• UTAU界隈で一番強いのは誰か?

    2015-04-11 17:532
    ちょっと深い記事を。おふとんPです。

    僕がこの界隈に足を踏み入れて5年、UTAU界隈もずいぶん広く、大きくなったものです。
    録音する人もいれば、音源を取らず開発する人もいます。昔はプラグインなんてそうそう出回るものじゃなかったのになぁ、とか。
    UTAUで伸びる人も増えたなぁ、昔は散々「ロボロボしい」などと言われていたのが、今では神調教タグ、魂実装済みタグまで付いてくる。「強くなった」なぁ。

    ん?「強い」ってなんだ?

    …というわけで、この記事における「強い」とは何か、定めておきます。

    日進月歩、成長を続けるこの界隈を「引っ張っていける強さ」を持つのは誰なのか、ということです。

    ところで、この界隈の人間をいくつかの種類に分けるとなったら、どれだけに分かれるでしょう。
    僕は
    ●(開発)技術者勢
    ●録音(中の人)勢
    ●調声勢
    ●絵描き勢
    ●聞き専勢
    の5つにわかれると思っています。
    また、この5種類には「普及の順番」が存在すると思っています。
    リトマス紙の端に水を垂らせばじわりと反対側まで染み渡っていくように、上から順に界隈へ新しい技術が浸透していくのです。(絵師は音源に直接的に関わらない人もいるので例外的であるが)

    開発「作った」
    録音「録った」
    調声「調声した」
    絵師「描いた」
    聞き専「すげー」

    基本この順番だと思うのです。もちろん、この中間から出ることもあります。

    録音a「表情音源つくった」
    録音b「aさんの真似して作った」
    録音c「aさんの真似して作った」

    といった具合に。この場合は横に広がってから下に落ちていく構図になりますね。

    ■結局誰が強いのか
    僕は「作る人」が一番強いと考えています。それは、開発勢であったり、録音勢であったり、あるいは調声勢かもしれません。リストを作った、新しい音源の構造を作った、プラグインを作った、エンジンを作った…。いろいろな可能性がありますが、その人の出したものが「流行」の兆しを見せた時、それを取り巻く渦が出来上がる。その目にいる人こそが「強い人」なのではないか、と思います。

  • 広告
  • 演歌風音源についての考察 その2

    2015-04-06 17:30
    どうもー。おふとんPですよー。
    先日のリストを元に録音してみた感想とか色々言おうと思います。


    ●おふとん式演歌風音源の構造
    僕のリストは、まず巽式8モーラCVVCリストの改造版で基本の音素を収録し、追加リストで特殊語頭音素(こぶし音素)を収録、最後に特殊ロングトーン(口の開きを変えつつのロングトーン)を収録して終わり、という形です。

    ●基本音素について
    ほとんどただのCVVCです。ただ、最初に特殊母音を録音します。これは、「『かんぁ』ぜにふかれて…」のような間に「ん」を挟むような連続音です。某V系風音源さんの発音にも似ていますね。演歌の場合、「ん」がもっと鼻にかかるイメージですが。
    それ以外は演歌「っぽく」録音すればなんとかなると思います。

    ●こぶし音素ってなんぞ?
    お恥ずかしながら、自分もこの「こぶし」の定義をよくわからず言っておりまして、「演歌特有のがなりのあるアクセント」だと思っていたのですが、調べた所「一音の中での音程の細やかな揺れ」を差すようです。これからは「こぶし音素」ではなく「がなり音素」と呼ぶべきですね。ちなみに、濁音までは録りますが、拗音は省略しています。「に"ゃ」とかほぼ使わなさそうですし。

    ●特殊ロングトーンってなんぞ?
    前述の通り、口の開き方を変化させつつ録音するロングトーンです。響かせ方を変える、とも言えるでしょうか。サビの最後などで「あぁ~~~~~…(「あ」の音だけど口が閉じていく、鼻にかかっていく)」のような表現をできるようになります。

    ●動画にないが、録るべき音素
    まず「巻き舌音素」が欲しいですね。氷川きよしはズンドコ節で多用してましたが、ドスの効いた発音を再現するときにあるとかなりいいです。

    ●そのリストはどこにありますか?
    こちらになります。→ おふとん式演歌風音源リストproto3

    ●この音源使ってみたいです
    原音設定全部出来てないものしかありませんが、興味のある方はお使いください。
    薪宮風季 開発コード「enka_proto2」
    もしこの音源で動画を上げる際は、上の動画を親作品登録していただけると嬉しいです。twitterより確実なので。

