのですが、その応手だけで、すでに4通りあります。

    卯月が序盤からあの読みをしたら、脳が発散するでしょう。だから、たぶん、彼女は四間飛車しか指さないのです。指せないのです。

    ノーマル四間飛車はある意味優秀で、相手がなにをしようと自陣はそう組めます。相手が棒銀で最速で攻めてきても形だけは四間飛車にできるのです。

    大山さんがお年をめしてから振り飛車を指すようになったのは序盤の面倒くさいところを省略できるから、とおっしゃっていたようです。

    詰みが見える局面までいったら頑張ろう。卯月はそういう指し方しかできないんだろうなあ、と。序盤、中盤であの読みをしてしまったら、そもそも何も指せないじゃないですか。



    将棋に真摯ないい子なんですよ。

    ただ、読んでしまったら止まらない。だから、たぶん、序盤は四間飛車だけをやっているんだと思うのです。

    この後、加蓮が「ちょっと私と似てるのかも」と言ってますが、確かに全然違うんですよね。加蓮は序盤は相手に任せるっていうだけで。序盤にこだわりは全然ない。「盤上のシンデレラ ~北条加蓮と過去話~ 第15局」で描かれた加蓮は、序盤での研究はそれほどしていないけれど、中盤、終盤のねじり合いに異様に強いという描写でした。

    卯月はPONANZAじゃなくってむしろ、なのは詰めみたいな詰将棋の専門なんだなって。

    なのは詰めはありすちゃんが「盤外のシンデレラ 『5四銀の見つけ方』 ~ソフトを用いた局面検討~」でも説明しているので見ていないかたはそれをどうぞ。



    卯月に勝っている人は凛、幸子、みくにゃんと序盤の研究をしている人です。紗枝はんはどうなんやろ。そういう見方をしても楽しいシリーズだなあと。

    そして、なのは詰めなんですが、なのは詰めのなのはの名前の元になっている魔法少女リリカルなのはのはさんは終盤だけで勝負をする人じゃありませんでした。(突然話が変わる)

    ディバインシューター、ディバインバスターからのスターライトブレイカーでした。



    序盤の差し合い、格下のハメ手、格上の絡み手からの詰めろ。そして、大胆な攻撃。それに対する詰めろ逃れの詰めろ。大技。受けきったと思ったら絶望的な攻撃手。

    うん、無印なのはのこのシーンは将棋だわ。

    こんな将棋を見てみたいです。



    中盤、終盤のねじりあいについてのめんどくさい話も書きたかったんだけど、なんか、なのは見てたら色々満足したのでこれでおしまい。
  • 神崎蘭子さんの将棋グリモワール 第6局《アイドル未央》雑感と、グリモワプロさんとKKPPの切磋琢磨

    2016-09-05 20:49
    ネタバレのある感想文です。



    盤上のシンデレラ ~島村卯月は分からない~ 第18局を堪能していたら、グリモワプロさんのこれも来ました。100パー三段リーグの最終日にあわせてますよね。どんだけ将棋好きなんだと。

    神崎蘭子さんの将棋グリモワール 第6局《アイドル未央》
    グリモワプロさん


    将棋グリモワールの世界は、ブログの将棋グリモワールのアイドルたちが将棋を題材にした映像を作っているという体になっています。

    ざっとあらすじと世界設定を見ていきましょう。

    アイドル七冠の高垣楓さんが突如失踪。大混乱におちいるアイドル界。あおりをくって潰れてしまう、幸子の所属する事務所。他の事務所に行く気にもならずプーになってしまう幸子。(中学生なんだから親が面倒みろよ、とかいうつっこみはいらない世界なのだ)
    そんな幸子に接近する謎の真剣師、神崎蘭子、そして彼女に付き従う、鷺沢文香。幸子は真剣師の世界、そこに君臨するアブソリュート・ナイン、その背後に見える楓さんを追いかけて将棋バトルが始まるのだ!

