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  • 麻雀最強戦2016 女流プロ代表決定戦・激突!タイトルホルダー レポート

    2016-08-07 19:00
    茅森・逆転で決勝進出!

     強いと評される麻雀プロはたくさんいるが、「天才」の称号を持つのは茅森早香だけだろう。
     学生時代は麻雀とは全く縁のなかった茅森。小中高を通じてバスケ部で汗を流し、キャプテンも務めていた。またクラスの学級委員にも推されるリーダー的な存在だったようだ。
    茅森「周囲から『やって』って言われて…。皆、早香の言うこと聞くし、まとめるの上手いから、ってことで」

     麻雀を覚えたのは、アルバイト情報誌でみた雀荘のウェイトレス募集がきっかけだった。麻雀を知らないまま勤め始めたものの、いきなり「きみも打つんだよ」と言われ、なし崩し的に麻雀を打つようになる。その間も、いわゆる戦術書を読んだり、誰かに麻雀を教わることもなく、独学で強くなったのだから、やはりセンスは相当なものだったのだろう。ちなみに、数年前まで「間4軒」という言葉も知らなかったそうである。
     そして先輩プロの誘いを受け、最高位戦を受験。故・飯田正人プロの推薦もあって、プロ入り3年目で出場したモンドTVの新人戦で準優勝。そのまま出場した女流モンド杯で初出場・初優勝の快挙を成し遂げる。

     一方、最強戦でも茅森は十分に実績を挙げている。2012年では代表決定戦を勝ち上がり、ファイナルまで駒を進めた。以降、代表決定戦で予選落ちしたのは昨年の「豊後無双」に巻き込まれ、リーチ後に親のメンチンを放銃したときだけだ。

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     また、最強戦特番では佐々木寿人・滝沢和典・鈴木達也という打ち手を相手に完勝した。
     ただ、茅森の予選A卓の相手も最強戦との相性の良さでは引けを取らない打ち手が揃った。石井あや、和泉由希子、茅森早香、魚谷侑未の並びとなった予選A卓。
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     今回は、オーラスで好位置にいることを全員が意識したような展開となった。連荘もなく淡々と局が進み、ラス前でトップ目の石井の持ち点が28200点の大混戦。ここでラス目・魚谷のリーチを受けた和泉がピンフツモのアガリでトップ目に立ち、オーラスを迎えた。
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     だが、ラス親の魚谷が粘りをみせる。
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     ドラpai_s_5s.jpgを2枚抱えた魚谷は中盤でpai_s_nan.jpgバックのチーテンを取った
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     メンゼンなら一撃でアガリトップを決められる手材料ではあったが、魚谷は妥協してテンパイに取った。全員がアガリにくる局面では押し切られてしまう可能性も高いからだ。逆に、先にテンパっていれば、単独でpai_s_nan.jpgを抱えた打ち手からは出が期待できる。数巡後、役なしテンパイを入れていた茅森からpai_s_nan.jpgを直撃し、連荘となる。
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     続く1本場では、石井のリーチに対し魚谷が追っかけてアガりきる。
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     だが、裏ドラが乗らなかったのでトップには届かず続行。石井・茅森にもうワンチャンスが訪れた。

     2本場。満貫ツモ条件の茅森がドラ1の手で3メンチャンのテンパイを入れた。
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     まだ4巡目とはいえ、この手格好なら裏ドラに期待してリーチをかける打ち手も少なくないだろう。だが、茅森は打pai_s_hatsu.jpgで確実に逆転できるテンパイ形を目指した。
    茅森「巡目に関係なく、裏ドラ期待のリーチはかけたくない。それで仮にテンパイできなくても仕方ないと割り切ってます」

     茅森は9巡目にpai_s_2m.jpgを重ねてメンタンピンドラ1でリーチ。
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     この待ちを掴んだのが2着目の魚谷だ。
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     魚谷もテンパイを入れていたが、ノーテン流局で逃げ切ることも選べる状況だった。だが、茅森のツモ回数もまだ多い。3着目の石井にも勝負気配がある。
    「自分でアガり切らないと勝てない」
     そう思った魚谷はpai_s_5s.jpgをツモ切り。この瞬間、和泉・茅森の勝ち上がりが決まった。
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    ハートに火が付いた
    pai_s_3p.jpg放銃

