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一問一答「あなたが、どうしても捨てられないものはなんですか?」【片付けが捗る心理学】
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一問一答「あなたが、どうしても捨てられないものはなんですか?」【片付けが捗る心理学】

2023-05-30 12:00

    あなたが、どうしても捨てられないものはなんですか?


    今回は、やるべきことを先延ばししがちな方の相談をもとに、片付けを邪魔してしまう心理的障害について解説させてもらいます。


    「Q. 運動や勉強など、なかなかやる気が出ず後回しにしてしまい、いつも追い詰められてから焦ってしまいます。どうすればいいでしょうか?」


    先延ばしというものは、習慣化と同じで癖になってしまうものです。

    ですから、先延ばしをする人はあらゆることに対して先延ばしをするようになってしまいます。

    そのような人は、プライベートでも仕事でも、家の片付けでも勉強でも、人生の備えに対してもお金に対しても、恋愛でも人生の夢でも、あらゆることに対して先延ばしをしてしまいます。


    そうならないためには、先延ばししてしまう原因を知る必要があるわけですが、ほとんどの人は自分の意志の力を先延ばしの原因と考えています。


    先延ばし対策も技術です。
    技術ですから誰でもすればできるものです。

    先延ばしが起きてしまう原因と、その原因に対する対策を知る必要がまずはあります。

    Dラボ▶即断即決即行動!すぐやる人になれる「先延ばしの心理学」


    上記の動画を参考にしてもらえれば、あらゆる物事がサクサク進むようになります。そうなれば進めることが楽しくなりますので、当然ですがやるべきことがどんどん捗ります。


    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。



    人がものを捨てられない本当の理由とは?


    人はなぜものを捨てることができないのでしょうか?

    あるいは、捨てようかどうしようかと迷ったときに、一旦置いておこうとするのはなぜでしょうか?


    人がなぜ捨てることができないのか、その本当の理由を知っておかないと、ものはどんどん増えていきます。

    これは皆さんの自制心によるものではありません。

    これは企業が皆さんに対して行っている戦略が心理的に影響を与えている可能性が高いです。

    その戦略を理解しておけば、ものをあっという間に捨てることもできるようになります。


    捨てられない理由その1:企業のマーケティング戦略

    PixiesDidIt社の心理学者ケリー・マクネミン氏が、過去の様々な文献をレビューして人がものを捨てられない理由についてまとめてくれています。

    結論としては、企業のマーケティング戦略に僕たちの脳が踊らされているからです。


    毎年、断捨離や片付け、ミニマリストなどの本が出版されています。

    本当にその本を読んで整理整頓できたりシンプルライフを実現できるのであれば、当然ですが、そんな本が毎年出版されるはずがありません。


    英語の本もダイエットの本も同じです。

    英語の本もダイエットの本も毎年のベストセラーに必ず含まれています。

    みんなできないから毎年売れるわけです。

    これも消費者心理をついたマーケティング戦略によるものです。


    人がものを買ったり消費する心理としては、ポジティブな感情を増やしてネガティブな感情を減らすためです。

    ポジティブな感情を最大化して、ネガティブな感情を最小化するために人はものを買います


    例えば、お掃除ロボットを買うのは、掃除の手間をなくすことでネガティブな感情を減らして、掃除をする時間で自由なことができて、そこでポジティブな感情を増やすことができるからです。


    企業のマーケティング戦略として、人の感情のコントロールをベースに設計されています。

    どうすればユーザーや消費者のポジティブな感情を増やして、ネガティブな感情を減らすことができるかを考えています。


    捨てられない理由その2:自尊心と結びついたパーソナル・アイデンティティーと社会的帰属感

    実験ではTOMS(トムス)という靴の例が挙げられています。

    このブランドは、自分が靴を一足買うと、恵まれない誰かにもう一足靴がプレゼントされるキャンペーンを行いました。


    人はものを買うとそれを所有できて良い気分が手に入ります。

    それだけでなく、その消費によって社会的に良いことをしているとなるとポジティブな感情は増します。


    この靴を買った人たちは、自分たちが社会的に意味がある素晴らしいことをしていると感じていました。

    自分が慈善的な人間だというアイデンティティーを作り、それと同時に、自分だけのことではなく世の中全体のことを考える素晴らしいグループに所属している感覚がありました。


