Cubify Design + Wings3DでKiCad用の3Dモデルを作る
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Cubify Design + Wings3DでKiCad用の3Dモデルを作る

2015-09-25 16:22
  • 1
0.前書き
最近電子工作界隈で流行っている様子のフリーなプリント基板CADであるKiCad。
このCADはオープンソースでありながら高度な機能を多数有しており、
その中の一つに、設計したパターンを3Dモデルで表示して、
ぐりぐりと回せるというものがある。


パターンを設計する上で、3Dモデルが表示できること自体はほとんど意味のない、
オマケ的な機能でしかないんだけれども、あらかじめ立体的なイメージがつかめるので、
部品同士が干渉していないかとか、もう少しコネクタの出代が要るんじゃないかとか、
そういうチェックに対しては結構有効に使える。あと何より格好いい
そんなわけで、私は割と気に入っている。

しかしながら、これらを表示するための3Dモデルが、
デフォルトでインストールされているものだけでは物足りない感じは否めない。
そこで、自分自身の備忘録も兼ねて、KiCad用の3Dモデルを作る方法を
ここに書いておこうと思う。

なお、あらかじめお断りしておくと、3Dモデルを作るために使用している
3D CADはフリーソフトではないため、何から何まで全てフリーソフトで済ませたい、
という人向けではないことをご了承願いたい。
どうしてもフリーソフトで済ませたいって人は、この記事を見て3Dモデリングの部分を
他のフリーソフトで済ませる手段を編み出して、それをまた記事に書き出してもらうことで、
KiCad界隈がより一層活発になることを期待する。

前書きが長くなっちゃったけど、手順を書き連ねて行こうと思う。


1.用意するもの
・KiCad・・・バージョンBZR 4022(トランジスタ技術SPECIAL付属版)
・3D CAD・・・Cubify Design 2014(19,900円、14日間の体験版あり)
・コンバータ・・・Wings 3D 1.5.3(最新は1.5.4まで出てるっぽい)


2.ライブラリエディタでパーツを作製する

KiCadを起動して適当なプロジェクトを作成、
ライブラリエディタで回路図上に配置したい部品を作成する。
この辺りは本稿の本質ではないので、がっつり省略。
ライブラリの作り方から知りたい方はKiCad日本ユーザコミュニティにある
チュートリアルを参照していただきたい。

今回は、こちらも何かと流行ってるっぽいmbed(エェェェンベッド)を作ろうと思う。
いわゆる青mbedこと、mbed LPC1768のライブラリをさくっと作る。


こんな感じでライブラリが作れたら、とりあえずこのライブラリ
「LPC1768」とでも名前を付けて保存しておこう。


3.モジュールエディタでフットプリントの作製
次にPcbnew(基板エディタ)を起動して、そこからモジュールエディタを開く。
モジュールエディタが起動したら、実物のピン間距離に合わせたピッチで
パッドを配置していく。外形線も書き加えて、こんな感じになった。


ここまでできたら、何も表示されないのは承知の上で一度3D表示を行ってみよう。
メニューバーの「表示」から「3D表示」を選択すると、モジュールが3Dで表示される。


当然ながら、この時点ではまだパッドと外形線しか表示されない。
ここに表示するための3Dモデルを作成するのが本稿の本題になるので、
次項から先は、いよいよ3Dモデリングの話になる。

どうでも良いけど、モジュールエディタを直接開く方法ってないんだろうか。


4.Cubify Designで3Dモデリング
多分ここから本稿の本題。3D CADを使って3Dモデリングをしていく。
この時押さえておかないといけないポイントが、スケッチをする平面をXY平面にすること。
ここを間違うとKiCadに反映したときに、パッドの向きに対して
3Dモデルが90度回転して配置されたりと、色々大変なことになるので要注意。


また、XY平面にモデリングする際は、部品のどの部分が基板表面にくるか、
意識してモデリングする必要がある。
今回作製するmbed LPC1768の場合は、下図の赤線の部分が基板表面に来るので、
XY平面と、赤線部分とが一致する高さでモデリングを進めていく。


大体ざっくりと、ヘッダピンくらいまでモデリングできたら、
ここで一度KiCad側へ反映して、向きや寸法が正しいかどうか確認しよう。
全部モデリングが終わってからKiCad側とズレていたら悲しいことなるし。

出力形式はSTLを選択する。



5.Wings 3Dでコンバート
続いて、Wings3Dを用いてKiCadで読み込める形式に変換する。
「File」→「Import」→「StereoLithography(.stl)」を選択し、
先ほど出力したSTLファイルを読み込む。
この時、STLファイルが保存されているディレクトリに
2バイト文字(日本語)が含まれていると、「ファイルがないよ」って怒られるので、
その時は適当にCドライブ直下とか、2バイト文字が含まれていないディレクトリに
置き直してあげよう。