      デビュー当時から茅森のクールな雰囲気は変わらない。ただ、どんな対局でも平常心というわけでもないようだ。
    茅森「打ちたいと思っている相手と打つ時はテンションが高くなりますよ。逆に、緊張するのは初対面の人。基本的に人見知りなので‥。対局自体は、もちろん勝ったら嬉しいけど、麻雀は100%の打牌をしても結果が常に伴うものじゃない。だから負けてもがっかりはしません」

     そんな茅森の決勝の相手は、和泉、B卓を制した佐月麻理子・大平亜季となった(童瞳・宮内こずえが敗退)。
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     徹底した攻め麻雀で予選を圧勝した佐月。決勝でもリーチ・リーチで攻め続ける。が、周りが上手く対応し、佐月のリーチをことごとく潰していった。
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     それでも佐月は攻め続ける。ラス目で迎えた東4局。親の茅森の先制リーチに佐月がpai_s_haku.jpg暗刻にし、ドラのペンpai_s_3p.jpg待ちで追っかける。
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     脇から出るような待ちでもなく、玉砕覚悟の追っかけだったが、このめくり合いに佐月は勝った。序盤の失点を一気に取り戻し、ようやく対等の立場に戻れたのだ。一方、放銃した茅森は一気にラスに転落となる。
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     だが、この放銃が茅森の心に火をつけた。
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    茅森「ラス親もあるので焦りはなかったです。むしろ、ピンチの時のほうが燃えるんで」

     一方、アガった佐月には逆の効果が表れた。苦しい立場から一転、優勝がチラつき、本人に「守り」の気持ちが生まれたのかもしれない(囲み記事参照)。 点数こそラス目だが、追う側の気持ちは強い。南2局以降、茅森は他の誰にもアガらせなかった。

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     そして、ラス親でトップ目の和泉をキッチリかわし切り、4年ぶりのファイナルへの切符を勝ち取ったのである。
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    pai_s_haku.jpgは押せない牌だったか?

     決勝戦南1局。僅差の2着目の親・佐月の手牌。茅森のリーチを受けた一発目、佐月はション牌のpai_s_haku.jpgを掴む。
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     茅森の捨て牌は序盤にpai_s_4m.jpgpai_s_3m.jpgのリャンメン落としがあり、やや変則的。pai_s_haku.jpgが待ちである可能性も十分ある。
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     ちなみに実際の茅森の手はチートイツでドラのpai_s_4s.jpg待ちだった。

     ここで佐月は手堅く茅森の現物のpai_s_5p.jpgを捨てた。そして次巡、pai_s_4s.jpgツモ。
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     テンパイだが、待ちは弱い。結果、佐月はpai_s_haku.jpgを押し切れずノーテンで親を流してしまう。仮にpai_s_haku.jpgをツモ切っていれば、次巡打pai_s_6p.jpgで追っかけリーチ、pai_s_4p.jpgでツモアガリとなっていた。
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     たしかに、先に打pai_s_5p.jpgで受けたのに、弱い待ちのテンパイでpai_s_haku.jpgを押すのは一貫性に欠く。だが、そもそもpai_s_haku.jpgがそれほど危ない牌か? 2着目で南場の親を流すほど、止めなければならないのか?

     対局解説の片山まさゆきさんは「プロはpai_s_haku.jpgを打てない人が多いのでは?」と言及する。
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     ただ、これは多くのファンが見ている配信対局だ。多くのアマチュアが望むのはpai_s_haku.jpgを勝負するシーンだったはず。だが、勝負を避けたうえにアガリを逃せば、対局への興味も削がれてしまうのではないだろうか。

     レーシングドライバーの佐藤琢磨
    さんは、「F1でチャンピンになるには、多少の無茶でもアタックしないとチャンスは生まれない。ノーアタックノーチャンスだ」と言っている。徐々に知名度を上げていったプロが、さらに飛躍し多くのファンを掴むには、佐藤さんのような姿勢がまさに必要ではないだろうか。
     
  • 近代麻雀プレミアトーナメント決勝戦レポート レポート

    2016-07-08 19:00
    昨年のプレミアリーグがよりスリリングな戦いに!8名によるトーナメント戦をメンバーを毎回変更して4回開催、それぞれの優勝者が集まって決勝戦を行い、ファイナリストが決まる。今回は決勝戦の対局をレポートします。

    小林、得意の展開で完勝!