    世界設定がおかしいですけど、ノリは完全に少年漫画のバトルものなんですよね。

    今回はアイドル二冠のちゃんみおにらんらんが挑む話。圧倒的な棋力差をものともせず、頂点を目指す蘭子と、その覚悟を受け取って、優しく、相手を叩きのめすちゃんみおというストーリー設計が見事でした。

    本田二冠としては、千日手で相手に花を持たせようとしていたけれど、まさに胸をかりるつもりの蘭子は相手を叩き潰そうとします。
    ここで演出された、数通りの千日手。よくこれだけ千日手が出る棋譜作ったなあ、と感動。
    そして、一見怖そうに見えるちゃんみおがらんらんを叩き潰すシーンだけれども、あれは優しさ。トップアイドルの手の内を見せてあげようってことだもんね。
    その上で、タイトルを取りにおいで、って。こっちのちゃんみおもかっこよすぎて濡れる。

    ここで、KKPPの盤上のシンデレラとグリモワプロさんの将棋グリモワールを比較してみると結構面白い。

    盤上のシンデレラは棋界のシステムはリアルの棋界とほぼおなじ。ただ、出てくるアイドルがどこかおかしい。
    対して、将棋グリモワールでは世界設定はおかしいけれど、出てくるアイドルや真剣師は、上述のとおり、少年漫画のバトル物の登場人物のように、どこか爽やかなんだよね。

    さらにニコマスのノベマス、架空戦記ファンとして、この二人の作品構成への相互作用が見ていて面白い。

    まず、将棋そのものの描写から行こう。

    盤上のシンデレラはすさまじいことに「盤上のシンデレラ ~前川みくはスズキが嫌い?~ 第2局」の段階で、81m@sとしての将棋の表現の現代的完成形を作っている。

    どこがすごいかというと、実際に指された棋譜と、検討の棋譜をはっきりとわかるように演出しているところだ。検討の棋譜になると盤の色がかわるので、これは実際に差しておらず、検討であることがはっきりとわかる。眉間飛車Pが使用していた矢印も使用しているため、どういう狙いなのかが非常にわかりやすい。

    グリモワプロさんは盤上の表現には苦労していたようで、キャラの配置にも苦心が感じられた。結局、「神崎蘭子さんの将棋グリモワール 第5局《Triad Primus》」で、想定図や検討図は盤面を黒にするということでほぼおなじ表現に合流している。

    これは悪いことでもなんでもなく、81m@sで実際の棋譜と検討図を表現するにはこの形が一番わかりやすいだけだと思う。わかりやすいというのは将棋に詳しくないわたしのような視聴者に向けてということだけど。

    グリモワプロさんはまだ、棋譜での表現が最新作でも残っており、あれは時間短縮にはいいんだけど、わたしていどだと、一旦画面を止めないと、どう駒が動くのかわからないので、できれば全部動かしてください。(懇願)

    つぎにノベマスとしての作品構成について。

    ここはブロガーとして腕を磨いていたグリモワプロさんに一日の長ありという感じでした。シーンをわけて、最後にお話としてまとめるのはかなりの手腕がいるのですが、そこを軽々とやりのけます。「神崎蘭子さんの将棋グリモワール 第3局《候補生みく》」で片鱗を見せますが、あらわになったのは「神崎蘭子さんの将棋グリモワール 第4局《姉弟子紗枝》」でしょう。

    時系列をばらばらにしながら、紗枝はんの幸子への思いが丁寧に伝わってくる。それも棋譜にあわせて伝わってくる構成にはほんとうにしびれました。

    それに対して、盤上のシンデレラでは基本的に、シーンが変わるといっても、対局室と検討室で変わるくらいでした。それでも十分面白かったのですが、どうしても、どこか、将棋の解説に見えてしまいます。もちろん、将棋の解説なのでそれでいいんですけど。

    しかし、「盤上のシンデレラ ~北条加蓮と過去話~ 第15局」で、まさにグリモワプロさんのような物語の描き方を始めます。時系列をずらし、場所も大きく動くなかで、シーンを切り替え、そして現在に戻ってくる構成はみごとのひとことでした。

    盤上のシンデレラ、将棋グリモワール。現在では作品構成や棋譜の見せ方にほとんど差がなくなっています。将棋的にいうなら「合流」したのでしょうか。

    ただ、何度も書いていますが、世界設定やキャラクター設定が全然違います。

    動画の作り方が似てきたから「こそ」差異が目立ちます。横歩取りが好きな幸子だけでも全然違う人物になっています。

    個人的に連絡を取り合っているかどうかはわかりません。

    でも、わたしは、これは切磋琢磨だと思うのです。

    はっきりと言えます。将棋グリモワールも盤上のシンデレラも最新作が一番だって。

    だから、おふたりには元気に楽しく81m@sを作り続けて欲しいです。

    アイドルたちの輝く将棋をいつまでも見ていたいです。