読み込むとこんな感じになる。
平面に対して垂直になってるけどこれで正しいので気にしない。


次に、モデル全体をマウスドラッグで選択する。
これを忘れると、KiCadに反映しても何も表示されずに困惑する(何度もやった)。
上手く選択できたらテクスチャが赤くなる。


この状態で、ファイルをエクスポートする。
再度「Fi
le」から、「Export」→「VRLM 2.0(.wrl)」を選択してファイルを出力する。
出力先は、KiCadをインストールしたディレクトリ内の、
「KiCad」→「share」→「modules」→「packges3d」→「(ライブラリ名)」を選ぶ。




6.KiCadへ反映
再びKiCadへ戻り、先ほど作製したモジュールに、3Dモデルを反映する。
モジュールエディタのメニューバーから、「編集」→「プロパティ」を選ぶ。


「3D設定」のタブを選ぶ。


「3Dシェイプの追加」から、先ほど出力したwrlファイルを選択する。


このとき大事なのが、「3D拡大率と位置」でシェイプの倍率を設定する必要があること。
3D CAD上ではmm単位系でモデリングを行っているが、
KiCad上では3Dモデルはインチ系で扱われるため、
ここを設定しておかないと2.54倍された状態で表示されてしまう。
1インチ≒2.54mmなので、1/2.54=0.3937を入力しておく。


ここまでできたら、先ほどと同じように3D表示をして確認してみよう。
上手くいっていれば下図のようになる。


この時、3D表示をぐるぐる回してみて、ピン穴とヘッダピンの位置が合っているかなど、
モジュールと3Dモデルのズレを確認する。
モデルの作り直しを伴う修正が必要なら、この段階までにやっておこう。

もし問題なさそうであれば、3Dモデリングを再開して、もっと作り込みを行う。
私は下図くらいまでモデリングして、これも同様にSTL出力。



7.3Dモデルに色をつける
3Dモデルに色を付けるのはWings3Dで行う。
画面右側のOutlinerのウィンドウ内で右クリックするとメニューが現れ、
そこから「Material...」を選ぶ。


色の名前(パレット名)を聞かれるので、適当に名前をつけて「OK」を押す。
下図ではピンヘッダ部分のパレット名のつもりで、「Pin」としておいた。


続いてパレットの色を決める。


ヘッダピンの色だしこんな感じだろうか。「OK」を押して確定させる。


こんな感じでどんどんパレットを作っていく。


続いて色を付ける作業を行う。
画面上部のアイコンの中で下図のアイコンをクリックして、
「face selection mode」にする。


このモードにすると、メッシュを一面ずつ選ぶことができる。


メッシュを選択した状態で、先ほど用意したMaterialの中から、
反映したいパレットを右クリックして「Assign to Selection」を選ぶ。


これでメッシュに色がついたのだが、ちょっと分かりにくいので、
メニューバーの「Select」から「Deselect」を選択するか、
Spaceキーを押すとことでメッシュの選択が解除されて見やすくなる。


ちなみに、ドラッグして選択すると一気に複数のメッシュを選択できる。
また、マウスのスクロールボタンをクリックするとモデルを回転させることができるので、
裏面にあるテクスチャに色を付ける場合はこれでモデルを回して選択する。


こんな感じで色の反映が終わったので、再度KiCadへ反映する。


出来上がりはこんな感じ。


ちなみに、3Dモデルの原点と、モジュールの原点がズレていて、
下図のようにピン間距離は間違ってないけど位置がズレてしまった場合は、
KiCad上から修正することができる。


モジュールエディタの画面右側にある錨のマーク(アンカー入力)を選び、
画面内をクリックすると、そこがモジュールの原点として再設定されるので、
これによって3Dモデルの原点とモジュールの原点を合わせる。


これで位置ズレが解消された。



8.最後に
今回は自分の備忘録的な意味合いがかなり強く、KiCadの使い方や、
3Dモデリングの過程とかはかなりすっ飛ばしてしまってるし、
他の3D CADだとどうなるのかも全く確認していない。
最近だと無料の3D CADとしてFusion 360やSketchupなどもあるので、
そっちで作ろうとした場合にどうなるかは気になると言えば気になる。
でもそこは冒頭でも触れたように、このエントリを見た誰かが触発されて、
「こういう方法で作ってみたよ!」と記事にすることで、

KiCad界隈がより活発になることを期待しているので、
本稿ではこれくらいに留めておきたい。





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