     今年の麻雀最強戦ファイナルの1枠を争う近代麻雀プレミアトーナメント。3月から毎月1回ずつの予選を経て、小林剛(無法の哭き)、池沢麻奈美(修羅の道)、藤崎智(豪傑大激突)、鈴木優(極限の攻戦)の4名が決勝戦に駒を進めた。
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     並びは小林・藤崎・鈴木・池沢。半荘1回勝負なので、各自緊張しているのは間違いないが、だからといってガチガチに固くなるタイプではない。が、そういったところから一番縁がなさそうな小林が何と牌をこぼしてしまう。それも二度もである。
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     これを見た解説の片山まさゆきさんは「コバゴー緊張してる?」とコメントしていたが、実際はどうだったのだろう?
    小林「放送対局では、普段と違い『配牌を取りながら理牌する』を強く意識してやるが、それを失敗しただけ。牌の種類、湿気、他家の配牌を取る速度にりやりやすさが変わるが、1局目だけ対応できなかった。もう一回こぼしたが、それは手牌7枚で空切りする牌をどこに入れようか考えていたら、結果的にこぼれてしまった」

     やはり小林はブレない男だった。その小林が親の東1局。北家・池沢からドラのpai_s_pe.jpgpai_s_2s.jpgのシャンポンのリーチがかかった。
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     これに対し
    安全に打ち進めていたた小林の手牌は、15巡目に次の形となる。
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    東1局 東家・小林
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     直前に池沢がpai_s_4p.jpgをツモ切ったので、筋のpai_s_1p.jpgでタンヤオを残す手もあるが、pai_s_1p.jpgがション牌なので小林は丁寧にpai_s_4p.jpgを合わせ打つ。ただ、pai_s_7p.jpgを捨てやすくなったので、安全なテンパイへの光明も差す。が、次のツモはpai_s_7p.jpgだった。
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     これだと通っていない暗刻スジの
    pai_s_6p.jpgを切らないとテンパイしない。
     
     最近、上梓した『スーパーデジタル麻雀』では「連荘不要」という謳っている小林だけに、ここは無理をしないだろうと思われた。
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     が、小林はpai_s_6p.jpgを勝負し、テンパイ料と連荘を掴み取ったのである。

    小林「ノーテンで確実にマイナス1000点になるより、多少の無筋は押したほうが収支は得(マイナス1000よりはマシ)になるので勝負した。自著で連荘不要と書いたのは、次局に多大な期待をするよりは今局の損得をちゃんと考えようという話。今局に得する判断をした結果に連荘がつくという認識だ。ただ、今回のようなトップしか意味のない対局であれば通常よりも『親で高得点を稼ぐこと』の価値が大く、普段よりは親番を維持するという意識は強かったかもしれない」

     この親番維持が小林にとって大きかった。続く1本場ではダブpai_s_ton.jpgドラ1の2000オール、3本場では藤崎のリーチを受けながらタンヤオドラ2の2000オールでリードを広げる。
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     先行逃げ切りは小林が最も得意とする勝ちパターンだ。こうなるとちょっとやそっとじゃ崩れない。東1局4本場では「辛すぎるチーテン」も披露した。

    東1局4本場
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    pai_r_9m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgとチーして一通確定となる1500点のテンパイ。すぐに藤崎からpai_s_1p.jpgを出アガった。が、元々1500点の連荘に固執しないタイプだけに、少し意外な印象を受けた。