    ご意見ご感想などありましたら、記事のコメント欄にどうぞ。では。
  • HANASU連続音についての考察 その6

    2015-03-21 22:421
    やっとまとまりましたので記事をまとめます、おふとんPです。

    前回(ar740604)、2つの仮説を立てた上で、数人分の発音のサンプルをとり、検証を行うこととしました。あれから自分で検証したところ、有声子音前ではなく、濁音前に起きる現象であることが突き止められたので、仮説1を「濁音が続く場合」とし、今回計4人のサンプルを録り、濁音の前の無声音について調べました。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
    ●検証方法:対象の4人に「無声化を意識した上で」同じリストを地声で録音してもらい、無声化された音、されなかった音を○とX、曖昧なものを△として分別する。
    なおここでは、
    ・「波形を見た時に、有声破裂音の刺がはっきりしていて、発音前に明らかな空白ができる(低音に鳴りがない)人」を「破裂音型
    ・「有声破裂音の刺がはっきりせず、発音前に空白があまりできない(低音に鳴りがある)人」を「非破裂音型
    と分類する。
    録音には次のリストを使用した。使用リスト
    このリストは、日本語において無声化される子音と濁音の繋がりを調べるための総当りリストである。(但し、日本語中で頻度の低いp,pyの無声化は、今回独断で省いている)

    ●検証
    ・1人目 女声 音程平均A#3
    ガ行破裂音型
    ダ行破裂音型
    バ行破裂音型

    特に破裂音の特性が強く出ているものには、「破」と記した。

    考察
    この方は、ほとんどの発音が無声化できていた。特徴として、ザ行を除き、全体的に破裂音の特性が強く見えた。無声化できていなかったものは「zガ行」「jガ行」「zバ行」「jバ行」であった。


    ・2人目 男声 音程平均E3
    ガ行非破裂音型
    ダ行破裂音型
    バ行非破裂音型

    考察
    この方はほぼすべて無声化できていなかった。ダ行のみ破裂音型であったが、発音によって子音部分の低音に鳴りがあった。なお、空白がしっかりある場合でも無声化できているわけではなかった。


    ・3人目 女声 音程平均F3
    ガ行非破裂音型
    ダ行非破裂音型
    バ行非破裂音型

    考察
    この方は無声化出来る音素がまばらだった。また、斜線になっているものは発音間違い、または発音が崩れていたものである。ガ行は「sガ行」「fガ行」が無声化可能、ザ行はリストの「fザ行」~「khyザ行」まで、ダ行は「sダ行」~「jダ行」までが無声化可能な範囲だと思われる。曖昧だった発音(△印)も多いが、バ行は無声化できないものと見てよいだろう。


    ・4人目 女声 音程平均G#3
    ガ行非破裂音型
    ダ行破裂音型
    バ行破裂音型

    考察
    この方もどちらかと言えばまばらな方である。ガ行は非破裂音型であったが、どの行に特性があるというよりは、発音によって無意識な使い分けがなされているような印象を受けた。ガ行はほぼ無声化されず、ダ行は「zダ行」「jダ行」「khダ行」「khyダ行」が無声化されにくいようである。それ以外は概ね発音できていたが、破裂音ではないはずのザ行の一部音素が破裂音化する現象があった。

    まとめ
    全体的にみると、無声化はかなり個人差がでる事がわかった。また、破裂音の特徴が強く出ている場合、無声化されることが多くなる傾向が確認できた。推測だが、発音前に舌で息を止めることで無声化を可能にしているのではないかと思われる。非破裂音型で無声化できている場合についてだが、その場合、本来母音が入る場所(「sが」ならば「suが」の太文字部分)に有声子音が食い込む形で発音されるようであった。敢えてローマ字で表記するならば、「sga」のようなCCVの形である。

    結論
    以上4人の結果を総合し、共通点を探したところ、以下の様な結果がでた。

    ガ行 無声化可能… f、s
       無声化不可… z、j、ch

    ザ行 無声化可能… j、hy、kh、khy
       無声化不可… ts、ch

    ダ行 無声化可能… s、sh
       無声化不可… kh、khy

    バ行 無声化可能… ts
       無声化不可… z、j

    上記以外の音素は、個人差が大きかったため除外した。なお、収録リストを組むにあたって、できれば録音するべきであると考える。

    以上の結果から、仮説に対する答えを導く。

    仮説1「無声化される音の後に濁音が続く場合、どうしても短く母音が残る?」
    A.個人差がある。但し、子音前に無音ができ、刺状の波形が出るという破裂音の特性を強く持つ場合は無声化されることが多く、逆に低音に鳴りがあり、刺の波形が無い、もしくは薄い場合、無声化されないことが多くなる。

    仮説2「「し」「す」は、基本的に無声化される?」
    A.個人差がある。実験結果では、「sガ行」「sダ行」「shダ行」は、無声化できている割合が多かった。それ以外のパターンは、仮説1のAで述べたとおりと思われる。


    謝辞
    録音協力頂いた4名様、この度はご協力誠にありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。