    人はものを買って手に入れると、自分の中に何かしらのアイデンティティーが生まれます。

    それによって価値ある仲間も生まれます。

    ものにそれが付随しているから捨てることが難しくなります。

    自分のいい人と思えるイメージを捨てたくないからものも捨てられないわけです。


    ブランド品ばかりを買って捨てることができない人は、そのものに価値を感じているだけでなく、自分はそのブランドにふさわしい価値ある人間だと思っています。

    ブランド品をたくさん買えるだけの経済的成功をしている人たちのグループに所属していると思いたいからです。


    ですから、その商品によって引き起こされる感情の問題と、それを持っていることによって生まれるアイデンティティー、そして、それを持っていることによりグループに所属している感覚を持つことができる帰属性の3つが僕たちがものを捨てられない理由です。

    この3つに対処しないと、ものを捨てられません。


    人は感情を満たしたいからものを買います。

    アイデンティティーを保ちたいから、グループに帰属していたいから、それを捨てられなくなります。

    これがものを捨てられない原因ですし、次々にものを買ってしまう原因でもあります。


    研究では、この3つの要素を満たしていると感じた場合、それにお金を使う確率が30倍も高くなりました


    企業はこれを理解してマーケティング戦略を考えています。

    感情とアイデンティティーと帰属を満たした上で、それなりに機能が備わっていれば、その商品が買われたり試される確率が30倍も高くなるわけです。


    高級ブランドのパーティーで有名人や芸能人が呼ばれるのも同じです。

    そのブランドがこれだけの芸能人が来てくれるだけの素晴らしいブランドだと伝えています。

    それはアピールすることによって、感情もアイデンティティーも帰属性も満たされます。


    実際の機能性としては大差ありません。

    感情とアイデンティティーと帰属性を理解して、それを拒否することが大切です。


    僕たちがものを捨てられないのは企業がマーケティング戦略として、僕たちの脳をハックしているからだと認識するだけでも、余計なことに惑わされる確率は減ります

    その上で、なかなか捨てられないものや、ついつい買ってしまうものについて考えてみてください。


    その商品が自分のどんな感情を満たそうとしているのか?

    その商品がどのように自分のアイデンティティーを作っているのか?

    その商品を持つことによってどんなグループに所属している意識につながっているのか?