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    小林「決定打にすべく、手役を強く意識しながら進めてきたが、12巡目ともなればもうすぐ相手から勝負手のリーチがかかってもおかしくない巡目である。
    自身はたった5種類受けで、しかも高くなる牌は限定されているイーシャンテン。着々と手を作ってきているであろう3人より先にテンパイしてリーチをかけ、一通でアガれるケースはそれほどなく、むしろ先制されてオリに向かうことが多いはず。ここはもうかわし手の意識で1枚目でも鳴く。ただしpai_s_1p.jpgpai_s_4p.jpgチーでは勝ち目は薄いので鳴かない。1500(積み場込みで2700)での連荘は確かに価値はない。あくまで相手の手を潰すために仕掛けなので、連荘はどうでもいいのだ」

     もし連荘の権利を選択できるルールなら、親カブリを回避するために親を流していた、とすら語る小林。この後は、全くスキのない戦いぶりで失点を最小限にとどめて局を消化していく。

     相手3人も小林に迫るべく攻め続けたが何せ決定打が出ないまま、オーラスまで局が進む。小林には自力で局を進める手はなかなか入らなかったものの、相手3人が放銃しあう展開だったのも幸いしたといえる。

     オーラス、2番手池沢は満貫ツモで逆転トップの条件だったが、小林は「らしい」一打で一局で優勝を決めた。

    南4局3巡目 南家・小林
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     ここで小林はドラのpai_s_2s.jpgを捨てソーズの好形を固定する。

    小林「ソーズを2メンツと考え、新しいリャンメンターツや役牌の重なりは一つも逃したくないので、いずれ出る危険牌のドラを切った。2枚使っているので、この巡目ならポンされる心配もほとんどないでしょう」

     この先切りが効いたか、
    pai_s_hatsu.jpgをポンしてpai_s_1s.jpgpai_s_4s.jpgのテンパイを入れた小林は、終盤鈴木からpai_s_1s.jpgを仕留め、近代麻雀プレミアトーナメントの優勝を果たした。一昨年はファイナル決勝卓まで進みながら藤田晋に敗れた小林。今年にかける意気込みをこう語った。
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    小林「この最強戦という場は独特の緊張感があってなんとも言えない。ファイナルは最大2回という超短期戦だが、なんとしても勝ちたい。一般的な考え方とまったく違う打ち方をすることもあるだろうが、視聴者の方に少しでも伝わってくれれば幸いです」
  • 麻雀最強戦2016 著名人代表決定戦・麻雀代理戦争レポート

    2016-06-22 19:00
    神対局を超えられるか⁉

     著名人代表決定戦の会場は、他のときより会場が賑やかだ。出場選手の付き添いの方が多いこともあるが、普段はいない編集者やTV関係者などが激励や観戦に訪れるからであろう。と、同時に著名人戦特有の「ドラマティックな対局」に期待し、ワクワクしながら見ている人も多い。はたして神対局と言われた2011年の著名人代表決定戦を超える対局となるか?
     予選A卓は、トレンディエンジェルたかし・ヒデオ銀次・堀江貴文・綾辻行人の並びで開始。
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     東1局、銀次が綾辻から満貫をアガった後は、小さなアガリの応酬で東場を終える。
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     ただ、トップ目の銀次はモヤモヤ感の残る折り返しだった。というのは、満貫をアガって迎えた東2局に悔いの残る決断があったからだ。

     東2局。親の銀次に次のテンパイが入る。
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     高目pai_s_6s.jpgで親満になるテンパイ。安めのpai_s_9s.jpgが場に2枚飛んでいる状況で銀次はヤミを選択。高目の狙い撃ちに構えた。だが、そのことで綾辻のテンパイを許し、すぐに銀次がそのロン牌を掴み大チャンス手を蹴られてしまったのである。
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     普段の銀次ならトップ目であってもリーチだったに違いない。だが、最強戦という大舞台、かつ2着勝ち上がりで満貫スタートという貯金が逆に仇となったか。銀次がリーチをかけていれば綾辻のアガリは難しく、仮に安目のpai_s_9s.jpgツモで2600オールだったとしても銀次の雀力なら勝ち上がり濃厚になっていたに違いない。この局の決断に悔いを残したまま、それでも銀次が微差のトップ目のまま東場を終えた。
     南1局。銀次は次はチートイツでテンパイし、1枚切れのpai_s_ton.jpgでリーチ。
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     出やすい待ち、アガれば裏ドラが乗らずともかなり安全なポジションに立てる。東2局からのモヤモヤを払拭するため「これで決める」という決断のリーチだった。しかし、西家・堀江が追いついた。
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     ドラ含みのカンチャンが埋まる絶好のツモでテンパイ。当然の追っかけリーチである。4巡後、pai_s_8p.jpgをツモって裏ドラも1枚乗せた堀江がトップ目に立った。
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     続く南2局ではたかしが役なしドラ1のカンpai_s_3p.jpg待ちでリーチ。これをツモって裏ドラを乗せて満貫のアガリとなる。
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     それまで不安そうに対局を見つめていたたかしのマネージャーもようやく安堵の表情を浮かべた。これでたかしは2着目の銀次に600点差に迫る。

