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  • M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 5章 【 MSプラネット編】第4話『完』

    2014-04-22 00:00  
    四人は勢いのまま城内を飛び出し、城の周りに広がる宇宙空間に出た。
    魔王の話によれば、この空間のどこかに神とやらが存在しているようだ。
    しかしそれ以外の情報がない四人はひたすら走るしかなく、無限に広がる宇宙空間をさ迷っていた。
    「はぁはぁ……おい、俺ら何処に向かって走ってんだ? 最強にカッコよく飛び出したけど、目的地不明でどうすればいいのかわからないぞ……」
    「ぜぇぜぇ……こういう時はとりあえず走るに限るのさ……ヤバイ、ギターマジで重い……」
    ナオキとケンタの間抜けな会話を聞き、ダイスケはため息をつく。
    「ふぅ、とにかく一回止まってどうすればいいか話し合おうぜ」
     ダイスケの言葉を聞いた三人は、「待ってました!」というような表情で足を止める。
    上下に肩を動かし呼吸を整える四人。
    怪我をしたナオキを考慮して全速力で走るのは避けたものの、隠れラスボスの直前ということで緊張しているのか、無意識にペ
  • M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 5章 【 MSプラネット編】第3話

    2014-04-15 00:00  
    「フハハハッ!! どうした勇者達よ、そんな貧弱な攻撃では我の身体に傷一つ付ける事はできぬぞ!」
     強力な魔法、目にも留まらぬ速さの打撃。
     カイン達は渾身の攻撃を繰り出すが、それでも平然としている魔王に、少しづつ疲労とあせりの色を見せ始めていた。
    「ぐぬぬ、魔王め……。魔法がここまで効かぬとは……。やはり、以前ワシが戦った時よりも数段パワーアップしているようじゃ。……っ、これは厄介じゃのう」
     最後の方は自分に言い聞かせたのか、伝説の魔法使いが小さな声で呟いた。
     魔法攻撃はもちろん、打撃も効果がないと悟った相棒チームもとい真の勇者チームは、それでも打開策を見つけようと攻撃の手を止めなかった。
     
     一方、マコト達四人は勇者達が追い詰められている状況の中で、自分達が単なるモブだという事を自覚し、すっかりやる気を無くしていた。
     ドアの向こうに広がる光景を眺めつつ、マコト達は円陣になりあぐら
  • M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 5章 【 MSプラネット編】第2話

    2014-04-08 00:00  

    「いたたた……派手に突っ込んだのはいいけど、みんな無事か?」
    ダイスケがそう言って身体を起こす。
    思い思いに立ち上がった彼らの目に、とんでもない風景が飛び込んできた。
    見渡すかぎりの闇の中に、所々で光り輝く星々。
    先程まで嫌でも耳に流れ込んできた戦いの喧騒も聞こえてこない。
    たとえるならばプラネタリウムのように、静寂な世界が広がっていた。
    「ここが魔王城……というより、宇宙……ですか?」
     カインが戦々恐々とした面持ちで、誰ともなく問いかけた。
     その言葉を聞いたマコトは瞳を輝かせて叫ぶ。
    「すげー! ケンタ、俺達宇宙空間にいるぞ! 宇宙ヤバイ! ひゃっほー!」
    「この俺がとうとう宇宙に降臨するなんてな! 夢のようだぜ! うおおおお! 銀河のパワーが俺に宿る! 銀河メン!」
    宇宙好きなマコトとケンタは興奮している様子だ。
    ナオキといえばこの超展開についていけないのか、はたまた流れに身を任
  • M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 5章 【 MSプラネット編】第1話

    2014-04-01 00:00  

    「ここはどこだ……?」
    マコトは通ったばかりのポータルから一歩足を踏み入れた状態でそう言った。
    目の前に広がる景色は地獄のようで、赤い空に切り立った山々がそびえている。
    今にも魔物が出てきそうな雰囲気に少し身震いした。
    続いて出てきたカインが「あちゃー!」という顔をしたのをマコトは見逃さなかった。
    「……おいカイン、まさかここが魔王が居るって噂の『MSプラネット』じゃないだろうな?」
    「い、いえ……僕もMSプラネットに来た事はないので分かりませんが……。渡航者から聞いた他のプラネットの特徴に、ここは当てはまらないなと思ったんです」
    「じゃあやっぱり、ここが敵の本拠地のMSプラネットって事じゃないか! 明らかに魔王が居ますよって感じのフィールドだぞ!」
    「まぁ、おそらくここがMSプラネットでしょうね……まさか四分の一の確率を引いてしまうとは……まいりましたね!」
    「まいりましたね、じゃな