    最近、自分が買ってしまったものについて、この3つのポイントで再評価してみてください。

    これを理解しておくと、種がわかった状態でマジックを見ている感覚を持つことができます。

    それによってものを捨てることもできるようになりますし、そもそもものを買わなくなります。

    自分がいかに必要のないものを抱え込んでいたかも理解できます。




    片付けを邪魔する5つのメンタルブロック


    2019年に社会心理学者のアリス・ボイズ氏が、先行研究をベースにして、人がものを捨てられない5つの原因と対策についてまとめてくれています。


    ①他人の散らかりは目に入るが、自分の散らかりは目に入らない

    自分の一緒に住んでいるパートナーや家族について考えてみてください。


    他人の部屋が散らかっていたり乱雑になっていると、やたらと気になったり目が行くと思います。

    ところが自分のことにはあまり目が行きません。


    他人の部屋は散らかっているように思え、自分の部屋はきれいに思えるバイアスがあります。

    自分はきれいにしていて相手が散らかしているので、相手が片付けるのを待つスタンスになってしまいます。

    その結果自分の片付けが疎かになります。

    他人と比較して安心しているような状態です。


    この問題を解決するためには、マインドセットを変えてください。

    周りと比較して片付けをするかしないかを考えるのではなく、自分がお手本になると考えてください

    自分が周りの人のためのお手本になると考えます。


    これは片付けだけでなく、仕事でもスキルを学ぶ場合でも同じです。

    職場の雰囲気を変えたいとか、人生を変えるための習い事をしたいという場合でも、自分がお手本になろうと考えれば勇気を持って自制心を発揮することができます。

    それによって他人に見られている感覚を持つことができます。


    自分が周りの人のお手本になるマインドセットを持ってください。

    それによって実際に片付けをしてみると、意外と家全体がきれいになったりすることがあります。

    結局のところ周りが片付けをしていないのではなく、自分が片付けをしていなかっただけだったと気づくこともあります。

    どちらかが悪いのではなく、お互い様だったことに気づけることもあります。


    ②片付けに必要な認知リソースを過小評価する

    人は片付けをしようとしたときに、すっきりと片付いた部屋を想像します。

    ところが、実際に片付けをするとなると様々なプロセスが必要になります。


    片付けはひとつのプロセスで終了するものではなく、小さな意思決定の連続です。

    小さな意思決定を大量に行うのが片付けという作業です。

    人はそれを過小評価しています。


    ビジネスでも副業でも、成功するためにはそのプロセスは容易ではありません。

    自分がそれをやりきって成功したところをイメージすると、達成した気分だけ高まりやる気がなくなります。

    ダイエットでも、かっこいい肉体だけを想像しているとだんだんやる気がなくなってきます。


    人はやろうと思っただけでやる気がなくなります。

    結果ばかりを見て、その結果にたどり着くためのプロセスを疎かにして、小さな意思決定の連続を過小評価しています


    多くの人は片付けが簡単だと思い込んでしまうせいで、片付けをしようと思った瞬間に、大変さを感じてやる気が失われるわけです。


    この問題を解決するためには、次のポイントに留意してください。


    ポイント1:「どこに収納するか?」よりも「捨てるべきかどうか?」の質問を優先する

    片付けは多くの意思決定の連続です。

    捨てるべきかどうかは、YES/NOで答えられる質問です。

    それに対して、どこに収納するかは、自由回答ができるオープンクエスチョンです。

    そうなると認知的負荷が大きくなります。


    ですから、まずは簡単に意思決定ができる2択で片付けをしてください

    どこに収納するかよりも捨てるか捨てないかで考えてください。


    特に危険なのが、「これは何かに使えないだろうか?」と考え始めることです。

    これも自由回答なので脳が疲れてしまいます。

    それによって片付けができなくなります。

    自由回答の質問を自分に投げかけることを避けてください。


    ポイント2:中間ボックスを作る

    捨てるか捨てないかだけでは迷って決められない人も多いと思います。

    その場合は、中間ボックスを作って、その箱に3カ月先の日付を書いてください。

    迷ったら全てそこに入れます。

    その3カ月後の日付になったら、その箱を見てまだあったものは捨てます。


    人はそのものが本当に必要かどうかを予測することが苦手です。

    迷ったものは全て3ヶ月後の日付が書かれた箱にとりあえず入れておきます。

    必要であればその箱から取り出すはずです。

    3ヶ月後にもそこに残ったままのものは使わないものです。


    これにより決断のプレッシャーを減らすことができます。

    片付けのコツは、いかに決断のプレッシャーを減らすことができるかです。


    ちなみに、YES/NOと中間ボックスの考え方は人間関係にも使えます。

    自分のスケジュールや予定を見ながら、それを続けるべきか?止めるべきか?を考えて、中間ボックスも作っておきます。

    3ヶ月後にも中間ボックスにあった予定や人間関係は、少なくとも当面は必要ないと考えることができます。


    残りの解説については続きで解説しています。

    自分にとって本当に大切なことに集中するために、ぜひ続きもチェックしてみてください。

     
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