     堀江の親が流れて迎えたオーラス、堀江は高い手にさえ放銃しなければ決勝確定。残る1枚の切符を誰が掴み取るかに注目が集まった。ここで勝ったのがたかしだった。
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    堀江との仕掛け合戦を制し、2着での勝ち上がりを決めたのである。



     オーソドックスな打ち手揃いのA卓に対し、個性的な打ち手が集まったB卓は福本伸行・押川雲太朗・本郷奏多・加賀まりこの並びでスタートした。
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     東1局、123の三色とピンズの一通のイーシャンテンの北家・加賀に、招かざる牌でのテンパイが入る。
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     加賀なら「こんなのテンパイじゃない」とツモ切りもあるかと思ったが、ひとまず打pai_s_9p.jpgでヤミテン。リーチでも出が期待できるいわゆるエースシャンポンだが、この手でリーチをかける加賀ではない。しかし、その前にpai_s_1s.jpgを引き渋々300・500のアガリで妥協した加賀。ただ、点数こそ安かったが、この後何かが起こりそうな期待感を抱かせるアガリだった。

     それはすぐに訪れた。加賀の手は再び三色のイーシャンテン。だが、同じ三色でも今度は三色同刻だ。
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     ここで加賀はノータイムで打pai_s_3m.jpg。狙いは当然ドラのpai_s_sha.jpgと三色同刻になるpai_s_5s.jpg待ちリーチ、百歩譲ってpai_s_5s.jpgpai_s_ton.jpgのシャンポンだ。だが、先にpai_s_5s.jpgが場に出たので加賀は素直にポンテンを取り、地獄待ちのpai_s_sha.jpgに受けた。残念ながらこのテンパイは福本のリーチによって成就することはなかったが、たった2局で十分すぎるほど「加賀ワールド」を堪能することができた。次局、リーチ・ツモ・ドラ4のハネ満を決めた加賀がダントツとなり、東ラス以降は2着争いに焦点が絞られた。
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     ここから抜け出したのが本郷だった。昨年は決勝まで駒を進めるも、押川の前に惜敗した本郷だったが、これがきっかけで麻雀熱はますます高くなり、今でも頻繁に卓を囲んでいる。
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    本郷「今日のために1年間頑張ってきました」

     その成果を見せるかのごとく、本郷はしぶといアガリを重ねた。
    途中、福本のツモり四暗刻リーチや押川のチンイツ裸単騎テンパイを受けながら、本郷は自らアガって相手の勝負手を潰していく。
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     オーラス、アガリでOKの本郷に対し、福本・押川は満貫条件。本郷は仕掛けを入れ、自ら決めに行くが、押川にもテンパイが入る。
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     ただ、ドラがpai_s_ton.jpgである以上、確定満貫テンパイへの道は険しい。押川は一発か裏ドラに賭けリーチを選択。そして2巡後にpai_s_8m.jpgをツモる。まずは第一条件はクリア。後は裏ドラだ。裏ドラ表示牌をぐーっと卓に押し付けた後、牌をめくる押川。

    押川「ああーーーーー!」
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     めくれた牌はpai_s_sha.jpg。これで加賀・本郷の勝ち上がりが決まった。
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    緑一色VS四暗刻!

