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記事 13件
  • 「8月31日」

    2015-08-31 07:00  
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     8月31日は、いつも真夏のような一日が戻って来る。
     実体験に基づく、僕だけの「特異日」だ。ちなみに特異日とは、
     

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  • 「サーファーという生き方」

    2015-08-28 07:00  
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     サーフィンを見ているのが好きだ。
     山から海に向かってオフショアの風が吹いている日なんかは、ランニングコースの途中にあるローカルポイントで足を止め、時間があればいつまでも眺めている。
      134号線沿いから相模湾を俯瞰できるその場所で、波と戯れるサーファーを見ていると、
     

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  • 「海の見えるレストラン」

    2015-08-26 07:00  
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     山間の高速を降り、畑のある里山を通って、海へと続くいつものトンネルを抜けると、134号線沿いには通り雨が降っていた。賑わっていた浜に人の姿はなく、灰色の海と空は地平線の境目もはっきりとしない。 
     立秋から2週間。夏の残り香を燃やし尽くすような残暑と、はっきりしない空模様の悲秋との間を振り子のように揺れ動きながら、今年もまた短過ぎる夏がその寿命を終えようとしていた。
     

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  • 「海辺のコーヒー店」

    2015-08-24 07:00  
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    「アイスコーヒー飲みに行かない?」
     そんな誘い文句とともに、太陽が傾きかけたのを確認し、僕らは走り始めた。いつもの134号線。ようやく吹き始めた涼風が夏の熱気を急速に冷ましてゆく。左手に海を感じながら、沈みゆく夕陽を追い掛けるように走ってゆく。
     いつもはひとりで走っている道を、
     

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  • 「アフリカの花」

    2015-08-21 07:00  
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     右手の人差し指に刺さった、小さなトゲが抜けなかった。
     

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  • 「浜辺の盆踊り」

    2015-08-19 07:00  
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     お囃子に導かれるように、宵闇の小さな坂道を浜に向かって歩いてゆく。午後8時になろうとしていた。夕暮れとともに呑み始めた白ワインで火照った頬に、秋混じりの夜風が心地良かった。群馬の見城さんからいただいた黄金桃の「桃モッツァレラ」があまりにおいしく、つい飲み過ぎてしまったのだ。そのせいもあって気分はいつになく高揚していた。夜の海に行くというだけで子供のようにはしゃいでしまっている自分がいた。胸の高鳴りに合わせてお囃子が大きくなる。浜に出ると、
     

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  • 「波と波が衝突するとき その2」

    2015-08-17 07:00  
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     波と波が衝突するとき、果たしてどんなことが起きるのだろうか。
     Aという波とBという波とが正対で衝突すると、そこに2つの波の力が合算されたCという高い波が立つ。その衝突によってA、Bの波は消滅してしまうと思うところだけれど、それぞれの波は力を落とすことなく、方向も変えることなく、またAという波とBという波として離れてゆく。これを「波の独自性」というのだそうだ。
    「若干、事実とは違う点もございますが、確かに、そういった計画はございます」
     逗子市の小さな港で突如持ち上がった「高層ホテルの建設計画」に関して、当事企業の責任者Iさんに電話で伺った話をできるだけ忠実に書き起こすことにする。但し、会話は録音したものではない。要点をメモしながら記憶したものに過ぎない。それに、相手の表情を見ながら聴いた話ではないので、言葉のニュアンスには僕の主観的な印象も多分に盛り込まれてしまっていることをご了承願いたい。しかし、僕自身には、伺った事実をねじ曲げてまで、時間を取ってお話しして下さったIさんや、Iさんの会社を貶めようとする意図は微塵もない。そして、IさんにはBlogに書くことについて事前に許可も頂いている。
     

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  • 「波と波が衝突するとき」

    2015-08-14 07:00  
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    「東京が嫌でこっちに来たの?」 いつものお肉屋さんで唐突にそう訊かれた。「そういう仕事なら、東京に住んでた方が色々と楽なんじゃない?」 ご主人は僕が注文した豚バラ肉を少し厚めのしょうが焼き用に切り出しながらそう続けた。「それは確かに東京に住んでた方が移動は楽ですけど・・・」「最近ね、品川から越して来たご夫婦も言ってたのよ。『あんなとこ良く住んでたって思いますよ』って」 僕は東京が嫌でここに来たのだろうかと改めて考え始めていた。
     

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  • 「いのちをつなぐ難しさ」

    2015-08-12 07:00  
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    「食べる、愛する、家族を作る。そして守る。こうしていのちは今日も力強く輝いている。」
     イギリスのBBC Earthが製作したドキュメンタリー映画『ライフ-いのちをつなぐ物語-』の冒頭の言葉だ。
     生きとし生けるものすべてが本来大切にすべきものはこれなのだろう。これが限りある命の真実なのだろう。これこそが当たり前の命の営みなのだろう。
     しかし、同じ限りある命でも、高度に複雑化した僕たち人間の人生においては、
     

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  • 「夏の夜風に」

    2015-08-10 07:00  
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     夜風の中にその気配を感じたのは、おとといのことだ。
     家に帰ってから改めてその気配を確かめようと、シャワーを浴びて、冷えたビール片手にベランダに出た。夜の海が静かに凪いでいた。鈴虫が鳴き始めていた。ビールで喉を潤してから、吹き抜けてゆく夜風を確認するように肌で味わう。やっぱりそうだ。
     

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