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カズオ・イシグロのノーベル文学賞授与式演説を読んで。彼は何故、底辺の人々の視点で小説を書けたか。作家活動の前、一年間はホームレスを扱う仕事。作家後も29歳、居間にはソファーもない。二つのマットレスがあるだけ。
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カズオ・イシグロのノーベル文学賞授与式演説を読んで。彼は何故、底辺の人々の視点で小説を書けたか。作家活動の前、一年間はホームレスを扱う仕事。作家後も29歳、居間にはソファーもない。二つのマットレスがあるだけ。

2017-12-12 08:32
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1:カズオ・イシグロ( 1954年生まれ)の代表作は、『私を離さないで』と『日の名残り』であろう。『日の名残り』は英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞している。

2:『私を離さないで』と。『日の名残り』のあらすじを見てみたい。

(1)『日の名残り』

あらすじ[ウィキペディア]

物語は1956年の「現在」と1920年代から1930年代にかけての回想シーンを往復しつつ進められる。

第二次世界大戦が終わって数年が経った「現在」のことである。執事であるスティーブンスは、新しい主人ファラディ氏の勧めで、イギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。前の主人ダーリントン卿の死後、親族の誰も彼の屋敷ダーリントンホールを受け継ごうとしなかったが、それをアメリカ人の富豪ファラディ氏が買い取った。ダーリントンホールでは、深刻なスタッフ不足を抱えていた。なぜなら、ダーリントン卿亡き後、屋敷

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イシグロ氏は、世界は今後ますます多様性を拡大すべきだと訴えている。彼の5歳までの思い出の中の日本はだんだんと薄れて行き、わずかな記憶もはかないものになってしまったが、それでも懐かしさだけは残っている。だが、もし彼が現実の日本にやってきて生活したとすれば、多分、驚くほど多様性のない日本社会の現実を知り、悲しむかもしれない。
10ヶ月前
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異常な世界を描いているように見えるが、人間の生死を、イシグロ氏の世界に置き換えてみると理解しやすい。

「人間として生」が、言論の自由を得て大自在に生きないのであれば、クローンとして生まれ、「人間としての死」が、臓器移植の使命(受精)を果たしていくに過ぎないと考えることもできる。

確かに、人間として生まれても、人間に与えられた命を有効に生かせない人生ならば、確かに、精子と卵子の受精によってもたらされた人生に過ぎなくなる。

現在の社会は、人間の価値観を忘れ、物、金、地位、名誉にとらわれた「クローン」のような存在になっているといえるかもしれない。
10ヶ月前
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かつてラ米の日系社会で出会った人たちに日本人より日本人らしいと思うことがしばしばだったが、イシグロ氏が好んでいるのも古き良き日本人の佇まいだと感じる。
30年以上前に茨木のり子氏も曰く、「電気製品とか ヤケに作り出して、売らんかなだったから、それも良いものであればいいけれど、チャチっぽいものばかり目の色変えて作っているじゃないかというようなことで。何年もしないで部品はなくなるし、粗大ゴミは増えるし、そういうアメリカナイズされた生産流通が気に入らなくて」-対米隷属と併せてついにその極みに達した今、総じてチャチっぽく醜い国になったと誰もが思うのでないか。
10ヶ月前
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私のテレビ視聴はスポーツの実況に略略限定される。NHKの現政権への忖度、バイアスが強く臭うから気分が悪くなるのだ。

昨日は実に不運だった。CATVにチャネルを移そうとしたとき、夕刻9時だったか、NHKがニュースをやっていて、イシグロ カズオについて放送していた。引きずられて視聴してしまった。アナウンサー氏がイシグロ氏の会見談話のごく一部(確か、日本の高度成長は日本が過去に拘らなかったからだ、、、と言う趣旨の部分)に焦点を当てていた。その時、私の直感は全部の文脈からその部分は解釈されなければ、とんでもないことになるというものだった。イシグロ氏はマルセル・プルーストの失われた時を求めての愛読者だ。イシグロ氏の作風も「遠い山なみの光」や「日の名残り」を読んでみると過去を重視しているのが分る。過去を現代に伝えるのに卓越した作家だと私は思っている。おいおい大丈夫か?と思いきや、その直後すかさず、アナウンサー氏が「安倍政権の支持率が3%上がって48%になりました」とのたまわった。

上記のような報道姿勢だと、「イシグロ氏は歴史修正主義の安倍氏を支持している」という刷り込みが国民の脳になされることは否めない。私は実に不愉快になった。やっぱりNHKは民放以上に駄目だな。日本はやっぱり戦争に突入するんだなと恐れを抱かざるを得ない。

10ヶ月前
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なぜ、孫崎さんは、イシグロのスピーチを英語で引用したんだろう?
その真意は分からない。
しかし、[The Remains of the day]の文体がそうなのだが、どこか哀愁と儚さに満ちた文体が、その何ともいえずたゆたう感じで進みゆく時、日本人の私の心の琴線に触れるように思われる。
上の、しみじみとした述懐もそうだ。日本人が「常世の国」(ニライカナイ)を魂の故郷とするように、彼も「母が国、根の国」日本を望郷しているように思えなくもない。
10ヶ月前
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