     決勝は、加賀・堀江・本郷・たかしの並びでスタート。
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     A卓で銀次が国士、B卓で福本が四暗刻のテンパイを入れており、決勝でももしかしたら何かあるかも? という期待感はあった。すると東2局、ものすごいことが起こった。

     東2局1本場。7巡目に南家・本郷がドラのカンpai_s_8s.jpg待ちでリーチ。
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    その直後、pai_s_3s.jpgポンでソーズのホンイツへ向かっていた親の堀江にテンパイが入る。
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    東2局1本場 東家・堀江
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     トイトイに加え、ツモなら三暗刻もつく親っパネの大チャンス手である。リーチで逃げの利かない本郷から出る可能性もある。だが、山に6枚いる両者の待ちがなかなか顔を見せない間に、加賀もテンパイを入れて追いつく。

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    東2局1本場 北家・加賀
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     四暗刻の変化もあるのでヤミに構えた加賀。が、その直後、加賀は堀江のロン牌pai_s_hatsu.jpgを掴むのだが、何と加賀はこれを止めて打pai_s_2p.jpgで放銃を回避してしまうのである。
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     すると今度は堀江が本郷のロン牌のpai_s_8s.jpgを掴む。

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     リーチ後に加賀がpai_s_6s.jpgを通しているのでpai_s_9s.jpgは切りやすいが、すでに堀江はpai_s_7s.jpgを捨てているのでフリテンになってしまう。が、堀江はその不利を受け入れpai_s_8s.jpgを止め、pai_s_9s.jpgを切った。チャンスの後にピンチありとはよく言ったものだ。

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     数巡後、本郷がpai_s_hatsu.jpgを掴むが堀江は待ちを変えているのでセーフ。が、堀江がこれをポンして打pai_s_9s.jpg。フリテンながら高目緑一色のテンパイに組み変えたのだ。

    東2局1本場 東家・堀江
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     そして加賀はハイテイでpai_s_1p.jpgツモ。pai_s_hatsu.jpgが安全牌となったので、無理なくトイトイのテンパイを取ることができたのだ。
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     堀江・加賀ともにツモはなかったものの、それぞれがお互いのロン牌を止めあっての2人役満テンパイという、まるで漫画のような打ち回しを見せてくれた。これこそが著名人代表決定戦の醍醐味だ。

     東4局では、ダントツ堀江の一通確定リーチに対し、親のたかしがメンホンテンパイ。

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    東4局 東家・たかし
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     が、たかしはここが見せ場とばかり打pai_s_hatsu.jpgでテンパイ崩し。一気にメンチンに仕上げpai_s_1m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_7m.jpg待ちにとる。一巡は、ヤミに構えたが直後に本郷のリーチもかかったことで、たかしも追っかけリーチに出た。
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     その本郷のリーチは[1][4]待ち。

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     これを堀江が掴んで満貫のアガリとなった。堀江の楽勝ムードが一転、混戦模様となる。

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     だが、ここからの堀江はしぶとかった。

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     追ってくる加賀を1万点差以内に近づけさせないゲーム回しでそのままゴール。見事、最強戦ファイナルへの切符を勝ち取った。

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    すげえ一打

     本郷のリーチ、堀江のホンイツ仕掛けを受けながら、リーチの現物待ちでイーペーコードラ2をテンパイしている加賀。そこにション牌のpai_s_hatsu.jpgを引く。はたして加賀の選択は?

    東2局1本場16巡目 北家・加賀まりこ 24500点持ち
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    加賀、打pai_s_2p.jpgで放銃回避
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     加賀の危険牌察知の感覚は芸能界トップクラスである。ただ、よほど嫌な感じがしない限り、それを通してしまう胆力が加賀にはある。逆に、止めた牌は実際にロン牌になっていることが少なくない。
     今回は、現状6400のテンパイで四暗刻の変化もある。加賀は打pai_s_2p.jpgで回し打つ。勝負していれば堀江の親満に放銃していた。
     ポイントは「本当にアガりたいのは四暗刻」ということ。イーシャンテンは維持しつつ、四暗刻になったら勝負。それで放銃しても悔いはないのだ。これは「屈伸打法」と呼ばれる打ち方で、高くジャンプするためにはいったん身をかがめる(危険牌を止める)ことから名づけられた。皆さんもぜひ参考にしてほしい。