【同人ノウハウ】役に立つかもしれない文章系同人向け版面設計【ブックデザイン】
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【同人ノウハウ】役に立つかもしれない文章系同人向け版面設計【ブックデザイン】

2015-05-06 20:00
    版面のデザインとなると文章系同人やっている人でも、あまり意識が向かないです。私もそうでした。最初は文字をキリ良く入れられればいいや。といった考えで、ちゃんと読めるように組めればいいやとか思ってました。

    でもだんだん作っているうちに良さげな傾向やバランスががある、いうのになんとなく気づくことがあって、それは何なんだろうという悶々とした気持ちは前からあって、その答えが出るのにしばらく時間がかかりました。そして、DTPやデザインの本を見ていくうちにいろいろと独学で知識をつけていくようになるのに時間はかかりませんでした。

    いい版面には基準のようなものがある。そして、それは法則化されている。ただし、欧文だけ。版面にも長い期間と経験の積み上げられた経験則。それがウイリアム・モリスの法則です。

    ただし、これは欧文用なので完全に応用できるかというと、和文は基本縦組みで、更に、等間隔の正方形の文字で組むということと、書記方向の違いなどがあり、完全にこれに則ってデザインすれば綺麗に組めるかと言う問題がありますが、大体の大枠として利用すればある程度読みやすさは生まれると思います。

    実際は製本方法によってはノドの余白をもっと取る場合もありますし、小型の文庫本なんかだと、厳密に守りすぎると逆に読みづらくなります。デザインによっては堂々と破られることも多いです、絶対に守るものではなく、飽くまでもおおよその基準だと思ってください。

    なお、この知識は独学なので勘違いや間違いがあるかもしれません。

    ■ウィリアム・モリスの法則
    詩人ウィリアム・モリスによって提唱された、ノドの余白を1として天を1.2倍、小口1.44倍、地を1.73倍取ると綺麗な版面になると欧文組版で言われている余白の比率です。余白の幅には決まりはありませんが、目的としては地を多めに取ることで、本文の印象を重たくさせなくして、更にあえてノドを狭くすることで、テキストのつながりを強化する意図もあるようです。
    ノド<天<小口<地 1 : 1.2 : 1.44 : 1.73


    ■縦組みの注意点&用語(画像に少し解説が書いてあります。クリックすると大きくなります)
    用語は最低限の事しか書いてありません。もっと知りたい方はDTP関連の専門書を読みましょう。









    実際の縦組み例)※手元にある本から勝手に引っ張ってるだけなので特別な意図は無いです
    イムノヴェルのアメリカ 大衆小説の文化史(山口 ヨシ子 彩流社, 2013







    ■横組みの注意点(画像にちょっと解説が書いてあります)





    実際の横組み例)Penguin classics deluxe Edition版
         Rashōmon and Seventeen Other Storiesより





    注:フォントファミリーとは?

    同じ文字の骨格から作られた、太さの違う書体のことです。いくらWordの太字を押したって、文字は太くなりませんのでご注意を。
     本気でデザインしたい人はフォントを購入しましょう。フォントは買うものです。なお、今ではフォントベンダーさんが一年契約のレンタルフォント(モリサワパスポート、フォントワークスLet'sなど)で何百単位の大量の書体を使えますので導入するのもよろしいかと(これならパソコンが壊れてもフォントが水の泡になることはない)。





    ■本文書体の選び方

    本文書体は、本文の量と、内容を意識して選びましょう。事務的な内容や、あくまで情報を伝えることが重要ならゴシック体を選ぶとか、詩だったら、細めの筆文字を選んだり、、文字モノだけど文章量が多いときは、小さくしても可読性の高いタイプの明朝体……etc. と作者の意図を感じられるものを選ぶのが最重要です。


    ※縦組みではベースラインが中央、横組みでは、英文と同じように文字の底辺になります

    参考画像 『タイポグラフィーの基本ルール』(大崎 善治 ソフトバンククリエイティブ, 2010)

    オールドスタイルは、游築五号かな、リュウミンオールドがな、本明朝新小がななど、いろいろあります。かな書体だけで、Indesignの合成フォント機能を使わないといけないものから、漢字書体込みで単体で使えるものまでいくつか種類があるので、書体見本などを見ながら手に入れましょう。同人誌作るときの本文書体は大体私はオールドスタイルを選びます。

    リュウミンやヒラギノあたりは、オールドスタイルとモダンスタイルの中間的な感じがします。使い勝手がいいのはこのラインでしょう。雑誌、商業出版などでもよく見受けられる本文書体。

    モダンなのは小塚明朝、平成明朝、MS明朝(これは組んだ印象がモダンっぽいが中間よりか?)あたり。まだ歴史が浅いので使い勝手がいまひとつなのが多い印象。ただ、これで組んじゃいけないわけではなくて、ポイント数が小さくても広めの行間とっておけば可読性上がるので、紙面のスペースがあまり取れないけど、情報を大量に入れたいときにはいいかも、後何十年もすればスタイリッシュな使い方もできてくるかも?



    参考画像:同人誌『書体の研究 Vol. 10』(ゆず屋, 2011)より

    印刷費も大昔より安くなりましたし、DTPもこれだけ同人界隈で広まっているんだから文字書きさんはギチギチに詰めるんじゃなく、適切な文字サイズ、字間で綺麗に本文を組む方向にシフトしてもいいんじゃないかな? って思いますけどね。

    というか、DTPが同人でも一般化してきたので、Photoshopとillustratorが同人誌デザインに影響を与えたように、これからは文章系同人でも下手したらブックデザイン、版面、フォントの知識が基礎教養になっていくのかもしれません。

    これで下手な文章も「あらびっくり」上手に……なるわけはないか。
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